H22年度 入試分析 理科 洛南高附属中学校

2010.04.30 21:05|入試問題分析(理科)
今回はH22の洛南中の理科の入試問題です。
この中学校の理科の問題は物理の問題がややこしい問題を出題することが多いことで有名ですが,そのため他の問題での取りこぼしをしてはいけません!!今回は食塩水の濃度と体積についての化学の問題を解説致します。ではさっそく始めましょう!!

(問題)H22洛南中入試問題 理科 大問3番(4)
食塩水と水を合わせて100gになるように用意し,しっかりかき混ぜたのち,全体の体積をはかる実験を行いました。表はその結果で,それをグラフにすると図1のようになりました。
(4)次の文章は,食塩50g,水50gのとき,全体の体積が71.8cm3であることを使って,食塩1 cm3の重さをもとめたものです。(①)~(⑤)に適した数値を,四捨五入して小数第1位まで答えなさい。

水50gにとけている食塩は(①)gである。よって,とけ残った食塩は(②)gになる。ところで,このときできている食塩水の体積は(③) cm3なので,溶け残っている食塩の体積は(④) cm3になる。よって,(②)gと(④) cm3の値から食塩1cm3の重さは(⑤)gになる。
洛南理科3

(解説)表より水73.3gにとける食塩の最大量は26.7gであるので,食塩は26.7gまでとけることがわかっています。水50gにとける食塩の最大量は26.7g×50g/73.3g=18.21…g≒18.2gとなります。(①の答え)このとき溶け残った食塩の体積は50g-18.2g=31.8gとなります。(②の答え)このとき出来ている食塩水の重さは61.8gで,体積は,83.7cm3×68.2g/100g=57.08…cm3≒57.1cm3となります。(③の答え)溶け残っている食塩の体積は71.8cm3-57.1cm3=14.7cm3となります。(④の答え)したがって食塩1cm3あたりの重さは31.8g÷14.7cm3=2.16…g≒2.2gとなります。

このように整理していくと問題なしですね!!頑張れ受験生!!!
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H22年度入試問題分析(洛南高校附属中・算数)Part1

2010.04.28 01:16|入試問題分析(算数)
さて,それでは今日から洛南高校附属中(以下,「洛南」)の問題にいきましょう。

洛南の算数の近年の大きな特徴として「分量・処理量の多さ」が挙げられるでしょう。70分のテストで大問8問,小問30問(計算6問ふくむ)。2番までの問題(小問計11問)は比較的簡単ですが,それ以降は相当の思考力と処理能力を要求される問題がズラリと並びます。2番までを確実に拾い,残りの問題の時間配分をしっかりと考え,そこで半分弱をいかに確保するかが大事になってきます。思考力はもちろん,確実な計算力や問題の処理スピード,そして,問題を選別する判断のスピードが必須です。

まずは,今年の3番以降の問題で「これはとっておきたい」この問題から。

7番
1,1+2,1+2+3,1+2+3+4,1+2+3+4+5,……
のそれぞれの数を6で割った余りを並べると,
1,3,0,4,3,……
という数の列になります。この数の列について,次の問いに答えなさい。
(1) 22番目の数は何ですか。
(2) 1番目から22番目までの数をすべて足すといくらですか。
(3) 22番目の0は,全体の何番目の数ですか。
(4) 1番目から2010番目までの数をすべて足すといくらですか。


(4)に2010番目なんて出てきますので,どう考えても上の数列に何らかの規則性があるのは想像がつくと思います。
では,徹底的に調べてみましょう。
元の数の列は三角数になりますので,以下の通りです。
1,3,6,10,15,21,28,36,45,55,66,78,91,105,120,136,153,171,190,210,231,253,276,300,325,…
(10番目の三角数(55)ぐらいまでは覚えておきましょうね!)
これを6で割ったあまりは,
1,3,0,4,3,3,4,0,3,1,0,0,1,3,0,4,3,3,4,0,3,1,0,0,1,…
となり,「1,3,0,4,3,3,4,0,3,1,0,0」の12個のセットの繰り返しだとわかります。
となると,これはあとは単純な群数列の問題です。
ちなみに答えは,
(1)
22÷12=1...10 → 1
(2)
1セットの12個の和=22
22×1+(22-0-0)=44
(3)
1セットに0は4個
22÷4=5(セット)...2
12×5+8=68(番目)
(4)
2010÷12=167(セット)...6
22×167+(1+3+0+4+3+3)=3678

簡単は簡単なのですが,ある程度の量を書き出さないと規則性が見えないところにこの問題の厄介さがあります。しかし,グチャグチャ頭で考えて悩んでいる暇があれば,さっさと書いてしまった方が早いですね。
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理科 予備知識

2010.04.26 21:12|マメ知識集
クローン
同じ個体から取り出した細胞や核を用いて新たにつくった個体はそれぞれどれも同じ遺伝子を持っています。このような個体をクローンと言います。ふつうは,核を取り除いた卵細胞に体細胞の核を移植してつくります。すると核から提供した個体の体細胞がもつ遺伝子と全く同じ形の個体に成長するのです。
はじめは,植物で研究されましたが,現在では哺乳類のクローンもつくりだされています。最初はドリーと名付けられた羊のクローンでその後マウスやウシでもクローンが得られています。今ではウマの卵細胞を使って母親がウマで父親がロバのクローン(通称ラバ)のクローンをつくる事ができるまで技術が進歩しています。
この技術を応用して,マンモスを再生できるかもしれないという可能性も示されています。マンモスの体細胞の核が北極の氷の中などに完全冷凍保存状態で得られたとすると,現存するメスのゾウの核を取り除いた卵細胞にマンモスの体細胞の核を移植してこの卵をメスのゾウの子宮内で妊娠させることができれば,メスのゾウからマンモスの子が出産されることになります。
このようにクローン技術によって驚くべき可能性が夢ではなくなる日がくるかもしれません!!

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H22年度入試問題分析(四天王寺中・算数)Part2

2010.04.25 16:14|入試問題分析(算数)
さて,それでは今日は四天王寺中のこの問題。
4番
図のように,1辺の長さが15cmの正方形の中に半径5cmの4つの円があります。図のかげをつけた部分の面積の和は何平方センチメートルですか。ただし,円周率は3.14とします。

四天王寺算数4-1
この問題では,対称性等積移動をどう活かすかが大きなポイントです。
まず,この図を図1のように対角線で切ってみると,切られた4つの部分はかげの部分が同じ形になっていることがわかります。

図1
四天王寺算数4-2
あとはその1つ分の面積を,等積移動をうまく使って求められればいいわけです。
そこで図2のように補助線を引いてみると,どのように等積移動すればいいかが見えてきます(矢印のとおり)。

図2
四天王寺算数4-3

そうするとこの4つに切られたうちの1つのかげをつけた部分の面積は1辺5cmの正方形と,半径5cm,中心角45度のおうぎ形になりますので,全体のかげをつけた部分の面積はその4倍,つまり139.25平方センチメートルとなります。
対称性に気付いても,その後の有効な等積移動に気付くのが大変な問題ですね。

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H22年度 入試分析 理科 四天王寺中学校

2010.04.24 16:01|入試問題分析(理科)
今回も引き続き四天王寺中の問題です。
「ここは点を取らないと!!」という人体の問題です。
では,始めましょう!!

(問題)H22四天王寺大 問2番Ⅰ
四天理科2-2
(1) 答えは「消化」です。が,消化には食べ物をかむ,こなす,運ぶなどの物理的消化と,食べ物に含まれる栄養分を消火液中に含まれる消化酵素によって別の物質に変える化学的消化とがあります。しっかり覚えておきましょう!!
(2) 小腸内側のつくりと肺のつくりとの共通点は,「表面積を大きくする」点です。小腸の場合は栄養分の吸収効率を高める,肺の場合は酸素と二酸化炭素のガス交換効率を高める点で非常に都合のよいつくりとなっています。
ちなみに答えは①が「ひだ」②が「表面積」③が「気管」となります。

理科の基本は覚えること!!頑張れ受験生!!

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H22年度入試問題分析(四天王寺中・算数)Part1

2010.04.23 22:25|入試問題分析(算数)
それでは今回から算数も四天王寺中の問題に入りたいと思います。

まずは,パズル系の本で出てきそうなこの問題から。

2番①
「1」,「1」,「2」の3枚のカードがあります。この3枚のカードを裏向きにしてよく混ぜて,A,Bの2人が1枚ずつ選び,おたがいに自分のカードの番号は見ないで相手に見せます。
AはBのカードを見ても自分のカードの番号はわかりませんでしたが,「自分のカードの番号はわかりません。」というBの発言を聞いて,自分のカードの番号がわかりました。A,Bが選んだカードの番号を答えなさい。


まず,Aさんの立場に立って考えましょう。
もし,Bさんが見せたカードが「2」であれば,Aさんは自分のカードは「1」だとすぐにわかるはずです。それが,わからなかったのですから,Bさんのカードは「1」だったとわかります。
次に,Bさんも自分のカードがわからなかったのですから,Aさんの出したカードも「1」だとわかります。

先にパズル系うんぬんと書きましたが,以前に問題を取り上げた今年の神戸女学院も然り,近年の四天王寺も然り,女子中の算数で「その場での思考力」を問う問題が増えつつあります。もちろん,普段からそんな問題ばかりをやるわけにはいきませんが,普段から種々の問題で色々な考え方・解き方に触れることはとても重要です。日ごろの学習の中で,「答えが出たからこれでよし!」で終わってしまうのでなく,自分の解き方以外のもっときれいな解き方・鮮やかな解き方・楽な解き方が無いか,解説を読んで研究することがとても重要といえるでしょう。
あ,これは男子も同じことですよ!!

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H22年度 入試分析 理科 四天王寺中学校

2010.04.22 14:52|入試問題分析(理科)
今回は四天王寺中の入試問題です。
四天王寺中の理科の問題に関しては,問題の難易度が高いわけではありませんが,その分少しのミスでもしてしまうととても痛い!!
日ごろから,生物・物理・化学・地学の基本的な事項についてしっかりと頭の中に整理しておくことを心がけましょう!!
では,始めましょう!!

(問題) H22年 四天王寺中 理科 大問1
月の見え方について,次の問いに答えなさい。
四天理科1
(1)図1,図2は,月がどの方向にどのような形に見えたかを2つの方法で観察し,スケッチしたものです。それぞれどのような方法で観察した結果ですか。
1 ある日の正午から真夜中まで観察した。
2 ある日の日の入りから次の日の日の出まで観察した。
3 ある日の真夜中から次の日の正午まで観察した。
4 3日おきに日の出に観察した。
5 3日おきに正午に観察した。
6 3日おきに日の入りに観察した。
7 3日おきに真夜中に観察した。
(2)図2では月の見える方向は矢印ア,イのどちらに変化しますか。
(3)ある日,西の空に図3のような月が見えました。次に満月が見えるまでには,およそどれだけかかりますか。
1 1週間  2 2週間  3 3週間  4 4週間


(解説)
(1)図1は上弦の月の東→南→西の動きを表しています。上弦の月は東からのぼるのが12:00頃で南中が18:00頃で西にしずむのが0:00頃となります。したがって,答えは1となります。
 図2は3日おきに同じ時刻に月を観察したものを表しています。上弦の月の日に観察したら南中していることから観察した時刻は18:00頃だとわかります。したがって答えは6となります。

(2)月の南中時刻は1日で約50分遅くなっていきます。(約24時間50分で同じ方角にもどってくる。)毎日同じ時刻に月を観察すると,月の位置は東の方に変化していくように見えます。したがって答えはイとなります。

(3)図3の月は下弦の月です。下弦の月から満月までは約3週間かかります。答えは3となります。

月に関しては月の自転周期=公転周期=27.3日,月の満ち欠け周期=29.5日など覚えておかなければいけない
事は他にもあります。しっかり整理して覚えておくようにしましょう!!頑張れ受験生!!!

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H22年度入試問題分析(六甲中・算数)Part3

2010.04.21 15:28|入試問題分析(算数)
では,今回も六甲A日程の問題にいきましょう。

A日程9番
六甲A9-3
図のように4つのビルが等間隔で一直線上に建っており,ビルAはビルBの高さの2/3です。
太郎君がビルAの1階からエレベーターで上がっていくと,ビルAの高さの1/3の位置を通過したとき初めてビルDの頂上が見えました。さらに上がっていくと,ビルAの高さの8/9の位置を通過したとき初めてビルCの頂上が見えました。また,次郎君は,太郎君と同時にビルDの頂上からエレベーターで下り始め,頂上と1階の間を止まらず往復しました。ビルの幅は考えないものとして,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1) ビルCとビルDの高さの比を最も簡単な整数を用いて表しなさい。
(2) ビルDのエレベーターがビルAのエレベーターの1.2倍の速さで動くとき,太郎君がビルAの高さのどの位置に来たときに初めて次郎君の姿が見えますか。分数を用いて答えなさい。
(3) ビルDのエレベーターがビルAのエレベーターの2.4倍の速さで動くとき,太郎君がビルAの高さのどの位置に来たときに初めて次郎君の姿が見えますか。分数を用いて答えなさい。


この問題の(2)だけ解説しましょう。((1)は図を描いて相似を用いれば簡単ですし,(3)は(2)と少しだけ異なる点がありますが,基本の考え方は(2)とまったく同じです。ちなみに(1)の答えは1:3(4つのビルの高さの比は,A:B:C:D=9:6:4:12),(3)の答えは25/33です。)

(2),(3)は「影武者戦法」を使うと考えやすいです。
太郎君から次郎君の姿が見えるということは,ビルBの頂上越しの太郎君の視線を直線で図に描いたときに,その直線の先(ビルDとの交点)に次郎君が重なるということです。これは逆に言えば,次郎君の視線の先と太郎君が重なるということでもあります。この問題については,後者の方が図が描きやすいので(^o^;;(前者だと,ビルDの先まで延長して図を描く必要があります),こちらで考えてみましょう。
まずは,次郎君の視線の先(ビルA上)を,「次郎君の影武者(以下,かわいく「影ちゃん」と呼びましょう。)」として動かします。そうすると,この問題は,ビルAの中で動く太郎君と影ちゃんがビルAのどこで出会うのか,という問題に変わります。

図を描くとこうなります。
六甲A9-4
太郎君と次郎君が進んだ距離の比は,1:1.2=⑤:⑥
次郎君と影ちゃんが進んだ距離の比は,相似を使って2:1=⑥:③
なので,上の図のような長さの関係になります。
この⑤と③の差の②にあたる部分(図のイオの部分)が,問題文よりビルAの高さの1/3だとわかりますので,求める⑤はビルAの高さの2.5/3,つまり5/6とわかります。

この「影武者戦法」は複数の点の移動の問題などでよく使える手なのでしっかり身につけておきたいところです。

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H22年度 入試分析 理科 六甲中学校

2010.04.18 15:02|入試問題分析(理科)
H22 六甲中学校

今回も六甲中の入試問題の解説を行いたいと思います。
近年六甲中の理科は,生物の問題で「表を読み取りそれに基づいて計算をさせるパターンの問題」が多くなってきています。では,始めましょう!!

(問題)H22六甲中 大問5番
7月のある日の昼間,水深10mの湖の水を深さごとに取って,水の中の小さな生物を観察(観察1・2)しました。

観察1 深さごとに取った水から0.1mLずつ取って顕微鏡で観察し,生物の数を種類ごとに数えました。表1は,この観察で多数見られた生物の数を示しています。

表1:観察1で見られた主な生物
六甲理科5-1

観察2 深さごとに取った水4Lを,目が細いネットでこして,9mLの水に内容物を濃縮しました。その中に,生物の動きを止めて観察しやすくするための薬品1mLを入れました。全体の量が10mLとなった液をよくかきまぜて,その中から液を1mL取って,顕微鏡で観察し,生物の数を種類ごとに数えました。表2は,この観察で多数見られた生物の数を示しています。ただし,ここで観察された生物はすべてネットの目を通りぬけないものとします。

表2:観察2で見られた主な生物
六甲理科5-2

(1) 水深4mの水1L中のゾウミジンコの数を答えなさい。
(2) 水深6mの水の中にいるリョクソウ類の数は,同じ水の中にいるワムシの数の何倍だと考えられますか。

(解説)まずは表中の数字の意味をまとめましょう!!
表1は「水0.1mL中に含まれる生物数」を表し,表2は「水400mL中に含まれる生物数」を表しています。これがわかれば問題なし!!

(1) 水深4mにおいて,ゾウミジンコは水400mL中に220いるので,1000mL中には220×1000/400=550いることになります。
(2) 水深6mにおいて,水1000mL中リョクソウは45×1000/0.1=450000いて,ワムシは450×1000/400=1125います。したがって,450000÷1125=400倍となります。

観察の文章の意味さえわかれば問題なしですが,これが大変かも!!文章の読み取りの訓練を!!
頑張れ受験生!!!

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H22年度入試問題分析(六甲中・算数)Part2

2010.04.16 22:07|入試問題分析(算数)
今日は六甲のこの問題。

A日程7番(2)
20%の食塩水のいくらかをこぼしてしまったので,こぼした食塩水と同じ重さの水を加えたところ16%の食塩水になりました。加えた水の重さは食塩水の最初の重さの何倍ですか。


この問題に入る前に,まず以下のような問題を考えてみましょう。

問題
18%の食塩水が300g入れてある容器から,食塩水を100gだけ取り出し,その容器に100gの水を加えました。何%の食塩水ができますか。


上のいずれの問題も天びん法であっさりできるのですが,ここでは以下のような図を使って考えてみましょう。

六甲A7(2)

便宜上,食塩と水を分けてかいています。
この食塩水300gから100gを取り出して水を入れるということは,上図の点線で3等分したうちの1つ分を水に入れかえて,下図のようになったということです。

六甲A7(2)2

食塩水全体の量は変わっておらず,食塩の量だけが3分の2になるので,食塩水の濃度は3分の2倍,つまり,18×2/3=12(%)になりますね。

上の六甲の問題は,この問題の逆の発想です。
食塩水全体の量は元と同じで,濃度が16/20=4/5(倍)になっていますので,加えた水の量,つまり,こぼした食塩水の量は,最初の1-4/5=1/5(倍)です。ほら,あっさり。

「いや,そんなの,天びん法でできるんだからそれでいいじゃない!」という方。
次の問題を天びんでやるとちょっと大変ですよ?

問題
16%の食塩水が400g入れてある容器に次のような作業をします。
(作業) 食塩水を100gだけ取り出し,その容器に100gの水を入れよくかき混ぜる。
この食塩水の濃度が初めて3%以下になるのは,上の作業を何回行ったときですか。

(答えは6回)

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H22年度 入試分析 理科 六甲学院中学校

2010.04.15 21:27|入試問題分析(理科)
今回の理科は六甲学院中学校の入試問題を取り扱いたいと思います。
近年表やグラフの読み取りが複雑になりつつある,理科の入試問題としては注目すべき学校の一つです。
記述の問題も多いですので今回は今年の入試問題の一つである「二酸化炭素の性質」について紹介したいと思います。

(問題)大問1(7)
2009年9月に日本政府は,(6)の気体の排出量を,2020年までに1990年比で25%削減することを打ち出しました。なぜ,(6)の気体を削減するのが大切なのか,この気体の性質を考えて書きなさい

※ちなみに(6)の気体は二酸化炭素を表しています。
二酸化炭素は赤外線を吸収するため、地上からの熱が宇宙へと拡散することを防ぐ、いわゆる温室効果ガスとして働きます。 二酸化炭素の排出量は莫大であることから、地球温暖化の最大の原因とされます。2006年現在の大気中にはおよそ 381ppm(0.038%)ほどの濃度で二酸化炭素が含まれますが,極地の氷の分析から産業革命以前は、およそ 280ppm(0.028%)の濃度であったと推定されています。濃度増加の要因は、主に化石燃料(石油・石炭・天然ガス)の大量消費と考えられています。また、二酸化炭素そのものの海水中への溶存量が増えることによって海水が酸性となり、生態系に悪影響を与える海洋酸性化も心配されています。1997年には京都議定書によって二酸化炭素を含めた各国の温室効果ガス排出量の削減目標が示され、各国でその削減を努力することを締結しました。

以上が二酸化炭素の性質です。このような性質を知った上で問題に対する答えを簡単にまとめましょう!!
頑張れ受験生!!!!!

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H22年度入試問題分析(六甲中・算数)Part1

2010.04.14 16:26|入試問題分析(算数)
それでは,根強い人気を誇る,伝統ある難関校・六甲中学の入試問題にいきましょう。

六甲の算数は,A,B両日程問わず,一見してややこしい問題が多いので,図や表を使って,問題に書かれた条件を整理していく作業がとても大事です。例年大問7番以降は「式・計算」を書かされます(答えが間違っていても,「式・計算」の内容によっては部分点がもらえます)ので,その意味でも普段から「図や表を使って丁寧に整理しながら解く」作業がとても大事と言えます。
あと,しっかり意識してほしいのは時間配分。「簡単そうに見えて実はものすごく手間のかかる問題」や,逆に「ややこしそうに見えて実は簡単な問題」というのが間にちょこちょこ挟まります。そこの見極めが点数にとても大きく影響するといえるでしょう。

それでは,六甲らしい今年のこの問題から。

A日程3番
図1のような1辺の長さが12cmの立方体があり,点P,Q,R,S,Tはそれぞれ辺CD,CG,FG,EF,AE上の点です。次の(1),(2)の問いに答えなさい。

六甲A-3-2

(1) 図2は立方体の展開図です。①,②にあてはまる頂点を答えなさい。
(2) 点Aから点P,Q,R,S,Tをこの順に通って点Dにいたる経路の長さが最も短くなるようにしたとき,ETの長さは何cmですか。

(1)は「立方体の展開図の頂点打ち」,(2)は「相似」を使えば簡単な問題ではあります。(ちなみに答えは(1)① H ② A (2) 3cm)
この問題のどこが六甲らしいかですが,実は六甲ではこの立方体の展開図関連の問題が非常によく出てきます。ということで,立方体の展開図全11種類を載せておきます。「~型」の中の数字は,上の段から見た正方形の個数を表しています。

立方体展開図2

「イシイ(1-4-1)くんのひみつ(1-3-2),耳(3-3)ふふふ(2-2-2)」と覚えると覚えやすいですね。他の形に見える立方体の展開図も,すべてこれらを回転させたり,裏表をひっくり返したものです。

念のため断っておきますが,この立方体の展開図がらみの問題でも,過去にかなりの難問や,とても面倒な問題も相当出てますので,「11種類全部覚えてるから楽勝~♪」などと思い込まないように!

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H22 入試分析 理科 神戸女学院中等部

2010.04.11 17:03|入試問題分析(理科)
H22年度 神戸女学院中等部 理科

今回も神戸女学院の続きです。
面倒に見える問題も条件を的確に読み取ることによって,「なーんだ。こういうことか。」と思えるようになります。では,早速始めましょう!!

(問題)H22 大問7番(3)
ホウ酸5g,ミョウバン5g,食塩10gが混ざり合った粉があります。この混ざり合った粉10gを40℃の水20gにとかしたところ,とけずに残ったものがありました。これをろ過してかんそうさせたものを100%としたとき,ホウ酸,ミョウバン,食塩の割合はそれぞれ何%ですか。ただし,もののとけやすさは他にとけているもののえいきょうを受けないものとします。

(解説)
※前々回の解説で40℃水100gにとけるホウ酸,ミョウバン,食塩の最大量はそれぞれ順に8.9g,11.7g,38.3gであることがわかっています。

40℃の水20gにホウ酸は8.9g×20g/100g=1.78g ミョウバンは11.7g×20g/100g=2.34g 食塩は38.3g×20g/100g=7.66gまで溶けることがわかります。
混合粉末10g中にホウ酸:ミョウバン:食塩が5g:5g:10g=1:1:2の割合で含まれていることがわかるので,
混合粉末10g中にホウ酸は2.5g,ミョウバンは2.5g,食塩は5.0g含まれていることがわかります。
したがって,40℃の水20gに混合粉末を加えると,ホウ酸の溶け残りは2.5g-1.78g=0.72g,ミョウバンの溶け残りは2.5g-2.34g=0.16g,食塩の溶け残りは0gとなります。
溶け残りの合計は0.72g+0.16g=0.88gとなり,この中に含まれる

ホウ酸の割合は0.72g/0.88g×100=81.81…%≒81.8%
ミョウバンの割合は0.16g/0.88g×100=18.18…%≒18.2%
食塩の割合は0%であることがわかります。

一見難しく見えますが整理すると簡単ですよね。
でも文章を読み間違えた人も多いのでは…文章は最初から最後まで読みましょうね!!頑張れ受験生!!

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算数・数学 マメ知識No.7(金曜日が5回ある月)

2010.04.09 17:05|マメ知識集
今月のカレンダーを眺めながらこう考えた(「草枕」風ですね)。

「そうか。今月は金曜が5回あるんだな。」

ということで,こんな問題。

2010年1月1日は金曜日でした。2010年の12ヶ月で,金曜が5回ある月は何回あるでしょうか。

「えっと…1月は1日が金曜日だから5回で,2月は金曜日が4回で(うるう年以外,2月はすべての曜日が4回ずつですよね),3月は第一金曜日が5日だから4回で,…」とかやってると面倒ですよね。

ひと月の中で同じ曜日が4回ある月と,5回ある月があるのはおわかりですよね。

今年は平年ですので,1年は365日。

365÷7=52(週)…1(日)

なので,今年は金曜日から始まり金曜日で終わりますので,金曜日は52+1=53(回)あります。

ひと月に金曜日が4回ある月と5回ある月と合わせて12ヶ月で,金曜日が合計53回
…ということは,これ,ただのつるかめ算ですよね。

ということで,答えは(53-4×12)÷(5-4)=5(回)です。
(ちなみに,1月,4月,7月,10月,12月です。)
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H22 理科 入試分析 神戸女学院中等部

2010.04.08 18:34|入試問題分析(理科)
H22年度 神戸女学院中等部 理科 

今回は前回の続き!!今年の神戸女学院の理科は計算が大変面倒くさい問題が多かったという評判ですが,大問7の溶解度計算の問題の事を特に言っているのでしょう。
計算が面倒だといっても算数ほどの計算量はいりません。
ただ,文章量が多いので難しく感じる現象はよく起こります。
文章内容よしっかりとまとめる訓練をしましょう!!
では始めましょう!!

(問題) H22年度 大問7番(2)
80℃の水150gに120gのミョウバンをとかしたら,ミョウバンはビーカーの底にとけずに残っていました。うわずみ液80gを取り出して水20gを蒸発させた後,60℃まで冷やしました。さらにその時のうわずみ液10gを取り出して,40℃まで冷やしました。この液をろ過し,ろ紙上に残ったものをかんそうさせたものの重さは何gですか。


(解説)
※前回の問題から,水100gにとけるミョウバンの最大量60℃で24.8g,40℃で11.7gであることがわかっています。

80℃の段階→ミョウバン水は飽和している。
60℃の段階→ミョウバン水は飽和している。
40℃の段階→ミョウバン水は飽和している。
したがって,60℃の飽和ミョウバン水10gを40℃に冷やすと何gの溶け残りが生じるかを答えれば良いことになります。よって10g×(24.8g-11.7g)/(100g+24.8g)=1.0496…g≒1.0gとなります。


一見面倒な作業の問題かに見えますが,各温度の段階で水溶液が飽和しているかどうかさえ確認すればできる問題ですね。
本番でこのようなややこしく見える問題が出題されてもあせらないよう日々色々な出題パターンの問題を解くようにしましょう!!!頑張れ受験生!!

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算数・数学 マメ知識No.6(倍数判定法)

2010.04.07 22:23|マメ知識集
倍数判定法というのがありますね。
2の倍数→1の位が0か2の倍数
3の倍数→各位の和が3の倍数…

とかいう例のやつです。
今日はちょっと変わったところで,999の倍数判定法というのを見てみましょう。

灘中学 平成15年 第1日 7番
6けたの整数5ABC15が999の倍数となるとき,3けたの整数ABCは□である。


この問題,ゴリゴリと虫食い算でやっても,そんなに苦労せずに解けますが,999の倍数判定法を知っていればあっさりと答えが「844」と出せちゃいます。
999の倍数判定法は次のようになります。
「下の位から3桁ごとに区切ってそれらの和を求め,その和が999の倍数」

例えば6桁の整数「アイウエオカ」で考えてみましょう。これでアイウ+エオカが999の倍数になれば,アイウエオカが999の倍数になることを示します。
アイウエオカは3桁の整数アイウの1000倍にエオカを足したものですので,以下のように表せます。

アイウエオカ
=1000×アイウ+エオカ
=(999+1)×アイウ+エオカ
999×アイウアイウ+エオカ

999×アイウは明らかに999の倍数なので,残りの(アイウ+エオカ)の部分が999の倍数になれば,元の整数アイウエオカ自体が999の倍数となりますね?

ということは,この問題,5AB+C15が999の倍数になればいいのです。
2つの3桁の整数の和が999×2=1998になるのは,999+999しか考えられませんから,この問題の場合はありえないですね。
つまり,5AB+C15=999となるので,A=8,B=4,C=4で,ABC=844です。

これの応用で,9,99,9999…の倍数判定法,11,101,1001…の倍数判定法なども考えてみましょう!
それができればこれも楽勝!

灘中学 平成14年 第1日 2番
6けたの整数123ABCが7でも11でも13でも割り切れるとき,下3けたの整数ABCは□である。
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H22年度 入試分析 理科 神戸女学院中等部

2010.04.06 15:22|入試問題分析(理科)
H22年度 神戸女学院中等部 理科 

今回は神戸女学院中の入試問題の解説を行います。
女の子が全体的に苦手意識の強い溶解度計算の問題です。
少々面倒くさい数字を取り扱わなければならない問題ですが,そのような問題こそ,実験内容をしっかりと簡単にまとめる作業をしなくてはなりません。そのような作業を行う習慣さえつければ,必ず正解に辿り着けるはずです。
では,始めましょう!!

(問題)H22年度 大問7番
答えの数字が割り切れない場合には,四捨五入により小数第1位まで答えなさい。
[Ⅰ]ホウ酸,ミョウバン,食塩水を水にとかす実験をしました。下の表は,それぞれの温度でホウ酸,ミョウバン,食塩水が水100gにとける重さを表しています。

神女理科表

実験ア~エを参考にして,上の表の(1)~(4)にあてはまる数字を答えなさい。
(実験ア) 20℃の水10gに1.5gのミョウバンをとかしたところ,ミョウバンはビーカーの底にとけずに残りました。うわずみ液を取り出して調べると,そのこさは5.57%でした。
(実験イ) ホウ酸15gに80℃の水50gを加えた後ろ過し,ろ紙の上に残ったものをかんそうさせてその重さを調べたところ,3.2gでした。
(実験ウ) 60℃の水20gに10gの食塩をとかしたところ,食塩はビーカーの底にとけずに残っていました。うわずみ液20gを取り出して水を完全に蒸発させたところ,5.62gの食塩が残っていました。
(実験エ) ホウ酸1.78gを完全にとかすには40℃の水20gが必要でした。

(解説)
 ・実験アより(3)の答えがわかります。
  20℃の飽和ミョウバン水の濃さは5.57%なので,(3)g=100g×5.57/94.43=5.89…g≒5.9g
 ・実験イより(2)の答えがわかります。
  80℃の水50gにホウ酸が15g-3.2g=11.8gまでとけるので,(2)g=11.8g×100g/50g=23.6gまでとけます。
 ・実験ウより(4)の答えがわかります。
  60℃の上澄み液20gは飽和食塩水となおり,その中に食塩が5.62gとけているので(4)g=5.62g×100g/14.38g=39.08…g≒39.1g
 ・実験エより(3)の答えがわかります。
  40℃の水20gにホウ酸は1.78gまでとけるので(1)g=1.78g×100g/20g=8.9g

この難易度の問題は難しい訳ではありませんが,問題の読み間違いや思い込みが命取りになっちゃいます。
問題はすみからすみまで読むように気をつけましょう!!

と,偉そうに言いながら,僕も問題の読み間違いはよくしてしまいます(汗)
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算数・数学 マメ知識No.5(重複組み合わせ)

2010.04.05 21:20|マメ知識集
今回のマメ知識のテーマは「重複組み合わせ」です。

例えば,次のような問題。

赤,青,黄3色のボールを組み合わせて全部で6個にしたいと思います。
3色の個数の組み合わせは何通りありますか。
ただし,使わないボールがあってもよいものとします。


これを,「赤が6個の場合」,「5個の場合」,「4個の場合」…とかで場合分けしていくと大変なことになりますね。そこでこう考えてみましょう。

ボールを入れる箱を6個用意します。
□□□□□□

そして,次にしきりを,ボールの種類より1個少ない2個用意します。
||

この6個の箱の間に2個の仕切りを立て,左側の仕切りより左の箱に「赤」,2つの仕切りの間の箱に「青」,右側の仕切りより右の箱に「黄」を入れることに決めます。

つまり,例えば,
□□|□|□□□
の場合,
赤赤|青|黄黄黄
となり,

|□|□□□□□
の場合は,
|青|黄黄黄黄黄
と,なります(左側の仕切りより左の箱が無い場合,赤は0個になります)。

つまり,この問題は「6個の箱と2個の仕切りの並べ方は何通りありますか」と同じ問題になりますので,答えは8C228(通り)となります。

では,仕上げ。

赤,青,黄,白4色のボールを組み合わせて全部で7個にしたいと思います。
4色の個数の組み合わせは何通りありますか。
ただし,使わないボールがあってもよいものとします。


「7個の箱と3個の仕切りの並べ方は何通りありますか」と同じ問題になるので,答えは10C3120(通り)となりますね?
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理科 予備知識 №12

2010.04.04 19:45|マメ知識集
オゾン
うすい青色で,特有のなまぐさい臭いのある気体である。
ふつうの空気中に含まれる量はわずか(0.0000005%)であるが,日差しの強い海岸や森林ではやや多くなる。空気より約1.7倍重く,飲料水の殺菌や繊維の漂白などに用いられます。

地表付近のオゾンは,光化学スモッグの原因となり大気汚染を引き起こす原因の一つとなりますが,地表約20㎞のオゾン層は,生命にとって害のある紫外線が降り注ぐのを和らげるはたらきがあります。

オゾンは酸素原子が3つ集まって1つの分子を構成しています。

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H22年度入試問題分析(神戸女学院中・算数)Part3

2010.04.03 21:39|入試問題分析(算数)
今日は神女のこの問題。

5番
点P,点Qは1辺10cmの正方形ABCDの辺上を移動します。頂点Aを同時に出発して,Pは毎秒4cmで,Qは毎秒1cmでそれぞれ矢印の向きに移動します。Qが頂点Aに戻るまでの時間内で次の(1)(2)を考えます。
(1) 三角形APQの面積が最も大きくなるのは出発してから何秒後ですか。すべての場合を求めなさい。
(2) 直線PQが正方形ABCDの面積を二等分するのは出発してから何秒後ですか。すべての場合を求めなさい。


神女2010-5

この「すべての場合を求めなさい」という設問も神女でよく出てきます。

さて,以前から試験における時間配分の大切さについて話してきましたが,この問題,(1)よりも(2)の方が断然簡単なのはお分かりでしょうか?

まずは(1)。
「正方形内で3点をとって三角形の面積が最大になるのは,三角形のうち1辺が正方形の1辺と同じになり,もう1点がその辺の対辺上(両端含む)にある場合(このとき,面積は正方形の半分)」なので,点Pが正方形の頂点と重なる2.5秒刻みで図を描いて一つ一つ確認しなければなりません(点Qが正方形の頂点に来るときは,必ず点Pも正方形の頂点に来ているのでこれは別途調べる必要なし)。40秒後は3点が1点で重なるから考慮から省き,動きの対照性(□秒後の図と(40-□)秒後の図では,対角線ACを軸として線対称になりますね)を利用するにしても全部で8パターン。ちょっと面倒ですよね(ちなみに答えは,12.5秒後27.5秒後です)。

ついで(2)。
1直線で長方形・正方形の面積を二等分するには,その直線を,長方形・正方形の対角線の交点を通るように引けばよいというのは基本ですね。ですので,これは点Pと点Qがその対角線の交点に関して点対称の位置にくればよい,つまり正方形の周上ではかった両点間の距離が20cmとなればよいわけです。あとは点Qの20cm先を点Qと同じ速さで進む影武者の存在を考えればあとは単なる「N回目の出会い」の問題です(ちなみに,答えは4秒後,12秒後,20秒後,28秒後,36秒後)。

問題文は試験開始の時点で必ず全体に目を通すべきですね。この問題なら,(2)に先に手をつけて(1)は後回しにすべきでしょう。

ふぅ…。

さぁ,次からはまた違う学校の入試問題にいきましょうか!

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理科 予備知識 №11

2010.04.02 21:29|マメ知識集
太陽風
太陽の表面から風が吹き出しているという考えは,かなり以前より出されていました。が,そのことを確かめることはできませんでした。ところが,1962年に打ち上げられたアメリカの金星ロケットのマリナ-2号はその飛行中に積んでいた計器によってその物質の流れを観測し,太陽風の存在を実証しました。

マリナ-2号の観測によらないまでも,例えば彗星が太陽に近づくにつれて,その尾が太陽と逆の方向に流されることがわかっているが,この現象は,太陽からまわりに向けて一種の風が吹いていると考えるとうまく説明できます。
またコロナの写真を見ると太陽表面から出ているコロナはあたかも太陽からの風に乗っているようにして,周りに広がっているようです。

太陽風の実態は電離した水素ガスである。そして,マリナ-2号などの観測の結果,地球付近では流れの速さが毎秒300㎞~800㎞,密度が1立方センチメートルあたり,1~10個で弱い磁場を伴っていることもわかります。

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H22年度入試問題分析(神戸女学院中・算数)Part2

2010.04.01 19:51|入試問題分析(算数)
今年の神女の算数で,おそらくほとんどの受験生が「ややこしいっ!」と感じたであろう問題がこれ。

6番
1辺1cmの立方体を重ねて図のような1辺5cmの立方体を作りました。次に図の斜線をつけた部分を反対の面までまっすぐくりぬきます。ただし,くりぬいても立体はくずれないものとします。
(1) くりぬいた後の立体の体積を求めなさい。
(2) くりぬいた後の立体の表面積を求めなさい。


神女2010-6


(1)は基本問題ですね。「必殺!スライス戦法」です。上から1cmずつ(1段ずつ)スライス(薄切り)して,段ごとの体積の総和を求めればよいわけです。これはできなきゃ困りますよ?(ちなみに答えは98立方センチメートル)

問題は(2)です。
「直方体・立方体を組み合わせた立体の体積・表面積」といえば,神女の定番とも言える問題ですが,このようになると話は違ってきます。一度この手の問題に触れていれば対処できますが(それでも「ややこしい」ことに変わりはないですが…),初見では相当厳しい問題です。
これも結局は1段ごとの直方体(といっても穴開き,というか,つながっていない…)にバラして考え,それぞれの直方体の表面積の総和を求め,段と段の間で接している部分の面積の2倍(上の直方体分と下の直方体分)を引けばよいのです。これは入試では後回しにする方が得策だったでしょう(ちなみに,こちらの答えは232平方センチメートル)。

これに比べれば他の「ややこし問題」が楽にも見えてきますが,やはり,今年の神女の「ややこし問題」(正確には,「手間がかかる問題」)はまだ続くのであります…。

あ,そうそう。明日は,神戸女学院中頻出論点解析II「神女の食塩水」があります。若干定員に空きがございますので,当日朝でも興味を持たれた方は是非。

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