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東大寺学園中算数(H23年度入試問題分析)

2011.02.28 21:02|入試問題分析(算数)
それでは,今回は今年の東大寺学園中学の算数の問題にいきましょう。

3番(3)
下の図のように,正八角形の2つの頂点A,Cを結んでできる直線の上に点Bをとり,
AB:BC=1:2とします。
(⑧の部分の面積)+(⑨の部分の面積)+(⑩の部分の面積)=24cm^2のとき,
斜線部分の面積は,□cm^2です。

2011東大寺3-2
実はこの問題では,小問(1)で,下の図のような図形で①,②の部分の面積がわかっているときに,斜線部分の面積の合計を求める問題が出ています。
2011東大寺3-1
①と②の面積の合計が,この正方形の面積の1/2×1/3=1/6になるわけですね。
これをヒントに(3)を考えてみましょう。

下図のように⑧,⑨,⑩と合同な三角形に同じ番号を振り,
それ以外の合同な2つの三角形に⑪という番号を振ります。
2011東大寺3-2-2
すると,
⑧+⑨=⑩+⑪=正八角形の面積×1/4
となり,
⑩:⑪=<1>:<2>
です。
よって,
⑧+⑨+⑩=<4>=24cm^2
となるので,
⑩=<1>=6cm^2ですね。

次回も東大寺の問題を見ましょう。
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H23 入試分析 理科 四天王寺中

2011.02.28 17:46|入試問題分析(理科)
今回はH23年度の四天王寺中の理科の入試問題です。
では早速始めましょう!!

[問題]H23四天王寺中 大問2番 (5)

右の図1の円の中心に台風の中心があり,台風が動いていないときは,中心から東西に30kmずつ離れた2つの地点では南または北向きに「風速25km」の同じ強さの風が逆向きに吹くものとします。いま,この台風の中心が,東西に60km離れた地点アとイの中間点を図2のように真北に時速36kmの速さで通過するとき,地点アとイではそれぞれ「南北どちらの向きに,風速何mの風」が吹くと考えられますか。ただし,風の強さは「1秒間に空気が何m移動するか」であらわし,「風速何mの風」のように表現します。また,実際には台風の中心付近では,前問(3)の①で選んだような風が吹くので,地点アとイでの風の向きは南北の方向から少しずれて吹きますが,計算しやすいように南北の向きに風が吹くものとして考えます。


yonntenn.jpg


[解説] 実際の台風の周りには下の図1のように風が反時計回りに中心に向かって吹きこみます。この事から,問題の図1の台風の中心から東30kmの地点には北向きに風速25mの風が,台風の中心から西30kmの地点には南向きに風速25mの風が吹いているということになります。台風の中心に向かって吹きこんでくる風に加えて,台風の中心が移動する(移動速度は10m毎秒)ことを考えると,図2のアでは南に風速25m+北に風速10m→南に風速15m,イでは北に風速25m+北に風速10m→北に風速35m

台風の進行方向に対して真上からみて右側は風を強め合うので風が強くなります。
また逆に左側は打ち消し合うので風が弱くなります。(知っておくべき知識ですね!!)

頑張れ受験生達!!(^◇^)
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H23 入試分析 理科 神戸女学院中

2011.02.27 19:04|入試問題分析(理科)
今回はH23年度神戸女学院中の入試問題です。
神戸女学院らしい化学の問題です!!(^◇^)

では早速始めましょう!!

[問題]H23年度 神戸女学院中 理科 大問5番
Ⅱ ある濃さの塩酸,水酸化ナトリウム水よう液を使って,アルミニウムはくをとかす実験を行いました。実験では,下の表の①~⑦にあるように,塩酸と水酸化ナトリウム水よう液を混ぜ合わせ,さらにBTB液を加えて色の変化を確認しました。その後,①~⑦の全てに同じ重さのアルミニウムはくを加えて,発生した気体の体積を集めました。最後に残ったアルミニウムはくをろ過によって取り出してよくかわかし,その重さをはかりました。次の問いに答えなさい。ただし,加えたBTB液は,塩酸,水酸化ナトリウム,アルミニウムはくの反応に関係しないものとします。


無題


(1) (ア),(イ)にあてはまる色を答えなさい。
(2) 実験に使用したアルミニウムはくは何gですか。
(3) 空らん(ウ),(エ),(オ),(カ)にあてはまる数字を答えなさい。割り切れないときは,四捨五入により整数で答えなさい。
(4) 空らん(キ)にあてはまる値はどのようになりますか。次のA~Dから選んで記号で答えなさい。
 A (2)で答えた値より大きい  B (2)で答えた値より小さい
 C (2)で答えた値と同じ    D 0
(5) 上の実験と同じ濃さの塩酸200cm3と水酸化ナトリウム水よう液1200 cm3を混ぜ合わせました。さらに5gのアルミニウムはくを加えて,気体を発生させました。このとき,残ったアルミニウムはくは何gですか。

[解説] 実験④のBTB液の色が緑色なので,中性であることから塩酸100 cm3+水酸化ナトリウム水溶液450 cm3で完全中和です。まずはここに着目するべきですね!!

(1) 実験①,②,③は塩酸がそれぞれ100 cm3,200/3 cm3,100/3 cm3過剰なので酸性を示します。したがって (ア)は黄色となります。…答え
実験⑤,⑥,⑦は水酸化ナトリウム水溶液がそれぞれ150 cm3,300 cm3,450 cm3過剰なのでアルカリ性を示します。したがって(イ)は青色となります。…答え

(2) 実験④の塩酸と水酸化ナトリウム水よう液を混ぜた液は完全中和の反応ですので,アルミニウムを加えても全く溶けません。したがって表の結果から残ったアルミニウムの重さが2gですので,実験に用いたアルミニウムはくの重さは2gとなります。…答え

(3)  (ウ) 実験③より塩酸が100/3 cm3過剰な場合,水素は375 cm3発生する事がわかるので,実験①の場合は塩酸が100 cm3がアルミニウムを溶かすことになるので375 cm3×(100÷100/3)=1125 cm3…答え

 (エ) 実験④は完全中和なので,水素は全く発生しません。答えは0 cm3
 (オ)  実験⑤より水酸化ナトリウム150cm3はアルミニウムを2g-1.19g=0.81g溶かし水素を1125 cm3発生させる事がわかります。実験⑦の場合水酸化ナトリウム水溶液は450 cm3が過剰なのでアルミニウム2gは全て溶けてしまいます。したがって水素の発生量は1125cm3×2g/0.81g=2777.77…≒2778 cm3答え
 (カ) (オ)の解説より0g…答え

(4) (3)よりアルミニウム2gが全て溶けると2778cm3の水素が発生するので実験③の水素の発生量375 cm3からアルミニウムは全て溶けているわけではないが,一部溶けていることがわかります。したがって答えはB

(5) 塩酸200 cm3+水酸化ナトリウム水溶液1200cm3の液は水酸化ナトリウム水溶液が300 cm3過剰となります。また,水酸化ナトリウム水溶液150 cm3+アルミニウム0.81g→水素1125cm3がちょうどの式なので,アルミニウムは0.81g×300 cm3/150 cm3=1.62gは溶けます。したがって残ったアルミニウムの重さは5g-1.62g=3.38g…答え

まず,どこに着目するかが大切ですね!!
頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 西大和学園中学校

2011.02.26 17:40|入試問題分析(理科)
今回は西大和学園中の理科の問題です。
傾向は例年通り大問で4題であり,難易度も例年通りでした!!

では早速始めましょう!!

[問題]H23 西大和学園中 理科大問 4番
重さの異なるスチールウールをピンセットで持ちながらガスバーナで加熱し燃焼させると,[表2]のような結果になりました。

(5) 実験⑥~⑩の中で,スチールウールが十分燃焼できていない実験が1つあります。その実験を1つ選び,番号で答えなさい。

(8) 0.75gのスチールウールを十分燃焼させたとき,スチールウールに結びついた酸素は何gですか。割り切れない場合は四捨五入して,小数第二位まで答えなさい。

(9) 1Lの酸素の重さはある温度で1.43gです。(8)の燃焼のとき,使われた酸素はその温度で何cm3ですか。ただし,割り切れない場合は四捨五入して,整数値で答えなさい。

(10) 空気を(9)と同じ温度で5L用意しました。ある質量のスチールウールをその中で十分に燃焼させると2.4gになりました。燃焼後の空気の重さは何gですか。ただし,空気は窒素と酸素とからなり,その体積比は4:1とします。また,1Lの窒素の重さはその温度で1.25gです。割り切れない場合は四捨五入して,小数第二位まで答えなさい。


西大和 表②


[解説]スチールウール(鉄)を燃焼させると酸化鉄となります。
(5) 実験⑥⑧⑨⑩については,スチールウールの重さ:燃焼後の物質の重さ=5:7となります。ところが,実験⑦については,スチールウールの重さ:燃焼後の物質の重さ=3:4となっています。これは実験⑦についてはスチールウールの一部が燃焼せず鉄のまま残っていたからと考えられます。ですので答えは⑦

(8) 表より鉄5g+酸素2g→酸化鉄7gとなります。
したがって,0.75gの鉄が全て燃焼したときに結びつく酸素の重さは0.75g×2g/5g=0.30gとなります。…答え

(9) 酸素1L→1.43gなので,0.30gの酸素の体積は1000cm3×0.3g/1.43g=209.7…cm3≒210 cm3…となります。…答え

(10) できた酸化鉄2.4g中には酸素が2.4g×2g/7g=4.8/7g含まれています。
これは空気5L中に含まれていた1Lの酸素(重さにして1.43g)中から結びついた酸素です。したがって,燃焼後の空気の重さは鉄と反応せずに残った酸素と空気5L中に含まれていた窒素4Lのみですので,1.25g×4L/1L+(1.43g-4.8/7g)=5.744…g≒5.74gとなります。…答え

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H23 入試分析 理科  東大寺学園中学校

2011.02.25 13:05|入試問題分析(理科)
今回は東大寺学園中の入試問題です。

化学の問題です!!(^◇^)では早速始めましょう!!

[問題] H23東大寺学園中 理科 大問3番
家庭にある重そう(炭酸水素ナトリウム)を用いて,二酸化炭素を発生させることができます。そこで,試験管に重そうを入れ,図のように加熱しました。

①8.4gの重そうを加熱して完全に反応させたところ,1.2Lの二酸化炭素が発生して,試験管の口あたりに0.9gの液体ができ,5.3gの固体物質が残っていました。次に,同じように8.4gの重そうを加熱しましたが,気体が0.6L生じたところで加熱を止めると,気体の発生も止まりました。試験管の中に残った重そうと固体物質すべての重さは何gですか。なお,記号Lはリットルを表しています。

②重そうを用いて二酸化炭素をつくるには,加熱をせずに別の薬品を加える方法があります。このときに加える薬品の例を1つあげて,その名前を書きなさい。


toudaiji.png
[解説]問題の文章を反応式に直すことから始めましょう!!

①重そう8.4g→二酸化炭素1.2L+水0.9g+炭酸ナトリウム(文中の固体物質)5.3gとなります。二酸化炭素が0.6L発生した段階では,炭酸ナトリウムは5.3g×0.6L/1.2L=2.65gと未反応の炭酸水素ナトリウムが8.4g-(8.4g×0.6L/1.2L)=4.2gとが残ります。したがって,4.2g+2.65g=6.85gの固体が残る事になります。…答え

②塩酸と重そうの中和反応においても,二酸化炭素が発生します。…答え
 ちなみに反応式は塩酸+炭酸水素ナトリウム→二酸化炭素+水+塩化ナトリウムとなります。(覚えておいた方が良いです!!)

頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 大阪星光学院中学校

2011.02.24 10:33|入試問題分析(理科)
今回も前回の問題の続きです。
では早速始めましょう!!

[問題]H23 大阪星光学院中 理科 大問4番の問4・問5
[B]次に,図2の状態にある装置を用意し,ふたを開けて試験管に60℃の水30cm3を入れ,すばやくふたを閉めたところ,ガラス管内の水面が移動しはじめ,しばらくしてガラス管内の水面は2.4cm3ぶんだけ変化し,図3の状態になって止まりました。このとき容器内には氷と水が残っていました。

問4  図3の状態から,試験管内の水に硝酸アンモニウムという物質を3gとかしたところ,ガラス管内の水面が変化して0.3cm3ぶんだけ上がりました。このことから,硝酸アンモニウムはどんなものに使われていると考えられますか。次のア~カから1つ選び記号で答えなさい。
ア.水の温度を上げるので,駅弁などを温める発熱体に使われる。
イ.水によくとけるので,冬の凍結防止に使われる。
ウ.水をよく吸い込むので,押入れの乾燥に使われる。
エ.水の温度を下げるので,スポーツ用の瞬間冷却パックに使われる。
オ.水とよくなじむので,運動場の土ぼこり防止に使われる。
カ.水をはやく蒸発させるので,速乾シャツに使われる。

問5 図3の状態から,硝酸アンモニウムのかわりに水酸化ナトリウムを3gとかしたところ,ガラス管内の水面が変化し水面は1.0cm3ぶんだけ下がりました。このことから,30℃の水30cm3に水酸化ナトリウム3gとかすと,水の温度は何℃になると考えられますか。ただし,答えが割り切れない場合は小数第2位を四捨五入し,小数第1位まで求めなさい。


星光3


[解説] 硝酸アンモニウムは水に解けると熱を吸収するため,水温が下がります。この性質を利用して硝酸アンモニウムは氷枕などの寒剤などとして用いられています。

問4 硝酸アンモニウムの性質を利用している記述はエのみとなります。…答え

問5 前回の実験で30℃の水30cm3は容器内の氷を溶かして液面を1.2 cm3下げることがわかりました。
また今回の問題文から,60℃の水30cm3は容器内の氷を溶かして液面を2.4 cm3下げることから,水の量が一定ならば,液面の下がる長さは液温に比例する事がわかります。試験管内の30cm3の水に水酸化ナトリウム3gを溶かすことによって液面が1.0 cm3ぶんだけ下がったことから水酸化ナトリウム3gを30℃の水にとかすと液温が30℃+30℃×1.0/1.2=55℃になるということがわかります。…答え
※水酸化ナトリウムは水にとけると液温が上昇します!!(これは絶対覚えておきましょう。)

頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 大阪星光学院中学校

2011.02.22 10:42|入試問題分析(理科)
今回は前回問題の続きです。
水は固体(氷)になると体積が増えるという特殊な性質をもつ物質であるという事が前回の問題からわかっています。
では早速始めましょう!!(^◇^)

[問題]H23 大阪星光学院中 理科 大問4番の問2・問3
この氷と水の性質を利用して,次のような実験を行いました。

断熱材でおおわれた容器に水と氷を入れ,空の試験管とふた,そして0.1cm3ごとに目盛りのついた細いガラス管を取り付けて,図2のような装置を組み立てました。容器の中は氷と水だけで満たされていて,ガラス管の上部以外は完全に密閉されています。このため,容器内の氷と水の体積が変化するときには,ガラス管内の液面が上下する様子として観察することができます。このとき,次の問2~問5に答えなさい。

星光2


[A]図2の状態にある装置を用意し,ふたを開けて試験管に30℃の水30 cm3を入れすばやくふたを閉めたところ,ガラス管内の水面ははじめの位置から1.2 cm3ぶんだけ変化したところで止まりました。このとき容器内には氷と水が残っていました。このとき容器内には氷と水が残っていました。

問2 この変化について正しく説明しているものを次のア~カから1つ選び,記号で答えなさい。
ア. 容器内の温度が上がったことで,氷と水が膨張し,液面が上がった。
イ. 容器内の温度が上がったことで,氷がとけて液面が上がった。
ウ. 容器内の温度が上がったことで,氷がとけて液面が下がった。
エ. 容器内の温度は変わらず,氷がとけて液面が上がった。
オ. 容器内の温度は変わらず,氷がとけて液面が下がった。
カ. 容器内の温度は変わらず,氷が増えて液面が下がった。

問3 このとき氷の量は何g変化しましたか。変化した量を計算し,「何g増えた」または「何g減った」のように答えなさい。ただし,割り切れない場合は小数第2位を四捨五入し,小数第1位まで答えなさい。


[解説] 前回の問題から氷0.9g→1cm3 水1g→1cm3である事がわかっています。

問2 試験管に30℃の水30 cm3を入れる事によって,容器内の氷水中に熱が与えられます。そして容器内の氷の一部が溶かされることによって,液体の水になったときに体積が収縮します。その分だけ液面が下がったと考えるわけです。

この場合,試験管内の水から与えられた熱は全て氷を溶かすのに使われたといえます。なぜなら,問題文中に「容器内には氷と水が残っていました。」と書かれてあります。だから水温は変化せず0℃のままです。
したがって答えはオ

問3 氷0.9g→1cm3なので言いかえると氷1g→1/0.9 cm3となります。水1g→1 cm3なので1gの氷が全て水になると,体積は1/0.9 cm3-1 cm3=1/9cm3収縮することになりますので,この実験では1.2cm3分液面が下がったことから1.2 cm3÷1/9cm3=10.8gの氷が溶けたことがわかります。したがって「10.8g減った」…答え

次回もしつこくこの問題の続きです。頑張れ受験生達!!(^◇^)

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大阪星光学院中算数(H23年度入試問題分析)

2011.02.21 20:55|入試問題分析(算数)
さて,今回は今年の大阪星光学院中の問題にいきましょう。

今年の星光の算数は昨年とくらべてだいぶマイルドでしたね(というか,昨年がハード過ぎましたね…。)。
例年のレベルに戻ったと言っていいでしょう。
3科・4科選択になり,まだ難易度レベルの変動はあるかも知れませんが,
恐らく昨年レベルに戻ることは無いでしょう。
応用レベルの典型題を確実にものにし,
また時間配分をしっかり意識して取り組めば合格点は充分狙えるはずです。
算数の合格者平均が7割5分もあることを考えると,ミスは致命傷です(どこの学校でも同じことですが)。
確実な処理能力を身につけましょう。

3番
下の図のように,半径6cmの円周を動く点PとQがあります。PとQは同じ点を同時に出発し,Pは時計まわりに進み,1周するのに20秒かかり,Qは反時計まわりに進み,1周するのに30秒かかります。円の中心をOとして,三角形OPQの面積を考えます。
((1),(2) 省略)
(3) 出発してから20秒後までの間に,三角形OPQの面積が,出発してから2秒後の面積と同じになる時間をすべて求めなさい。

2011seiko.png

OPを固定して考えてみましょう。
OPから見ると,OQは毎秒30度の速さで動いているように見えます。
2秒後,角POQは60度となります。
この時と,三角形OPQの面積が同じになるのは,
角POQの角度が60度,120度,240度,300度となるときです(下図の赤点にQが来たとき)。
2011seiko3-2.jpg
よって答えは(2秒後),4秒後,8秒後,10秒後,14秒後,16秒後,20秒後ですね。

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H23 入試分析 理科 大阪星光学院中学校

2011.02.21 11:14|入試問題分析(理科)
今回はH23年度の大阪星光学院の入試問題を取り扱いたいと思います。

では早速始めましょう!!(^◇^)

[問題]H23年度 大阪星光学院中学校 理科 大問4番
次の文章を読んで,以下の各問いに答えなさい。ただし,温度にかかわらず,水1cm3は1g,氷1 cm3は0.9gであるものとします。

水を試験管の中に入れて冷やしていくと,やがてこおり始めます。水は氷になるとき体積が変化することが知られています。たとえば,試験管に30 cm3の水を入れて冷やしていくと,右の図1のように水は氷に変わっていきます。氷が10gだけできている図1のBに状態では,氷と水の体積はあわせて(①) cm3になり,すべてが氷となった図1のCの状態では,(②) cm3となります。また,氷を30 cm3作る場合には,水が(③)g必要であることがわかります。


星光1
問1 上の文章の空らん(①)~(③)に適当な数字を答えなさい。ただし,割り切れない場合は小数第2位を四捨五入し,小数第1位まで求めなさい。


[解説] 「水1cm3は1g,氷1 cm3は0.9gである」という問題文中の記述がポイントですね!!

①の場合…氷10gの体積は10g×1 cm3/0.9g=11.11…cm3≒11.1 cm3となります。水20gの体積は20 cm3ですので11.1 cm3+20 cm3=31.1 cm3となります。…答え

②の場合…水30gが全て氷になったのでその体積は,30g×1 cm3/0.9g=33.33…cm3≒33.3 cm3となります。…答え

③の場合…氷30 cm3分の重さは30 cm3×0.9g/1 cm3=27gとなります。…答え

物質の状態が変化しても全体の質量は変わりません。その事さえしっかり頭に入れておけば解ける問題でした!!

頑張れ受験生達!!(^O^)/

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H23 入試分析 理科 洛南中

2011.02.20 12:12|入試問題分析(理科)
今回は前回問題のつづきです。

洛南中の化学の問題は決して難易度は高くはありませんが,問題文を読み落とすとエライ事になってしまうパターンが多いです。

では早速始めましょう!!(^◇^)

[問題] H23年度 洛南中 理科 大問3番
うすい塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を使って,次の実験1~3を行いました。あとの(1)~(4)の問に答えなさい。ただし,どの水溶液も1cm3の重さは1gとします。

実験1 うすい塩酸を8 cm3ずつ4個のビーカーにとり,その1つをA液とする。他の3つには水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ5 cm3,10 cm3,20 cm3加えてかき混ぜて,できあがった水溶液をB液~D液とする。また,水酸化ナトリウム水溶液を10 cm3ずつ3個のビーカーにとり,その1つをEとする。他の2つには,うすい塩酸をそれぞれ4 cm3,16 cm3加えかき混ぜて,できあがった水溶液をF液,G液とする。

実験2 A液~G液のそれぞれ半分を蒸発皿にとり,完全に水を蒸発させたのち残った固体の重さをはかった。

実験3 A液~G液の残り半分にBTB溶液を加えてその色を調べた。

実験1~実験3をまとめたものが次の表である。


無題

(3) 表中の(あ)と(い)にあてはまる数値と色を答えなさい。

(4) 次の文章中の(う)~(お)にあてはまる固体の名前または数値を答えなさい。
 D液の半分を蒸発させたとき,残った固体はXと(う)が混ざっています。そして,その重さはそれぞれ(え)gと(お)gで,合わせて1.182gとなります。


[解説]
前回の解説にもあるように,この実験でわかる事はCの実験から,塩酸4 cm3+水ナ水5 cm3→食塩0.702g となり完全中和することです。
さらに,実験Eより水ナ水5 cm3中には0.480gの固体の水酸化ナトリウムが溶けていることもわかります。
この2つの事さえおさえていれば問題なしです。

(3) 実験Fの塩酸4 cm3+水ナ水10 cm3の反応は水ナ水が5 cm3過剰である反応ですのでアルカリ性を示します。したがってBTB液のを加えたときの色は青色となります。…(い)の答え
  またFの液の半分の量から水を全て蒸発さると,食塩が0.702g×1/2=0.351gと,水酸化ナトリウムが0.480g×1/2=0.240g残ります。したがって(あ)に入る数値は0.351g+0.240g=0.591gとなります。…(あ)の答え

(4) D液の半分の量の反応は,塩酸4 cm3+水ナ水10 cm3の反応であり,この反応は水ナ水5 cm3が過剰で中和に使われません。したがってこの液から水を蒸発させると食塩と水酸化ナトリウムが蒸発皿に残ります。…(う)の答え。
また,食塩の重さは0.702gで水酸化ナトリウムの重さは0.480gとなり(えとおの答え),合計が0.702g+0.480g=1.182gとなります。


中和の典型的なパターンの問題ですね!!基礎固めを今の段階からできていれば,この問題は解けるはずです!!

頑張れ受験生達!

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H23 入試分析 理科 洛南中

2011.02.19 10:01|入試問題分析(理科)
今回はH23年度洛南中の理科の入試問題を取り扱います。

化学の問題です。では早速始めましょう!!

[問題]H23年度 洛南中 理科 大問3番
うすい塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を使って,次の実験1~3を行いました。あとの(1)~(4)の問に答えなさい。ただし,どの水溶液も1cm3の重さは1gとします。

実験1 うすい塩酸を8 cm3ずつ4個のビーカーにとり,その1つをA液とする。他の3つには水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ5 cm3,10 cm3,20 cm3加えてかき混ぜて,できあがった水溶液をB液~D液とする。また,水酸化ナトリウム水溶液を10 cm3ずつ3個のビーカーにとり,その1つをEとする。他の2つには,うすい塩酸をそれぞれ4 cm3,16 cm3加えかき混ぜて,できあがった水溶液をF液,G液とする。

実験2 A液~G液のそれぞれ半分を蒸発皿にとり,完全に水を蒸発させたのち残った固体の重さをはかった。

実験3 A液~G液の残り半分にBTB溶液を加えてその色を調べた。

実験1~実験3をまとめたものが次の表である。


無題


(2) C液には,塩酸と水酸化ナトリウム水溶液が互いの性質を打ち消し合って生じる固体(名前をXとします)の水溶液と考えられます。①~③に答えなさい。
① この固体の名前(X)を答えなさい。
② C液は何パーセントの水溶液ですか。小数第1位まで答えなさい。
③ Xが出始めるのは,C液の半分から何gの水を蒸発させたときですか。Xは100gの水に40gまでとけるものとし,小数第1位まで求めなさい。



[解説]
(2)① これは塩化ナトリウム(食塩)ですね!!
  ② 表中のCでは完全中和ですので,塩酸4cm3+水酸化ナトリウム水溶液5 cm3→食塩0.702gの反応となります。(※実験2の文中の「それぞれの半分を…」というところに注意!!)
塩酸4cm3は4gで,水酸化ナトリウム水溶液5 cm3は5gですので全体で9gの食塩水と考える事ができます。したがって0.702g÷9g×100=7.8%となります。…答え

 ③ 食塩水140gに対して食塩40gの割合で飽和状態となることから,この実験において食塩水が飽和状態になる時の食塩水の重さを□gとすると,□g:0.702g=140g:40gとなりますので,□g=2.457gとなります。
したがって,蒸発した水の重さは9g-2.457g=6.543g≒6.5gとなります。…答え

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洛南高等学校附属中算数(H23年度入試問題分析)

2011.02.18 15:23|入試問題分析(算数)
さて,今回は今年の洛南高等学校附属中(以下,「洛南中」)の問題にいきましょう。

洛南中の問題の特徴として,
前半の問題は比較的易しく,後半は手間のかかる問題が多いことが挙げられます。
後半の問題については,色々なパターンを調べ上げたり,規則性がわかるまで書き出してみたりというように,
「手を動かしながら考える」という作業が必須で,
極端に手間のかかりそうな問題は「捨てる」勇気も必要になります。
ただ,A・Bに分かれていたテストが,一つになって以降,
かつてのBの試験で見られたような,ひどく手間のかかる問題は鳴りを潜めてきている感があります。
今年度の出題は,近年ではもっとも素直な出題といえるでしょう。
7番の問題なども,ややこしくは見えますが,ダイヤグラムを書いてしまえば簡単な問題でした。
(昔は,速さの問題でももっと激しくややこしい問題が出ていましたね…。)

この傾向が今後も続くならば,わずかなミスが勝負の分かれ目となるでしょう。
また,70分という長丁場でありながら,小問が30問ほどなので,スピードと集中力は相当必要です。

それでは,早速,今年の問題の中でなかなか厄介だった次の問題を見てみましょう。

8番(4)((1)~(3)を省略していますので,問題文を一部書き換えています。)
立方体ABCD-EFGHがあり,辺AB,辺BC,辺CD,辺BF,辺DH,辺EF,辺HEの真ん中の点をそれぞれI,J,K,L,M,N,Oとします。3点A,F,Cを通る平面と,6点K,M,O,N,L,Jを通る平面とで切るとき,(もとの立方体の体積):(Hを含む立体の体積)を,最も簡単な整数比で表しなさい。

2011rakunan8(4)-1.jpg

Hを含む立体の体積は,元の立方体の体積の半分から三角すいA-BCFの体積の
{4^3-3^3-(3^3-2^3)}/4^3=9/32倍(下図の赤の部分。求め方は三角すいの相似比と体積比の関係を利用)
を引いたものになるので,元の立方体の体積の29/64倍。
よって,答えは64:29ですね。
2011rakunan8(4)-2.jpg

では,次回は大阪星光学院の問題にいきましょう!

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H23 入試分析 理科 甲陽学院中学校

2011.02.18 15:14|入試問題分析(理科)
今回は前回問題の続きです(^◇^)

しかし甲陽の化学の問題は本当に良問の難問ですね・・・

では早速始めましょう!!

[問題] H23甲陽学院中学校 理科 大問6番 
※はじめの実験については前回の理科のブログをご確認ください。(~_~)
問4 実験①~③の「残った固体の重さ」のうち,食塩の重さはそれぞれ何gですか。
問5 実験①で「残った固体の重さ」のうち,固体Aは何gですか。
問6 アルミニウム3gを水酸化ナトリウム水よう液だけで完全にとかすには,何cm3必要ですか。
問7 アルミニウム3gを塩酸だけで完全にとかすには何cm3必要ですか。
問8 表のXの値を,小数第1位まで答えなさい。



[解説]前回の解説で水酸化ナトリウム水よう液100cm3と塩酸80cm3で完全中和であることがわかりましたね!!
ちなみにこのときに残った固体が7.8gとなります。そのうちアルミニウムが3gが含まれているので,中和によってできた食塩の重さは7.8g-3g=4.8gとなります。

問4 実験①の場合 水ナ水(水酸化ナトリウム水溶液の略です(-_-;))25cm3+塩酸20cm3の中和反応であるので,4.8g×25cm3/100cm3=1.2gの食塩ができます。…答え

 実験②の場合 水ナ水75 cm3+塩酸60 cm3の中和反応であるので,4.8g×75 cm3/100 cm3=3.6gの食塩ができます。…答え

 実験③の場合 水ナ水100 cm3+塩酸80 cm3の中和反応となるので,4.8gの食塩ができます。…答え

問5 実験①では水ナ水75 cm3がアルミニウムを溶かすのに使われることになります。このとき溶け残りのアルミニウムと固体Aの重さの合計は7.2g-1.2g=6.0gとなります。
 アルミニウム3gのうち3g×(6g-3g)/(9g-3g)=1.5gのアルミニウムが水ナ水75 cm3に溶けたことになります。したがって,1.5g×3g/1g=4.5gの固体Aが残った固体の重さの中に含まれていることになります。

問6 問5より,水ナ水75cm3+アルミニウム1.5g→水素2.16L+固体A4.8gがちょうどの反応式になります。
 したがって,3gのアルミニウムを水ナ水でちょうど溶かす為には,75 cm3×3g/1.5g=150 cm3の水ナ水が必要である事がわかります。…答え

問7 問5よりアルミニウムが1.5g溶けると水素が2.16L発生する事がわかりました。
 実験③に注目すると,この場合塩酸20 cm3がアルミニウムを溶かすのに使われたことがわかります。このとき発生した水素の体積が0.24Lであることから1.5g×0.24L/2.16L=1/6gのアルミニウムが溶けた事がわかります。したがってアルミニウム3gをすべて実験に用いた塩酸だけで溶かす為には20cm3×(3g÷1/6g)=360cm3の塩酸が必要である事がわかります。…答え

問8 問7より溶けたアルミニウム1/6gは1/6g×5=5/6gの塩化アルミニウムとなります。残りの3g-1/6g=
17/6gのアルミニウムはそのまま残った固体の重さに含まれます。したがって中和によって出来た食塩4.8g+塩
化アルミニウム5/6g+アルミニウム17/6g=8.4666…gとなりますので答えは8.5gとなります。

文章でざっと解説するとこのような感じです。とても面倒な問題ですが化学が大好きなお子様にとってはウキウ
キする問題ですね!!

頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 甲陽学院中学校

2011.02.17 14:14|入試問題分析(理科)
今回からH23年度の甲陽学院中の理科の入試問題解説を行います!!(^◇^)
非常に難易度の高いいかにも甲陽らしい入試問題でした。その中の難易度の高い化学の問題を2回にわたって解説を行おうと思います!!では始めましょう!


[問題]アルミニウムは水酸化ナトリウム水よう液にも塩酸にも気体を発生しながら溶けます。アルミニウム1gと水酸化ナトリウム水よう液を過不足なく反応させた後の水よう液から水を蒸発させると,固体Aが3g残ります。また,アルミニウム1gと塩酸を過不足なく反応させた後の水よう液から水を蒸発させると,固体Aとは異なる固体が5g残ります。どちらの場合も,発生する気体は同じです。いま,水酸化ナトリウム水よう液を100 cm3ずついくつかのビーカーにとり,それらに塩酸を加えて反応させた後,アルミニウムを3g加えて反応させ,反応後の水よう液から水を蒸発させて,後に残った固体の重さを量りました。その結果を右の表に示します。ただし,水酸化ナトリウム水よう液も塩酸もそれぞれ一定の濃さの水よう液を用いました。
表甲陽


問1 下線の気体の名前を答えなさい。
問2 実験①~③のうち,残った固体の中にアルミニウムをふくまない実験の番号を答えなさい。ふくまない実験がなければ「ない」と答えなさい。
問3 水酸化ナトリウム水よう液100 cm3と過不足なく反応する塩酸は何cm3ですか。また,このときできる食塩の重さは何gですか。


[解説]
問1 これは問題なしですね。答えは水素です。
問2 問題文より,アルミニウム3gが水酸化ナトリウム水よう液にすべて溶けた場合,水を蒸発させると3g×3g/1g=9gの固体A(アルミン酸ナトリウム)が残ります。

また,アルミニウム3gが塩酸にすべて溶けた場合,水を蒸発させると3g×5g/1g=15 gの固体Aとは別の固体(塩化アルミニウム)が残ります。

表の実験番号の中で最もアルミニウムが溶けているのは発生した水素の体積の最も多い実験番号①となります。
が①の場合でさえも残った固体の重さは7.2gとなっていますので,アルミニウムが溶け残っています。したがって①も②も③もアルミニウムは溶け残っています。したがって答えは「なし」です。

問3 水酸化ナトリウム水よう液100 cm3が塩酸と完全中和した液にアルミニウムを加えても全く水素は発生しません。この完全中和に必要な塩酸の体積を求めるために下のように,縦軸に発生した水素の体積,横軸に加えた塩酸の体積を示すグラフを描くとすぐにわかります!!よって答えは80 cm3

無題



完全中和を知ることがまずは第一歩!!
次回はこの続き!!頑張れ受験生たち(^O^)/

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H23 入試分析 理科 灘中学校

2011.02.15 16:02|入試問題分析(理科)
今回もH23年の灘中学の入試問題を扱います(^◇^)

歯車のつり合いの問題ですが,難易度はそれほど難しくはありませんが良問です!!
早速始めましょう!!

[問題]図は2つの歯車LとSがかみあって接しているようすを表しています。それぞれの軸は水平で同じ高さに固定されています。歯車の半径の比は2:1であり,歯車Lが時計回りに1回転すると歯車Sは反時計回りに2回転します。歯車Lの点Cに100gのおもりをつけると歯車Lは時計回りに回転しようとしますが,同時に点Aに50gのおもりをつけると回転することなくつりあって静止します。また,歯車Lの点Cに100gのおもりをつけ,歯車Sの点Hに50gのおもりつけた場合もつりあって静止します。ただし,点B,C,F,Gはそれぞれ歯車の半径のまん中の点です

nada2.jpg

問2 点Cに100gのおもりをつけ,点Gに,ある重さのおもりをつけるとつりあって静止しました。点Gにつけたおもりは何gですか。
問4 点Cに100gのおもりをとりつけ,点AとFに同じ重さのおもりをつけるとつりあって静止しました。点AとFにつけたおもりは何gですか。


[解説] 歯車LとSの接点をX点とします。
問2 点Cに100gのおもりをさげると,X点に歯車LからSに対して下向きに100g×1/2=50gの力がかかります。点Gに□gのおもりをさげたとき,X点に歯車Sから歯車Lに対して上向きに1/2×□gの力がかかります。この2つの力のつり合いから50g=1/2×□gとなりますので,□g=100gとなります。…答え

問4 点Cに100gのおもりをさげると,X点に歯車LからSに対して下向きに100g×1/2=50gの力がかかります。点Aに□gのおもりをさげると,X点に歯車LからSに対して上向きに□gの力がかかります。点Fに□gのおもりをさげると,X点に歯車SからLに対して下向きに1/2×□gの力がかかります。
 この3つの力のつり合いから50g+1/2×□g=□gとなりますので,□g=100gとなります。…答え

次回から今年問題の難易度が高かった甲陽学院の入試分析に入ります!!頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 灘中学校

2011.02.14 14:04|入試問題分析(理科)
今回は前回問題の続きです!!
では早速始めましょう!!

[問題] H23灘中入試問題 大問5番
問2 6gのAと21gのBが混ざったもの(混合物Xとします)を,ある重さの水に80℃で完全に溶かしてから20℃まで冷やしたところ,Bだけが結晶として出てきたので,これをろ過して取り出しました。
(1) 混合物Xを80℃の水にすべて溶かすためには,水は少なくとも何g必要ですか。
(2) Bだけが結晶として出てきたことから,水の重さの範囲は何g以上何g未満ということになりますか。
(3) (2)で求めた範囲の中で水の重さを変えると,取り出せる結晶の重さが変わります。このとき,最大何gの結晶Bを取り出すことができますか。


[解説] Bだけが結晶として出てくる事がポイントです!!A6gはすべて溶けています!!
(1) A6gを溶かすのに必要な水は6g/23g×100g=26.08…g
 B21gを溶かすのに必要な水は21g/70g×100g=30g となります。
したがって,どちらも溶かすためには必要な水の量の多いBに合わせなくてはなりませんので,30gの水が必要となります。…(答)

(2)20℃の水にAが6g溶けていなくてはなりませんので,このとき水は6g/12g×100g=50gはなくてはならない。Bが20℃で飽和状態であるときの水の重さは21g/12g×100g=175gなので,水の重さは50g以上175g未満となります。…(答)

(3)水の量が最小のとき,すなわち水50gのときに取り出すことのできるBの結晶の量が最大となります。
 20℃の水50gにBは12g×50g/100g=6gまで溶けるため,Bの結晶は21g-6g=15gとなります。…(答)

今年の溶解度計算の問題は是非とも満点を取ってほしいところでした!!

頑張れ受験生達!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 灘中学校

2011.02.12 18:30|入試問題分析(理科)
今回も灘中の入試問題です。
点数をしっかりととってほしい溶解度の問題です。
では始めましょう!!!

[問題]H23 灘中入試問題 大問5番
下の表は,固体A及び固体Bが,それぞれ水100gに溶ける重さをしめしたものです。なお,この問題では水にAとBが溶ける重さは互いに影響を与えないものとします。すなわち,40℃の水100gには,16gのAと26gのBの両方が同時に溶かす事ができるものとします。また,AとBを同時に溶かしても,AとB以外の物質は生じないものとします。
2011灘理科
問1 60℃の水100gに60gのAを加えてよくかき混ぜ,その上澄み液を30gとりました。
(1) この上澄み液の中にAは何g溶けていますか。
(2) この上澄み液30gを,20℃まで冷やしました。このときに溶けきれなくなって出てくる結晶(つぶ)Aは何gになりますか。


[解説]60℃の水100g中にAは20gまでしか溶けません。つまり,40gが溶け残りとなります。上澄み液は溶け残り以外の水溶液の事を示します。

(1) 30g×20g/(100g+20g)=5g…(答)

(2) 60℃のAの飽和溶液120gを20℃に冷やしたとき,20g-12g=8gの結晶が出てきます。
したがって,Aの飽和溶液30gを20℃に冷やしたとき,8g×30g/120g=2gの結晶が出てきます。…(答)

液の重さと温度に注意してしっかりと解けば必ず正解に辿り着けます!!

頑張れ受験生達!!!!(^◇^)

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H23 入試分析 理科 灘中学校

2011.02.11 19:27|入試問題分析(理科)
今回は前回問題の続きです。大問2番の問6の解説を行います!!(^u^)

[問題]1gのアルコールBを20Lの空気を用いて燃やし,燃やした後の気体を乾燥剤に通して水分を除いたのち,集めました。集めた気体の体積は何Lになりますか。

まず前回の問題から
アルコールB4g+酸素9.6g→二酸化炭素8.8g+水4.6gである事がわかっています。

空気20L中の20L×4/5=16Lのちっ素(残りの4Lは酸素)は燃焼に使われずに残ります。

1gのアルコールBを燃焼させた時に使われる酸素は9.6g×1g/4g×3L/4g=1.8Lとなります。

1gのアルコールBを燃焼させた時に発生する二酸化炭素は8.8g×1g/4g×3L/5.5g=1.2Lとなります。

燃焼後に発生した水蒸気は全て乾燥剤によって吸収されたと考えると,燃焼後に残った気体は16L+4L-1.8L+1.2L=19.4Lとなります。

しっかりと問題文を式に直して丁寧に解けば必ず正解に辿り着けます!!

頑張れ受験生達!!(^◇^)

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甲陽学院中算数第2日(H23年度入試問題分析)

2011.02.09 21:13|入試問題分析(算数)
では,前回に引き続き,今年の甲陽学院の算数の第2日から。

第2日3番
ある店では,買った商品の定価の合計金額が,3000円以上5000円未満のときは10%,5000円以上のときは15%の割り引きがあります。A君,B君の2人がこの店で買い物をしたところ,定価の合計金額はB君の方が1200円多かったそうです。また,A君は定価の合計金額が3000円未満だったので,割り引きはありませんでした。
もし,2人分の買い物をまとめて割り引きを受けて支払うと,その金額は2人が別々に支払った金額の和よりも450円少なくなります。A君の定価の合計金額はいくらですか。考えられる金額をすべて答えなさい。


場合分けができるかどうか,ですね。
* Bの代金が,「3000円未満になる場合」と「3000円以上になる場合」
* A,B2人分をまとめた金額が「3000円以上5000円未満になる場合」と「5000円以上になる場合」(3000円未満になることは問題の条件上ありえない)
で,場合分けをしましょう。
つまり,Aの代金が「900円以上1800円未満」,「1800円以上1900円未満」,「1900円以上3000円未満」の3つの場合で場合分けをして求めるのです。
そうすれば答えは,1650円1950円となりますね。

このような問題は,頭の中だけで考えられるようなものではありません。
日頃の学習から常に,ポイントが見えてくるまでしっかり手を動かしながら考えること。
その習慣をしっかり身につけることが大事になります。

では,次回は洛南高校附属中の問題にいきましょう!

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H23 入試分析 理科 灘中学校

2011.02.08 21:21|入試問題分析(理科)


今回からH23年度の私立中学入試問題の解説を行っていきたいと思います。
まずは灘中の問題からです。

H23年度 灘中学校 理科 大問2番
[問題]
アルコールには燃焼に用いられるものや,飲用,消毒用など,いろいろな種類のアルコールがあります。いま,種類の異なるアルコールAとBがあり,AとBのどちらのアルコールも燃やすと二酸化炭素と水だけができます。AとBのそれぞれ4gを燃やしたときにできる二酸化炭素と水の重さ,およびそのときに使われた酸素の重さを調べると,表1のようになりました。次に,二酸化炭素,酸素,ちっ素について,それぞれの気体3Lの重さを調べると表2のようになりました。空気を,体積でちっ素が80%,酸素が20%の割合で混ざった気体と考えて,問いに答えなさい。ただし,気体の体積はすべて同じ条件ではかりました。

※表1 表2は省略します。表1・表2より次の事がわかります。
表1 アルコールA4g+酸素6g→二酸化炭素5.5g+水4.5g
  アルコールB4g+酸素9.6g→二酸化炭素8.8g+水4.8g

表2 二酸化炭素3L→5.5g  
   水3L→4g
   ちっ素3L→3.5g

問5 アルコールAとBの混合物4gを燃やすのに酸素が8.52g必要でした。この混合物4g中にアルコールAは何gふくまれていますか。

[解説]
問5 AとBの混合物4gのうち,もし全て4gがAであれば酸素は6g必要で,もし全てBであれば酸素が9.6g必要である。実際には8.52g必要であったので混合物中にAは4g×(9.6g-8.52g)/(9.6g-6g)=1.2gとなります。

てんびん法などを使いましょう!!次回はこの続き!!

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甲陽学院中算数第1日(H23年度入試問題分析)

2011.02.07 15:54|入試問題分析(算数)
それでは,今日は甲陽学院中学の第1日の算数にいきましょう。

第1日3番
1mあたりの重さが12gの細い針金が1mあたり100円で,1mあたりの重さが16gの太い針金が1mあたり140円で売られています。ただし,どちらも5cm単位で買うことができます。
(1) 細い針金と太い針金をそれぞれ同じ金額だけ買ったところ,長さの差が1m40cmになりました。それぞれ何円ずつ買いましたか。
(2) 細い針金と太い針金を買ってきました。しかし,予定していた長さを取りちがえて買ってしまったため,合計の重さが4g重くなり,合計金額が2.5%高くなりました。買うことを予定していたそれぞれの長さを求めなさい。


(1) 同じ金額を買った場合の,長さの比が(7):(5)でこの差が1m40cm。
よって,細い針金の長さは(7)=4m90cmとなるので(太い針金は,(5)=3m50cm),答えは490円
(2) それぞれ,<5>cm,[5]cmの長さを買うとして重さと値段に関しての式を作り,あとは消去算をすればよいですね。
答えは,細い針金が7m25cm,太い針金が6m25cmです。

昨年の第2日6番もそうでしたが,
今年も,「ともなって変化する複数の条件を丁寧に整理する必要がある問題」が出てきています。
日頃の学習から,
整理のしかたの巧拙にこだわらず,
書かれている条件をとにかく整理してみるという作業が大事ですね。
それができれば,昨年度の問題も,今年度のこの問題も決して難しくはありません。

では,次回は甲陽の2日目にいきましょう。

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灘中算数第2日(H23年度入試問題分析)

2011.02.03 12:30|入試問題分析(算数)
今回は灘の算数2日目から。

今年の灘の算数2日目は,1番の「速さ」,3番・4番の「立体図形」がらみの大問が2問,
5番の「場合の数」,いずれもハードだったかも知れませんね。
受験者平均と合格者平均が20点近く開いたことを考えると,
この辺の,大半の生徒が苦手とする単元をどれだけちゃんと消化しているかが
合否の大きな分かれ目になったと言えるでしょう。

では,今日はその2日目の算数の中から。

5番(一部省略)
5個の整数に対して次の①,②をこの順に行うことを1つの操作Aとします。
①.さいころを1回投げ,出た目の数を5個の整数それぞれにかけます。
②.①で得られた5個の整数をそれぞれ6で割った余りを求め,5個の整数それぞれの余りにおきかえます。
  ただし,割り切れるときは,余りは0とします。
5個の整数が,はじめは1,2,3,4,5であるとき,操作Aを3回くりかえして行ったあとにできる5個の整数が何種類になるか考え,この種類の数をxとします。
(1) x=5であるようなさいころの目の出方は何通りですか。
(2) x=3であるようなさいころの目の出方は何通りですか。
(3) x=1であるようなさいころの目の出方は何通りですか。


この問題は,0から5の数字に対して,1から6までのさいころの目が出た場合に
どのように数字が変わるかを表にしてみるとわかりやすいでしょう。
(1)
この場合,3回で出る目は1か5のみ。
よって,2^3(2の3乗)=8(通り)
(2)
この場合,(3回とも3,6以外の目が出る場合)-(3回とも1か5の場合)。
よって,4^3-2^3=56(通り)
(3)
6が1回出るか,3と偶数が入る,のいずれか。
よって答えは,133通り

次回は甲陽学院の算数にいきましょう。

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