2012(H24)入試分析 算数 西大和学園中学校
2012.03.05 15:35|入試問題分析(算数)|
塾長から,
「ブログですが,もうちょっと爽やかなテンプレートがいいですね。」
と言われましたので,
おもいっきり爽やかにしてみました。
あ,算数科・宇高でございます。
今後,新たに加わったスタッフ共々,
算数科のブログを,テンプレート同様春風のように爽やかに綴っていきたいと思います(^-^)
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
さて,今回の入試分析は西大和学園中学の算数の問題を見ていきます。
その前に,今年の西大和学園の入試について。
昨年度まで2回受験の機会があったのが,
今年は1回だけ,しかも午後受験のみという制度変更がありましたので,
色々な意味で予想がしにくい今年の西大和の入試でしたが,
実質競争率が2.58倍(受験者数1300名/合格者数503名),
合格最低点が324点(約6割5分)と,
結果を見ると,ここ数年の3科・4科日程の状況と比べて
そんなに大きく変わらなかったといえるでしょう。
(H23年度が,2.63倍(受験者数884名/合格者数336名),合格最低点が345点(6割9分),
H22年度が2.5倍(受験者数884名/合格者数336名),合格最低点が310点(6割2分))。
ただ,算数の問題に関して見る限り,ここ数年,易化してきているといっていいと思います
(今年,算数満点が5人もいるのは,
単に他の難関中受験組が流れてきたことだけが理由ではないように思います)。
しいて言えば,この後取り上げる4番の(3)が面倒ではありますが,
それも去年のトーナメントの問題に比べれば全然かわいいものだと思います
(もっとも,去年も算数満点の子がいたわけですが(^o^;;)。
西大和の後半の問題の特徴として,
問題文が長く,また条件もややこしいので,
正確に情報を読み取らないと(1)から壊滅状態になる可能性があることが挙げられますが,
今年はそれもなかったといってよいでしょう。
満点が出る可能性は十分にある問題だったとおもいます。
では,その問題を見てみましょう。
(問題)H24 西大和学園中学校・算数 大問4番
6人の子どもA,B,C,D,E,Fそれぞれが1問1点で20問ある20点満点のテストを受けました。
そして,テストの結果について,まずはじめに先生と4人の子どもA,B,C,Dが次のように話しました。
先生:「6人全員,異なる点数でしたが,テストの結果はどうでしたか。」
A:「6人の平均点とちょうど同じ点数でした。」
B:「Aよりも高い点数で,偶数でした。」
C:「Aよりも3点低い点数でした。」
D:「BとCの平均点とちょうど同じ点数でした。」
先生と4人の子どもA, B, C, Dの話を聞いて,(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 4人の子どもA,B,C,Dのテストの結果を点数の高い順に並べかえるとき,考えられる場合をすべて答えなさい。ただし,点数の高い順に並べかえたものを次の(例)のようにアルファベットで答えること。
(例) A→B→C→D
(2) Cの点数は,偶数か,奇数かを答えなさい。
その後,子どもE,Fが5人の会話に加わり,次のように話しました。
E:「6人の中で最低点でしたが,満点の4割以上はとれました。」
F:「17点でした。」
先生と6人の子どもA,B,C,D,E,Fのすべての話を聞いて,(3)の問いに答えなさい。
(3) 6人の子どものテストの結果を点数の高い順に並べかえた表をつくるとただ1通りに決まります。次の(解答記入例)にしたがって,表を完成させなさい。
(解答記入例)

(1),(2)は簡単ですので,是非とりたいところです。
(1)
A,B,Cの3人については,
B→A→C
の順になることはすぐにわかります。
あとはDの順位だけですが,B,Cの平均ですので,B,C,Dの3人は,
B→D→C
の順になることがわかります。
先のA,B,Cの順と合わせると,考えられるのは,
B→A→D→CかB→D→A→C
のどちらかですね。
(2)
DがBとCと平均点で,Dの点数も整数ですので,
B,Cは「どちらも偶数」か「どちらも奇数」になるはずですが,
Bが偶数なので,Cも偶数です。
(3)
さて,問題はこの3番です。
ここで改めて条件を整理してみましょう。
A:「6人の平均点とちょうど同じ点数でした。」
→つまり,6人の合計点がAの点数の6倍,言い換えると,A以外の5人の合計点がAの点数の5倍とわかります。
「B+C+D+E+F=A×5」…(ア)
C:「Aよりも3点低い点数でした。」
→「C=A-3」で,(2)より「Cは偶数」とわかっていますので,「Aは奇数」です。
D:「BとCの平均点とちょうど同じ点数でした。」
→つまり,B,C,Dの合計点がDの点数の3倍とわかります。
「B+C+D=D×3」
E:「6人の中で最低点でしたが,満点の4割以上はとれました。」
F:「17点でした。」
→「Eは最低点で8点以上」。
ということは,Cは8より大きい偶数,つまり「Cは10以上の偶数」とわかります。
また,Aはそれより3大きいので,「Aは13以上で17以外(Fと同じにならないので)の奇数(13か15か19)」とわかります。
さらに,もう少し情報をまとめてみると,
(ア)の式の「B+C+D」の部分を「D×3」に,「F」を「17」と置き換えることができるので,
「D×3+E+17=A×5」…(イ)
となります。
Aは13か15か19となりますので,それぞれの場合を考えてみましょう。
(i) A=13のとき
C=13-3=10
Eは「最低点で8点以上」,そしてCの10点より小さいので,8か9となります。
E=8のとき,(イ)の式よりD=(13(A)×5-8(E)-17)÷3=40/3,
E=9のとき,(イ)の式よりD=(13(A)×5-9(E)-17)÷3=13,
となりますので,
Dは13以上40/3以下。
よって,これを満たす整数Dは13のみですが,これはAと等しくなるので不適。
(ii) A=15のとき
C=12
よって,Eは,8以上11以下の整数となります。
これを(イ)の式にあてはめて上と同様に考えると,Dは47/3以上50/3以下となるなので,D=16
このとき,E=10
B+C+D=D×3なので,B=20
これで,すべての条件に合う組み合わせが見つかったので,
B(20) F(17) D(16) A(15) C(12) E(10)
です。
でも,念のため,もう一つのパターンも「不適」であることをちゃんと確認しておきましょう。
(iii) A=19のとき
C=16
Bは必ずAより大きいので,B=20
すると,B,Cがわかったので,D=(16+20)÷2=18
A,Dを(イ)の式に代入すると,Eが24となりますので不適ですね。
(もちろん,(i)と同じ手順で確認してくれても構いません。)
この調べ上げをどれだけ効率よくできたかですね。
それでは,次回は四天王寺中学校の問題を見てみましょう。

(まるで保護色。)
「ブログですが,もうちょっと爽やかなテンプレートがいいですね。」
と言われましたので,
おもいっきり爽やかにしてみました。
あ,算数科・宇高でございます。
今後,新たに加わったスタッフ共々,
算数科のブログを,テンプレート同様春風のように爽やかに綴っていきたいと思います(^-^)
よろしくお願いいたしますm(_ _)m
さて,今回の入試分析は西大和学園中学の算数の問題を見ていきます。
その前に,今年の西大和学園の入試について。
昨年度まで2回受験の機会があったのが,
今年は1回だけ,しかも午後受験のみという制度変更がありましたので,
色々な意味で予想がしにくい今年の西大和の入試でしたが,
実質競争率が2.58倍(受験者数1300名/合格者数503名),
合格最低点が324点(約6割5分)と,
結果を見ると,ここ数年の3科・4科日程の状況と比べて
そんなに大きく変わらなかったといえるでしょう。
(H23年度が,2.63倍(受験者数884名/合格者数336名),合格最低点が345点(6割9分),
H22年度が2.5倍(受験者数884名/合格者数336名),合格最低点が310点(6割2分))。
ただ,算数の問題に関して見る限り,ここ数年,易化してきているといっていいと思います
(今年,算数満点が5人もいるのは,
単に他の難関中受験組が流れてきたことだけが理由ではないように思います)。
しいて言えば,この後取り上げる4番の(3)が面倒ではありますが,
それも去年のトーナメントの問題に比べれば全然かわいいものだと思います
(もっとも,去年も算数満点の子がいたわけですが(^o^;;)。
西大和の後半の問題の特徴として,
問題文が長く,また条件もややこしいので,
正確に情報を読み取らないと(1)から壊滅状態になる可能性があることが挙げられますが,
今年はそれもなかったといってよいでしょう。
満点が出る可能性は十分にある問題だったとおもいます。
では,その問題を見てみましょう。
(問題)H24 西大和学園中学校・算数 大問4番
6人の子どもA,B,C,D,E,Fそれぞれが1問1点で20問ある20点満点のテストを受けました。
そして,テストの結果について,まずはじめに先生と4人の子どもA,B,C,Dが次のように話しました。
先生:「6人全員,異なる点数でしたが,テストの結果はどうでしたか。」
A:「6人の平均点とちょうど同じ点数でした。」
B:「Aよりも高い点数で,偶数でした。」
C:「Aよりも3点低い点数でした。」
D:「BとCの平均点とちょうど同じ点数でした。」
先生と4人の子どもA, B, C, Dの話を聞いて,(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) 4人の子どもA,B,C,Dのテストの結果を点数の高い順に並べかえるとき,考えられる場合をすべて答えなさい。ただし,点数の高い順に並べかえたものを次の(例)のようにアルファベットで答えること。
(例) A→B→C→D
(2) Cの点数は,偶数か,奇数かを答えなさい。
その後,子どもE,Fが5人の会話に加わり,次のように話しました。
E:「6人の中で最低点でしたが,満点の4割以上はとれました。」
F:「17点でした。」
先生と6人の子どもA,B,C,D,E,Fのすべての話を聞いて,(3)の問いに答えなさい。
(3) 6人の子どものテストの結果を点数の高い順に並べかえた表をつくるとただ1通りに決まります。次の(解答記入例)にしたがって,表を完成させなさい。
(解答記入例)

(1),(2)は簡単ですので,是非とりたいところです。
(1)
A,B,Cの3人については,
B→A→C
の順になることはすぐにわかります。
あとはDの順位だけですが,B,Cの平均ですので,B,C,Dの3人は,
B→D→C
の順になることがわかります。
先のA,B,Cの順と合わせると,考えられるのは,
B→A→D→CかB→D→A→C
のどちらかですね。
(2)
DがBとCと平均点で,Dの点数も整数ですので,
B,Cは「どちらも偶数」か「どちらも奇数」になるはずですが,
Bが偶数なので,Cも偶数です。
(3)
さて,問題はこの3番です。
ここで改めて条件を整理してみましょう。
A:「6人の平均点とちょうど同じ点数でした。」
→つまり,6人の合計点がAの点数の6倍,言い換えると,A以外の5人の合計点がAの点数の5倍とわかります。
「B+C+D+E+F=A×5」…(ア)
C:「Aよりも3点低い点数でした。」
→「C=A-3」で,(2)より「Cは偶数」とわかっていますので,「Aは奇数」です。
D:「BとCの平均点とちょうど同じ点数でした。」
→つまり,B,C,Dの合計点がDの点数の3倍とわかります。
「B+C+D=D×3」
E:「6人の中で最低点でしたが,満点の4割以上はとれました。」
F:「17点でした。」
→「Eは最低点で8点以上」。
ということは,Cは8より大きい偶数,つまり「Cは10以上の偶数」とわかります。
また,Aはそれより3大きいので,「Aは13以上で17以外(Fと同じにならないので)の奇数(13か15か19)」とわかります。
さらに,もう少し情報をまとめてみると,
(ア)の式の「B+C+D」の部分を「D×3」に,「F」を「17」と置き換えることができるので,
「D×3+E+17=A×5」…(イ)
となります。
Aは13か15か19となりますので,それぞれの場合を考えてみましょう。
(i) A=13のとき
C=13-3=10
Eは「最低点で8点以上」,そしてCの10点より小さいので,8か9となります。
E=8のとき,(イ)の式よりD=(13(A)×5-8(E)-17)÷3=40/3,
E=9のとき,(イ)の式よりD=(13(A)×5-9(E)-17)÷3=13,
となりますので,
Dは13以上40/3以下。
よって,これを満たす整数Dは13のみですが,これはAと等しくなるので不適。
(ii) A=15のとき
C=12
よって,Eは,8以上11以下の整数となります。
これを(イ)の式にあてはめて上と同様に考えると,Dは47/3以上50/3以下となるなので,D=16
このとき,E=10
B+C+D=D×3なので,B=20
これで,すべての条件に合う組み合わせが見つかったので,
B(20) F(17) D(16) A(15) C(12) E(10)
です。
でも,念のため,もう一つのパターンも「不適」であることをちゃんと確認しておきましょう。
(iii) A=19のとき
C=16
Bは必ずAより大きいので,B=20
すると,B,Cがわかったので,D=(16+20)÷2=18
A,Dを(イ)の式に代入すると,Eが24となりますので不適ですね。
(もちろん,(i)と同じ手順で確認してくれても構いません。)
この調べ上げをどれだけ効率よくできたかですね。
それでは,次回は四天王寺中学校の問題を見てみましょう。

(まるで保護色。)
スポンサーサイト
