2012(H24)入試分析 算数 四天王寺中学校
2012.03.06 23:45|入試問題分析(算数)|
ちょっと最近、背中のお肉が気になる池田でございます。
今回は四天王寺中学校の算数の問題です。
問題の分量は大問7題、小問数は25題。
広い範囲から標準的なレベルの問題が出る構成は変わらずというところでしょうか。
ただし、立体の面や辺の数を問う問題や推理の問題など、見たことはあるけれども
ついつい軽んじてしまいがちな問題が出ているのも四天王寺の特徴です。
普段の勉強に取り組むときから、1つ1つの問題を軽んじることなく、
しっかりと理解を深めておくようにしましょう。
では、今回は4番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H24 四天王寺中学校・算数 大問4番①
9段の階段があり,1歩で1段,2段,または3段上ることができます。
また,例えば4段上がるのに,1段,3段で上るのと,3段,1段で上るのはちがう上り方とします。
階段の下から上るとき,
(ア)5段目までの上がり方は何通りありますか。
(イ)5段目をふんで,9段目まで上る上り方は何通りありますか。
ただし,1歩につき1段,2段,3段上る上り方をそれぞれ1回は使うものとします。

(ア)を解くだけならトリボナッチ数列(前の3つの数を合計した数列。フィボナッチのパワーアップ版です。)
を利用すれば簡単に解けるのですが(上表参照),(イ)のところで結局書き出さないといけなくなりますね。
(イ)の問題でややこしいところは,「5段目をふんで」のところです。
「9段の上り方を考えて,そのうち,5段目をふんでいるものは~」とストレートに考えてしまうと,
数えもらしをしてしまう事は必至!そこで,まずは5段目まで上らせてあげましょう。
・5段目まで
TYPE A:1+1+1+1+1 並べ替えると1通り
TYPE B:1+1+1+2 並べ替えると4通り
TYPE C:1+1+3 並べ替えると3通り
TYPE D:1+2+2 並べ替えると3通り
TYPE E:2+3 並べ替えると2通り
全て合わせて13通り。
これは(ア)の答えと一致します。
では、残りの4段も同じように上ってみましょうか。
TYPE F:1+1+1+1 並べ替えると1通り
TYPE G:1+1+2 並べ替えると3通り
TYPE H:1+3 並べ替えると2通り
TYPE I:2+2 並べ替えると1通り
全て合わせて7通り。
よって、13×7=91通り・・・・・・ではありません。
「それぞれ1回は使うものとします」ですから、全てを組み合わせることができるわけではないですね。
Aは2,3の両方を含むものしか組み合わせられないので0通り。
Bは3を含むものと組み合わせることができるのでHのみ。4×2=8通り
Cは2を含むものと組み合わせることができるのでGとI。3×(3+1)=12通り
Dは3を含むものと組み合わせることができるのでHのみ。3×2=6通り
Eは1を含むものと組み合わせることができるのでFとGとH。2×(1+3+2)=12通り
全て合わせて38通り。
場合の数は泥臭く書き出す方法と鮮やかに計算だけで出せてしまう方法が混在しており、
どうしても後者に目が行きがちです。
しかし、本当に合否の分かれる問題というのは今回の(イ)のように書き出しを求められることが多いです。
本質を理解することなく小手先のテクニックだけを身につけてしまうと、
いざ本番でちょっとひねられた場合に対応できなくなってしまいますから、
教える側も教えられる側もこの辺りをきちんと認識しておかなくてはなりませんね。
次回は,洛星中学校の問題を取り上げてみましょう。
今回は四天王寺中学校の算数の問題です。
問題の分量は大問7題、小問数は25題。
広い範囲から標準的なレベルの問題が出る構成は変わらずというところでしょうか。
ただし、立体の面や辺の数を問う問題や推理の問題など、見たことはあるけれども
ついつい軽んじてしまいがちな問題が出ているのも四天王寺の特徴です。
普段の勉強に取り組むときから、1つ1つの問題を軽んじることなく、
しっかりと理解を深めておくようにしましょう。
では、今回は4番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H24 四天王寺中学校・算数 大問4番①
9段の階段があり,1歩で1段,2段,または3段上ることができます。
また,例えば4段上がるのに,1段,3段で上るのと,3段,1段で上るのはちがう上り方とします。
階段の下から上るとき,
(ア)5段目までの上がり方は何通りありますか。
(イ)5段目をふんで,9段目まで上る上り方は何通りありますか。
ただし,1歩につき1段,2段,3段上る上り方をそれぞれ1回は使うものとします。

(ア)を解くだけならトリボナッチ数列(前の3つの数を合計した数列。フィボナッチのパワーアップ版です。)
を利用すれば簡単に解けるのですが(上表参照),(イ)のところで結局書き出さないといけなくなりますね。
(イ)の問題でややこしいところは,「5段目をふんで」のところです。
「9段の上り方を考えて,そのうち,5段目をふんでいるものは~」とストレートに考えてしまうと,
数えもらしをしてしまう事は必至!そこで,まずは5段目まで上らせてあげましょう。
・5段目まで
TYPE A:1+1+1+1+1 並べ替えると1通り
TYPE B:1+1+1+2 並べ替えると4通り
TYPE C:1+1+3 並べ替えると3通り
TYPE D:1+2+2 並べ替えると3通り
TYPE E:2+3 並べ替えると2通り
全て合わせて13通り。
これは(ア)の答えと一致します。
では、残りの4段も同じように上ってみましょうか。
TYPE F:1+1+1+1 並べ替えると1通り
TYPE G:1+1+2 並べ替えると3通り
TYPE H:1+3 並べ替えると2通り
TYPE I:2+2 並べ替えると1通り
全て合わせて7通り。
よって、13×7=91通り・・・・・・ではありません。
「それぞれ1回は使うものとします」ですから、全てを組み合わせることができるわけではないですね。
Aは2,3の両方を含むものしか組み合わせられないので0通り。
Bは3を含むものと組み合わせることができるのでHのみ。4×2=8通り
Cは2を含むものと組み合わせることができるのでGとI。3×(3+1)=12通り
Dは3を含むものと組み合わせることができるのでHのみ。3×2=6通り
Eは1を含むものと組み合わせることができるのでFとGとH。2×(1+3+2)=12通り
全て合わせて38通り。
場合の数は泥臭く書き出す方法と鮮やかに計算だけで出せてしまう方法が混在しており、
どうしても後者に目が行きがちです。
しかし、本当に合否の分かれる問題というのは今回の(イ)のように書き出しを求められることが多いです。
本質を理解することなく小手先のテクニックだけを身につけてしまうと、
いざ本番でちょっとひねられた場合に対応できなくなってしまいますから、
教える側も教えられる側もこの辺りをきちんと認識しておかなくてはなりませんね。
次回は,洛星中学校の問題を取り上げてみましょう。
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