2012(H24)入試分析 算数 開成中学校
2012.03.18 09:35|入試問題分析(算数)|
では,今回から関東の入試問題の方も見てみましょう。
この番組は,算数科:池田の提供でお送りいたします。
それでは、開成中学校の問題です。
問題の分量は大問4題、小問数は11題。
ここ2年、難易度が下がっていた反動か、全体としては歯ごたえのある問題が並びました。
合格者平均の変化(64.6⇒72.1⇒55.7 85点満点)からもうかがい知ることができます。
1番は問題文の内容を正確に読み取り,コツコツと計算を積み上げていく問題です。
小問2個は確保したいところです。
2番は平面図形+立体図形ですが、ここで3問取れればかなり楽になります。
3番は不定方程式。定石である「とりあえず未知数を減らす」という作業がきちんとできるかどうかで、
正解率が大きく変わるでしょう。
ちなみにこの問題については問題文解釈が2通りできるということで、合格発表会場には、
「どちらの考え方でも公平に採点する」旨掲示されていたということです。
2通りどちらに解釈しても、難易度は同じということで、不公平感が少なかったことが救いでしょう。
4番は約数と規則性に関する問題ですが、(1)が必須、(2)ができれば(3)は易いというところでしょうか。
キーになりそうな問題は2番と4番ですが、今回は2番を取り上げてみましょう。
(問題)H24 開成中学校・算数 大問2番

問題文を読んで、とりあえずは三角形DEF=<1>,三角形ABC=<7>と置いて、BC=7cmでよかったなぁ
とホッとした受験生は多かったと思います。(^^
では、進めてみましょう。
(1)

三角形ABC(=<7>)は底辺比が4:3なので、左上図のように<4>と<3>に分けられます。
ここで、折り返しの部分に目を向けると、折る前と折った後の面積の合計が<5>になっていますね。
折り返しの問題は「折る前と折った後が合同な図形」というのが鉄則ですから、当然面積も等しくなっています。
つまり<2.5>ずつになりますので、<4>のところをさらに細かく分けると右上図のようになります。
BD=4×2.5/4=2.5cm
AE=AB=6cmなので、
AF=6×1.5/2.5=3.6cmとなります。
(2)
三角形ABDと三角形ACDを,ADを軸にして回転させるということですので、
それぞれの体積を出すのに必要なパーツに注目してみましょう。

三角形ABDの回転体は,底面の半径=BG,高さ=AD
三角形ACDの回転体は,底面の半径=CH,高さ=AD
の円すいの体積として計算することができます。
三角形ABDと三角形ACDのいずれもADを底辺として考えると、高さ比=面積比になりますので、
BG:CH=〈2.5〉:〈4.5〉=5:9ですね。
2つの回転体の高さはいずれもADで等しいですから,底面積の比=体積の比となりますので,
三角形ABDの回転体:三角形ACDの回転体は
(5×5):(9×9)=25:81となり、
81÷25=3.24倍となります。
図形の複雑な問題は,不要な線に惑わされて,方針が立たないということが多いですね。
そのようなときには、線を減らして考えてみるというのが重要なテクニックになります。
今回の問題でいうと、(1)でADを一度消して考えてみたり、(2)で直線AEと直線EDを消しているのがそれにあたります。
シンプルな図にして考えるということ、図形の問題で行き詰ったときには思い出してみてくださいね。
この番組は,算数科:池田の提供でお送りいたします。
それでは、開成中学校の問題です。
問題の分量は大問4題、小問数は11題。
ここ2年、難易度が下がっていた反動か、全体としては歯ごたえのある問題が並びました。
合格者平均の変化(64.6⇒72.1⇒55.7 85点満点)からもうかがい知ることができます。
1番は問題文の内容を正確に読み取り,コツコツと計算を積み上げていく問題です。
小問2個は確保したいところです。
2番は平面図形+立体図形ですが、ここで3問取れればかなり楽になります。
3番は不定方程式。定石である「とりあえず未知数を減らす」という作業がきちんとできるかどうかで、
正解率が大きく変わるでしょう。
ちなみにこの問題については問題文解釈が2通りできるということで、合格発表会場には、
「どちらの考え方でも公平に採点する」旨掲示されていたということです。
2通りどちらに解釈しても、難易度は同じということで、不公平感が少なかったことが救いでしょう。
4番は約数と規則性に関する問題ですが、(1)が必須、(2)ができれば(3)は易いというところでしょうか。
キーになりそうな問題は2番と4番ですが、今回は2番を取り上げてみましょう。
(問題)H24 開成中学校・算数 大問2番

問題文を読んで、とりあえずは三角形DEF=<1>,三角形ABC=<7>と置いて、BC=7cmでよかったなぁ
とホッとした受験生は多かったと思います。(^^
では、進めてみましょう。
(1)

三角形ABC(=<7>)は底辺比が4:3なので、左上図のように<4>と<3>に分けられます。
ここで、折り返しの部分に目を向けると、折る前と折った後の面積の合計が<5>になっていますね。
折り返しの問題は「折る前と折った後が合同な図形」というのが鉄則ですから、当然面積も等しくなっています。
つまり<2.5>ずつになりますので、<4>のところをさらに細かく分けると右上図のようになります。
BD=4×2.5/4=2.5cm
AE=AB=6cmなので、
AF=6×1.5/2.5=3.6cmとなります。
(2)
三角形ABDと三角形ACDを,ADを軸にして回転させるということですので、
それぞれの体積を出すのに必要なパーツに注目してみましょう。

三角形ABDの回転体は,底面の半径=BG,高さ=AD
三角形ACDの回転体は,底面の半径=CH,高さ=AD
の円すいの体積として計算することができます。
三角形ABDと三角形ACDのいずれもADを底辺として考えると、高さ比=面積比になりますので、
BG:CH=〈2.5〉:〈4.5〉=5:9ですね。
2つの回転体の高さはいずれもADで等しいですから,底面積の比=体積の比となりますので,
三角形ABDの回転体:三角形ACDの回転体は
(5×5):(9×9)=25:81となり、
81÷25=3.24倍となります。
図形の複雑な問題は,不要な線に惑わされて,方針が立たないということが多いですね。
そのようなときには、線を減らして考えてみるというのが重要なテクニックになります。
今回の問題でいうと、(1)でADを一度消して考えてみたり、(2)で直線AEと直線EDを消しているのがそれにあたります。
シンプルな図にして考えるということ、図形の問題で行き詰ったときには思い出してみてくださいね。
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