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暗算の勧め(第2回) ~計算の工夫~

2012.04.19 15:01|基礎学習
173×99+297×9を計算してみましょう。(洛南平成21年度)
いきなり、整数計算、しかも「かけ算」、楽勝ですね!

さて、これを、ひっ算でガリガリと、
173×99=17127で、297×9=2673だから、17127+2673=19800
とやってももちろん構わないのですが、味気ないですね。
面白くないですね。暗算でもほぼできません(^_^;)
なので、一工夫してみましょう。

まず、99=100-1,9=10-1なので、これを使って、
173×99+297×9
=173×(100-1)+297×(10-1)
=17300-173+2970-297
=17300+2970-(173+297)
19800

ですが、これでもまだ暗算でやるのはつらい^^;
せっかくなので、もう一工夫

297=3×99なので、これは使えそうです。
173×99+297×9
=173×99+3×9×99
=(173+27)×99
=200×99
19800
最後のところは、200×(100-1)=20000-200とやってもいいですね。
何とか暗算でできるかも。

では同じく洛南です。
9997×9997-9995×9999を計算してみましょう。(洛南平成20年度)


もちろんひっ算でガリガリ…でもいいのですが・・・
前回、かけ算を面積図で表すというのをやりましたね。それを使ってみましょう。
暗算の勧め2

9997×9997-9995×9999は図の㋐-㋑で求められます。
㋐=9997×2,㋑=9995×2なので、㋐-㋑=(9997-9995)×2=4となります。

もちろん、これでいいのですが、この問題の場合、次のようにも考えられます。
㋐=㋑+㋒になるので、㋐-㋑=㋒=2×2=4
ここまで頭の中でイメージすれば、少なくともガリガリひっ算しなくても答えが出せますね。

それではこれはどうでしょう。

2×3+3×4+4×5+5×6+6×7+7×8+8×9+…+98×99+99×100 (洛星平成17年度改)

ひっ算でガリガリは無理そう。時間もかかりすぎて、入試が終わってしまいます。
実は、次のような計算の工夫ができるのですねぇ。
暗算の勧め2-2

結局 (99×100×101-1×2×3)÷3となって、答えは333298

部分分数分解のような解法になります。覚えておくと便利かも(^^)
(ちなみに、洛星の問題では、計算の工夫の仕方を誘導してくれた上で、最後の方にこの問題が出ていますから、
きちんと誘導に乗っかれば答えまで行き着くはず。それを聞いて安心したって?)

おまけ
1+2+2+3+3+3+4+4+4+4+5+5+5+5+5+…+100
(1を1個、2を2個、3を3個、4を4個、…、100を100個すべてたす)

つまり、式にすれば、1×1+2×2+3×3+4×4+5×5+…+99×99+100×100 はいくつですか。


先の洛星の問題をヒントに答えを出してみましょう。


解説はまたの機会に。答えが出た人は、どんどんコメントに書き込んでください

今回は、「暗算の勧め」とタイトルしながら、簡単に暗算できないものも取り上げました。
大切なことは、常に何かいい工夫はないか、と頭を使って取り組む姿勢であり、そうした中で、
暗算できそうなところを「自分で作っていく」という姿勢ではないでしょうか。

それでは以上です。数理教育研究会のうら若き(???)流星、道幸がお送りしました。
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暗算の勧め(第1回) ~算数の土台を作るために

2012.04.07 16:47|基礎学習
今回は、中学受験に限らず、普段の学習でぜひ使ってほしいことを書きます。(したがって、非常に基礎的なことです。)道幸が担当します。
中学受験の算数の問題レベルを考えたとき、どんな計算でもスラスラできないと話にならないのは言うまでもありません。正確な計算力は不可欠。では、正確でありさえすればオーケーかというと、そうではなく、それに加えてスピードが要求されます。
問題を解くときなど、途中で何回か計算で答えを求めながら進めていって、最後の解答に至るということは普通にありますが、その途中途中の計算で時間がかかると、思考が寸断されて、何を求めていたか訳がわからなくなり、思考がストップしてしまうようなこともあり得ます。
ですから、正確さと同時に素早く計算できた方がいいに決まっています
でも、いちいちひっ算をしているとそれだけで時間がかかりそうです。そこで、今回のテーマ「暗算」をお勧めします。(前置きが長くなりました…^^;)
といっても、例えば37×56のような計算を暗算でやりなさいといっても、いきなりは無理ですね((+_+))
紙にひっ算を書いてやるところを、そのまま頭の中でやることは難しい上に、かえって時間がかかりそうです。
なので、まずはだれでも簡単にできるパターンをいくつか紹介します。ふだんから意識して使ってほしいと思います。

① 5倍する→10をかけて2で割る

17×5=17×10÷2と考え、170を2で割ると85。できそうですね。

② 9倍する→10倍して1つ分を引く

23×9=23×10-23と考え、230-23をやればいい。答えは207。

③ 1.5倍する→→1つと半分あると考える

32×1.5は32と32の半分16をたして48。

④ 25倍する→→→100かけて4で割る

18×25=18×100÷4で1800を4で割ればいいのですが、4で割るところもひと工夫します。
そう、2で割ってまた2で割る。なので、1800÷2÷2と考えると、暗算でも楽にできちゃいます。(450ですね!)

⑤ 約分を使う

260÷16ってけっこう面倒くさい!!などと思っていませんか?
でも約分の考え方を使うと暗算できますよ。
280÷16 → 140÷8 → 70÷4 →35÷2 となって、これなら暗算オーケーですね。(17.5になるね(^O^))

ところで、先に書いた「37×56」に戻ります。
暗算というわけではありませんが、次の図のように考えることもできます。

暗算の勧め1
㋐は30×50=1500 ㋑は7×50=350 ㋒は30×6=180 ㋓は7×6=42
1500+350+180+42=2072
これを頭に思い描いて暗算するということも、無理ではありません(筆算の方が速くできるって?!)

かけ算をこのように面積の形で考えることで解きやすくなる入試問題もありますよ。
(99998×99998-99997×99999といった問題も計算せずに答えが出せます。)

第1回はこれでおしまい。

テーマ:学習
ジャンル:学校・教育

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