2013(H25)年度 入試分析 算数 東大寺学園中学校 その2

2013.02.28 10:56|入試問題分析(算数)
関西の入試に戻ってきました^^;
東大寺学園の算数は,前に書いたように,大問数こそ変わらないものの,枚数が4枚と増え,
受験生を見かけで圧倒しました。今回はそのうち大問3をみていきましょう。
この問題も,これで問題用紙1枚を使っていました。大作の感があります。

(問題) H25年 東大寺学園中学校 算数 大問3
AB=2cm,AD=1cmの長方形ABCDと,対角線の長さEG=FH=2cmの正方形EFGHがあります。
ABの真ん中の点をM,CDの真ん中の点をNとします。
さらに,CとMを通る直線をℓ,Dを通りℓに平行な直線をmとします。
【図1】のように正方形EFGHをEFがm上に,GHがℓ上にあるように動かすとき,次の問いに答えなさい。
東大寺2013 3①

(1)2つの四角形の重なる部分が五角形になる場合に,重なる部分の面積が最も大きくなるとき,
その部分の面積を求めなさい。
(2)2つの四角形の重なる部分が三角形になる場合に,重なる部分の面積が最も大きくなるとき,
その部分の面積を求めなさい。
東大寺2013 3②

(3)【図2】は正方形EFGHが点線部分の正方形から太線部分の正方形E'F'G'H'まで移動した図です。
ただし,AはFG上,NはEH上にあるものとし,F'G'とDAが交わる点をP,
F'G'とABが交わる点をQ,E'H'とDCが交わる点をRとします。
三角形AQPと四角形NHH'Rの面積が等しくなるとき,三角形AQPの面積を求めなさい。


この問題は,正方形が「斜めに」進んでいきますから,図がかきづらく,
受験生を悩ませたのではないかと推測できます。
こういった問題で大切なことは,図が動く様子をしっかりイメージするための作図です。
かきづらいですが,何とかがんばって,大ざっぱでいいので,その様子をイメージしておきましょう。
東大寺2013 3③

正方形を左下の状態から少しずつ右上に動かしていくことで,重なる部分がどう変化していくか図にしてみると,
上の図のように,直角二等辺三角形→五角形→六角形→直角二等辺三角形 と変化していくことはつかめますね。
この様子がつかめたら,(1),(2)はさほど難しくはありません。

(1) 下の図のように,六角形になる寸前(FGが点Aに重なったとき)に五角形の面積が最大になります。
正方形EFGHから3つの合同な三角形を引けば重なった部分の面積が求められます。
東大寺2013 3④

2×2÷2-1×0.5÷2×3=2-0.75=1.25(cm^2)

(2)  下の図のように,点Fが点Dと重なった場合に重なる三角形の部分の面積が最大になります。
このとき三角形CDMは底辺2cm,高さ1cmの直角三角形になります。
東大寺2013 3⑤
2×1÷2=1(cm^2)

(3) 三角形AQPと四角形NHH'Rの面積が等しくなるとき,三角形PASと三角形RNTの面積も等しくなります。
すると,三角形QASと長方形THH'Rの面積も等しくなります。(図の☆印)
GG'=HH'=②とすると,三角形QASの等辺の長さは②になります。
東大寺2013 3⑥

三角形QASと長方形THH'Rを高さ②の等高図形と考えると,面積が等しいので(上底+下底)も等しくなります。
三角形QASの(上底+下底)は②なので,長方形THH'Rの(上底+下底)も②,よってTH=①となります。
NT=②なので,NR:RC=NT:TH=2:1
これよりNR=AP=1×2/3=2/3(cm)
よって三角形AQPの面積は,2/3×2/3÷2=2/9(cm^2)

さすがに(3)は少し難しく,受験生を戸惑わせる問題だったように思います。
ですが,(1)(2)については,正方形の動く様子をしっかりイメージし,落ち着いて丁寧に作図すれば
十分対処可能だったのではないでしょうか。
(道)



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2013(H25)入試分析 算数 武蔵中学校

2013.02.27 12:53|入試問題分析(算数)
今回は武蔵中学校の算数の分析です。

一昨年度 出願者数 578人 受験者数 569人 合格者数 180人 実質競争率 3.2
昨年度 出願者数 525人 受験者数 517人 合格者数 183人 実質競争率 2.8
今年度 出願者数 443人 受験者数 433人 合格者数 177人 実質競争率 2.4
去年に引き続き,今年はさらに倍率が下がりました。
合格最低点も320点満点中,191→204→146と大幅に下がっており,
当然問題の難易度にもよりますが,全体的には通りやすかったと言っていいと思います。

問題の分量は大問4題,小問数は13題。
いずれも超難問というものではありませんが,合格者平均が46.3/100ということを考えると,
3番の水入れで全滅したり,4番の記述で思考が停止したりした子が結構いたと思われます。
大問4などでは(1)(2)の記述問題ができなくても(3)や(4),極端なことを言えば(4)だけでも解くことは可能です。
貪欲に点数を稼ぎに行くように,普段から心がけなければいけませんね。

今回はこの中から2番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 武蔵中学校 算数 大問2番
 図のように,正方形ABCDの外側と内側に2つの円P,Qが接しています。
この円P,Qをそれぞれ正方形の各辺にそって1周させ,元の位置に戻るまで動かします。
円Pの中心が動いてできる線を(ア),円Qの中心が動いてできる線を(イ)とするとき,次の問いに答えなさい。
円周率は3.14とします。正方形の図を利用してもかまいません。(式や計算も書きなさい)
2013武蔵中学校2番

(1)円Pと円Qの半径がともに5cmのとき,(ア)と(イ)で囲まれる部分の面積が1178.5cm^2になりました。
正方形の一辺の長さは何cmですか。
(2)次に,正方形の一辺の長さと2つの円P,Qの半径をすべて変えたところ,(ア)と(イ)の長さの差が
67.96cmになりました。このとき,円Pの半径は□cm,円Qの半径は△cmです。
□,△に当てはまる整数を求めなさい。


まずは,きちんと作図をしましょう。
(1)
2013武蔵中学校2番01
上図のように,元の正方形の内側と外側に,幅5cmの帯があるイメージです。
この斜線部分の面積の合計が1178.5cm^2になればよいわけです。
4隅を合わせると,半径5cmの円になるので,5×5×3.14=78.5cm^2ですから,
残りの部分が1178.5-78.5=1100cm^2となります。
元の正方形の一辺を□cmとすると,□×5の長方形が,元の正方形の外側に4つ,
内側に4つありますが,内側は☆の部分が重なっているので,
□×5×8=1100+5×5×4=1200cm^2となります。
よって,□=30cmですね。

(2)
2013武蔵中学校2番02
(ア)と(イ)の長さの差とは,赤線部分になります。
4隅を合わせると半径が□cmの円になり,あとは△cmの直線が8本分ですから,
□×2×3.14+△×8=67.96cmとなります。
小数部分を考えると,□×2が4,9,14,19,…の可能性がありますが,□は整数なので,4か14のいずれか。
□×2=4のとき,△×8=55.4となるので不適。
□×2=14のとき,△×8=24となるので,□=7cm,△=3cmとなります。

図形の問題は普段から作図をきちんとしなさいと何度も言われていると思いますが,
その作図がきちんとできればそれほど難しくないと思われます。
ちょっと時間がかかっても,出された宿題をこなしていく中で作図能力をつけていきましょう。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 渋谷教育学園幕張中学校

2013.02.26 23:59|入試問題分析(算数)
今回は渋谷教育学園幕張中学校の分析です。

競争率は例年通り2.3倍でした。
受験者平均も53.6とここ5年ほどの真ん中あたりに落ち着いています。
問題の分量は大問6題,小問数は15題。
1番の小問群と,定番の3番はしっかり合わせたいところです。
あとの4題の中では4番の水入れ問題が取りやすそうですが,
グラフをかかないといけないので得手不得手があるかもしれません。
いずれにしても,4題については小問を拾えば十分な計算ですね。

では,今回はこの中から6番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 渋谷教育学園幕張中学校 算数 大問6番
一辺が6mの正方形の形をしたシートを教室の床の上に平らにひろげ,
シートの上に幅1mの板を2枚,シートに垂直になるように立てました。
図1は,このシートを上から見た図です。
図1のように正方形の各頂点をA,B,C,Dとして,辺ABの真ん中の点をP,
辺BC上のBから1mはなれた点をQとします。Pに真一くんが立ち,
Qに和子さんが立って,それぞれシートを見るとき,次の各問いに答えなさい。
ただし,板の高さは真一くんと和子さんの身長よりも高く,板の厚さは考えません。
(1)真一くんが見ることができないシートの部分の面積は何m^2ですか。
(2)真一くんも和子さんも,ともに見ることができないシートの部分の面積は何m^2ですか。2013渋谷教育学園幕張中学校6番


(1)Pから2枚の板の両端を通る直線を引きましょう。
2013渋谷教育学園幕張中学校6番01
このように,方眼を作ると解きやすい問題というのはよくありますので,テクニックとして知っておきましょう。
今回求めるところは斜線をつけたところの和ですので,いずれも大きな三角形から白い小さな三角形を
引いてあげればよいですね。
3×3÷2-1×2÷2=3.5m^2
1×6÷2-1×1÷2=2.5m^2
3.5+2.5=6m^2となります。

(2)(1)の真一くんの場合と同様に,和子さんの方もかきこんであげましょう。
2枚の板を同時に考えると,図がごちゃごちゃになりそうなので,1枚ずつ注目していきますね。
2013渋谷教育学園幕張中学校6番022013渋谷教育学園幕張中学校6番03
左上の図の太枠で囲まれたところが和子さんが見ることができない場所です。
(1)の斜線部分のうち,太枠で囲まれたところが二人とも見ることができない場所となります。
左上の4×4マスだけを取り出したものが右上の図になりますが,斜線部分の形がよく見る図形になっているのが
分かりますね。面積は2×4÷2×1/3=4/3m^2となります。

では,次の板に注目してみましょう。
2013渋谷教育学園幕張中学校6番042013渋谷教育学園幕張中学校6番05

先ほどと同様に,(1)の斜線部分のうち,太枠で囲まれたところが二人とも見ることができない場所となります。
こちらの方はちょっと複雑ですね。斜線部分が含まれる2マスだけ取り出したものが右上の図になりますが,
太線で囲まれた相似に注目すると,相似比は0.5:1=1:2となりますので,斜線部分の三角形の高さは
1/2×2/3=1/3mとなります。よって,面積は1×1/3÷2=1/6m^2ですね。

今回は2つの面積の和ですから,答えは4/3+1/6=1.5m^2となります。

同じ図の中にどんどん線をかきこんでいくと,当然のことながら図は見にくくなっていき,解けるものも
解けなくなってきてしまいます。そのようなときに,自分で図を新しく書き出して,フレッシュな状態で
考えると色々なことに気付きやすくなりますね。そのためにも普段から図を書くように心がけてください。

(池)

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2013(H25)入試分析 算数 筑波大附属駒場中学校

2013.02.25 16:23|入試問題分析(算数)
今回は筑波大附属駒場中学校の算数の分析です。

問題の分量は大問4題,小問数は14題。
1番の数の問題はしっかり合わせておきたいところです。この手の問題は,取れる子と取れない子が
極端に分かれてしまうので,一気に差をつけられてしまう危険性がありますね。
2番は定番の点の移動問題ですが,ちょっと面倒ですね。
(3)(イ)はちょっとだけ罠があるので,取れなくても仕方がないかもしれません。
3番はカタラン数の問題。同じ題材の問題はよく目にするので,問題演習の量で大きく差がついたと思われます。
4番は定番の数表問題ですが,サイズが非常に大きいので,テストという限られた時間で落ち着いて解くには
かなりの精神力を要します。普段の勉強をするときから,投げ出したい気持ち,パニックになりそうな気持ちを
グッと抑えて,コントロールするということを意識しておくとよいでしょう。

では,今回はこの中から1番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 筑波大附属駒場中学校 算数 大問1番
A,B,C,D,E,Fを,それぞれ,0でない1けたの数とします。これらを並べて6桁の数『ABCDEF』を作ります。
並んでいる6個の数を3つずつに区切って,3けたの数『ABC』と『DEF』を作り,これらを足すと999でした。
次の問いに答えなさい。なお,A,B,C,D,E,Fに同じ数があってもかまいません。
(1)6個の数A,B,C,D,E,Fを全部足すといくつになりますか。
(2)もとの6桁の数について,並んでいる6個の数を2つずつに区切って,2桁の数『AB』,『CD』,『EF』を作り,
これらを全部足すと99になりました。
(ア)Aが1,Cが2のとき,もとの6桁の数を答えなさい。
(イ)このような6桁の数『ABCDEF』は,(ア)で答えたものを含めて,全部で何個ありますか。

(1)まず,筆算で
ABC
+DEF
999
と書くと,A+D=9,B+E=9,C+F=9ということに気付くかと思います。
※2数の足し算は最大でも9+9=18なので,この筆算がくり上がることはありません。
よって,A+B+C+D+E+F=(A+D)+(B+E)+(C+F)=9×3=27となります。

(2)(1)と同様に,まず筆算を書いてみましょう。
AB
CD
+EF
99
となります。ここに出てきている6数の合計は(1)より,27になっています。
B+D+F=9だとすると,A+C+E=18となってしまうのでこれはありえません。
B+D+F=19だとすると,A+C+E=8となり,くり上がりを考えるとこの筆算が成り立つことになります。

(ア)A=1より,D=9-1=8,C=2より,F=9-2=7となります。
また,E=8-1-2=5ですから,B=9-5=4となりますので,求める6桁の数は142857となります。

(イ)A,C,Eが決まれば9-E=B,9-A=D,9-C=Fと残りの3つも決まるので,
A+C+E=8を満たすような3数が決まればよいですね。

○○○○○○○○の間に仕切りの|を2本入れると考えればよいですから,
7C2=21個となります。
※2本の仕切りのうち,左の仕切りよりもさらに左にある○の個数がA,
2本の仕切りにはさまれている○の個数がC,
右の仕切りよりもさらに右にある○の個数がEと考えればよいです。

後の問題へ弾みをつけるためにも,ここはスムーズに通り抜けて後につないでおきたい問題でした。
そのためにも,普段から解説を参考にしたりするときに,あいまいなところを残したまま進まないように
心がけてほしいところです。


(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 桜蔭中学校

2013.02.24 12:39|入試問題分析(算数)
今回は桜蔭中学校の算数の分析です。

一昨年度 出願者数 503人 受験者数 500人 合格者数 255人 実質競争率 2.0
昨年度 出願者数 588人 受験者数 581人 合格者数 259人 実質競争率 2.2
今年度 出願者数 523人 受験者数 517人 合格者数 261人 実質競争率 2.0
となっており,倍率は一昨年並みとなりました。

問題の分量は大問6題,小問数は11題。
方針が立たないような超難問は無いですが,ていねいに進めていかないと計算ミスをしたり,
混乱したりという問題がほとんどですので,普段から限られた時間の中でも
落ち着いて問題に取り組むという意識をしておかなければいけませんね。

今回はこの中から5番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 桜蔭中学校 算数 大問Ⅳ番
下の図は長方形の土地を幅3mの道(斜線部分)で5つの長方形の土地に分けたものです。
(あ),(い),(う),(え),(お)の部分の面積をそれぞれ[あ],[い],[う],[え],[お]とします。
[あ]:[い]:[う]:[え]:[お]=1:2:3:4:5となるとき,(え)の部分の面積を求めなさい。
※( )は本来の文章では○になっています。
2013桜蔭Ⅳ番

道の問題は端に寄せてしまうというのが鉄則です。
ただ,全部寄せてしまうとわけがわからなくなりますので,縦方向の道だけ右端に寄せてしまいましょう。
要は,(あ)と(い)をくっつけて1つの長方形に,(う)と(え)と(お)をくっつけて1つの長方形にするわけです。
すると,2つの長方形の面積比は(1+2):(3+4+5)=1:4となります。
また,横の長さの比は(300-3):(300-6)=99:98なので,
縦の長さの比は(1÷99):(4÷98)=49:198となりますね。
つまり,下の長方形の縦の長さは(250-3)×198/247=198mとなりますので,
(え)の面積は198×294×4/12=19404m^2となります。

ちなみに,今回の問題は道を端っこに寄せることができましたが,形によっては寄せてしまうと
おかしなことになってしまうケースがあります。
例えば,下の図をご覧ください。
2013桜蔭Ⅳ番01
一番上はOK,真ん中もOKですが,一番下はNGです。
どのように判断すればよいかは黒塗りの部分です。

一番上は,見るからに変形前も変形後も重なり部分は一辺1mの正方形になっています。
真ん中は,変形前後で形は変わっていますが,変形前は底辺1m,高さ1mの平行四辺形,
変形後は縦横1mの正方形なので,面積は変わりません。

しかし,一番下の図では,重なり部分はどの辺の長さも道の傾き具合で変わってきます。
よって,変形前後で面積まで変わってしまいますので,このような寄せ方をしてはいけません。

算数の先生でも結構このあたりを勘違いされる方がおられたりしますので,気をつけましょう。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 麻布中学校

2013.02.23 12:36|入試問題分析(算数)
今回は麻布中学校の算数の分析です。

問題の分量は大問6題,小問数は15題。
今年の受験者数874人,合格者数384人(募集人員300名),実質倍率2.28倍,
点数については,
トータル200点満点(国語・算数 各60点,理科・社会 各40点)で,
最高点は147点(7割ちょい),合格最低点は98点(5割弱)という結果でした。

得点の取り方としては,1番,3番をしっかり取って,4番と5番は(1)だけで十分。
6番でどれだけ取れるか勝負といった感じでしょうか。

今回はこの中から5番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 麻布中学校 算数 大問5番
図1のような立体を三角すいといい,その体積は(底面積)×(高さ)÷3で求められます。
以下の問いに答えなさい。
2013麻布5番図1
(1)図2において,三角すいABCD,三角すいABQR,三角すいPBQRの体積の比を
できるだけ簡単な整数の比で表しなさい。
2013麻布5番図2
(2)図3の三角形EFGの形をした紙を使って2つの三角すいを作ります。図4の点線を折り目として
頂点E,F,Gを一致させるように折って作った三角すいの体積を[ア]㎝^3,図5のように4つの三角形に
切り離し,同じ長さの辺を重ね合わせて作った三角すいの体積を[イ]㎝^3とします。
[ア]と[イ]の体積の比をできるだけ簡単な整数の比で表しなさい。
2013麻布5番図345


(1)は正解しておかなければいけません。
三角すいABCDの体積を【1】としたときに,他の2つがどうなるかを考えましょう。
いずれも三角すいの隣辺比を使って出すことができます。
三角すいABQRは【1】×3/6×3/5×6/6=【3/10】,
三角すいPBQRは【1】×3/6×3/5×4/6=【1/5】ですから,
【1】:【3/10】:【1/5】=10:3:2となります。

(2)こちらの方はかなり難易度は高いですね。
図3の三角形を4枚組みあわせてできる三角すいをベースとして考えましょう。
てっぺんの頂点にアルファベットを振っていますが,それぞれの角が
図3の三角形のどの頂点と同じ大きさになっているかを表したものです。
下の一番左の図で,体積を『1』としておきましょうか。

図4を見ると,Eをはさむ2辺が10cmと11cm,Fをはさむ辺が9cmと11cm,Gをはさむ辺が9cmと10cmなので,
下の真ん中の図のようになります。
よって,体積は『1』×11/22×10/20×9/18=『1/8』ですね。
図5を見ると,Eをはさむ2辺が10cmと8cm,Fをはさむ辺が12cmと8cm,Gをはさむ辺が10cmと12cmなので,
下の一番右の図のようになります。
よって,体積は『1』×8/22×10/20×12/18=『4/33』ですね。

つまり,求める体積の比は『1/8』:『4/33』=33:32となります。
2013麻布5番01
今回の問題のセットを考えると,(2)まで取れる必要はないでしょうが,同じ三角形を4枚組みあわせれば
三角すいを作ることができるということは知っておいて損はないですね。
(池)
 

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2013(H25)年度 入試分析 算数 慶應中等部

2013.02.22 15:36|入試問題分析(算数)
今回は,数理教育研究会の道幸が担当します。
まずは,入試の状況から。

平成23年度入試結果
男子 志願者数971名  合格者数143名  実質競争率6.79倍
女子 志願者数493名  合格者数48名  実質競争率10.27倍

平成24年度入試結果
男子 志願者数878名  合格者数159名  実質競争率5.52倍
女子 志願者数434名  合格者数51名  実質競争率8.51倍

平成25年度入試結果
男子 志願者数816名  合格者数156名  実質競争率5.23倍
女子 志願者数444名  合格者数53名  実質競争率8.38倍

首都圏では,昨年「中学受験バブル崩壊」と言われ,軒並み受験生を減らしました。慶應義塾中等部でも,昨年は志願者数で男子は約100名,女子は約50名減。で,今年はどうだったかというと,上に書いたように,男子は昨年比-62人(志願者数),多少難易度が下がったというところです。女子は昨年比+10人(志願者)。それにしても,関西の学校と比較すると競争率は高く,難関です。

算数について話を進めます。45分100点満点。大問6題,総設問数は20問です。前にも書きましたが,高難度の問題があまり出題されず,少しひねった典型問題の演習量で合否が決まる,つまり,典型問題の処理速度(1問2~2.5分)と精度の高さが求められる入試ですね。
毎年そうですが,最後の方の大問は,やや難度が高く,なかなか手ごわいのではないかと思います。今年でいえば,大問6と大問7ですね。
ここでは,大問7を取り上げましょう。

(問題)2013年度 慶應中等部 大問7
図のような底辺の長さが8cm,高さが5cmの直角三角形Aがあります。この直角三角形Aの底辺の長さを右方向に,高さを上方向にそれぞれ整数で何倍かした新しい直角三角形Bをつくります。次の□に適当な数を入れなさい。
慶應中等部2013 7

(1) 面積が1440cm^2となる直角三角形Bは全部で□種類です。
(2) 直角三角形Bが18種類できるとき,その面積が最も小さいものは□cm^2です。


(1) Aをたて方向に△倍,横方向に□倍すると,Bは5×△×8×□÷2=1440となります。
ここから,△×□=1440×2÷8÷5=72と分かりますから,△と□は72の約数であることが分かります。
△と□の組み合わせを(△,□)と書くと
(1,72),(2,36),(3,24),(4,18),(6,12),(8,9),(9,8),(12,6),(18,4),(24,3),(36,2),(72,1)
の12組(=72の約数の個数)できます。したがって,12種類です。

(2) 以上のように考えると,直角三角形Bが18種類できるということは,△×□の約数の個数が18個あればよい
ということが分かります。
約数の個数は,素数の積で表したときに出てくる(各素数の個数+1)の積でした。
先の72では,72=2×2×2×3×3=2^3×3^2 より,(3+1)×(2+1)=12で12個となります。
18をいくつかの整数の積で表すと
1×18 → ○^17 …ア
2×9 → ○^1×◎^8 …イ
3×6 → ○^2×◎^5 …ウ
2×3×3 → ○^1×◎^2×◇^2 …エ

アでできる最小の数は2^17=131072
イでできる最小の数は3×2^8=768
ウでできる最小の数は3^2×2^5=288
エでできる最小の数は5×3^2×2^2=180

よって,最小の△×□=180となり,5×△×8×□÷2=5×8×180÷2=3600となりますね。
約数の個数の求め方が分かっていても,すぐに解答に行きつけない,練習を要する問題で,
受験生はけっこう苦戦したのではないでしょうか。

おそらく,最後の問題ができなくても合否に大きな影響はなかったと考えられます。
(ただし,そこまでの問題で確実に得点できていないと話になりませんが・・・)
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2013(H25)入試分析 算数 洛星中学校(後期)

2013.02.21 15:29|入試問題分析(算数)
すみません!洛星後期を書いていたのですが,記事を公開するのを忘れていました!

今回は洛星中学校(後期)の算数の分析です。

問題の分量は算数1が大問5題,小問数は9題。
例年のように算数1は落とせない(=落とすと確実に他の人と差がついてしまう)問題が並びました。
4番、5番で小問2個以内、悪くても3個の失点に抑えたいところです。

算数2が大問4題,小問数は18題。
算数2の1番の円すいの移動問題は,灘あたりで題材になりそうかなと我々の間では
話に出ていたのですが,ここで出てしまいました。
1番は似たようなものをやったことがあるかどうかで差がついたかもしれません。
2番3番は見かけほど難しくありません。が,長い文章や複雑な解答欄を見ただけで拒否反応を
示した子はいると思われます。まずはハートの強さが試されましたね(^^;
今回は4番の数列の問題を取り上げてみましょう。

(問題)H25 洛星中学校(後期) 算数 大問4番
整数の列
      5,8,20,80,…  【A】
があります。
ただし,この列【A】はある数と次の数の積を2で割ったものがその次の数となるようにできています。
たとえば,「1番目の数5」と「2番目の数8」の積を2で割ったものが「3番目の数20」になっています。
次の問いに答えなさい。
(1)この列【A】の6番目,7番目の数は,一の位から数えて何個0が続きますか。
(2)この列【A】の13番目の数は,一の位から数えて何個0が続きますか。

この列【A】のそれぞれの数について,
      「90→9」,「120300→1203」
のように,一の位から続いて並んでいる0だけを取り除いた数の列
      5,8,2,8,…   【B】
をつくります。
(3)列【B】の6番目,7番目の数は,それぞれ2で何回割りきれますか。また,10番目15番目の数は,
それぞれ2で何回割りきれますか。


(1)これは実際に書き出してみましょう。
5,8,20,80の続きは,
20×80÷2=800
80×800÷2=32000  ⇒  6番目は3個
800×32000÷2=12800000  ⇒  7番目は5個
となります。

(2)【A】の0の個数を並べてかいてみましょう。
     0,0,1,1,2,3,5,…
何か気づきましたか?そう,3番目の数から見るとフィボナッチ数列になっていますね。
これは当然のことで,前の2つの数を掛け合わせているわけですから,0の個数もその合計になります。
よって,0,0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,…となりますので,89個です。

(3)先ほどは【A】に出てくる数が10で何回割り切れるかを表したものでした。
今回は2で何回割り切れるかを考えます。
10で割り切れる回数というのは2×5で何回割り切れるかということなので,先ほどやったことをまとめるついでに,
【A】に出てくる数が,2や5を素因数として何個持っているかを表にしてみましょう。
2013洛星後期4番01
5の個数は(2)の所でも書いたようにフィボナッチ数列になっていますね。
2の個数は,【A】は前の2数をかけて2で割るので,前の2数の和-1となります。

今回は【B】の数が2で何回割り切れるかを聞かれていますから,上の表の2の個数よりも少なくなっているはずです。
どれだけ少なくなっているかというと,実は5の個数分だけ少なくなります。

なぜか?
5の個数=取り除いた0の個数,つまり【A】から【B】にするときにそれだけの回数だけ10(=2×5)で割ったことになりますので,2で割れる回数は5の個数だけ減ることになりますね。

よって,表の差の欄にかかれている,6番目,7番目,10番目,15番目の,5,7,27,289が求める答えです。
ちなみに,最後の数列も4番目の数から見ると,前の2数の和-1になっていますね。

ある程度書き出したら,その先は規則性に気づかないと解けないという問題は数多くありますので,
そのようなところにも普段から意識を持って取り組んで下さいね。
(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 開成中学校

2013.02.20 15:50|入試問題分析(算数)
さて,そろそろ関西から飛び出してしまいましょう。

開成中学校の入試問題に目を向けてみます。
問題の分量は大問3題、小問数は13題。
去年の合格者平均がぐっと落ちたこともあり,今年は難易度が下がりましたね。
(85点満点で去年の合格者平均が55.7,今年の合格者平均が68.3となっています。)
1番の小問群も(1)~(4)が取りやすく,大問2,3も特別複雑だということはないので,
大問2,3で小問2個落とすぐらいでおさめたいところですね。

では,今回はこの中から3番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 開成中学校 算数 大問3番
水槽Aは三角柱の形で,底面は一番長い辺の長さが8mの直角二等辺三角形で,高さは9mです。
水槽Bは四角柱の形で,底面は2辺の長さが8mと5mの長方形で,高さは9mです。
水槽A,Bは,たて9m,横8mの長方形の面で隣り合っています。下図のように水槽A,Bの
隣り合っている面を取り外して,横8mで高さが変えられる長方形の仕切りを入れました。
初めは2つの水槽は空で,仕切りは9mの高さまで上げられています。
有る時刻から水槽Aに1分あたり10m^3の水を注水口から入れます。それと同時刻に,
仕切りは高さが1分あたり50㎝の速さで下がり始め,その高さが0mになったら停止します。
水槽A,Bが水でいっぱいになったら水を入れるのをやめます。
このとき以下の問いに答えなさい。ただし,仕切りや面に厚みはないものとし,
仕切りからあふれた水槽の水はただちに隣の水槽に移るものとします。
(1)水槽Aから水槽Bへ水があふれ出すのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(2)水槽Aと水槽Bの水面の高さが初めて等しくなるのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(3)水を入れ始めてからの時間と水槽Aの水面の高さの関係を表すグラフを解答欄にかきなさい。
2013開成3番



計算で出てくる数字もあまりきれいではないので,非常にいやらしいのですが,何が起こっているのかを
しっかりと把握できれば,グラフを利用して非常に簡単に解くことができますよ。
まず,水槽の中でどのようなことが起こるのかをしっかりと理解しましょう。

①まず,水槽Aの水面が0mから上昇していく。そのとき,仕切り板の上端はどんどん下がってくる。
②水槽Aの水面と仕切り板の上端が出会う。この後,水槽Aから水槽Bには水が流れ込み,水槽Bの水面が上昇
して行くのと同時に,仕切り板の上端が下がっていくのに合わせて水槽Aの水面は下降していく。
③水槽Aの水面,仕切り板の上端,水槽Bの水面が一致する。この後,水槽Aと水槽Bの水面は同じ速さで上昇し,
その水面下に仕切り板の上端はどんどん沈んでいく。

大きく分けてこの3つの動きに分かれます。
つまり,水槽Aだけに水が入っているときの上昇と,仕切り板の上端の下降,水槽A,Bに水が入っているときの
上昇の3種類の速さだけおさえてしまえばOKですね。


では,これらをグラフに表してみましょう。

まずは水槽Aだけに水が入っているときの上昇です。
底面積が8×4÷2=16m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷16=5/8(m/分)ずつ上昇します。(赤のグラフ)
次に仕切り板の上端の下降です。
これは問題文にあるように9mの高さから,0.5m/分ずつ下降します。(青のグラフ)
最後に水槽A,Bに水が入っているときの上昇です。
底面積が16+8×5=56m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷56=5/28(m/分)ずつ上昇します。
上記の③になってしまえば,初めから仕切りがない場合とまったく同じ動きになるので,原点から
直線を引いてしまいましょう。(緑のグラフ)
2013開成3番01
結局(3)のグラフは上の実線部分を残してあげればよいことになります。
このグラフを利用して(1)(2)も解いてしまいましょう。
(1)(5/8):(0.5)=5:4なので,赤線と青線の交点は18分を4:5に分けたところになります。
よって,18×4/9=8分後ですね。
(2)(5/28):(0.5)=5:14なので,緑線と青線の交点は18分を14:5に分けたところになります。
よって,18×14/19=13 5/19分後となります。

底面積と水量を使って解くこともできますが,わざわざグラフをかきなさいと問題に出ているときは
グラフを利用すると楽なことが多いというのも覚えておくとよいですね。
(池)
 

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2013(H25)年度入試分析 算数 六甲中学B日程

2013.02.19 15:16|入試問題分析(算数)
今回は六甲Bを取り上げます。
例年と比べると,若干取り組み易い問題が並んだ気がします。しかし,問題用紙の2枚目・大問7~9はやはり
それなりの難易度の問題で,特に大問9は,見かけは簡単そうですが,結構面倒な作りになっています。
受験者平均・合格者平均いずれもまだ未公表ですが,ひょっとして例年より少し高いのかなという感じはします。

では,今回は2枚目にある大問7を見てみましょう。

(問題)H25 六甲中学校 B日程算数 大問7
A地点の真東にB地点があり,ロボット㋐がA地点に,ロボット㋑がB地点にあります。電源を入れると,
ロボットは入力されたデータの通りに動きます。始めに入力されているデータは下の表の通りです。
2台のロボットが同じ地点に来ると,ロボットは向き・速さのデータを相手と交換します。
また,A,Bいずれかの地点にロボットが来ると,そのロボットの向きのデータのみが反対向きになります。
2台のロボットの電源を同時に入れたところ,しばらくして2台が出会い,データを交換してそれぞれ来た道を
引き返しました。その後2台はA,B地点でそれぞれ向きを変え,2台が次に出会ったのは初めて出会って
から21分後でした。次の(1)~(3)の問いに答えなさい。

六甲B2013 7①

(1) A地点とB地点の間の距離は何mですか。
(2) 2台のロボットが初めて出会ったのは電源を入れてから何分後ですか。
(3) 2台のロボットがB地点に初めて同時に来るのは,電源を入れてから何分後ですか。


よくある旅人算っぽいのですが,大きな違いは,ロボット同士が出会うたびに互いのデータを交換し,
その新しいデータに沿って歩き続けるという,いかにもPC世代を過ぎてスマホ・タブレット世代が
喜びそうな設定になっている点でしょうか。

順に見ていきましょう。
(1) 初めて出会ってデータの交換をした後,再び出会うまでの時間が21分。ここに注目します。
六甲B2013 7②

図の□~●に注目します。㋐㋑2台のロボットが21分間に,合わせてABの距離の2倍を進んでいるので
(14+16)×21=630(m)…ABの距離の2倍
よって,AB間は630÷2=315(m)

(2) 315mを㋐と㋑が出会うまでの時間は,315÷(14+16)=10.5(分後)
(3) データ交換をしたロボットの動きを考えるので,例えばロボット㋐だけに注目して解こうとすると,
とんでもなく面倒な問題なのですが,この問題の面白いところは,ある1点に気付いてしまうととても
あっさりとできてしまうという点です。
ためしに,ロボット㋐と㋑の動く様子をダイヤグラムにしてみると次のようになりますね。
六甲B2013 7③

つまり,ロボット㋐とか㋑とかを個別に追いかけるのではなく,分速16mのロボット,分速14mのロボットの動きを,
速さ別に追いかけると,単純な旅人算になっていることが分かります。
そこで,分速16mのロボットがB地点に到着するのは,315×2÷16=39.375(分)ごと
 → 39.375分,78.75分,118.125分,157.5分,…
分速14mのロボットがB地点に到着するのは,1回目が315÷14=22.5分後
あとは22.5×2=45(分)ごと
→ 22.5分,67.5分,112.5分,157.5分,…
以上より,B地点に初めて同時に来るのは,電源を入れてから157.5分後であることが分かります。

今回の六甲Bの問題は,1枚目が比較的平易で取り組みやすく,受験生も実力が発揮しやすかったのでは
ないかと思います。
(道)
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2013(H25)入試分析 算数 神戸女学院中等部 PART2

2013.02.18 16:35|入試問題分析(算数)
前回に引き続き,神戸女学院中等部の算数の分析です。

では,今回はこの中から7番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸女学院中等部 算数 大問7番
箱の中に1から5までの数字が書かれたカードが1枚ずつ入っています。この箱の中からカードを1枚ずつ
順に3回取り出します。ただし,取り出したカードは元に戻さないものとします。次に,1回目と2回目に
とりだしたカードに書かれた数字の和を十の位とし,2回目と3回目に取り出したカードに書かれた数字の
和を一の位とする整数を作ります。例えば,1回目に5のカード,2回目に1のカード,3回目に2のカードを
取り出したとき,1回目と2回目に取り出したカードの数字の和は5+1=6,2回目と3回目に取り出した
数字の和は1+2=3ですから,作られる整数は63となります。このとき,カードの取り出し方を(5,1,2)と
書くことにします。
(1)作られた整数が奇数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(2)作られた整数が3の倍数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(3)作られた整数が37となるカードの取り出し方は(1,2,5)の1通りで,45となるカードの取り出し方は,
(1,3,2)(3,1,4)の2通りです。作られた整数が70以上になり,その整数を作るカードの取り出し方が
3通りある整数をすべて求めなさい。


(1)取り出した3枚のカードを(A,B,C)とすると,Bが偶数でCが奇数,または,Bが奇数でCが偶数になればOKです。
・Bが偶数でCが奇数のとき
B C A
2×3×3=18通り
・Bが奇数でCが偶数のとき
B C A
3×2×3=18通り
となるので,18×2=36通りですね。

(2)剰余系を使ってもいいのですが,数字が限られているので逆にややこしくなるかもしれません。
よって,ここではそのまま書き出していきます。
3の倍数ということは,十の位と一の位を足して3の倍数になればよいということです。
(A+B)+(B+C)=A+B×2+Cが3の倍数ということですね。
今回はB×2のところを基準として場合分けしてみましょう。
・B=1のとき(B×2=2のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(2,5)(3,4)(4,3)(5,2) の4通り
・B=2のとき(B×2=4のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(3,5)(4,1)(5,3) の4通り
・B=3のとき(B×2=6のとき)
A+C=3の倍数 ⇒ (A,C)=(1,2)(1,5)(2,1)(2,4)(4,2)(4,5)(5,1)(5,4) の8通り
・B=4のとき(B×2=8のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(1,3)(2,5)(3,1)(5,2) の4通り
・B=5のとき(B×2=10のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(2,3)(3,2)(4,1) の4通り
となるので,4×4=8=24通りです。

(3)この問題に関しては,80台と90台はまず省くことができます。
なぜか?例えば80台を考えてみましょう。

A+B=8になる(A,B)の組み合わせは(3,5)と(5,3)しかありません。
さらに,87を作る場合を考えてみると,(3,5)に対してC=2,(5,3)に対してC=4とそれぞれ1通りに決まるので,
(A,B)を決める時点で3通り以上ないとお話にならないわけです。よって,80台は全滅。
90台も(A,B)の組み合わせは(4,5)と(5,4)しかないのでダメですね。

つまり,70台だけを考えればよいことになります。
(A,B)の組み合わせは(2,5)と(3,4)と(4,3)と(5,2)の4通り。この中から3通りが生き残ればよいわけです。
Cに入る数を表にして書き上げると次のようになります。

2013神戸女学院7番01

3通りが生き残るのは75と76の場合ですね。

こうやって記事にしてしまうとなんてことなさそうなのですが,まぁ,テストという限られた時間の中では
なかなか正解にはたどり着かないでしょう。特に(2)は剰余系を使うと混乱しそうだし,書き出すと抜けそうだしで
正解率はかなり低いと思われます。

つくづく,今年の受験生にはしんどいテストだったなぁという感想です。

(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 神戸女学院中等部 PART1

2013.02.17 09:39|入試問題分析(算数)
今回は神戸女学院中等部の算数の分析です。

問題の分量は大問7題,小問数は15題。これだけを見るとほぼ例年通りです。

しかし,内容に目を向けてみると「これは…」という感じです。
順番に一言コメントをつけていきますね。
【1番】いきなり速さの問題。しかも,普段なら2枚目に出てきそうなレベルの問題です。
【2番】西大和の4番で取り上げた,カードをきる問題です。知っている子はあっさりとできますが,
   知らない子はもうここで平常心ではいられないでしょう。
【3番】難易度的にはそれほどでもないが,テストという限られた時間内で出されると計算ミスなどで
   無駄に時間を取られそう。ここまでに心が折れていればなおさら。
【4番】どの分数かというのは答えられたとしても,何番目というところで間違えたり,正解するまでには
   罠がいっぱい。ここまで見ただけで,1枚目全滅なんてことも結構ありそう…
【5番】同じ系統の問題は見たことがあるはずだが,結構大変…
【6番】これが多分今回の問題では一番きつい。(1)からひらめかなければおしまい…
【7番】(1)が合えばよしか?(2)を飛ばして(3)に取り組めれば,(3)が取れるかも。

まぁ,こう書いてみて分かるように,今回のテストは非常にきつかった。
過去最高レベルの難易度ではないでしょうか。
例年の算数で上位20%に入れるようなレベルの子なら,算数で驚くほどの差をつけることができるでしょうが,
下の方で団子レース状態になっているものと思われます。

では,今回はこの中から5番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸女学院中等部 算数 大問5番
図のように一辺の長さが1cmの正六角形ABCDEFがあります。この正六角形の辺上を点Pは1秒ごとに
1cm→2㎝→1㎝→2㎝→…と左回りに,点Qは1秒ごとに1㎝→2㎝→3㎝→2㎝→1㎝→2㎝→…と
右回りに速さを規則的に変えながら,頂点Aから同時に移動を始めます。つまり,1秒後には点Pは
頂点B,点Qは頂点F上にあり,2秒後には,点P,Qが頂点Dで初めて出会うことになります。
(1)点P,Qが2回目に頂点上で出会うのは出発してから何秒後ですか。
  また,出会うのはどの頂点上ですか。
(2)出発後,点Qが正六角形上を25周する間に,点P,Qは何回頂点上で出会いますか。


この手の問題は地道に各頂点に到着する時刻を調べていかなくてはいけません。
点Pと点Qが逆回りであることに注意してくださいね。
2013神戸女学院5番01

(1)青文字のところが頂点で重なっているところになります。2回目の重なりは3.5秒後頂点Fで重なっていますね。

(2)上の表は12秒までしかかいていません。なぜかというと,12秒でどちらもAに戻ってきて,この後は同じ動きを
  繰り返すからです。つまり,この表からQが4周する間に6回頂点で出会うということが分かります。
  25÷4=6セット あまり 1周 となり,最後の1周で1回頂点で出会うことになりますから,
  6×6+1=37回ということになります。


頂点上で重なるのが整数秒後ではないところもあるので,全部調べないといけない。
まぁ,辺上の出会いを入れても10秒~11秒のところで1回あるだけなのですが,きつい問題が並んでいる中で,
頭が疲れているときに,なかなかしんどい問題だったのではないかと思います。

とは言え,今回のセットの中ではまだ取り組みやすい方の問題となるのでしょうかね…(^^;

(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 六甲中学校(A日程)

2013.02.16 10:45|入試問題分析(算数)
今回は六甲中学校(A日程)の算数の分析です。

問題の分量は大問9題,小問数は17題。ほぼ例年通りです。
難易度も5番の図形がちょっと六甲志望の子にはしんどいかもというくらいで,
その他の問題は非常にバランスがとれた,生徒の実力を上手に測ることができるテストだったように思います。

では,今回はその中から9番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 六甲中学校(A日程) 算数 大問9番
太郎君と花子さんがスキー場に行きました。このスキー場のあるコースには速さのちがう
2つのリフトAとBがあります。上りはリフトを使って上がり,下りはスキーで下ります。
花子さんが上から下まで下るのに太郎君の2倍の時間がかかります。
下からリフトを使って上がり,スキーで下ることを合わせて1セットと数えることにします。
太郎君がAを使うと,5セットに1時間10分かかります。花子さんがAを使い,太郎君がBを使うと,
1セットにかかる時間は同じです。太郎君が3セットにAを使い,6セットにBを使うと,
全部で2時間30分かかります。
休けいもリフトを待つ時間もないものとして,次の(1)~(3)の問いに答えなさい。
(1)下から上まで上がるのに,AとBとではそれぞれ何分かかりますか。
(2)花子さんは13セットに4時間10分かかりました。このうちAを使ったのは何セットですか。
(3)太郎君が上から下り始めてから3分後に花子さんが下り始めました。太郎君はAだけを使い,花子さんは
Bだけを使います。太郎君が初めて花子さんを追い越すのは,太郎君が下り始めてから何分後ですか。

問題文が長い時こそ,まずは情報整理をしっかりとやりましょう。
今回出てくる時間はリフトA,リフトB,太郎下り,花子下りの4種類。
これを使って式を立てていきましょう。

(1)太郎の下りの時間を①,花子の下りの時間を②とします。
リフトA+①=70÷5=14分  ・・・(ア)
リフトA+②=リフトB+① ⇒ リフトB=リフトA+①分

この時点で,リフトBが14分というのは分かります。

リフトA×3+リフトB×6+⑨=150分
⇒リフトA×3+14×6+⑨
=リフトA×3+⑨+84=150分 ⇒ リフトA×3+⑨=66分 ・・・(イ)
(イ)-(ア)×3=⑥=24分 ⇒ ①=4分

よって,リフトAは14-4=10分となります。
ちなみに,太郎下りは4分,花子下りは8分ですね。

(2)花子がスキーで下りている時間は8×13=104分ですので,リフトに乗っている時間は250-104=146分です。
リフトA(10分)とリフトB(14分)を13回組み合わせて,146分にするのですから,鶴亀算ですね。
全てリフトBならば14×13=182分ですので,リフトAは(182-146)÷(14-10)=9セットで使ったことになります。

(3)太郎が下るのは0~4分,14~18分,28~32分,…です。
花子が下るのは3~11分,25~33分,…です。
追い越すということは両方とも下っている時間でないといけませんから,青字の所で追い越していることになります。
太郎君は3分後に下り始めて,1分前に下り終わっていますから,3/4の所で追い抜いたことになりますね。
28+(32-28)×3/4=31分後ということになります。

長い文章題になればなるほど,情報の整理がとても大切になります。
問題文に書いてあることのうち,分かっている情報は何か,分からない情報は何か。
問われているものは何か,それを出すために必要な情報は何か。
絡まった糸をほどくように,1つ1つ丁寧に整理していきましょう。
(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 西大和学園中学校

2013.02.15 16:49|入試問題分析(算数)
今回は西大和学園中学校の算数の分析です。

問題の分量は大問4題,小問数は20題。
問題の難易度は、去年の分析で「算数の問題に関して見る限り,ここ数年易化してきている」と書いていましたが、
難易度は去年と大きくは変わらない感じでした。ただし、大問4が定番のカードをきる問題でしたので、
解き方を知っている子は大問4はあっさり全問正解し、3番などに時間をたっぷり回せたと思われます。

で、今回は3番か4番かで迷いましたが、色々考えた末4番を取り上げます。
カードをきる問題、ここでマスターしてしまいましょう。

(問題)H25 西大和学園中学校 算数 大問4番
1~36までの数字が書かれた36枚のカードがあります。はじめ、上から1,2,3,4,…,34,35,36
となるように(カードに書かれた数字が上から小さい順になるように)36枚のカードを重ねました。
これを次の①,②の手順によってまぜていきます。

手順① 上下18枚ずつの2組に分けます。
手順② 上から、上の組の上から1枚目、下の組の上から1枚目、上の組の上から2枚目、
     下の組の上から2枚目、……、上の組の上から18枚目、下の組の上から18枚目、
     となるようにカードを交互にはさみこんでいきます。

この①,②の手順をまとめて「カードをきる」とよぶことにします。
ただし、以下の文の「元の位置」とは、「そのカードが、はじめにあった順番(上から数えた順番)と
同じ順番の位置」のことを表します。西大和4番
何回かカードをきって、36枚のカードをまぜるとき、次の問いに答えなさい。

(1)数字の8が書かれたカードが初めて元の位置に戻るのは、初めの状態からカードを何回きったときですか。
(2)全てのカードが初めてそれぞれの元の位置に戻るのは、初めの状態からカードを何回きったときですか。
(3)はじめの状態から20回カードをきった後、元の位置にあるカードは何枚ですか。


この操作によって何が起こるかというと、上半分は奇数番目に、下半分は偶数番目に移動するということです。
式にして表すと、上から□番目のカードは、1~18番目にあるときは□×2-1番目に、19~36番目にあるときは
(□-18)×2番目に移動します。

(1)8 → 8×2-1=15 → 15×2-1=29 → (29-18)×2=22 → (22-18)×2=8
きった回数は矢印の個数なので、4回

(2)どのように移動するか、それぞれのカードについて調べてみましょう。(式は省略します)
1は1から動きません。
2→3→5→9→17→33→30→24→12→23→10→19→2となりますから、
   これらのカード(2,3,5,9,10,12,17,23,24,30,33)は12回で戻ります。
4→7→13→25→14→27→18→35→34→32→28→20→4で、
   これらのカード(4,7,13,14,18,20,25,28,32,34,35)も12回で戻ります。
6→11→21→6で、これらのカード(6,11,21)は3回で戻ります。
8→15→29→22→8で、これらのカード(8,15,22,29)は4回で戻ります。
16→31→26→16で、これらのカード(16,26,31)は3回で戻ります。
36は36から動きません。
よって、12,3,4の最小公倍数である12回です。

(3)(2)で調べた回数が20の約数になっていればOKです。
つまり、1,8,15,29,22,36の6枚が条件を満たします。

今回は2等分ですが、例えばこれが3等分であれば3の倍数+1番目,3の倍数+2番目,3の倍数番目という風に
考えればよいですね。単純なきり方をする問題は完璧にしておきたいところです。

ちなみに、今年の神戸女学院の2番でも、これと全く同じ題材の問題が出題されました。

他の受験生が知っていることを知らないと、こういうところでとてつもなく大きな差になってしまうという
リスクがありますので、やはり系統だったカリキュラムに乗って学習を進めるということは非常に大切ですね。
(池)

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2013(H25)年度入試分析 算数 東大寺学園中学校

2013.02.14 18:35|入試問題分析(算数)
数理教育研究会 道幸です。
2013年度入試の合格最低点は266.7/400。これは昨年の237.3/400と比較すると20点ぐらい高くなったのですが,
例年並みになったと言えるでしょう。

そして算数の受験者平均は55.8/100。昨年の57.6/100と比較すると,若干低くなりました。

他の教科の受験者平均は、国語67.5/100,理科64/100,社会71/100
266.7-(67.5+64+71)=64.2となり、算数で7割取れば合格の可能性が高くなることが分かります。

もちろんこれは、算数以外の3教科で足を引っ張る教科がない場合ですから、たとえば国語で55しか取れない
となると、266.7-(55+64+71)=76.7となり、75点取っても苦しくなります。東大寺は今どき珍しい,
4教科均等配点の学校ですから,教科のバランスは非常に大切ですね。

ちなみに3教科で受験する(判定してもらう)場合は
266.7×3/4-(67.5+64)=68.525となり、算数70ではギリギリライン。75は欲しいところです。

さて、その算数ですが、例年問題用紙2~3枚のところが、今年は4枚と、量が一気に増えた印象。
受験者平均が、2013年度は昨年度より若干下がっているのは、この問題量に圧倒されたのでしょうか…

大問は5問、小問数は16問で、これは例年並みです。
もちろん解き易い順に並んでいるのではなく、筆者が解いた印象で行くと、
大問1→大問4→大問3→大問2→大問5(むろん、これには異論があると思いますが)の順。
(と書いてたら,チェックの途中で、2→3→5だ!!と早速の異論もあり^_^;
まぁ,筆者としては大問3の(1)(2)は取れるので、そちらを優先した訳です・・・)

70÷100/16から12問以上の正答が要求されますから、今年の問題の配列などを考えると,結構きつい気がします。

ではその中から大問2を見てみましょう。

2013(H25)年度 東大寺学園中学 算数 大問2
大問2 次の問いに答えなさい。
(1) 3けたの整数Nに対し,その各位の数の和をSと表します。たとえば,N=784のとき,S=7+8+4=19となります。N-Sの一の位が5になったとすれば,Nとして考えられる整数は全部で何個ありますか。
(2) ア×イというかけ算で,アとイにそれぞれ1から31までの整数を入れます。このとき全部で31×31=961個のかけ算ができますが,その答えの一の位の数が等しいかけ算を1つのグループにして,答えの一の位が0であるグループから答えの一の位が9であるグループまで合計10個のグループに分けます。例えば,3×12,24×19,12×3はすべて答えの一の位が6ですから,3つのかけ算3×12,24×19,12×3はすべて同じグループに入ります。このとき,グループに入っているかけ算の個数が奇数個になっているのは答えの一の位の数が何のグループですか。その一の位の数をすべて答えなさい。ただし,例えば,3×12と12×3のようにかけ算の順序が逆になっているものは,2個の異なるかけ算として数えます。



(1) 3桁の整数Nの100の位の数をA,10の位の数をB,1の位の数をCとしましょう。
 Nの各位の数の和SはA+B+C
 N-S=(100×A+10×B+1×C)-(A+B+C)=99×A+9×B=9×(11×A+1×B)
 この1の位が5なので,11×A+1×Bの1の位が5になります。
 Aは1以上9以下の整数,Bは0以上9以下の整数ですよ。
 このときA,Bの組み合わせを(A,B)の形で列挙すると
 (1,4) (2,3) (3,2) (4,1) (5,0) (6,9) (7,8) (8,7) (9,6)の9通りあり,
 Cはそれぞれ0から9の10通り入れられるので,10×9=90(個)ですね。

(2) 961個全てを調べることは不可能なので,工夫しましょう。
 a×bの答えを調べてみましょう。
 aとbが異なる数の場合,a×b=b×aなので一の位は等しくなります。
 つまり、異なる2数の積の一の位の数は0~9までどれも偶数個ずつあることになります。
 aとbが等しい数の場合,つまり平方数の場合は,一の位の数が1つずつしか出てきませんから,
 1×1から31×31まで,31個の平方数のうち,積の一の位の数が奇数個になるものを探せばよいことになります。
 1×1から31×31までを調べると,一の位の数は,
 1が7個,4が6個,5が3個,6が6個,9が6個,0が3個となりますから,
 一の位が奇数個になっているのは0,1,5のグループということになりますね。

(2)など,言われてみればその通りなのですが,なかなか自分で思いつくのは難しく,
961個調べることもできませんから,試験中立ち往生しそうな問題ですね。
さっさと飛ばして,点数にできそうなところに進みたいところです。
しかし,ここの算数の問題は,年々難しくなっているような・・・(道)
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2013(H25)年度 灘中学校 算数2日目

2013.02.14 17:55|入試問題分析(算数)
ここ5年間の2日目の合格者平均/受験者平均は
21年度62.4/49.2,22年度73.3/59.3,23年度63.8/44.9,24年度86.2/71.4,25年度70.3/54.9
と学校側から発表されています。
今年度は,易しかった昨年度の問題よりは平均点は下がりましたが,それでもやや高めで,
受験者層を考えると,問題の難易度もそれほど高くないものが並びました。
1日目が例年と比べても厳しい問題でしたから,算数を少し苦手とする受験生は2日目で救われたかもしれません。
さて,その中で今回は大問2を取り上げます。
この学校を受験する生徒が解く場合の数の問題としては,基本レベルの問題でしょう。

(問題)H25 灘中学校・2日目算数 大問2番
2013は4個の連続する数字0,1,2,3を並べ替えてできる数です。
また,4213も4個の連続する数字1,2,3,4を並べ替えてできる数です。
このように,4個の連続する数字を並べ替えてできる4桁の数について考えます。
(1) 3で割り切れるものは全部で何個ありますか。
(2) 千の位,百の位,十の位の数を左から順に並べてできる3けたの数を3で割ったときの余りと,
一の位の数を3で割ったときの余りが等しいものは全部で何個ありますか。


(1) 4個の連続する数字の組み合わせは,次の7組です。
0123,1234,2345,3456,4567,5678,6789 …☆
このうち,3で割り切れるものは,各位の数の和が3の倍数になる,0123(㋐),3456(㋑),6789(㋒)の3組です。
㋐ この4個の数字でできる4桁の整数は,3×3×2×1=18(個)
㋑,㋒ この4個の数字でできる4桁の整数は,4×3×2×1=24(個)ずつで,24×2=48(個)
したがって,18+48=66(個)

(2) (1)の☆印の7組のそれぞれの数を,3で割ったあまりに書き直してみると,順に
0120,1201,2012,0120,1201,2012,0120
となります。
(そのままの数字で考えてもそれほど手間はかからないので,かまわないのですが…)
このうち例えば,0120になる場合について考えてみることにしましょう。
0120を前の3桁012と一の位0に分ける(これを012/0と書くことにします)と,
0+1+2=3なので,前の3桁は3で割り切れ,後ろの一の位は0なので同じく3で割り切れることが分かります。
前の3桁の012の並び方は,3×2×1=6(通り)。前の0と後ろの0の数字が入れかわることを考えると,
0120のタイプでは,条件にあてはまる整数が6×2=12(個)できます。
010/2の場合は,0+1+0=1なので3で割ると余りは1,一の位は2なので3で割ると2余るので不適。
020/1も不適。
以上より,0120のタイプは12×3=36(個)できるはずですが,☆印先頭の0120の最初の0は
千の位になることができないのでこの場合だけ2×2×1=4(個)になります。
したがって,0120のタイプでは,4+6+12×2=34(個)できることになります。
同様に,1201のパターンは011/2の場合が適するので,それぞれ6個あり,6×2=12(個)
2012のパターンは,022/1の場合が適するので,それぞれ6個あり,6×2=12(個)
条件にあてはまる4桁の整数は,34+12+12=58(個)になります。
と書いてみたのですが,正直今年の灘の2日目は,1日目ほどパンチの効いた問題がなく,
残念なような,ホッとするような,モヤモヤが残ってしまいました^_^;
(道)
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2013(H25)入試分析 算数 四天王寺中学校

2013.02.13 16:53|入試問題分析(算数)
今回は四天王寺中学校の算数の分析です。

問題の分量は大問7題,小問数は18題。
やはり今年も広い範囲から標準的なレベルの問題が出されました。
そして、何よりも特徴的だったのは7番で影の問題が出題されたことです。
四天王寺で出されたことで、ここよりも難易度の下がる中堅校でも
影の問題が出題されるという流れが出てくる可能性があります。
(来年すぐにというわけではないですし、問題の難易度も下がるでしょうが。)

影の問題としてはオーソドックスな問題でしたので、ここでは取り上げませんが、
今回の四天王寺の入試では一番大きな出来事だったのではないでしょうか。

では,今回は6番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 四天王寺中学校 算数 大問6番
下の図のように、スタートが「新大阪」で、ゴールが「東京」であるすごろくがあります。
さいころを投げて、出た目の数だけ進みます。ゴールまでの残りのマスの数よりも、
さいころのでた目の数の方が大きい場合は、大きい分だけ「東京」から引き返すものとします。

たとえば、「三島」にいるときに6の目が出ると、「東京」から2マス引き返して「小田原」までもどり、
次に2の目が出るとゴールします。
また、さいころの目が1,3の順に出るのと、3,1の順に出るのは異なる目の出方とします。
四天王寺6番
①スタートしてからゴールするまでに、さいころを投げる回数がいちばん少なくなるような
目の出方は何通りありますか。
②「名古屋」と「静岡」の両方に止まり、スタートしてからゴールするまでにさいころを投げる回数が、
ちょうど4回であるような目の出方は何通りありますか。
③「名古屋」に止まり、スタートしてからゴールするまでにさいころを投げる回数が、
ちょうど4回であるような目の出方は何通りありますか。

①これはよくある書き出し問題ですね。
スタートからゴールまで数えると14マス進まないといけませんので、3回でゴールするのが最少です。
3回で14になる組み合わせは
(6,6,2)(6,5,3)(6,4,4)(5,5,4)で、出る順番を考えると(6,5,3)は3×2×1=6通り、他は3通りなので、
6+3×3=15通りとなります。

②駅間距離を調べると、「新大阪」~4~「名古屋」~4~「静岡」~6~「東京」となっています。
どこでサイコロを2回投げるかで場合分けしましょう。
・新大阪、名古屋間で2回投げる場合
1+3,2+2,3+1の3通り
・名古屋、静岡間で2回投げる場合
1+3,2+2,3+1の3通り
・静岡、東京間で2回投げる場合
1+5,2+4,3+3,4+2,5+1の5通り
よって、3×2+5=11通りですね。

③「新大阪」~4~「名古屋」~10~「東京」となっていますので、名古屋から東京までを1回で行くのは不可能です。
それを踏まえて、各区間でサイコロを何回投げるかで場合分けしましょう。
・新大阪、名古屋間で2回、名古屋、東京間で2回投げる場合
新大阪、名古屋間の目の出方は①より3通り
名古屋、東京間の目の出方は、
4+6,5+5,6+4の3通り
よって、3×3=9通りですね。
・新大阪、名古屋間で1回、名古屋、東京間で3回投げる場合
新大阪、名古屋間の目の出方は当然1通りです。
名古屋、東京間の目の出方は、
3回で10になる組み合わせは
(6,3,1)(6,2,2)(5,4,1)(5,3,2)(4,4,2)(4,3,3)で、出る順番を考えると(6,3,1)(5,4,1)(5,3,2)は3×2×1=6通り、
他は3通りなので、6×3+3×3=27通り



ですが、これで終わってはいけません。
問題文の水色の部分をここまで全く使っていませんよね。
これをここで初めて使います。例えば、6,6,2と出た場合に3回で10マス進むことになるわけです。
これをすべて書きだすと、(6,6,2)(6,5,1)(5,6,1)の3通りが考えられますので、
9+27+3=39通りが答えとなります。

四天王寺らしい、場合の数の問題でしたね。
普段から、あっさりと計算で出せる方法に目を奪われることなく、泥臭く書き出す訓練をしっかりと積んでおきましょう。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 洛星中学校(前期)

2013.02.12 18:16|入試問題分析(算数)
※一度公開した記事を誤って削除してしまったので,再度書き直しました。(T T)

今回は洛星中学校(前期)の算数の分析です。

問題の分量は大問6題,小問数は19題。
例年と分量はそれほど変わりませんが,問題の難易度としては非常にいいものが並びました。
洛星を受験する生徒たちの力よりもちょっと難しいくらいの問題で,受験生の力の差をはかるのに
非常にバランスのいい問題の組み合わせだったと思われます。

では今回はこの中から6番の問題を取り上げてみましょう。

(問題)H25 洛星中学校(前期) 算数 大問6番
3つの正方形の紙を重ねたところ,図1のようになりました。ただし,図1の角はすべて直角です。
洛星6番図1
(1)正方形の紙が3枚とも重なっている部分の面積を求めなさい。
(2)正方形の紙が2枚以上重なっている部分の面積を求めなさい。

立方体を使って図2のように地面に穴を空けます。穴をあけるときは立方体を図2のように地表まで
地面にうめ,取り出すものとします。
洛星6番図2
3種類の立方体を1つずつ順番に使って穴をあけたところ,できた穴を上から見ると図1のようになりました。
(3)この穴の容積を求めなさい。


今回取り上げるこの問題は,解説を見てしまうとそれほど難しくないなと思われるかもしれません。
が,いざ自分で解くとなると,図がゴチャゴチャになってしまい,混乱して解けなかったという子がかなり
発生する問題だと思われます。下の図を,自分が解いたときの図と見比べてみてくださいね。
まずは,3枚の正方形の線を書きこみましょう。今回聞かれているのは(1)(2)とも重なっている部分の面積なので,
図の中に最低限の必要な長さと面積を書きこみましょう。(面積は下の図では□で囲んでいます。)
洛星6番01
ここまでくれば答えを出すだけ。
(1)3枚重なっている所は28㎝^2です。

(2)2枚,あるいは3枚重なっている所は,14+12+28+44=98㎝^2です。

(3)上の図の各部分がそれぞれどれくらいの深さになっているかが分かればよいですね。
一辺13cmの正方形の所はそのまま深さは13cmです。
一辺12cmの正方形の所のうち,28cm^2の所と12cm^2の所は先ほど13cmの深さということになっていますので,
それ以外のところが深さ12cmとなります。
一辺10cmの正方形のところのうち,残っているのは14cm^2のところだけ。ここの深さが10cmとなります。

よって,求める容積は,13×13×13+(44+60)×12+14×10=3585㎝^2となります。

図1に書きこんだ内容が,ずいぶんシンプルにまとまっていると思いませんか?
問題を解くときに,何も思いつかなければわかる値をドンドン書きこんでいくということは必要なのですが,
あまり書きこみ過ぎると,逆にごちゃごちゃになってしまって,ピントがぼやけてしまうということも起こり得ます。
問題を解くにあたって,どのような方針で解くのかをまずは決めて,情報を絞って書きこむようにすると
今まで気づきにくかったようなことに気づくかもしれませんね。
(池)
 

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2013(H25)入試分析 算数 洛南高等学校附属中学校

2013.02.11 14:31|入試問題分析(算数)
さて,今回は洛南高等学校附属中学校の分析をしてみましょう。

問題数は大問8問と小問30問。例年通りの1問5点の均等配点です。
ただ、今年は計算問題+独立小問(例年の1番2番)にあたる問題数8問と少なく、
さらに計算だけで見れば5問と70分テストになった最初の年(H18年)から見ても最少となりました。

速さの問題(7番)も例年通り非常にきつく、さらには大問5番,6番,8番と全部正解するのが
難しい問題が並び、かなり精神的にも削られる入試になったのではないかと思われます。

結局のところは取れるところをしっかり取れという、極めて当然のところに至るわけなのですが、
70分という長丁場ですから、パニックになった気持ちや途切れた集中力をいかに取り戻すかという
精神力がより問われるのが洛南算数の大きな特徴です。

では,今回は6番の問題を取り上げてみましょう。

(問題)H25 洛南高等学校附属中学校 算数 大問6番
正方形のマス目すべてに黒石が置いてあります。ここから,例のように縦,横,斜めに2個を同時に選んで
白石にかえ,2個にはさまれた石も白色にかえる操作を1回行います。
このとき,次のア~エに当てはまる数を答えなさい。
(1)5×5のマス目において,
①白石が3個になる選び方は全部で[ア]通りあります。
②白石が4個になる選び方は全部で[イ]通りあります。
(2)10×10のマス目において,白石が[ウ]個となる選び方は全部で112通りあります。
ただし,[ウ]は3以上の整数とします。
(3)[エ]×[エ]のマス目において,白石が3個となる選び方は全部で224通りあります。

洛南6番

(1)①
洛南6番01
上の図は、それぞれの矢印上で何通りの選び方ができるかを表しています。
縦と横が3×5=15通りずつ,斜めが1+2+3+2+1=3×3=9通りずつなので,
合計で(3×5+3×3)×2=3×8×2=48通りとなります。
②同様に考えると、縦と横が2×5=10通りずつ,斜めが1+2+1=2×2=4通りずつなので,
合計で(2×5+2×2)×2=2×7×2=28通りとなります。

ここまでで、規則性に気づいてしまいたいところです。
縦と横は (正方形の1辺の個数+1-白石の個数)×正方形の一辺の個数 ずつになっています。
斜めは  (正方形の1辺の個数+1-白石の個数)×(正方形の1辺の個数+1-白石の個数) ずつになっています。

これに気づいてしまえば、あとは□に入る数を求めてあげるだけ。
気づかずに調べていってもできますが、かかる時間はずいぶんと変わってしまいますね。

(2){(11-□)×10+(11-□)×(11-□)}×2=(11-□)×(21-□)×2=112=(2×2)×(2×7)×2なので,□=7

(3){(□-2)×□+(□-2)×(□-2)}=(□-2)×(□×2-2)×2=224=7×(2×2×2×2)×2なので,□=9

式を整理することが得意な人とそうでない人で差が出た問題だと思われます。
式でうまく整理できるようになるためには、普段から解き方を丁寧に書き、見やすいノートづくりを
心がけなければいけませんね。



と書いたものの、ほとんどの子はそんなにうまく式を作ることはできないでしょう。
ただ、□を作った式を作るところまではいかなくても、調べ上げて(2)まではしっかりと合わせる、
それぐらいの根性のある子が、最終的には合格していくのだと思います。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第2日) PART2

2013.02.10 12:03|入試問題分析(算数)
今回は甲陽2日目の5番を扱ってみましょう。

この問題を取り上げるかどうか、実は迷いました。
というのは、解説を見て、着眼点に気づいてしまうと全然面白くない問題なもので…(^^;
ただ、その着眼点に気づけるかどうかで難易度が大きく変わってしまいますので、
取り上げてみることにしました。

(問題)H25 甲陽中学校・2日目算数 大問6番
A校とB校の水泳部で試合を行いました。
すべて個人種目で10種目あり、各種目に両校から3名ずつの選手が出場します。
各種目ごとに1位には5点,2位には3点,3位には1点が与えられます。
4位以下には点数は与えられません。
(1)合計得点が相手校より多くなるには、1位は少なくとも何回必要ですか。
(2)各種目ごとの得点で勝敗を決めると両校とも5勝5敗でしたが、合計得点を比べるとA校がB校より
6点多く取っていました。A校の1位,2位,3位の回数として考えられるものをすべて求めなさい。
(答えは4組とは限りません。)※解答欄が4つあったため、( )内の記載がありました。

(1)1種目で得点は5+3+1=9点発生するので、10種目では9×10=90点となります。
つまり、90÷2+1=46点取れればよいということになりますね。
2位と3位をすべて取っても(3+1)×10=40点にしかなりませんので、
残りの46-40=6点は1位で取らないといけません。
つまり6÷5=1余り1⇒2回というこになります。

(2)大きく分けて2つの条件が書かれています。
・5勝5敗
1位を取れば、その種目の勝ちは確定するので、A校の1位は5回と決まります。
つまり、これで5×5=25点は確定です。
・A校がB校より6点多く取っていました
90点を取り合って、6点多くとるということは(90+6)÷2=48点取ればよいわけですから、
2位と3位で48-25=23点を取ればよいことになります。
3×○+1×△=23(○,△はいずれも10以下)となるので、
(○,△)=(7,2)(6,5)(5,8)の3組となりますので、答えは(5回,7回,2回)(5回,6回,5回)(5回,5回,8回)となります。

今回は1位が5回と確定することに気づくかどうかがポイントでした。
あと、同点の(5回,5回,5回)から3点を増やそうとすると、(5回,7回,2回)を抜かしてしまいそうなところが
ちょっとだけ罠ですかね。

解説を見てしまうと、本当になんてことないでしょ?(^^;

(池)

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2013(H25)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第2日) PART1

2013.02.09 12:03|入試問題分析(算数)
今回は甲陽2日目です。

1日目の受験者平均49.8に対して、2日目の受験者平均56.3ということからもわかるように、
2日目のほうが点数を取りやすかったようです。一番大きな違いは再三述べているように、
途中に厳しい問題があったかなかったかの違いでしょう。

今回のテストから見える教訓として言えることは、(当たり前のことなのですが)2日間勝負のテストでは
1日目の結果を引きずらないことが非常に重要ということです。
2日目の方が1日目よりも良い精神状態で受けることができる子はまずいません。
逆に言うと、気持ちを切り替えることができれば、周りで勝手に下がってくれる子がいる分、
相対的に自分の位置は上がることになります。
2日目の方が得点しやすかったということは、なおさら今年の入試は最後までわからなかった
と言えるのではないでしょうか。

では、実際の問題を見てみましょう。今回は大問の2番を取り上げます。

(問題)H25 甲陽中学校・2日目算数 大問2番
1から200までの200個の整数があります。
(1)それぞれの整数について,各位の数の和を考えます。例えば,2なら2,34なら7,156なら12です。
 これら200個の和をすべて加えた合計を求めなさい。
(2)それぞれの整数について,各位の数の積を考えます。例えば,2なら2,34なら12,156なら30です。
 これら200個の積をすべて加えた合計を求めなさい。


(1)こちらはよく見る問題ですね。位ごとに出てくる数字の和を考えればOKです。
一の位:0~9の十種類の数字が200÷10=20回ずつ出てくるので、(0+1+2+…+9)×20=900
十の位:数字がないところも0と考えると一の位と全く同じ。(0+1+2+…+9)×20=900
百の位:100~199で1が100回登場し、200で2が1回登場するので、1×100+2=102
よって、900×2+102=1902 となります。

(2)こちらは「九九の表の答えの和を求めなさい」という問題に出会ったことがあるかどうかで差がついたかも
しれません。とはいえ、順番にかけ算の式を作っていけば、なんとなく方針は見えるかと思います。
1~10の合計は1+2+3+…+9+0=45
11~20の合計も45、21~30の合計は45×2,31~40の合計は45×3,…,91~100の合計は45×9となるので、
11~100の和は45×(1+2+3+…+9)=45×45=2025となります。
101~200は11~99に1がついただけなので(100~109と200は0が入っているので無視してよい)、やはり2025。
よって,45+2025×2=4095となります。

200までとされているあたりがかなり親切設計(?)な問題といえますね。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第1日) PART2

2013.02.08 12:02|入試問題分析(算数)
今回は甲陽1日目の6番を扱ってみましょう。

大阪星光学院のPART3のところで、
「影の問題は,今年の出題が予想できた問題で,筆者も受験生に「今年は影が出るぞ~」と何度も言ってました。」
と書いていましたが、やはり甲陽でも影の問題が出ました。
最難関と呼ばれる学校で影の問題の難問が、洛星後期以外ではあまり出ておらず、昨年度に東大寺で出題、
このことからも今年の入試で出題されそうだということは予想しやすかったのではないでしょうか。

(問題)H25 甲陽中学校・1日目算数 大問6番
長方形の紙を丸めて作った半径と高さが10cmの円筒が,平らな板の上に置いてあります。
同じ板の上に高さ10cmの棒が垂直に立っています。
ただし,紙の厚さ,棒の太さは考えないものとし,半径10cmの円,1辺10cmの正三角形の面積は
それぞれ314.1cm^2,43.3cm^2とします。
(1)太陽の光で棒の影の長さが20cmになっているとき,板に映った円筒の影の面積を求めなさい。
(2)太陽の光で棒の影の長さが10cmになっているとき,板に映った円筒の影の面積を求めなさい。

甲陽1日目6番

影の問題においては、まずは横から見た図を、次に上から見た図をかくというのが基本手順ですが、
今回は太陽光線ということですから横からの図は省略します。
(点光源の場合は必ず横からの図をかきましょう。)
(1)
甲陽1日目6番01
今回の円筒の高さも棒と同じ10㎝ですので、影の長さも同じ20cm(図の点線)となります。
全ての点線をかくわけにはいかないので4本だけかいていますが、この点線の先を集めると
20cmだけずれた円が浮かび上がってきます。

そして、この点線が引かれている部分が地面の影になるわけです。(下図)
甲陽1日目6番02
求める面積は半径10㎝の半円2つと一辺20cmの正方形の合計ですので、
314.1+20×20=714.1㎝^2
となります。

(2)
甲陽1日目6番03
今回は影の長さは10cm(図の点線)となります。今回は点線を8本に増やしてみました。
先ほどと同様にこの点線の先を集めると10cmだけずれた円が浮かび上がってきます。

この点線が引かれている部分が地面の影になるわけですが、影になる部分は下の図のようになります。
甲陽1日目6番04
求める面積は半径10㎝の半円2つと縦20cm,横10㎝の長方形の合計から★部分を引かなくてはいけません。
★は中心角120度のおうぎ形2つから正三角形を2個引けばよいので、314.1×2/3-43.3×2=122.8㎝^2
よって、求める面積は
314.1+20×10-122.8=391.3㎝^2
となります。

影の問題としては、難易度はそれほど高くないと思いますが、3番の速さの問題で時間を使いすぎて
パニックになっていたり、影の問題だからできないという拒否反応が出た子は解けなかったと思います。
あと、円の面積を314㎝^2とした子も何人かはいるでしょうね…

いずれにしても、平常心で、1つ1つの大問を独立した問題として取り組む訓練を
普段から積んでおく必要がありますね。
(池)

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2013(H25)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第1日) PART1

2013.02.07 11:53|入試問題分析(算数)
さて,今回は甲陽1日目の分析をしてみましょう。

問題数は大問6問とボリューム的には例年と変化ありませんでしたが,純粋な計算問題が今年は復活しました。
まずはテストが始まってこの問題をゆったりとした気持ちで正解すること,さらに,1つの大問の中で,
(1)だけでも拾うという作業がきちんとできていれば,実は受験者平均に達する(今年の受験者平均は47.8点)
それほど難しくはなかったのでは無いかと思います。

しかし,入試本番というのは中々そうはうまくいかないもの。今回の問題で最も全滅しやすかった大問は
おそらく3番だと思われます。ここでパニックになって後ろに響いてしまうと,本来とれるものも
取ることができなかったのではないでしょうか。

では,今回はこの3番の問題を取り上げてみたいと思います。

(問題)H25 甲陽中学校・1日目算数 大問3番
P君,Q君,R君の3人がA地点を出発してAB間を次のようにして往復します。
 ・P君は歩いて往復します。
 ・Q君はA地点から途中のC地点まで自転車で行き,C地点からB地点まで歩き,
  B地点からA地点まで走ります。
 ・R君はA地点からB地点まで自転車で行き,B地点からA地点まで走ります。
3人がA地点を同時に出発すると,P君はC地点で,B地点から戻ってくるR君と出会い,
そのとき,Q君はB地点に着きました。
また,P君はC地点から0.9kmだけ進んだ場所で,B地点から戻ってくるQ君と出会いました。
P君,Q君の歩く速さ,Q君,R君の走る速さ,自転車の速さはそれぞれ同じで,
走る速さは時速8km,自転車の速さは時速12kmです。
(1)歩く速さを求めなさい。
(2)AC間とCB間の距離をそれぞれ求めなさい。

2013甲陽1日目3番01
問題文をまずはそのまま図にすると,上図のようになります。
この図のままで,(1)の解決に直結しないのが全滅しやすかったのではないかと
推測する理由です。解決の手がかりは下の図の×を描き入れるかです。
2013甲陽1日目3番02
×が無くとも,②:③はかけるのですが,それがQのC→Bの時間にはなかなか直結しません。
また,CB間ではなく,AB間の時間比が②:③という所に目が行ってしまい,手詰まりになってしまった
子もいたのではないでしょうか。
2013甲陽1日目3番03
×が書き込めればスルスルっと解けそうにも見えますが、ごそごそやって探しているうちに図がぐちゃぐちゃに
なってしまい、混乱するのが速さの問題のつらいところです。
普段から、どのように整理すればぐちゃぐちゃになりにくいかということを意識しながら問題に取り組むことが
非常に大切ですね。
(池)

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2013(H25)年度入試分析 大阪星光学院 算数 PART3

2013.02.06 16:08|入試問題分析(算数)
今回も道幸が担当します。

影の問題は,今年の出題が予想できた問題で,筆者も受験生に「今年は影が出るぞ~」と何度も言ってました。

過去に出題された影の問題は,
平成20年度の大問2「机に置いた直角三角形を上に折り曲げてできる影を考える問題」,
平成15年度の小問「立方体の影の問題」,
平成8年度の大問6「地面に立てた三角形や正方形の影を考える問題」
などがあります。大問で出題される影の問題はいずれも一筋縄ではいかない,結構難しい問題でした。

過去の問題のように,平面の影を考えさせる問題か,それとも昨年の東大寺のような立体の影を考えさせる
問題か…。そして出題されたのがこの問題。


(問題)H25 大阪星光学院・算数 大問5番
右の図のように,平らな地面に立つ壁から4m離れた位置Aに5mの高さのポールが立っていて,そのポールに
一辺の長さ1mの正方形の看板が壁に平行に取り付けてあります。看板の高さはポールに沿って変えることが
できます。また,壁から7m離れた位置Bに街灯Cがあり,Cの高さは地面から5mです。ここで,直線ABは壁に
垂直で,壁,ポール,街灯は地面に垂直に立っているものとします。
(1)看板の下の辺が地面についているとき,街灯Cによって地面にできる看板の影の面積は□m^2です。
(2)看板の下の辺が地面から□mより高い位置にあるとき,街灯Cによる看板の影が壁にできます。
(3)看板の下の辺が地面から2mの高さにあるとき,街灯Cによって,壁には□m^2の看板の影ができます。

大阪星光2013 5①
(1) まずは定石通り,真横から見た図をかき,その下に真上から見た図をかいてみましょう。
大阪星光2013 5②
図で⑤-①=④が3mなので,①=3÷4=3/4(m)
また㋐の長さは1×5/4=5/4(m)
したがって,影の部分の台形の面積は
(1+5/4)×3/4÷2=27/32(m^2)

(2) これも真横から見た図で。
正方形の上端の影が壁にちょうど届く図をかけばよいのです。
大阪星光2013 5③
㋑は5×4/7=20/7(m)なので,
求める長さ㋒は,20/7-1=13/7(m)

(3) 真横から見た図に真上から見た図を組み合わせて考えるといいでしょう。
大阪星光2013 5④
㋓=1+2-㋑=1+2-20/7=1/7(m)
したがって㋔は1/7×7/3=1/3(m)
㋕は1×7/3=7/3(m)
求める部分(正方形の影のうち壁にできた影)は,たて1/3m,横7/3mの長方形になりますから,
1/3×7/3=7/9(m^2)

さすがに(3)は少し難しくなりますが,(1)(2)は十分射程内。過去に出題された影の問題と比べても得点しやすい問題であったように思います。
(道)
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2013(H25)年度入試分析 大阪星光学院 算数 PART2

2013.02.05 19:42|入試問題分析(算数)
数理教育研究会算数科の道幸です。

今回は,問題用紙2枚目の最初の問題である,大問3を見てみましょう。

以前はこのタイプの速さの問題が,星光ではよくみられましたが,最近ではあまり見かけなくなりました。
落ち着いて状況図を描けば,ヒントがきちんと見つかるでしょう。


(問題)H25 大阪星光学院・算数 大問3番
X,Y,Zの3人が直線コースで競走をしました。Xがスタートした後にYがスタートし,
その時間差の2/3の後にZがスタートしました。
コースの途中のA地点で3人が横一線に並びました。
A地点から204m先のB地点はコースの中間地点です。ZがB地点の先36mを通過した瞬間,
XはB地点の手前24mを通過しました。XがB地点を通過したのは,YがB地点を通過してから6秒後でした。
Zは自分が出発してから90秒後にゴールに到着しました。
3人の速さはそれぞれ一定であったとして,次の問いに答えなさい。
(1) XとZの速さの比を最も簡単な整数の比で表すとどうなりますか。式と答えを書きなさい。
(2) XとYの速さの比を最も簡単な整数の比で表すと□:□です。
(3) コースの全長は□mです。


X,Y,Zの進む様子を状況図にまとめると次のようになります。
このとき,同一時刻には同じ記号を使うことが大切です。
「時間差の2/3」という表現は目新しいので,少し注意が必要です。
図にかいたように,Xの進んだ距離の比が3:2になることに気づくかどうか。

大阪星光2013 3①

まず,Xの○~△と△~●の距離の比は,進んだ時間の比が3:2なので,3:2となります。
(図には[3]と[2]で距離を表しています。)
次に,図の㋐は204-24=180(m),㋑は204+36=240(m)

(1) XとZの速さの比は同じ時間に進む距離の比なので,図の㋐と㋑の比になります。
 180:240=3:4

(2) (1)の3:4をXの●~□を{3},Zの●~□を{4}として考えると,{1}=[5]になるので
 {3}=[15],{4}=[20]となりますから,これを図に記入すると次のようになります。
大阪星光2013 3②

 Xの△~□は[17],Yの△~□は[20]なので,同じ時間に進む距離の比(=速さの比)は17:20

(3) Xの□~♡は204mなのでYの□~♡は204×20/17=240(m)
 240-204=36(m)をYは6秒で進むので36÷6=6(m/秒)…Yの秒速
 したがってzの秒速は6×17/20×4/3=6.8(m/秒)
 コースの全長は,6.8×90=612(m)

限られた時間内で,問題を読みこなし,整理し図にまとめるというのはなかなか大変です。
落ち着いて処理できるかどうかは,星光の入試問題全体に言えることですが,とても大切ですね。
また,この問題に関して言えば,ダイヤグラムでの処理が可能ですが,日ごろダイヤグラムを
かき慣れていなければ,ここで扱ったように状況図で徹底的に攻めてみる方がよいでしょう。
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