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2013(H25)入試分析 算数 神戸海星女子学院(B日程)

2013.03.24 23:20|入試問題分析(算数)
さて,前回に引き続き,神戸海星女子学院の算数を見てみましょう。
今回はB日程の問題です。

B日程の分量は大問6題,小問数は17題。
A日程では細かいものがいくつもあっての23題でしたので,分量的にはAとBでそれほど差はありません。
今回のB日程の問題は,全く見たことがないというようなタイプの問題はありませんが,
少しずつ引っ掛かりどころがあったり,苦手にしている子が多そうな問題が出ていたりと,
やはり問題の取捨選択が大切なテストであったといえます。


では,今回はこの中から6番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸海星女子学院(B日程) 算数 大問6番
同じ長さの棒を何本か使って図のような立体を作ります。
この棒をつたって,ある地点からある地点まで最短距離をたどります。
(1)図1のA地点からB地点までたどる方法は何通りありますか。
(2)図2のC地点からD地点までたどる方法は何通りありますか。
ただし,2段目は図のように1段目の真ん中に,棒が1段目の棒と平行となるように作ります。
神戸海星B日程

(1)よく見る,各頂点にそこまでたどり着く数を書きこんでいく方法で解けますね。図だけ掲載します。
神戸海星B日程01

(2)やり方だけ言ってしまえば,(1)と同じように,各頂点に数を書きこめばいいだけです。
ただ,図が非常に複雑なので,通る可能性のある道だけ浮かび上がらせると非常に見やすくなります。
神戸海星B日程02

で,答えは出ちゃうわけですが,本当のこの問題の分岐点って解き方が分かるかどうかじゃないんですよね。
恐らく受験生の95%は解き方は知っているけど,
①頂点が多すぎて,どの数字を足せばいいのかわからない
②道が多すぎて,どの道が使う道でどの道が使わない道かがわからない。
③初めのうちは正しく書きこめていたが,書きこんでいるうちにわけがわからなくなった。
こんな理由で正解にたどり着けなくなってしまうわけです。

例えば,②の対応策の1つとして,(2)の所で書いた,「通る可能性のある道だけ浮かび上がらせる」なのですが,
テスト中に色分けなどをするわけにはいかないので,テストのときはどのようにすればよいか,
混乱しにくくするためにはどのようにすればよいか,等を意識しながら普段の勉強に臨まなければなりませんね。

どのようにすればよいかは授業の中で(^^

(池)
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2013(H25)入試分析 算数 神戸海星女子学院(A日程)

2013.03.21 20:34|入試問題分析(算数)
ご無沙汰しておりました。
今回は神戸海星女子学院(A日程)の算数の分析です。

問題の分量は大問6題,小問数は23題。
癖のある問題が例年出題されるため,過去問でどのようなレベルの問題が出て,
どの程度捨ててよいのかを感覚的につかんでおく必要があります。

では,今回はこの中から6番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸海星女子学院(A日程) 算数 大問6番
赤色,白色のタイルがそれぞれ70枚ずつあります。赤色のタイルは辺の長さが4cmと6cmの長方形で,
白色のタイルは辺の長さが5cmと8cmの長方形です。
(1)赤色のタイルをすきまなく同じ向きに並べ,最も小さい正方形を作るとき,その正方形の1辺の長さと,
使う赤色のタイルの枚数を求めなさい。
(2)赤色のタイルと白色のタイルを組み合わせてすきまなく並べて長方形を作り,その長方形をいくつか
並べて最も小さい正方形を作るとき,その正方形の1辺の長さと使う赤色のタイルの枚数と白色のタイルの
枚数を求めなさい。ただし,各タイルはそれぞれ同じ向きに並べることとします。

(1)正方形の一辺は4と6の公倍数でないといけません。今回は「最も小さい正方形」となっていますので,
4,6の最小公倍数である,12cm四方の正方形を作ります。
たてに12÷4=3枚,よこに12÷6=2枚並ぶので,使う枚数は3×2=6枚となります。

(2)これはちょっとしんどいですね。ある程度絞り込みながらやっていかないといけません。
赤タイルの面積は4×6=24cm^2,白タイルの面積は5×8=40cm^2で,これらを組み合わせて正方形を
作るのですから,正方形の面積は8の倍数でないといけません。
面積が8の倍数になる正方形を小さい方から考えていくと,

・4×4=16cm^2
  小さすぎて無理
・8×8=64cm^2
  小さすぎて無理
・12×12=144cm^2
  24×6=144cm^2  ⇒  赤しか使っていないのでだめ。
・16×16=256cm^2
  24×9+40×1=256cm^2  ⇒  題意より,赤白とも2枚は必要なのでだめ。
  24×4+40×4=256cm^2  ⇒  これは可能性がありますので,詳しく調べてみましょう。

今回の手順は
赤白を組み合わせて長方形をつくる。(この長方形をAとしましょう)
次に,Aを何枚か並べて正方形を作る。
ということです。

赤4枚,白4枚で16×16の正方形ができているとすると,この正方形は
Aが4枚並べられているか,Aが2枚並べられていることになります。

前者はAが赤1枚,白1枚からできていることになり,これでは長方形にならないのでだめですね。
後者はAが赤2枚,白2枚からできていることになります。
神戸海星A6番01
このように並べてあげると,赤2枚,白2枚で8×16の長方形ができます。

更にそれを2つ並べると,16×16の正方形の完成。
神戸海星A6番02
よって,一辺の長さは16㎝,枚数は赤4枚と白4枚となります。

とある塾では,もっと大きな正方形を正解としておられました。
方針が立たなければ,算数の先生もうっかり間違えてしまうような問題です。
しかし,このようなややこしい問題も,ちょっと工夫をすれば
正解にたどり着くまでの手間をかなり減らすことができます。
このような工夫の仕方を,どのような場面で活かせるかを意識しながら,
普段の学習に取り組みましょう。

(池)
 

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