2014(H26)入試分析 神戸女学院中等部 算数 PART2
2014.02.12 16:09|入試問題分析(算数)|
さて,今回も神戸女学院の算数の入試問題に目を向けてみましょう。
今回は6番,場合の数の問題です。
(問題)H26 神戸女学院中等部 大問6番
机の上に固定されたピンP,Qと,点Oを中心に回転させることができる1マスの1辺が1㎝の,縦2マス,横2マスの
正方形の碁盤が図1のように置かれています。ただし,碁盤を回転させてもピンP,Qの位置は変わりません。
今,ピンPの位置の縦線と横線の交点に石を置き,さいころを振って以下の規則にしたがって操作します。
<規則1>
1の目が出たとき,石を右へ1cm移動させる。
2の目が出たとき,石を左へ1cm移動させる。
3の目が出たとき,石を上へ1cm移動させる。
4の目が出たとき,石を下へ1cm移動させる。
5の目が出たとき,点Oを中心に碁盤を時計回りに90°回転させる。
6の目が出たとき,点Oを中心に碁盤を反時計回りに90°回転させる。
<規則2>
石は碁盤の線上を動き,もし,出た目の方向に碁盤がなく,
進むことができない場合は,石を動かさないものとする。
<規則3>
同じ場所を何度通っても構わないが,石がピンQの位置にきた時点で終了とする。
例えば,1回目で1の目が出ると,石は点Aの位置に移動し,続けて2回目に5の目が出ると,
石は点Bの位置に移動します。(図2)

(1)最も少ない回数で終了するのはさいころを何回振ったときですか。
(2)2番目に少ない回数で終了するのは,さいころを何回振ったときですか。
また,その目の出方は何通りありますか。
(1)は今回も必ず取らなくてはいけません。
1回ではPからQにたどり着くことはできませんね。
2回ではどうでしょう。左下の図を見て下さい。
例えば,(5,5)とさいころが出たときはP⇒ア⇒Q,(6,6)とさいころが出たときにはP⇒イ⇒Qと進みます。
よって,最小の回数は2回です。
5,6が出て碁盤が回転したときの移動するイメージが湧きますか?
青い円周上に乗っている点は青い円周に沿って時計回りや反時計回りに,
赤い円周上に乗っている点は赤い円周に沿って時計周りや反時計回りに移動します。
ちなみに,Oにいる場合は5,6が出ても動きませんね。

(2)一番少ない回数が2回なのですから,二番目に少ない回数は3回と予想できますね。
実際に,(5,1,1)と出ればP⇒ア⇒い⇒Qとなりますので,3回でOKです。
今回は回転うんぬんを考えるのではなく,右上の道で3回進んでPからQに着く方法を考えればよいわけです。
直線3回や曲線3回でたどり着くのは無理ですから,1回曲線,2回直線のパターンしかありえませんね。
・曲⇒直⇒直 P⇒ア⇒い⇒Q,P⇒イ⇒う⇒Q の2通り
・直⇒曲⇒直 P⇒あ⇒い⇒Q,P⇒え⇒う⇒Q の2通り
・直⇒直⇒曲 P⇒あ⇒ア⇒Q,P⇒え⇒イ⇒Q の2通り
合計6通りが答え…
ではありません。
実は<規則2>のところで「出た目の方向に碁盤がなく,進むことができない場合は,石を動かさない」とありますので,
2回曲線,1回停止のパターンもあります。
・停⇒曲⇒曲 P⇒P⇒ア⇒Q,P⇒P⇒イ⇒Q Pで停止する目は2と4の2通りあるので,2×2=4通りあります。
・曲⇒停⇒曲 P⇒ア⇒ア⇒Q,P⇒イ⇒イ⇒Q アやイで停止する目はそれぞれ2通りあるので,2×2=4通りあります。
よって,6+8=14通りが正しい答えですね。
回転するというのを文字通りに受け止めてしまうとちょっとしんどいかもしれませんが,ひと工夫すればぐっと難易度が
下がりました。普段の勉強でもまずはしんどい思いをして考えて,その後で「あっ!こんないい方法があったんだ!」と
驚きの感情を持つようにすると,知識は定着しやすくなります。このしんどい方法といい方法のギャップを体感することが
とても大切ですから,
①しんどい方法で解いただけで満足しない
②楽な方法だけを追い求めない
この2つをうまくバランスをとりながら日々の学習に努めましょう。(池)
今回は6番,場合の数の問題です。
(問題)H26 神戸女学院中等部 大問6番
机の上に固定されたピンP,Qと,点Oを中心に回転させることができる1マスの1辺が1㎝の,縦2マス,横2マスの
正方形の碁盤が図1のように置かれています。ただし,碁盤を回転させてもピンP,Qの位置は変わりません。
今,ピンPの位置の縦線と横線の交点に石を置き,さいころを振って以下の規則にしたがって操作します。
<規則1>
1の目が出たとき,石を右へ1cm移動させる。
2の目が出たとき,石を左へ1cm移動させる。
3の目が出たとき,石を上へ1cm移動させる。
4の目が出たとき,石を下へ1cm移動させる。
5の目が出たとき,点Oを中心に碁盤を時計回りに90°回転させる。
6の目が出たとき,点Oを中心に碁盤を反時計回りに90°回転させる。
<規則2>
石は碁盤の線上を動き,もし,出た目の方向に碁盤がなく,
進むことができない場合は,石を動かさないものとする。
<規則3>
同じ場所を何度通っても構わないが,石がピンQの位置にきた時点で終了とする。
例えば,1回目で1の目が出ると,石は点Aの位置に移動し,続けて2回目に5の目が出ると,
石は点Bの位置に移動します。(図2)

(1)最も少ない回数で終了するのはさいころを何回振ったときですか。
(2)2番目に少ない回数で終了するのは,さいころを何回振ったときですか。
また,その目の出方は何通りありますか。
(1)は今回も必ず取らなくてはいけません。
1回ではPからQにたどり着くことはできませんね。
2回ではどうでしょう。左下の図を見て下さい。
例えば,(5,5)とさいころが出たときはP⇒ア⇒Q,(6,6)とさいころが出たときにはP⇒イ⇒Qと進みます。
よって,最小の回数は2回です。
5,6が出て碁盤が回転したときの移動するイメージが湧きますか?
青い円周上に乗っている点は青い円周に沿って時計回りや反時計回りに,
赤い円周上に乗っている点は赤い円周に沿って時計周りや反時計回りに移動します。
ちなみに,Oにいる場合は5,6が出ても動きませんね。

(2)一番少ない回数が2回なのですから,二番目に少ない回数は3回と予想できますね。
実際に,(5,1,1)と出ればP⇒ア⇒い⇒Qとなりますので,3回でOKです。
今回は回転うんぬんを考えるのではなく,右上の道で3回進んでPからQに着く方法を考えればよいわけです。
直線3回や曲線3回でたどり着くのは無理ですから,1回曲線,2回直線のパターンしかありえませんね。
・曲⇒直⇒直 P⇒ア⇒い⇒Q,P⇒イ⇒う⇒Q の2通り
・直⇒曲⇒直 P⇒あ⇒い⇒Q,P⇒え⇒う⇒Q の2通り
・直⇒直⇒曲 P⇒あ⇒ア⇒Q,P⇒え⇒イ⇒Q の2通り
合計6通りが答え…
ではありません。
実は<規則2>のところで「出た目の方向に碁盤がなく,進むことができない場合は,石を動かさない」とありますので,
2回曲線,1回停止のパターンもあります。
・停⇒曲⇒曲 P⇒P⇒ア⇒Q,P⇒P⇒イ⇒Q Pで停止する目は2と4の2通りあるので,2×2=4通りあります。
・曲⇒停⇒曲 P⇒ア⇒ア⇒Q,P⇒イ⇒イ⇒Q アやイで停止する目はそれぞれ2通りあるので,2×2=4通りあります。
よって,6+8=14通りが正しい答えですね。
回転するというのを文字通りに受け止めてしまうとちょっとしんどいかもしれませんが,ひと工夫すればぐっと難易度が
下がりました。普段の勉強でもまずはしんどい思いをして考えて,その後で「あっ!こんないい方法があったんだ!」と
驚きの感情を持つようにすると,知識は定着しやすくなります。このしんどい方法といい方法のギャップを体感することが
とても大切ですから,
①しんどい方法で解いただけで満足しない
②楽な方法だけを追い求めない
この2つをうまくバランスをとりながら日々の学習に努めましょう。(池)
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