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2014(H26)入試分析 甲陽学院中学校(2日目) 算数

2014.02.13 14:19|入試問題分析(算数)
甲陽学院2日目。受験者平均は61.4/100,合格者の平均点は2日分の合計で138.3/200,ということは1日目と併せて7割程度が目標点となります。ただ,今年度の問題は,概略を言えば,2日目といえど手におえないような問題はありませんから,点数を拾えるところをきちっと拾っていけば,目標の7割というのも,そう難しくないのではないでしょうか。
さて,その2日目の問題から,今回取り上げる問題は大問5.特にその⑵は「すべて答える」という形式で,小学生の苦手テーマ。調べ上げる際の工夫,軸足がぶれないような数え方。これを意識してやっていきましょう。

(問題)H26 甲陽学院中学校(2日目) 大問5番
図のように,半径5cmの円板を台形の形に積み上げ,その周囲にたるまないよう糸を1周させるときの糸の長さを考えます.この図は最下段の円板を7個とし,4段積み上げたときのものです.円周率は3.14とします.
⑴ 最下段の円板を8個とし,5段積み上げたときの糸の長さを求めなさい.
⑵ 段の数が6段以上で,糸の長さが351.4cmのとき,最下段の円板の個数と段の数はいくつになりますか.考えられる場合をすべて答えなさい.(答えは4通りとは限りません)

甲陽2014 2日目5の0
ちなみに,解答欄は次のようでした。
甲陽2014 2日目5の1

⑴これは取りこぼしてはいけない問題です。
周囲を図のように分けると,黄色い弧4つでちょうど半径5cmの円周になります。残りの台形上部を上辺,下部を下辺,左右をそれぞれ左辺,右辺とします。このそれぞれの辺は,10cmごとに区切ることができます。
長さは,下辺が10cm×(最下段の個数-1),左右両辺が10cm×(段の数-1)となり,上辺が10cm×(最下段の個数-段の数)ですが,下辺-上辺=左辺(または右辺)という関係も成り立ちます。
甲陽2014 2日目5の2
設問の場合は,下辺が10cm×(8-1)=70cm,左辺と右辺がそれぞれ10cm×(5-1)=40cm,上辺が10cm×(8-5)=30cm。これに円周部分が加わるので,まとめると,70+40×2+30+10×3.14=211.4cmとなります。

⑵ まずは円周部分を除きましょう。351.4cm-10×3.14cm=320cm。これが下辺,上辺,左辺,右辺の長さの合計です。考えやすいように10で割っておきましょう。320÷10=32となります。これはそれぞれの辺を10cmごとに区切った,上の図で言えば●-●の個数ですね。
段の数は6段以上と指定されていますから,6段の場合から順に調べていきましょう。
6段 → 左辺と右辺は5個,上辺と下辺の和は,32-5×2=22個,上辺と下辺の差は5個
   → この場合,上辺,下辺が小数になり不適。
7段 → 左辺と右辺は6個,上辺と下辺の和は,32-6×2=20個,上辺と下辺の差は6個
   → 下辺は(20+6)÷2=13個より,最下段の円板は13+1=14個。
8段 → 左辺と右辺は7個,上辺と下辺の和は,32-7×2=18個,上辺と下辺の差は7個
   → この場合,上辺,下辺が小数になり不適。
9段 → 左辺と右辺は8個,上辺と下辺の和は,32-8×2=16個,上辺と下辺の差は8個
   → 下辺は(16+8)÷2=12個より,最下段の円板は12+1=13個。
10段 → 左辺と右辺は9個,上辺と下辺の和は,32-9×2=14個,上辺と下辺の差は9個
   → この場合,上辺,下辺が小数になり不適。
11段 → 左辺と右辺は10個,上辺と下辺の和は,32-10×2=12個,上辺と下辺の差は10個
   → 下辺は(12+10)÷2=11個より,最下段の円板は11+1=12個。
12段 → 左辺と右辺は11個,上辺と下辺の和は,32-11×2=10個,上辺と下辺の差は11個
   → この場合,和の方が差より小さく不適。
これよりあとはすべて無理なので,答えは,14個で7段,13個で9段,12個で11段の3通りとなります。少し考えると,段の数が偶数の場合がダメだと分かりますから,もう少し効率よく求めることも可能ですね。
あわてずに,きちんと条件を整理すると,難なく答えが導けます。が,「すべて求めなさい」という形式の問題は,答えを出した後でも,すべて求め切ったのだろうか?と不安になります。くれぐれもあせることなく,可能性あるものをひとつずつ,ていねいにつぶしていきましょう。(道)
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