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2014(H26)入試分析 六甲中学校(A日程) 算数 

2014.02.14 14:41|入試問題分析(算数)
六甲中学校A日程です。
受験者平均は,昨年が83.0点/150点で,合格者平均が102.4点/150点という結果だったのですが,今年の分は,この原稿を書いている段階では未公表です^^;
ですが,一通り解いた印象では,昨年より少し点数が出やすいテストであるように思われました。
ただ,1枚目の大問3の場合の数(色の塗り分け)は苦手にしている生徒も多く,4の直角三角形と比の問題,6のニュートン算はは数字設定が面倒なので,意外と得点できていない可能性があります。
2枚目の方がむしろとっつきやすく,特に大問7や9は日ごろ練習で見慣れた問題だった上に数字の設定も親切だったので安心して取り組めたのではないでしょうか。(ただ,こういうときこそミスに注意!)
今回は,そんな2枚目に出てくる,少し変わった問題を紹介します。大問8です。

(問題)H26 六甲中学校(A日程) 大問8番
1円玉,5円玉,10円玉の3種類の硬貨を使い,硬貨の枚数が最も少なくなるような両替を行います。次の⑴~⑶の問いに答えなさい。
⑴ A君は1円玉を26枚,5円玉を7枚,10円玉を3枚持っていました。両替を行ったところ,A君が持っている硬貨の枚数は何枚減りましたか。
⑵ B君は1円玉と5円玉をそれぞれ1枚以上,合わせて10枚持っていました。両替を行ったところ,B君が持っている硬貨の枚数は6枚になりました。B君は何円持っていましたか。考えられる金額をすべて答えなさい。
⑶ C君は1円玉と5円玉をそれぞれ1枚以上持っていました。両替を行ったところ,C君が持っている硬貨の枚数は5枚減りました。はじめにC君は5円玉を何枚持っていましたか。考えられる枚数をすべて答えなさい。


作業㋐ 1円玉5枚を5円玉に変える → 硬貨の枚数は5-1=4枚減る
作業㋑ 5円玉2枚を10円玉に変える → 硬貨の枚数は2-1=1枚減る
作業としてはこの2つだけです。
なお,この問題では「3種類の硬貨を使い」とありますので,50円玉や100円玉などは登場しません。
⑴ 1円玉を26枚,5円玉を7枚,10円玉を3枚で,枚数は合わせて36枚,金額は91円です。
91円は10円玉9枚と1円玉1枚にできますから合計10枚になりますね。
したがって,36-10=26枚減りました。
⑵ (1円玉の枚数,5円玉の枚数,10円玉の枚数)と表すことにします。
この場合,合わせて10枚ですから,(1,9,0)~(9,1,0)の9通りを丁寧に調べたら済みます。
(1,9,0)金額は46円 → (1,1,4)で6枚
(2,8,0)金額は42円 → (2,0,4)で6枚
(3,7,0)金額は38円 → (3,1,3)で7枚
(4,6,0)金額は34円 → (4,0,3)で7枚
(5,5,0)金額は30円 → (0,0,3)で3枚
(6,4,0)金額は26円 → (1,1,2)で4枚
(7,3,0)金額は22円 → (2,0,2)で4枚
(8,2,0)金額は18円 → (3,1,1)で5枚
(9,1,0)金額は14円 → (4,0,1)で5枚
以上から,6枚になるのは46円,42円の2通りです。

ところで,この問題は調べ上げる以外に何かいい方法はあるでしょうか。
10枚が6枚になったということは,4枚減ったということですね。
4枚減らすためには,
A:「作業㋐を1回だけ行い,作業㋑は行わない」
または
B:「作業㋐は行わず,作業㋑を4回行う」
のどちらかをすればいいのです。
どちらの硬貨も最低1枚はあるので,Aの方法で1円玉を減らすと5円玉が2枚以上になってしまい,作業㋑をしなければなりませんから,Aのやり方は使えません。
Bの方法の場合,1円玉は4枚以下,5円玉は8枚か9枚必要ですから,(1,9,0)か(2,8,0)の2通りが当てはまります。

⑶ 作業㋐と作業㋑を組み合わせて5枚減らせばよいので,その組み合わせを考えましょう。
(㋐,㋑)=(0,5),(1,1)の2通りが考えられます。
(0,5)のときは,5円玉は10枚か11枚あればよい。
(1,1)のときは,1円玉が両替されて5円玉が1枚増え,そのうえで5円玉を1回だけ10円玉に両替できるようにすればいいですね。ですから,もともとの5円玉は1枚か2枚あればいいことになります。
したがって,答えは1枚,2枚,10枚,11枚の4通りです。

こうやって書いてみると,とても地味~で,盛り上がりに欠けてしまう問題でした。ですが,2枚目のしかも最後から2問目,時間も気にしながら,焦る気持ちを押さえて答案を作っていかないといけないというプレッシャーの中で,どれだけ落ち着いて問題文を読み,作業できるかが問われているような問題です。
落ち着いて解けばどうってことはない問題ですし,⑴⑵はきちんと考えれば受験生の誰もが正解できそうな問題ですが,そうした緊張感の中で確実に得点できるかということも実力のうちです。受験生は日ごろの練習でそういったハートも鍛えないといけないのでしょうね。(道)
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