2014(H26)入試分析 算数 早稲田実業学校中等部
2014.04.05 19:17|入試問題分析(算数)|
しばらく更新しない間に,新しい問題が入手できていたので,久しぶりのアップです。
今回は早稲田実業学校中等部。
募集は男女別枠で,男子が85名,女子40名。
出願が男子328名,女子185名。うち帰国子女男子6名,女子9名。
受験者数が男子308名,女子174名。うち帰国子女男子5名,女子8名。
合格者数は男子111名,女子53名。うち帰国子女男子2名,女子3名。
実質競争率は,男子が2.8倍,女子が3.3倍という結果でした。
前年度は男子が3.6倍,女子4.8倍でしたから競争率自体は大きく下がっています。ですが,容易に合格は取れない学校ですから,受験希望者は,かなり高度な内容まで確実にできるように練習を積む必要があります。
ちなみに昨年の合格最低点は300点満点中,男子が175点,女子が189点でした。
算数の問題ですが,大問は5問。小問は17問で,大問1を除き,どの問題もけっこう手ごわいのは例年通りです。
その中でどれだけ点数を重ねていけるかは,それぞれの小問(1)や(2)などのできにかかっています。
7割を目指していきたいところです。
今回はこの手ごわい問題の中にあって多少は取り組み易い大問3を取り上げます。
(問題)H26 早稲田実業学校中等部・算数 大問3番
下の図のように,4cm間隔の平行な直線が20本あり,1本目の直線上の点Aから20本目の直線まで2本の直線をひきます。そのときにできる高さが4cmの台形を,上から台形①,台形②,台形③,・・・,台形⑳とします。台形①の上底の長さが3cmのとき,次の各問いに答えなさい。
(1) 台形②の面積(影の部分の面積)を求めなさい。
(2) 台形□の面積は186cm^2です。□をうめなさい。
(3) 台形①,台形③,台形⑤, 台形⑦,・・・,台形⑰の面積の和を求めなさい。

台形①の上底が3cmですから,台形②の上底(台形①の下底)は3×2=6cm,台形③の上底(台形②の下底)は3×3=9cm,・・・となっています。つまり,「3×台形の番号=その台形の上底」になっています。
(1) 台形②の上底は6cm,下底は9cm,高さは4cmなので,面積は(6+9)×4÷2=30cm^2です。
(2) どの台形も,上底と下底の長さの差は3cm・・・㋐
(上底+下底)×4÷2=186より,上底+下底=93cm・・・㋑
㋐,㋑で和差算をすると,上底は(93-3)÷2=45cmと求められます。
3×台形の番号=45なので,45÷3=15より,台形の番号は⑮です。
(3) 台形①,③,⑤,・・・,⑰の上底,下底の長さ,面積を求める式を順に書くと,
上底 下底 式
台形① 3×1 3×2 (3×1+3×2)×4÷2
台形③ 3×3 3×4 (3×3+3×4)×4÷2
台形⑤ 3×5 3×6 (3×5+3×6)×4÷2
………
台形⑰ 3×17 3×18 (3×17+3×18)×4÷2
-------------------------------------------
まとめると (3×1+3×2+3×3+3×4+3×5+3×6+・・・+3×17+3×18)×4÷2
さらにかんたんにすると (1+2+3+4+5+6+・・・+17+18)×3×4÷2
これを計算しましょう。1+2+3+4+5+6+・・・+17+18=(1+18)×18÷2=171なので
171×3×4÷2=1026cm^2となります。
[別解]ここで別解を一つ
一番上の三角形の面積を<1>とすると,台形①=<3>,台形②=<5>,台形③=<7>,台形④=<9>,・・・となります。
三角形を底辺と平行に等間隔に区切ったときの面積の比は1から始まる奇数の比になるという,受験生なら見慣れたことを利用できますね。
台形⑰は17×2+1=35より<35>
ですから①,③,⑤,⑦,・・・,⑰の合計は
<3>+<7>+<11>+<15>+・・・+<35>=(<3>+<35>)×9÷2=<171>
<1>=3×4÷2=6cm^2なので,<171>=6×171=1026cm^2です。
(3)はそれなりに手ごわい問題ではありますが,(1)(2)はきちんとやれば確実に正答できる問題です。
先に書いた,小問の(1)や(2)で得点を積み上げていくためにも落とせないですね。
((3)も計算はややこしいですが,考え方自体は複雑ではないので,できれば全問正解しておきたい問題です。)
こういったところで確実に得点していくことが,合格への近道です。(道)
今回は早稲田実業学校中等部。
募集は男女別枠で,男子が85名,女子40名。
出願が男子328名,女子185名。うち帰国子女男子6名,女子9名。
受験者数が男子308名,女子174名。うち帰国子女男子5名,女子8名。
合格者数は男子111名,女子53名。うち帰国子女男子2名,女子3名。
実質競争率は,男子が2.8倍,女子が3.3倍という結果でした。
前年度は男子が3.6倍,女子4.8倍でしたから競争率自体は大きく下がっています。ですが,容易に合格は取れない学校ですから,受験希望者は,かなり高度な内容まで確実にできるように練習を積む必要があります。
ちなみに昨年の合格最低点は300点満点中,男子が175点,女子が189点でした。
算数の問題ですが,大問は5問。小問は17問で,大問1を除き,どの問題もけっこう手ごわいのは例年通りです。
その中でどれだけ点数を重ねていけるかは,それぞれの小問(1)や(2)などのできにかかっています。
7割を目指していきたいところです。
今回はこの手ごわい問題の中にあって多少は取り組み易い大問3を取り上げます。
(問題)H26 早稲田実業学校中等部・算数 大問3番
下の図のように,4cm間隔の平行な直線が20本あり,1本目の直線上の点Aから20本目の直線まで2本の直線をひきます。そのときにできる高さが4cmの台形を,上から台形①,台形②,台形③,・・・,台形⑳とします。台形①の上底の長さが3cmのとき,次の各問いに答えなさい。
(1) 台形②の面積(影の部分の面積)を求めなさい。
(2) 台形□の面積は186cm^2です。□をうめなさい。
(3) 台形①,台形③,台形⑤, 台形⑦,・・・,台形⑰の面積の和を求めなさい。

台形①の上底が3cmですから,台形②の上底(台形①の下底)は3×2=6cm,台形③の上底(台形②の下底)は3×3=9cm,・・・となっています。つまり,「3×台形の番号=その台形の上底」になっています。
(1) 台形②の上底は6cm,下底は9cm,高さは4cmなので,面積は(6+9)×4÷2=30cm^2です。
(2) どの台形も,上底と下底の長さの差は3cm・・・㋐
(上底+下底)×4÷2=186より,上底+下底=93cm・・・㋑
㋐,㋑で和差算をすると,上底は(93-3)÷2=45cmと求められます。
3×台形の番号=45なので,45÷3=15より,台形の番号は⑮です。
(3) 台形①,③,⑤,・・・,⑰の上底,下底の長さ,面積を求める式を順に書くと,
上底 下底 式
台形① 3×1 3×2 (3×1+3×2)×4÷2
台形③ 3×3 3×4 (3×3+3×4)×4÷2
台形⑤ 3×5 3×6 (3×5+3×6)×4÷2
………
台形⑰ 3×17 3×18 (3×17+3×18)×4÷2
-------------------------------------------
まとめると (3×1+3×2+3×3+3×4+3×5+3×6+・・・+3×17+3×18)×4÷2
さらにかんたんにすると (1+2+3+4+5+6+・・・+17+18)×3×4÷2
これを計算しましょう。1+2+3+4+5+6+・・・+17+18=(1+18)×18÷2=171なので
171×3×4÷2=1026cm^2となります。
[別解]ここで別解を一つ
一番上の三角形の面積を<1>とすると,台形①=<3>,台形②=<5>,台形③=<7>,台形④=<9>,・・・となります。
三角形を底辺と平行に等間隔に区切ったときの面積の比は1から始まる奇数の比になるという,受験生なら見慣れたことを利用できますね。
台形⑰は17×2+1=35より<35>
ですから①,③,⑤,⑦,・・・,⑰の合計は
<3>+<7>+<11>+<15>+・・・+<35>=(<3>+<35>)×9÷2=<171>
<1>=3×4÷2=6cm^2なので,<171>=6×171=1026cm^2です。
(3)はそれなりに手ごわい問題ではありますが,(1)(2)はきちんとやれば確実に正答できる問題です。
先に書いた,小問の(1)や(2)で得点を積み上げていくためにも落とせないですね。
((3)も計算はややこしいですが,考え方自体は複雑ではないので,できれば全問正解しておきたい問題です。)
こういったところで確実に得点していくことが,合格への近道です。(道)
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