筑波大学附属駒場中学校 理科 各問寸評★2015年(H27年)

2015.03.30 12:41|入試問題分析(理科)
今日は筑波大学附属駒場中学校の理科の問題をざっと見てみましょう。

第1問 生物 オタマジャクシ
1. オタマジャクシは①うしろあしが生える。 ②まえあしが生える。 ③尾が短くなる。 ④成体になる。 という順番で成長していきます。よって答えはイ、ウ、カです。

2. ア:は、池や沼など水の中に住み、主に植物を食べます(雑食性)。
イ:タガメを一緒に入れると食べられてしまいます。
エ:カエルは陸上の湿り気のある所に住み、昆虫などを食べます(肉食性)。
ウとオのように、自然界の生活環境に近づけてあげればよいですね。

3. カブトムシは幼虫、カマキリは卵、モンシロチョウはさなぎの姿で冬ごしします。クサガメ、ツキノワグマは冬眠、ハシブトガラスは成体(親)の姿で冬ごししますので答えはアとイとウです。

第2問 生物 人のからだ
1. 各選択肢を見てみましょう。
ア: ランニング(D)は4種類の運動のなかで最もステップの回数は多いが、心拍数、呼吸数が一番多いのはダンス(A)であるので、ランニングが最も激しいとは言えませんね。
イ: 図1は、AからDまで順に増えていっていますが、図2や3に同じような傾向は見えないので関係ありません。よって、イは正しいですね。
ウ: 図3と図2を比べてみると、呼吸数が多いと心ぱく数も多くなることが分かります。ウの選択肢は、このことを言い換えた選択肢とみなせるのでウも正しいですね。
エ: 図2を見ると、運動直後の心拍数は、未経験者よりも経験者の方が多いことが分かりますので、エは誤りであることが分かりますね。
オ: 図3を見ると呼吸数は確かに経験者の方が少ないですが、これはあくまでも同じ運動をした場合の比較ですので正しいとは言えませんね。
よって1.の答えはイとウになります。

2. これも各選択肢を見てみましょう。
ア: これは正しいですね。
イ: ポンプの役目を果たすのは心臓なので誤りですね。
ウ: 血管には、動脈、静脈、毛細血管などいろいろな太さの血管があるので誤りですね。
エ: 血管は手足の先でとぎれず、静脈を通って心臓にもどるので誤りですね。
オ: 栄養分は、小腸内部の表面にある柔毛の中を通っている毛細血管、リンパ管に取り込まれるので正しいですね。
カ: 肺がふくらむと(息を吸う)、空気中の酸素が毛細血管と肺胞を通じて血液中に取り入れられます。
それと同時に血液中にとけていた二酸化炭素が肺胞内に出され肺胞のまくを通じて酸素と二酸化炭素が交換されます。
よってこれは正しいですね。
キ: 肺動脈には酸素を多くふくむ血液が流れているので、誤りですね。
以上より答えはアとオとカになります。

第3問 地学 岩石・化石・気象・天体
1. 軽石は表面に小さい穴がたくさんあいているという特徴があります。それに合うのはアですね。
2. まず、選択肢をアとエの2つに絞りたいところです。その上で、楕円に近いもの(ア)がアサリ、三角形に近いもの(エ)がハマグリです。
3. 台風は南の海上で発生すると、北の方へ進みます。発生した月によって多少の違いはありますが、だいたいの進路を覚えておきましょう。
答えはイ、エ、ア、ウですね。
4. 地球から月を見ると、月の海という少し灰色がかった部分が見えますので答えはイですね。アは地球から見えない月の裏側がの写真、ウは太陽の黒点の写真ですね。
5. さそり座の一等星といえば赤色のアンタレスですね。

第4問  化学 水溶液
まず、実験内容を見ていきましょう。
実験1: 小さな金属を加えてあわがでていることから、Aは酸またはアルカリなどが考えられますね。
実験2: 細かなあわが出たことと、塩のつぶには変化が見られないことから、Bは気体が溶けている水溶液と考えられますね。
実験3: この条件からは、Cが何であるかは分かりません。
実験4: 呼気を吹き込んだ結果と実験2の結果より、Bは炭酸水、Dは石灰水と分かります。
実験2の結果より、Bは炭酸水であることが分かるので、Dは石灰水と分かります。
以上の結果と水以外の3種類の水溶液は異なるという条件からAは炭酸水、石灰水以外の酸またはアルカリ、Bは炭酸水、Cは水、Dは石灰水というところまで絞り込むことができました。

1. 実験1では、酸またはアルカリのようなものが金属と反応してあわが出て、金属とはちがうものが残るので実験1の答えはウになります。
実験2では、炭酸水に塩がとけたものが残り、この水溶液の水を蒸発させると、塩が残りますので、実験2の答えはイになります。
実験3では、食塩水ができるので、水を蒸発させると、塩が残ります。よって、実験3の答えはイになります。

2. 液体Aは、酸なのかアルカリなのか今回の実験だけで分かりません。よって答えはエです。
液体Bは炭酸水なので、青色リトマス紙を赤くします。よって答えはアです。
液体Cは水なので、赤色、青色どちらのリトマス紙も変化しません。よって答えはウです。
液体Dは石灰水なので、赤色リトマス紙を青く変えます。よって答えはイです。

3. 液体Aは酸またはアルカリと考えられるので、答えはエ(食酢は酢酸という酸です)ですね。

第5問 化学 気体、ものの燃え方
1.(1) 「ろうそくの火を入れる前」: 空気に含まれる酸素の割合が約20パーセントなので、答えはアですね。
「ろうそくの火が消えた後」: 燃焼には多くの酸素を必要とします。ろうそくを燃やし続けようとすなら、酸素濃度が16パーセントが限界と言われています。よって答えはウですね。
(2) 空気は全体の約80パーセントをちっ素、20パーセントを酸素がしめています。よって答えはちっ素です。

2. 気体はあたためられると体積が大きくなるので、気体がびんの外へ出ていき、そのあと空気が入り込んできます。
よって答えはオです。

第6問と第7問は次回以降に解説します。(和)
スポンサーサイト
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

麻布中学校 理科 問題解説★2015年(H27年)

2015.03.26 10:42|入試問題分析(理科)
今日は2015年麻布中学校の理科の入試問題の解説です。
今回は第4問を取り上げてみます。

平成27年 麻布中学校 理科 第4問
 みなさんは、太陽光や電球の光をプリズムに通すと、色が分かれて虹色に見えることを知ってると思います(図1)。目に見える光は可視光線と呼ばれ、可視光線に含まれる光は、その色に対応した「波長」という値をもっています。波長は長さの単位であるnm(ナノメートル:n(ナノ)は10億分の1を表します。1nmは0.000000001m)で表され、値が大きいと赤色に近づき、小さいと紫色に近づきます。また、可視光線以外の目に見えない紫外線や赤外線などもそれぞれの波長の値をもっています(図2)。
azabu 2015 4 1
 1880年ごろには、気体の水素のみを封じこめた密閉容器の両はしを外部の電源につなぐと、容器の中の水素が赤紫色の光を発することが知られていました。この赤紫色の光をプリズムに通したところ、虹色は観測されず、何本かの決まった波長の値をもつ光、つまり決まった色の何種類かの光のみが観測されました(図3、図4)。
azabu 2015 4 2

問1 気体の水素が発生する試薬の組み合わせとして適当なものを次のア~オの中から2つ選び、記号で答えなさい。
ア 塩酸とチョーク
イ 水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウム
ウ 塩酸と銅
エ 酢と卵の殻
オ 塩酸と鉄


スイスの女学校で物理の教師をしていたバルマーは、この水素が発する光の波長(表1)に興味をもち、この数値に何らかの規則性を見い出そうとしましたが、なかなかうまくいきませんでした。あるとき、バルマーはこれらの波長の値を365で割り、それぞれもっとも近い分数で表してみようと考えました。
2015麻布中学理科第4問①
問2 表1の赤色、青色、紫色の光の波長の値を365で割った数値を、それぞれ小数第3位を四捨五入して小数第2位まで求めなさい。

バルマーは、問2で求めた小数の値を、もっとも近い分数に当てはめていきました。すると、その分数は以下の式①の形をしており、しかも、□に当てはまる整数値にはきれいな規則性があることが見い出されました。
2015麻布中学理科第4問②
(分母、分子の□には同じ整数が入ります。)
 ただし、式①は帯分数ではなく、仮分数で表され、分母、分子は約分できる場合でも約分しないままで表されるものとします。
2015麻布中学理科第4問③
問3 表1の赤色、青色、紫色の光について、式①の□に当てはまる整数をそれぞれ答えなさい。

問4 この実験では、図4の紫の光のすぐ左側に、もう一本のうすい紫色の光が観測されていました。式①の□に当てはまる整数に規則性を見い出し、このうすい紫色の波長の値[nm]を予測しなさい。答えは小数第一位を四捨五入して求めなさい。

 バルマーはこのような考えを経て、1885年に水素が発する光の波長の規則性を発表しましたが、なぜそのような規則性になるのかなどは、当時不明のままでした。その後、この規則性の理由や、ほかの種類の物質が発する光の規則性などが、理論的に解明されていきました。さまざまな物質が発する決まった色の光は、いろいろなところで利用されています。たとえば、ネオンが発する光を利用したネオンサインや、ナトリウムが発する光を利用したナトリウムランプなどがあります。
 また、同じような現象として、ある成分をふくむ物質の水溶液を炎にかざすことで、その成分に特有の色の光を発することが知られています。この現象は炎色反応とよばれており、花火の色を出すときにも利用されています(表2)。

2015麻布中学理科第4問④

問5 ガスコンロで調理していたみそ汁がふきこぼれると、コンロの火が黄色に見えることがあります。これはみそ汁にふくまれているどのような成分によるものでしょうか。表2を参考にしてふくまれる成分を1つ答えなさい。

問6 花火は、表2に挙げられた成分などを火薬に混ぜ合わせることで、さまざまな色合いを出すことができます。花火の光を利用して、その花火の色を出している複数の成分を明らかにするためには、どのようにして何を調べればよいでしょうか。説明しなさい。必要ならば図を用いて示してもかまいません。

問1 それぞれどのような反応が起こるのか見ていきましょう。
ア 塩酸とチョークを混ぜると二酸化炭素が発生します。チョークの主成分は炭酸カルシウムであることは覚えておきましょう。
イ 水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムを混ぜると水素が発生します。
ウ 塩酸と銅を混ぜても何も発生しません。
エ 酢と卵の殻からは二酸化炭素が発生します。
オ 塩酸と鉄からは水素が発生します。

答え イとオ

問2 なぜ、波長の値を365で割るのか気になるところですが、計算していきましょう。
赤色の場合 656÷365=1.797… よって答えは1.80
青色の場合 486÷365=1.331… よって答えは1.33
紫色の場合 434÷365=1.189… よって答えは1.19

答え 赤色 1.80 青色 1.33 紫色 1.19

問3 まず、問2で求めた小数を分数になおしてみましょう。
赤色の光の場合、小数は1.80なので分数になおすと、9/5になります。分母に注目すると、5=9-4ですから、□に当てはまる整数は赤色の場合、9になります。同じようにして青色と紫色の光についても考えたいところですが、これらの小数を分数になおしても式①の□に当てはまるような整数は見つけにくいので、等式を作って考えてみましょう。
青色の光の場合、486/365=□/(□ー4)より、□=(486-365)÷4=30.25で分子、分母を割ればよいので、
486÷30.25=16.066…と求まります。
紫色の光の場合、434/365=□/(□ー4)より、□=(434-365)÷4=17.25で分子、分母を割ればよいので、
434÷17.35=25.159…と求まります。
□に入るのは整数なので、赤色は□=9、青色は□=16、紫色は□=25としましょう。

答 赤色の光 □=9、青色の光 □=16、紫色の光 □=25

問4 問3の答えから規則性を見い出してみましょう。9、16、25なのですぐに9=3×3、16=4×4、25=5×5が浮かぶと思います。式①の□に入る整数は、波長の値が小さいほど大きくなります。問題文には図4の紫色の光のすぐ左側に、とあるので、表1の紫色の光よりもさらに短い波長の値をもつ光であることが分かります。以上のことからこの光に対応する□の値は25の次の平方数である36であると推測できます。あとは式①を使ってこの光の波長を求めます。光の波長の値を□とおくと、□÷365=36÷(36-4)より、□=410.625と求まります。最後に小数第一位を四捨五入するのを忘れないようにしましょう。
答 411nm

問5 表2を見て考えます。黄色の光は波長の値が530~610nmなのでこの条件に当てはまっているものを考えるとナトリウムであることがわかります。もちろん、みそ汁にはナトリウムそのものが入っているわけではなく、食塩(塩化ナトリウムという化合物)の形で入っています。

答 ナトリウム

問6 いよいよ最後の問題です。この問題単独で問われると難しいのですが、ここは落ち着いてもう一度問題文を読み返してみましょう。プリズムは太陽光や電球の光をさまざまな色に分けるものでしたね。このことを文章にすれば答えになります。

答 プリズムを用いて花火の光を分けてさまざまな波長の光に分けて、それらの波長の値を調べればよい。

 毎年、麻布中学校の理科はあまり見慣れない題材をもとに出題されています。しかし、そのあまり見慣れない事柄を知識としてもっておく必要はありません。麻布中学校の問題には必ず、ヒントとなる文章が書かれていて、それをもとにして考えていけば答えられるようになっています。対策としては5年生終了時点で一通りの基礎は仕上げてしまい、6年生では、思考型の入試問題に取組み、過去問で仕上げに入るのが良いでしょう。(和)

数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

麻布中学校 理科 各問寸評★2015年(H27年)

2015.03.25 11:32|入試問題分析(理科)
今日は平成27年度麻布中学校の理科の問題の各設問を見てまいりましょう。

第1問 生物 生物のつながり
問1 基本用語なのでこれは落とせません。
問2 ゾーザンテラは、サンゴと共生していなくても海水を取り入れることはできるはずなので、イは利点として適当ではありませんね。
問3 問題文をしっかり読んで答えましょう。チューブワームは小さな生物から直接養分を受け取っているので、消化管がなくても生きていけるのです。
問4 陸上にいる植物は光合成(二酸化炭素と水を使って体の中で養分をつくる)によってエネルギーを得ますが、深海ではイオウをふくむ成分と二酸化炭素の反応から養分をつくることでエネルギーを得ています。
問5 小さな生物がイオウを含む成分と二酸化炭素から養分をつくっています。
問6 イは、イオウなどが地表に出ているところは多くありませんので、適当ではありません。ウは、書かれていることは正しいのですが、「光合成から養分を得る生物ほど多くありません」の理由としては適当ではありません。エは陸上には深海よりも酸素が多く存在しますのでこれも適当ではありません。アとオは問題文中にも書かれているのでこれらが答えになりますね。

第2問 物理 磁石
問1 図1のように磁石で鉄くぎを近づけると、先のとがっていない方がS極、先のとがっている方がN極になりますので、方位磁針のN極は右側を指しますね。
問2 aとbのときは、棒磁石1本だけのときよりもクリップのつく量は少なくなったので、cとdに比べて全体の磁力は弱くなっています。また、cとdの固定をはずすと磁石が自ら向きを変え、aやbのように極の向きがバラバラな状態になりそのまま安定しました、とあるのでaやbの方が安定であるといえますね。
問3① 鉄くぎのなかには小さな磁石がたくさん存在しています。この小さな磁石の向きを、外側から近づけた強い磁石によってそろえることにより、鉄くぎが磁石になります。
問3② 外側から強い磁石を近づけている間は磁石の極の向きはそろっています。しかし、この強い磁石を鉄くぎからはなしてしまうと、小さな磁石がみずから向きを変え小さな磁石の極の向きがバラバラになり、磁力が全体としてなくなってしまいます。
問4 小さな磁石の向きがそろっているときに磁力は強くなるので、イが正解になりますね。
問5 磁石として存在できる時間を長くしたいのであれば、小さな磁石の極の向きが変わりにくくなればよいので、アが答えになりますね。
問6 電磁石は電池を直列につなぐ、コイルの巻き数を増やすことで、磁力を強くすることができるのでアとオが答えになりますね。
問7 ネオジムを混ぜて磁石をつくると、磁石の強さ、磁石の極の向きが変えられなくなりますが、電磁石を用いて磁石をつくると、強さや極の向きを簡単に変えることができます。
問8 地球は南極がN極で北極がS極ですから、N極を北に向けて棒を置けばよいですね。

第3問 地学 地層、地震
問1 図1よりれき岩とでい岩の境界面は標高40mの位置で水平であることが分かります。またでい岩と砂岩の境界面は、図1より、高度が下がるにつれて西の方へうつっていっていることが分かります。以上のことから、答えはアとなりますね。
問2① 問1の図より、れき岩とでい岩の境界面は40mの等高線のところにあるので、頂上から10m掘れば境界に達します。
問2② 図1において、でい岩と砂岩の境界面が10mの等高線と交わる点を結ぶと頂上の点の真下をとおるので、標高
50mから標高10mまで、40m掘れば境界に達します。
mission ver1

問3 恐竜の化石が見つかったことから砂岩の層が最古の地層、ゾウの化石が見つかったことからでい岩は砂岩の次に古い地層、れき岩は水平にたい積していることから砂岩とでい岩の層が傾いた後で削られて積もったと考えられるの
で一番新しい地層と考えられます。よって答えはエですね。
問4 深い穴を掘って地層の様子を調べることをボーリング調査といいます。
問5 T1からT2のたい積にかかる時間は5000年で同じなので、T1とT2の間の長さが1.5mと最も長いCが一番速いということになります。
問6 海底であったという判断基準になるでい岩層に注目すると、AはT1(11000年前)以降は海になっていませんが、Bは
T1とT2(6000年前)の間で、CはT2以降にも海の時期であったことが分かります。よって答えはA→B→Cのアになります。
問7 地震波は震源から観測点まで直進しているものとするので、観測点P1に届いた地震波の平均の速さは
6400÷600=10.66…より10.7㎞/秒、観測点P2に届いた地震波の平均の速さは10500÷900=11.66…より11.7㎞/秒となりますね。 
問8① 円弧FP1が地表なので、この円弧から弦FP1までの距離の最大値がもっとも深い深さになるので答えはアですね。
問8② 答えはウです。
問8③ aとcの長さを比べると、cの方が長いので答えはウですね。
問8④ 問7の結果から、深いところを通過する地震波の方が浅いところを通過する地震波よりも平均の速さは速いので答えはコになりますね。
問8⑤ 答えはコです。

第4問の解説は次回の記事で取り上げます。(和)

数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

桜蔭中学校算数 問題解説&入試分析★2015年(H27年)

2015.03.23 20:58|入試問題分析(算数)
桜蔭中学校の問題の解説をします。

今年の問題は例年の面倒くさい作業を必要とする、しんどい問題に比べ、面白い問題が多く傾向の変化が見られました。

今年の受験者数は629人、合格者数は271人、補欠者数は28。
倍率は2.32倍になっています。

大問1(1)は計算問題、(2)は約数の問題で今回はこの(2)を解説します。
大問2は正三角形を規則に従い増やしていく問題で、具体的に書いていって法則性を見つけます。少し複雑ですが、よくある処理ですので(1)だけでも点を取りたいとこです。
大問3は(1)はつるかめ算、(2)は不定方程式の問題で、どちらも少し工夫が必要ですが、練習を積めばできるので確実にとっておきたい問題です。
大問4は(1)、(2)はよくある表面積の問題で点をとりたいとこですが(3)は場合の数になっています。次回とりあげようと思います。
大問5は速さの問題です。状況図をかき、どの部分とどの部分の長さが等しいかを整理する技術が重要です。(1)、(2)まではそれほど正解するのは難しくないですが、(3)はかなりややこしいので(2)まで正解できれば6割5分程度と考えらえるボーダーを越えることはできそうです。


それでは第1問の(2)を解説します

(問題)H27 桜蔭中学校・算数 大問1番の(2)

右の図1のようなアからケの9個のマスがあります。このアからケのマスの中に、約数が全部で9個ある整数の約数を小さい順に入れます。たとえば、36の場合は図2のようになります。このとき、次の□にあてはまる数を答えなさい。
① アとケとオに書かれている数字の和が241となる整数は□です。
② ウとケとキに書かれている数字の積が38416となる整数は□です。
2015ouin1.png





約数が9個、つまり奇数個ですから、平方数であることはすぐにわかります。
普段の約数の書き出しと同様、ア~ケをかけ算の形で表してみます。

ouin2kaikai.png

求める整数□=オ×オですから、ア=1、ケ=オ×オと表されます。

この和が241なので
1+オ+オ×オ=241
オ+オ×オ=オ×(オ+1)=240
連続する2整数の積が240になるものを考えてオ=15とわかります。

よって求める整数は15×15=225とわかります。



この問題もウとケとキの積だけでいいので①と同じようにできないか考えみます。
ouin3kaikai.png


求める整数を□とすると、
ア=1、ケ=□、ウ×キ=□
となるので、
ウ×ケ×キ=□×□=38416
よって、
□=196
とわかります。


『約数と言えば書き出し』という、約数を習ったときの初歩に戻ると意外とあっさり解けました。

普段から言われている基本の作業を大切にしておくことがこういうところで役に立ったりします。(畠)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 清風南海中学校(B入試)

2015.03.18 23:52|入試問題分析(算数)
今回は,清風南海中学校のB入試の問題を取り上げます。

A・SS入試の倍率は昨年度と比べると難化傾向でしたが,B入試においては
男子 2.9倍(6.5倍)⇒2.1倍(5.0倍)
女子 3.4倍(7.5倍)⇒2.0倍(4.3倍)
※( )内はS特進のみの倍率
と,逆に下がりました。一昨年から去年の倍率アップがとても大きかったので,その反動かと思われます。

では,問題の方に目を通してみましょう。
大問1の計算は当然しっかりと合わせましょう。
大問2(1)がちょっといやらしいですね。「入試」という環境下ではパニックになるきっかけになりそう…
(2)(3)は正解必須。(4)(5)(6)のうちの2問は取りたいです。
大問3の平面図形の問題は(1)(2)までは必須。(3)(4)はちょっとハードルが上がります。
大問4は情報をていねいに整理すれば(3)までは取れます。整理の仕方を意識しながら勉強しているかが重要です。
大問5は最終問題にもかかわらず,難易度はそれほどでもありません。気力がある状態でたどり着きたいですね。
では,今回は2番の(5)を取り上げます。

(問題)H27 清風南海中学校 A・SS入試 算数 大問2(5)
下の図の四角形ABCDはADとBCが平行である台形で,AE=EB,DF=FC,AD:EF:BC=2:3:4,BG:GC=7:1です。
台形ABCDの面積が72cm^2のとき,図の斜線部分の面積を求めなさい。
2015清風南海2番(5)


見たことがある問題のような気がするけど,ちょっと違う…
どこが違うんだろう…

違うところに気付けば,それが問題を解く手がかりになります。
GとDを結ぶ補助線を引くと,きっと今まで見たことのある問題を組み合わせたものだと気付くはず。

下の図のように面積比が1:3に分割されるピラミッド相似が大量に出てきますが,
台形ABGDの1/4と三角形DGCの3/4に斜線がついていることがわかります。
2015清風南海2番(5)01
1と3だらけで目がチカチカしますね(^_^;)

台形ABGDの面積は72×(4+7)/(4+7+1)=66cm^2,
三角形DGCの面積は72×1/(4+7+1)=6cm^2ですから,
求める面積は66×1/4+6×3/4=21cm^2です。

畠田先生が書かれた筑駒の記事でもありましたように,
「複雑な問題は自分が知っているものと結びつけることができないか」
と考える習慣はとても大切です。
今回の問題も,そういう癖がついている子にとっては簡単な問題という感覚でしょうが,
そうでない子との間にはとても大きな壁があるはずです。(池)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

開成中学校 理科 問題解説★2015年(H27年)

2015.03.17 17:12|入試問題分析(理科)
今日は2015年度開成中学校の理科の入試問題の解説です。
今回は第3問を取り上げてみます。

(問題) 平成27年 開成中学校 理科 第3問

 古代ローマ時代から現在まで使われている棒はかり(さおはかり)について考えます。棒はかりは、棒の片側に皿を垂らし、その近くに付けたつりひもをつまみ上げて支点とし、棒が水平になるまでおもりの位置を動かして、皿にのせたものの重さをはかる道具です。
 長さ40㎝、重さ20gの太さが変わらない棒を用意して、棒の真ん中Aを支点としてつりひもでつるしました。支点Aから左に10㎝はなれた位置Bに重さ10gの皿を下げ、棒の別の位置に重さ30gのおもりを下げました。ただし、おもりは支点Aから棒の右はしまで動かせるものとします。

2015開成中学理科第3問①

問1 皿に何ものせずに、棒が水平になるようにおもりを動かします。棒が水平になるときのおもりの位置は支点Aから右に何㎝はなれた位置ですか。小数第一位まで求めなさい。

問2 この棒はかりは、最大で何gの重さまで皿にのせてはかることができますか。ただし、支点の位置と皿の位置は動かさないものとします。


問1 てこのつりあいの問題ですね。まず、左回り、右回りのモーメントを求めます。支点Aは棒の真ん中なので、問1では棒の重さによるモーメントを考える必要はありません。支点Aの左側にあるのは皿だけなので、皿の重さによるモーメントのみ考えましょう。皿の重さは10g、うでの長さ(この場合はABの長さ)は10㎝なので、左回りのモーメントは10×10です。次に右回りのモーメントですが、支点Aから右向きに□㎝離れたところにおもりをつるすと考えます。
そうすると、おもりの重さが30g、うでの長さが□㎝なので、右回りのモーメントは30×□です。棒が水平になる、つまりてこがつりあうということなので、10×10=30×□が成り立ちます。
これより、□=3.33…となりますが、小数第一位まで求めよと書かれているので答えは3.3㎝です。

問2 最大で何gの重さまではかることができますか、という問題ですが、まずどのような状態になったとき最大の重さを測ることができるのかを考えてみましょう。皿にものをのせると左回りのモーメントが大きくなるので、右回りのモーメントも大きくする必要があります。おもりの重さは30gのままです。右回りのモーメントを大きくしたいのであれば、うでを長くすればよいので、うでが最も長いとき、つまり棒の右端におもりをつるしたときに右回りのモーメントは最大となります。皿とのせるものの重さの合計を□gとおくと、左回りのモーメントは□×10、右回りのモーメントは30×20なので、□×10=30×20より
□=60gとなります。しかしこれは皿の重さも含んでいることに注意してください。皿の重さが10gなので、のせることができるものの重さは最大で60-10=50gです。

 次に、この棒はかりの支点を棒の真ん中Aから左に9㎝の位置Cに移動し、皿をその支点Cから左に5㎝はなれた位置Dに付けかえました。ここでは、おもりは棒の左のはしから右のはしまで動かせるものとします。この棒の重さは、いつでも棒の真ん中A一か所にすべてかかっていると考えることができます。棒を真ん中Aからずらしてつるしたときにも、そのように考えて計算することができます。
2015開成中学理科第3問②

問3 皿に50gのものをのせて、おもりを移動させて棒が水平になるようにつり合わせます。そのときのおもりの位置に「50g」の目盛りをつけます。同じようにして「60g」、「70g」などの目盛りをつけていくと、となり合う目盛りの間隔はどうなりますか。次のア~ウの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 棒の右のはしに近づくほど、目盛りの間隔は広くなる。
イ 棒の右のはしに近づくほど、目盛りの間隔はせまくなる。
ウ 目盛りの間隔は変わらない。

問4 「0g」の目盛りは支点Cを基準として左右どちらに何㎝はなれた位置ですか。小数第一位まで求めなさい。

問5 この棒はかりは、最大で何gの重さまで皿にのせてはかることができますか。ただし、支点の位置と皿の位置は動かさないものとします。

問6 この棒はかりを最大で500gの重さまではかれるようにするためには、どのような工夫をしたらよいですか。次のア~カの中から2つ選び、記号で答えなさい。

ア 皿を重くする。
イ 皿を軽くする。
ウ つりひもを皿に近い位置に付けかえる。
エ つりひもを皿から遠い位置に付けかえる。
オ おもりを重くする。
カ おもりを軽くする。



 ここからは支点の位置が棒の真ん中からずれているため、棒の重さによるモーメントを忘れないようにしましょう。

問3 目盛りの間隔がどうなるかという問題ですが、おもりの位置を計算によって求めてみて変化の様子を調べてみましょう。まず、皿に50gのものを乗せた場合を考えます。支点Cから右向きに□㎝のところにおもりをつるしたとき棒が水平になったとすると、左回りのモーメントは(50+10)×5=300です。右回りのモーメントは、棒の重さによるものとおもりの重さによるものの合計になりますので、20×9+30×□です。棒が水平になるとき、300=20×9+30×□が成り立つので、□=4㎝と求まります。以下同様にして60g、70gのものを乗せた場合の支点からの距離を求めてみましょう。
60gのものをのせたとき、(60+10)×5=20×9+30×□より、□=17/3
70gのものをのせたとき、(70+10)×5=20×9+30×□より、□=22/3
それでは目盛りの間隔を求めてみましょう。
50gと60gの場合、間隔は17/3-4=5/3
60gと70gの場合、間隔は22/3-17/3=5/3
目盛りの間隔は同じであることが確認できました。答えはですね。

問4 まず、おもりをつるさない状態で、左回り、右回りのモーメントを求めてみます。左回りのモーメントは皿の重さによるものなので、10×5=50です。右回りのモーメントは棒の重さによるものなので、20×9=180です。この時点では、右回りのモーメントの方が大きいので、おもりをつるす位置は支点Cよりも左でないといけないことが分かります。支点Cからおもりをつるしたところまでの長さを□㎝とすると、左回りのモーメントは皿の重さによるものとおもりの重さによるものも合計となるので、10×5+30×□です。右回りのモーメントは変わらず180のままなので、10×5+30×□=180より、□=4.33…
となりますが、小数第一位まで求めなさいという指示があるので答えは左に4.3㎝となります

問5 問2でも考えたように、できるだけ重いものをはかろうとする場合、おもりを右の方へ動かせばよいのでしたね。左回りのモーメントは皿とのせるものの重さの合計を□gとすると、□×5です。また右回りのモーメントは棒の重さによるものと、おもりの重さによるものの合計なので20×9+30×29=1050です。□×5=1050より、□=210gと求まります。しかし、これも問2と同様、皿の重さを含んでいるので、はかることができる重さの最大値は210-10=200gとなります。

問6 できるだけ重いものをはかろうと思うのであれば、支点から皿での距離は短い方が良いですね。モーメントは 
(ものの重さ)×(うでの長さ)で求まります。もし、モーメントが一定の値をとるとき、ものの重さとうでの長さは反比例しますから、はかるものの重さをできるだけ大きくしたいのであれば、うでの長さは短くしないといけませんね。
またおもりを重いものに変えると、右回りのモーメントが大きくなるので重いものもはかれるようになります。また、イもおもりの重さを大きくできる要素ではあるのですが、効果は小さいので問題文中に2つ選びとあるので省いてもよいでしょう。以上のことから、答えはウとカになります。

 開成中学校の理科の問題は誰しもが悩むような難問、奇問で構成されているのではなく、基本となる知識をもとにして思考力を問う良問で構成されています。まずは基本事項をしっかりと覚えて、問題演習をこなし、そのあと過去問演習により思考力を鍛えましょう。(和)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

開成中学校 理科 各問寸評★2015年(H27年)

2015.03.17 17:11|入試問題分析(理科)
 このたび、数理教育研究会では東京の自由が丘に新しく校舎を開校することになりました。
その新教室で理科、数学、化学を担当することになりました和田です。よろしくお願いいたします。

今日は2015年度開成中学校の理科の入試問題の分析です。

ここ数年は比較的穏やかな出題が続いており、今年も積極的に70%以上の得点率を狙いたいところです。

第1問 化学 気体の発生
問1 石灰岩の主成分は炭酸カルシウムですね。
問2 石灰岩の主成分である炭酸カルシウムにうすい塩酸をかけると二酸化炭素が発生します。
問3 問題文をしっかり読んで、B君の主張を汲み取りましょう。物質表面に細か穴がたくさん開いておりそこに気体が入っていると書いてあるので、気体が出てくるとその隙間に水が入りこんで、水面が下がると考えます。
問4 残ったものの重さとあるので、発生した気体の重さを考えていないことに注意しましょう。
問5 気体発生実験で初めに出てくるのは、フラスコ、ガラス管内に入っている空気ですね。
問6 炭酸カルシウム(X)を加熱すると、酸化カルシウム(Y)という物質ができます。この酸化カルシウム(Y)は水をかけることによって水酸化カルシウム(Z)という物質になります(水酸化カルシウム(Z)は消石灰とも呼ばれ、これが水に溶けてできた水溶液が石灰水です)。酸化カルシウム(Y)から水酸化カルシウム(Z)ができるときに熱が発生します。そのために水溶液中の水が水蒸気となって気体として出てくるのです。物質名とその性質まで覚えておくと有利ですね。
問7 通常、固体の溶解度は水温が高いとよく溶けますが、この実験で扱われている水酸化カルシウムは水温が上がると溶解度が下がる珍しい物質です。

第2問 生物 昆虫
問1 どういう生物を昆虫と呼ぶのかしっかり確認しておきましょう。
問2 頭部が1節だとすると、胸部にあたる2節目以降(B,C,D)の部分から足が一対ずつはえていると考えられますね。
問3 前羽がかたくて分厚い甲虫類を選びましょう。甲虫類はテントウムシ、カブトムシのほかにクワガタムシ、カナブン、ホタル、コガネムシ、タマムシ、カミキリムシなどがあります。
問4 ミミズのように落ち葉を食べる生物を探しましょう。
問5 完全変態の昆虫はふつう幼虫と成虫で食べるものが大きく変わるものが多いのですが、ナナホシテントウ(幼虫も成虫もアブラムシを食べます)のように例外もあります。不完全変態の昆虫は幼虫と成虫で食べるものが同じものが多いので覚えておきましょう。
問6 アオムシに関しては、足の位置を覚えておきましょう。

第3問 物理 モーメント
この問題は次の記事で解説します。

第4問 地学 気象
問1 天気が西から東に変わることに注目しましょう。
問2 問題文から、自身をはさんで太陽と水滴が逆方向にあると虹が出ることが分かりますから、朝は「東に太陽、西に雨」、夕方は「東に雨、西に太陽」です。天気は西から変わりますから、朝はこれから雨、夕方はこれから晴れと考えることができますね。
問3 夕日が見えているということは西側に雨雲がないのでこれから晴れてくるはずです。よってAは誤りです。Bは夜明け前の満月が見える方向を考えれば明らかですね。
問4 、5は台風の基本事項です。しっかり確認しておきましょう。
問6 津波は地震によって引き起こされます(東日本大震災など)。

次回記事では第3問の解説を行う予定ですのでお楽しみに~(和)

※初アップ時は第3問の解説も掲載していましたが,長くなって読みにくそうなので分割いたしました。(2015/03/22)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

筑波大学附属駒場中学校 算数 問題解説&入試分析★2015年(H27年)

2015.03.15 21:15|入試問題分析(算数)
この春から数理教育研究会は東京のほうにも教室を出すことになりました。
その教室で算数と数学、物理を担当して参ります、畠田と申します。
教室での授業もブログの記事執筆も頑張っていきますので、よろしくお願いします!


今回は、国立である筑波大学附属駒場中学校です。
全受験者数は628人、合格者数は一般128人で倍率は4.91倍となっています。
大問4つで、大問1つあたり3問で構成されています。
合格最低点は7割2分なので12問中9問分がボーダーとなります。

1番は分数に操作をほどこす問題で計算などが複雑と言うわけではありませんが、考え方が少し難しい面白い問題です。
2番はよくある問題で固めたいとこです。
3番は正答率が低かったようですが、少し整理の仕方を工夫すれば短時間で解けます。
4番は図形問題で特に計算や処理が複雑と言うわけではありませんが面白い問題です。
2番を(3)まで1,3,4番は(2)までとってボーダー近くにのせて、後どれくらい稼げるか?です。
今回は3番の解説を紹介します。

(問題)平成27 筑波大学附属駒場中学 算数 大問3番
縦100個,横100個,全部で10000個のます目が書かれた表があります。表のそれぞれのます目には,次のように整数が1つずつ書かれています。

1行目には、すべて1が書かれています。
2行目には、1から1ずつ増える数が100個,順に書かれています。
3行目には、1から2ずつ増える数が100個,順に書かれています。
4行目には、1から3ずつ増える数が100個,順に書かれています。
・・・・・・

99行目には、1から98ずつ増える数が100個,順に書かれています。
100行目には、1から99ずつ増える数が100個,順に書かれています。

tuku20151.png


次の問いに答えなさい。
(1)この表に、100は全部で何個書かれていますか。
(2)この表に、ちょうど5個書かれている整数があります。
そのような数のうち,最も小さいものを答えなさい。
(3)100から200までの整数のうち,この表にちょうど1個書かれている数をすべて答えなさい。



この表を見ると

tuku20152.png

横のマス目を右にいくのにしたがって
1行目は右へ+0ずつ
2行目は右へ+1ずつ
3行目は右へ+2ずつ
4行目は右へ+3ずつ
5行目は右へ+4ずつ
ということは問題文に書いてありますが、

同じように

tuku20153.png

縦マス目も下にいくのにしたがって
1列目は下へ+0ずつ
2列目は下へ+1ずつ
3列目は下へ+2ずつ
4列目は下へ+3ずつ
5列目は下へ+4ずつ
となっていることがわかります。

これと似た表を見たことありませんか?
そう、九九の表です。

どうすれば九九の表と関連つけることができるでしょうか。

実は、最初の項1に注目して各マスの数字から全て1ひくと…

tuku20154.png

0の部分を除いた赤で囲んだ部分が、
左から3行目と上から4列目のマス目は3×4=12。
一般的には、
左からA行目と上からB行目のマス目はA×B。

というように、九九(9×9)の表ならぬ、九十九九十九(99×99)の表になっています。

そして100が何個あらわれるか?ということは100から1を引いて99が何個あらわれるか?を考えたらよいですね。

99の約数を考えると
1,3,9,11,33,99の6個ありますので、表でも
(縦×横)
1×99
3×33
9×11
11×9
33×3
99×1
6個あらわれることがわかります。

(2)
5個書かれている整数は約数が5個ある数と考えることができます。
5=1×5ですから、(素数)^4と言うことになりますが、
問題では「もっとも小さいものを答えろ」ということですので、
2^4=16です。
ただし、これは1を引いた後の数ですので、
16+1=17
というように、元の表の数に戻しておきましょう。

(3) 100から200までの整数のうちという、問題文にアンダーラインを引かれた箇所に注意しましょう。
(1)(2)と同様に1をひいて考えると、
99から199までの整数ということになります。

tuku20155.png

みなさん、九九の表でもなんとなくご存知かと思いますが、表の右上と右下では必ず同じ答えが出てきます。
が、対角線上の数はそのペアになるものがありませんので、
「ちょうど1個書かれている数」というのはこの対角線上にしか出てこない数ということになります。

つまり
10×10=100
11×11=121
12×12=144
13×13=169
14×14=196
が候補となりますが、
100=2×50、4×25、5×10
144=2×72、3×48、4×36、6×24、8×18、9×16
196=2×98、4×49、7×28
などでも登場することになりますので、
(素数)^2になっている121、169が1個だけ書かれている数となります。
ここでも+1をして元の数に戻すことを忘れないように!
122,170が答えとなります。

計算や処理が複雑なものでも、このように1をひいて九九の表と関連付けると簡単でシンプルに解くことができます。
複雑な問題は自分が知っているものと結びつけることができないかと考える癖をつけていきましょう。(畠)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 清風南海中学校(A・SS入試)

2015.03.14 12:04|入試問題分析(算数)
今回は,清風南海中学校のA・SS入試の問題を取り上げます。
A入試もSS入試も,入試初日(1月17日)に実施されますが,開始時間と教科数が違います。
A入試は4科のアラカルト型または算・国・理の3科型入試,SS入試は算・理の2科型入試(これはなかなかユニークです)で,開始時刻が異なりますが,同じ問題を使っています。

で,今年の入試結果から。
ややこしいので,一覧表で。
まず,A入試
seifuunankai 2015 A 1
男女とも合格基準点は同じでした。
昨年度は,男子の倍率が 3.5倍,1.5倍, 女子の倍率が 3.9倍,1.8倍でしたから,昨年と比べると,男女ともに難化したと言えるでしょう。
昨年の大学受験の好調な結果を受けて,受験者数が,男子90名,女子28名増加した結果です。
続いてSS入試
seifuunankai 2015 A 2
男子は昨年度の1.2倍から難化,女子は2.1倍からほんの少し易化しました。
算数の問題ですが,大問数は5問,小問数は22問で,配点は大問1,2が各6点,大問3,4,5が各5点となっています。
今年の問題は例年と比較すると,素直で解きやすく,A入試の受験者平均も76点と,この学校にしてはやや高めでした。S特進合格のためには90点,特進合格のためには80点を目安に考えるといいでしょう。

大問1の計算や大問2の6問ある小問はできるだけ正解しないといけません。
大問3の平面図形の問題は一見難しく見えますが,小問(1)から条件に従って解いていけばさほど難しくありません。
ですが,図形が少し苦手な受験生はここで差をつけられるという問題です。S特進を狙う人は全問正解すべきでしょう。
大問4は,グラフから条件を読み取る濃度計算で,(3)は正答率はかなり低くなるかもしれません。
大問5は(1)(2)は確実に正解しましょう。(3)(4)もある程度あてはめても正解できそうですが,これは解説します。

問題)H27 清風南海中学校 A・SS入試 算数 大問5
1以上の整数について,次の各問いに答えなさい。
(1) 5つの連続する整数の和が120であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(2) 6つの連続する整数の和が123であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(3) いくつかの奇数個の連続する整数の和が352であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(4) いくつかの偶数個の連続する整数の和が328であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。


(1) 連続する整数が奇数個の場合,ちょうど真ん中の整数がその奇数個の整数の平均になっていることは知っていますよね。そこで,この5個の整数の平均を求めると,120÷5=24となり,これが3番目の数です。
24-2=22より最小の数は22,24+2=26より最大の数は26となります。

(2) 偶数個の場合,ちょうど真ん中の整数は存在しません。
整数が6個の場合,平均は3番目の整数と4番目の整数のちょうど間になります。
seifuunankai 2015 A 5
6個の平均は123÷6=20.5なので,3番目の数は20.5-0.5=20です。
20-2=18より,最小の数は18,18+5=23より,最大の数は23です。

(3) (1)(2)では個数が分かっていましたから,平均を求めることができました。
それを手掛かりに最小・最大の整数が求められましたが,(3)では個数が分かりません。
ですが,とりあえず同じように考えてみましょう。
この場合,個数は奇数個なので,平均がちょうど真ん中の数になります。
個数を△個平均を◇とすると
352÷△=◇となります。
書き直すと,△×◇=352ということですね。
△も◇も352の約数で,△が奇数と分かっています。
352の約数を書き出すと
1,2,4,8,11,16,22,32,44,88,176,352となって,この中で奇数は1と11の2個です。
連続する整数を考えるので1は考えなくていいですから,残るは11で,個数が11個と分かります
このとき平均は32ですから,これが11個の真ん中の大きさ。
ですから,32-5=27より最小の整数は27,32+5=37より最大の整数は37となります。

(4) この場合も,とりあえず個数を△個,平均を◇としましょう。
328÷△=◇となりますが,ここで個数△は偶数でしたから,◇は小数第1位が5,つまり○○.5という形の小数になります。
328÷△=○○.5
ここで,割られる数の328を2倍しておけば,答えの○○.5も2倍になり整数となります!
それどころか,うれしいことにこの整数は必ず奇数になるのです!!
328×2=656
656÷△(偶数)=◆(奇数)
(3)と同じように約数をすべて書き出してもいいのですが,ここでは素因数分解を利用しましょう。
656=2×2×2×2×41
となりますから,約数のうち奇数は1と41のみです。
△=16,◆=41なので,◇=20.5
ですから20-7=13より,最小の整数は13,13+15=28より,最大の整数は28となります。

今年の清風南海の問題は,例年よく出題される奇問・難問の類もなく,それだけに実力差がストレートに出ることになったと思います。こういった傾向に対処するために一番大切なことは,奇をてらった勉強ではなく,ふだんからしないといけないことをきちんと仕上げていくということに尽きます。地道な努力が大切だということですね。(道)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 関西学院中学部(第2日)

2015.03.13 21:30|入試問題分析(算数)
関西学院中学部の第2日の問題を解説します。
第1日と違い,なかなか面白い問題も含まれていましたが,逆に言えば、算数講師から見て面白い=受験生が取り組みにくい,という場合も多く,今回もおそらくそうなっています。

大問1は計算問題4問。そこそこのレベルですが,これは落とせません。
大問2は小問5題。(1)~(4)はほぼ受験生としては見慣れた(見慣れていてほしい)出題ですから,これもミスなく確実に点数にしましょう。(5)は時差を扱う問題で,あわてずにまとめていけたら難しくはないはずなんですが,試験中だと焦るかもしれませんね。おっ?と思ったときは,とりあえず後回しでも構いません。
大問3は7を何個かの整数に分割する問題。個数で場合分けして,重複・見落としに注意して数えましょう。(数えるだけなので,それほど時間はかからないはずです。何もここでエレガントな解き方を考えなくてもいいですよ!)
大問4は白黒の球を並べる規則性の問題。
この手の問題は,表に整理することで,手がかりをつかみましょう。それほど難しくありません。
大問5は回転体の表面積。一見,ややこしそうですが,出来上がりを想像して,面積を求めたい部分をちょこちょこっと移動してやると,1個の円すいになって楽勝です。
そして大問6。
点の移動とグラフの問題。
グラフから必要な部分を読み取っていかないといけませんが,この手の問題に苦手意識がある人には難しいかもしれません。詳しく解説します。
全14問のうち,大問1,2で7問は正解したいですね。そして,大問3,4,5あたりからあと2問正解するとほぼ6割5分。
これだけ合わせれば,何とか合格ラインに乗ってくるのではないでしょうか。

ではその中から,大問6を解説します。
(問題)H26 関西学院中学部・算数(第2日) 大問6番
図のような長方形ABCDにおいて,点Pは辺AD上を,点Qは辺BC上をそれぞれ一定の速さで何度も往復します。長方形ABCDを直線PQで分けた2つの図形のうち,辺ABを含む図形を㋐とします。グラフは点PがAを,点QがBを同時に出発してからの時間と,図形㋐の面積の関係を表しています。ただし,点PはQよりも速く動きます。次の問いに答えなさい。
(1) 点PとQの速さの比を求めなさい。
(2) 図形㋐の面積が,3回目に長方形ABCDの面積の半分になるのは,点PとQが出発してから何秒後か求めなさい。

kangaku 2015 2 6 1
まず,グラフの折れ目に注目しましょう。こういうグラフでは,グラフが折れ曲がっているところで何が起こっているか考えることが大切でしたね。
kangaku 2015 2 6 3
図形㋐は台形ですから,面積は(上底+下底)で決まります。
上底はAPの長さ,下底はBQの長さですね。
点PはQより速いので,右端の点(D)に先にQより早く到着し,折り返します。
ですから,㋑はPがDに到着した時です。
その後,QもCに到着して折り返します。これが㋒のところ。
さらにPがAに戻ってきて折り返します。これが㋓のところです。

(1) グラフの㋒より,QはBからCまで31.5秒で進んだと分かります。
また,グラフの㋓より,PはAD間を往復するのに36秒かかったと分かりますから,片道(グラフの㋑)は36÷2=18秒です。
ですから,速さの比は,かかる時間の逆比なので,31.5:18=7:4ですね。

(2) Pの速さを7cm/秒,Qの速さを4cm/秒とでもしておきましょう。
すると,長方形の横の長さは,7×18=126cmとできます。
㋐の面積が長方形の半分になるためには,上底+下底=126cmになればいいですね。
〔解法1〕
図形的に考えてみます。
この場合,上底+下底=126cmで面積が長方形の半分になるのですが,次のように,AP=QCになればいいですね。
kangaku 2015 2 6 5
そこで,PとQの速さの比が7:4であることも考慮して,AP=QCになるときまでのPとQの動きを順に調べてみましょう。
1回目は次のようになったときで,PとQが合わせて128cm進んだ時です。
kangaku 2015 2 6 9
128÷(7+4)=128/11秒後
2回目は,次の図のように,PとQが合わせて128×3=384cm進んだときです。
kangaku 2015 2 6 7
384÷(7+4)=384/11秒後
そして3回目が,PとQの進んだ距離の差が128cmになったときです。
kangaku 2015 2 6 8
これは128÷(7-4)=42秒後で,これが答えです。
〔解法2〕
この問題に関しては,グラフを利用する方が楽に解けるかもしれませんから,そちらも見てみましょう。
問題に使われているグラフの縦軸に,「上底+下底」の数字を書くと,これが126になったときを見つければいいということになります。
そこで,AP+BQの長さを求めておきましょう。
18秒後:126+4×18=198cm
31.5秒後:126×2-7×31.5+126=157.5cm
36秒後:126×2-4×36=108cm
54秒後:126×2-4×54+126=162cm
これをグラフに記入します。
kangaku 2015 2 6 11
のア~ウがAP+BQ=126になるところです。
3回目がウですから,そのときのの時間を求めればいいですね。
グラフのに挟まれた部分に注目して,
(126-108):(162-126)=1:2となりますから,
36+(54-36)×1/(1+2)=42(秒)と求められます。

先に書いた図形的に解く〔解法1〕で,「これって本当に3回め?」など,少し自信が持てない場合は,グラフを利用する方法を試してみてはどうでしょう?意外とサクサク解けるかもしれません。

今回は,一番解きにくそうな大問6を解説しましたが,入試で合格点を取るためには,この大問6(特に(2))は解けなくても全く問題はないでしょう。
はじめに書いたように,大問1,大問2を確実に取っていくこと,大問3以降は取れそうな問題に集中すること。(ただし,途中で「あれ?」と思うような問題に出くわしたときは少し考えて先に進め!) こうして,確実に7割のラインを狙って行くことが合格への近道でしょう。(道)




数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 愛光中学校

2015.03.09 19:44|入試問題分析(算数)
今回は愛光中学校の問題を見てみましょう。

その前に、受験者関連の数字から。
本校(県内生)と本校(県外生)と県外会場で合格最低点が変わるので、第一志望として受験される方は
本校まで出向いて受験されることをお勧めします。
今年は、本校(県内生)が239/400、本校(県外生)が243/400、県外会場が280/400ということですので、
その差がかなり大きいことがお分かりいただけるかと思います。
受験者数/合格者数の倍率は、本校(県内生)で1.55倍、本校(県外生)で1.46倍、
東京会場で1.87倍、大阪会場で1.30倍、福岡会場で1.63倍
となっていますが、これは大阪会場受験生の平均点がほかに比べて大幅に高いためです。
平均点を比較すると、全体の平均点と比べて国語と社会は+2点なのに対し、理科は+5点、算数に至っては+11点
ですから、やはり関西の受験は理数系がかなり厳しいレベルまで求められているということがわかりますね。

各問題にざっと目を向けてみると、
大問1番
(1)(2)計算問題。落とすべからず。
(3)過不足算の典型的な問題。当然落とすべからず。
(4)通過算。パッと見、ちょっと面倒くさい問題かと思いきや、基本レベル。焦らず解けば正解して当然。
(5)歩幅問題の典型題。愛光を受験するならできますよね・・・?
(6)円の面積(半径不明)のこれまた典型題。愛光を受験するならできるはず・・・?
(7)パズル的な問題。ごそごそやりながら正解する子が多いだろうが、限られた試験時間の中で混乱しそうになったら
とりあえずは飛ばすのが吉。
(8)商売の問題。解けた子は強引に解いてしまったというケースが多そうだが、A店のみに注目すればスルスルっと
解けてしまう。限られた時間の中では難しいかも。
(9)面積の面白い問題。解けなくても合否には響かなさそう。
(10)①はしっかり取りたい。②は目安のつけ方が身についている子でないときついので飛ばすもよし。
大問2番
仕事算。最小公倍数が大きいのでちょっと焦るかもしれないが、しっかりと正解したい。
大問3番
(1)は落ち着いてやれば正解できる。(2)はAの使用額=BとCの使用額の和ということに気づかないといけないので、
時間がある程度たっても糸口が見つからなければ飛ばすべき。
大問4番
やり取りの図をきちんと書いたうえで、底面積⇔体積の変換ができれば無茶な問題ではない。
が、最後の出題ということもあり、精神的に疲労しているとつらいかもしれないので、前のほうのきつい問題は
テンポよく飛ばして、元気な状態で解きたいところ。

つまり、大問1の後半をいかにしのぐか(飛ばすか)が勝負の分かれ目になったのではないでしょうか。
では、今回は大問1(9)を取り上げてみます。

(問題)H27 愛光中学校 算数 大問1番(9)
右の図のように、EG、HFをひいて長方形ABCDを4つの部分に分けます。四角形AEIHの面積は29cm^2で、
四角形IFCGの面積は17㎝^2です。四角形EFGHの面積は三角形AFGの面積より[①]cm^2大きく、三角形CHEの面積は
三角形AFGの面積より[②]cm^2大きいです。
2015愛光(9)

[①]まず、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
四角形EFGHは下図のようになりますので、
2015愛光(9)01
29÷2+四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=14.5+●+▲+8.5 と表せます。

一方、三角形AFGは下図のようになりますので、分割してから2つの三角形を等積変形することで
2015愛光(9)02
四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=●+▲+8.5 と表せます。
よって、14.5㎝^2大きいことになります。

[②]先ほどと同様に、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
三角形AFGは先ほど見ましたので、三角形CHEを見てみます。同じように分割してから2つの三角形を等積変形すると、
2015愛光(9)03
四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+29÷2=●+▲+14.5 と表せます。
よって、14.5-8.5=6㎝^2大きいことになります。

等積変形をうまく使えばこのようにきれいに解説できるのですが、不要部分(図の色がついていない部分)の面積を
比較して、「この長方形の半分になって…」と考えながら解く子が多いかもしれないなぁと推測されます。
その考え方でも間違っていないので、まずはその解き方で頑張って正解した後で、「ああ!こういうやり方もあるのか!」
と思ってもらえれば記憶にも残りやすいですよ。(池)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 ラ・サール中学校

2015.03.08 16:49|入試問題分析(算数)
今回は,ラ・サール中学校を取り上げます。

今年の問題に関して言えば,幅広い単元の基礎力がきちんとついていれば十分に対応できる問題だったという感想です。
とびぬけてきついという問題もなく,苦手分野以外のものをしっかりと確保できれば,皆に合格ライン到達の可能性が
あったのではないでしょうか。そういう意味では,算数で失敗したという子にとっては悔いの残るテストになったでしょうね。
各問題に目を通してみると,
大問1 計算3題。
大問2 数の性質,比や割合,平面図形の小問5題。ここまでは全問合わせておきたい。
大問3 時計算の定番問題です。時計算は苦手とする子が多いですが,ラ・サールを受ける子であれば少なくとも
(2)までは取らなければいけません(実際に時計を見ればわかることなので)。(3)についても,長針と短針の進んだ
角度の差が一定量ずつ増えていくということを学習していれば簡単な問題です。
大問4 平面図形の面積比の問題です(ベンツ切りと呼ばれることが多いですね)。よく見る切り方なのですが,
中途半端な理解だと(1)も取れません。後程解説します。
大問5 立体の影問題です。難易度は低め。もともとこの手の問題が苦手な人はどうしようもないですが,基本的な
問題ができる子にとっては(2)まで正解することは難しくありません。
大問6 速さの問題ですが,グラフを描いても状況図を描いても解ける問題です。得意な方でやればよいでしょう。
グラフでやる子は延長することができるか,状況図でやる子は比を使いこなせるかが出来に大きく影響します。

3番や5番の問題が手も足も出ないというタイプの子は何よりも苦手単元を作らないようにする意識が大切です。
4番と6番が合否を分けそうな感じですね。

では,今回は4番の平面図形の問題を取り上げます。
(問題)H27 ラサール中学校 大問4番
右図の三角形ABCにおいて,AD:DC=1:3,三角形BCEと三角形ABCの面積の比は2:5です。
次の問いに答えなさい。
(1)三角形CDEと三角形ABCの面積の比を,最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2)CEの延長と辺ABとの交点をFとします。AF:FBを最も簡単な整数の比で表しなさい。
2015ラサール4番

定番の形の問題なので,「どこの辺の比」が「どこの面積の比」と等しいのかをしっかりと押さえておく必要があります。
まず,三角形BCEと三角形ABCの面積の比は2:5ということですから,下の図の赤い部分と青い部分の面積比は3:2
ですね。この面積の比は,AE:EGと等しいです。(GはAEの延長とBCとの交点)
ベンツ切りで応用問題が解けない子はこの形の比を理解していないことが多いです。
2015ラサール00


AE:EG=3:2ということは,下の図の赤の部分と青の部分の面積比も3:2です。
先の計算を簡単にするために,ここでは三角形ABE=<24>,三角形EBG=<16>としておきます。
2015ラサール01

次はAD:DC=1:3に注目します。下図の赤い部分と青い部分の面積比も1:3ですから,
三角形ABE=<24>に対して三角形EBC=<24>×3=<72>,
そのうち,三角形EBG=<16>ですから,残りの三角形EGC=<72>-<16>=<56>となります。
2015ラサール02

再びAE:EG=3:2に注目すると,下図の赤い部分と青い部分の面積比も3:2です。
三角形ECG=<56>に対して三角形ACE=<84>,それが1:3の面積比に分割されているので,
三角形AED=<84>×1/4=<21>,三角形CED=<84>×3/4=<63>となります。
2015ラサール03

三角形CDE=<63>,三角形ABCは<24>+<72>+<84>=<180>ですから,63:180=7:20となります。

(2)AF:FBは三角形AEC:三角形BECと等しいですから,84:72=7:6となります。

(1)ができれば(2)まで解ける問題ですので、小問2題分の差がつきやすかったのではないでしょうか。
ベンツ切りの問題ではこのようなタイプの出題になることが多いので、理解があいまいな受験を迎えると
いざ出題されたときに命取りになる可能性があります。
普段の学習の中で「ここ,ちょっと難しいなぁ」というところを出題者は狙ってきます。
壁にぶつかったときに踏ん張って理解できたか,あきらめてしまったかを見るにはそこを出題すればよいですからね。
あきらめずに粘る姿勢が試験結果に反映される可能性が高いということがこういうところからもわかりますね。
(池)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 洛星中学校(後期)

2015.03.03 15:26|入試問題分析(算数)
今回は,2015年度洛星中学校の後期を取り上げます。
全受験者数284名。合格者数40名ですので,実質倍率は7.1倍と狭き門になりました。
4科・3科別でみると,4科は176名中23名合格で,7.65倍,3科は114名受験で17名合格で,6.71倍と,前期とは逆に,若干3科有利になったようです。
合格最低点は,237点/400点,算数の受験者平均は51.4点/120点でした。

それでは,問題解説です。
大問が6問で,小問数は22問(3(4)の②③,5の(1)(2)(3)それぞれ完答として数えた場合)
大問1は計算など小問3問
大問2平均算,大問3図形の規則(フラクタル図形の一種コッホ曲線),大問4が速さ(動く歩道),大問5が立体切断,大問6が数の問題というセットです。
このうち,大問1はすべて合わせて,2以降の大問は,どの問題も完璧に合わせるのが難しい場合でも,前半部分を完全に正解にするというスタンスで6割5分を確保していくというのが現実的でしょうか。
それでは,大問5を解説します。
(問題)H27 洛星中学校(後期) 算数 大問5番
1辺の長さが12cmの立方体ABCD-EFGHがあります。
rakusei 2015 5 1

(1) この立方体の側面に,図のような紙①をPがAに,QがEに重なるように巻きつけたところ,ちょうど1周してRがEに重なりました。この紙を巻きつけたまま3点C,F,Hを通る平面で立方体を切ったとき,紙①は何枚に分かれますか。また,そのうち最も大きい紙の面積を求めなさい。
rakusei 2015 5 2
(2) 立方体の側面に,図のような紙②をSがAに,TがEに重なるように巻きつけたところ,ちょうど2周してUがEに重なりました。この紙を巻きつけたまま3点C,F,Hを通る平面で立方体を切ったとき,紙②は何枚に分かれますか。また,そのうち最も大きい紙の面積を求めなさい。
rakusei 2015 5 3
(3) 紙①と同じ形の紙③を,(1)と同じように立方体に巻きつけました。この紙を巻きつけたまま辺EF,BF,BCそれぞれの真ん中の点を通る平面で立方体を切ったとき,紙③は何枚に分かれますか。また,そのうち最も大きい紙の面積を求めなさい。
rakusei 2015 5 4

立方体の側面に直角三角形を巻きつける問題です。
(1)と(3)ではちょうど1周,(2)ではちょうど2周になります。
(1) 立方体の側面の展開図に直角三角形を重ねて書きましょう。
(図1)rakusei 2015 5 5

この図に,切断面の線を記入しましょう。
rakusei 2015 5 6
切断面の線はFCとCHを通りますから,(図1)の側面の展開図のCFとCHを結ぶと,次のようになります。
(図2)rakusei 2015 5 7

紙①は,ア,イ,ウの3つの部分に分かれます。
紙①の面積は12×48÷2=288cm^2
また三角形AICと三角形EIFはちょうちょ相似で,辺の比が2:3なので,三角形IFEの高さは,12×3/(2+3)=7.2cmより
三角形IFEの面積は,36×7.2÷2=129.6cm^2
さらに、三角形AJCと三角形EJHもちょうちょ相似で,辺の比が2:1より,三角形EJHの高さは12×1/(2:1)=4cmより
三角形EJHの面積は12×4÷2=24cm^2
ですから
ア=288-129.6=158.4cm^2
イ=129.6-24=105.6cm^2
ウ=24cm^2
となるので,もっとっも大きい面積はアの158.4cm^2となります。
(2) 紙②は立方体の側面を2周しますから,側面2つ分をつなげて書き,紙②を重ねた図を描きます。
そこに切断面のCF,CHを書き込みましょう。
(図3)rakusei 2015 5 8

今回は,CF,CHとも2本ずつになりますね。
紙②はア,イ,ウ,エ,オの5つに分かれました。
紙②の面積は12×96÷2=576cm^2
ここからはちょうちょ相似を利用して,
三角形KFEは,高さが12×7/(2+7)=28/3cmより面積は84×28/3÷2=392cm^2
三角形LHEは,高さが12×5/(2+5)=60/7cmより面積は60×60/7÷2=1800/7cm^2
三角形MFEは,高さが12×1/(1+2)=4cmより面積は36×4÷2=72cm^2
三角形NHEは,高さが12×1/(1+6)=12/7cmより面積は12×12/7÷2=72/7cm^2
ですから
アの面積は576-392=184cm^2
イの面積は392-1800/7=944/7cm^2
ウの面積は1800/7-72=1296/7cm^2
エの面積は72-72/7=432/7cm^2
オの面積は72/7cm^2
となります。
以上より,最大の面積はウの1296/7cm^2です。

(3) EF,BC,CDの真ん中をそれぞれO,P,Qとします。
すると切り口の線はHEの真ん中の点を通りますから,この点をRとします。(切断面は正六角形になります。)
rakusei 2015 5 9
このときの側面の展開図を描くと,次のようになりますね。
rakusei 2015 5 11

紙③はPOとQRによって3枚に分かれます。
紙③の面積は288cm^2
ここからちょうちょ型相似を利用して,
三角形SOEの高さは12×7/(7+3)=8.4cmなので,面積は42×8.4÷2=176.4cm^2
三角形TREの高さは12×1/(1+5)=2cmなので,面積は6×2÷2=6cm^2
ですから
アの面積は288-176.4=111.6cm^2
イの面積は176.4-6=170.4cm^2
ウの面積は6cm^2
となります。
以上より,最大の面積はイで170.4cm^2です。

先に,大問を完全攻略できない場合でも,大問1つ1つの前半部分は正解したいと書きました。
この大問5もそうですが,考え方は何となくわかっても,正解にたどり着くまではややこしい計算をしたり,
手間もかかるという問題がよくあります。日ごろの練習で,面倒だと思うような問題もきちんと正面から取り組んで,
得点力を上げていく努力をしてほしいと思います。(道)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 関西学院中学部(第1日)

2015.03.02 20:44|入試問題分析(算数)
関西学院中学部(第一日)の問題を今回は取り上げてみます。

2012年の女子入試スタート以降の入試関連数値の推移を見ると,

■倍率
男1.7倍⇒2.1倍⇒1.7倍⇒1.6倍
女1.4倍⇒1.8倍⇒1.9倍⇒1.9倍
■合格最低点
男275点⇒315点⇒322点⇒298点
女270点⇒317点⇒337点⇒323点
■算数平均点
男90点(42点,48点)⇒114点(60点,55点)⇒124点(61点,63点)⇒106点(53点,53点)
女90点(41点,49点)⇒111点(58点,53点)⇒122点(61点,60点)⇒107点(53点,54点)
となり,女子の人気が定着している様です。
点数に関しては,算数の平均点では男女差がそれほどありませんが,合格最低点では25点もの差がついています。
これは国語の平均点の差がそのまま出ているようですね。

(問題)H26 関西学院中学部・算数(第1日) 大問5番
1800m離れた家と公園の間を弟は徒歩で,兄は自転車で,それぞれ一定の速さで何度も往復します。
弟が家を出発してから12分後に兄は公園を出発しました。
すると,公園から720mの場所で初めて兄が弟を追い抜きました。
グラフは弟が出発してからの時間と,2人の往復している様子を表したものです。
次の問いに答えなさい。
(1)弟の歩く速さは分速何mか求めなさい。
(2)兄と弟が初めて同時に公園に着くのは,弟が出発してから何分後か求めなさい。
2015関学1日目5番

グラフの問題では,まず準備作業がとても重要です。
問題文に載っているのに,グラフには書かれていない内容をまずは書きこむのですが,
下の①②③までの記入はスムーズに進むでしょうが,④の記入作業を行うことをお勧めします。
なぜなら,上に書くことによって,兄が公園に戻ってきたのが30分だということに意識が行きやすくなるからです。
2015関学1日目5番01
(1)速さを求めるので,時間と距離が分かっているところを探します。問題では弟の速さを聞かれているのですが,
残念ながらまずは兄の公園の往復しているところしかわかりませんので,ここから手をつけます。
1800×2=3600mを30-12=18分で進んでいますから,3600÷18=200m/分が兄の速さです。

兄の速さが分かったので,兄の進んだ距離か時間が分かっているところを探すと,
30分時点から720m進むのに,720÷200=3.6分かかることになりますね。
よって,下のグラフの⑤33.6を書き込むことができます。

※私が自分で問題を解くときは※のところに33.6を書き込みます。
理由は追いつきが33.6分に起こったことに気付きやすくなるからです。
全員にお勧めするわけではありませんが,時刻の見落としをしやすい人はこれくらい極端な対策をたててもいいですよ。
2015関学1日目5番02
これで,弟は兄に追い抜かれるまで,1800+720=2520mを33.6分で進んだことが分かりますから,
2520÷33.6=75m/分が弟の速さです。

(2)実は(1)ができてしまうと,(2)ではグラフはほぼ使いません。
弟は片道に1800÷75=24分かかりますので,24分に着いた後は48分ごとに公園にもどってきます。
24,72,120,・・・ですね。
兄は12分に公園をスタートした後,18分ごとに公園にもどってきますので,
12,30,48,66,84,102,120,…となります。
よって,初めて重なるところは弟が出発してから120分後になります。

速さのグラフの問題はどうしても練習量が少なくなりがちなので,どこに着目すればいいかが分からないという
子が見受けられます。それだけに,上記のような,ポイントに気付きやすくするための工夫を意識することが
大切ですね。

ちなみに,ここ1,2年,最難関の学校でもグラフを自分で描かないと解きにくいような問題が増えています。
一時的なものかもしれませんが,状況図で解けた問題もグラフを描いてみるなどの作業を普段からできれば
こういう問題の対策になりますね。(池)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

2015(H27)入試分析 算数 六甲中学校 B日程

2015.03.01 19:02|入試問題分析(算数)
六甲中学校のB日程算数の問題を概観してみましょう。
毎年,六甲中学校の算数の問題には,たいてい1問か2問,算数科の講師として言えば面白い問題(ですから受験する生徒の立場から言えば厳しい問題)が出題されます。
ですから,六甲の算数の問題を見るのを、毎年心待ちにしているわけです。
ところが,大変残念なことに,今年の問題はそれほどではありませんでした。
ということは,つまり,受験生にとってみれば,比較的取り組み易い問題が多かったと言うことになります。
どんな問題が出題されたか,1枚目から見ていきましょう。

1枚目。
大問1は計算が2題,いずれもごく普通の計算問題です。
大問2は小数点移動。塾で何度も取り組んでいる見慣れた問題です。計算ミスに注意しましょう。
大問3も見慣れた相当算的な問題。図を利用し,慎重に解いていけば,正解するのは難しいことではありません。
大問4は、植木算の応用。これも計算を注意深く進めれば,どうということの無い問題。
ここまでは,問題を読んだ瞬間,方針の決まるようなものばかりです。
ただ,けっこう計算がきついものが多いので,注意しないといけません。
大問5と6は図形の問題。
5は角度の問題で,二等辺三角形に注意を向けられるかどうか。
6は台形の面積を求める問題ですが,個人的には一番面白いと思った問題です。(難問ではありませんが。)
上底も下底も高さも分からない台形の面積を,三角形の相似を利用して解いていきます。冷静に対処できれば,決して難しくありません。
ここまでが1枚目。
できれば,ここまではすべて取りきるつもりで取り組んでほしいところです。

そして2枚目。
大問7は比と面積に関する問題。
これもどこかで見たような問題で,設問の順にひとつひとつ丁寧に解いていけば問題なく解き終えます。
大問8は速さの問題。
(2)は少し面倒かもしれません。あとで詳しく解説します。
最後の大問9は,図形の移動。
(1)(2)ともおうぎ形が直線上を転がる問題。塾で何度も取り組んでいる問題で,取りこぼしはできません。
(3)は中心角90度のおうぎ形が,中心角270度のおうぎ形の周囲を回る問題です。
一見難問に見えますが,問題に描かれている図を手掛かりに解けば,正解にたどり着けるはずです。

以上,簡単に2015年度B日程の算数の問題を見てきましたが,先にも書いた通り,今年の問題は,難問奇問の類もなく,どの問題も対処が難しくありませんから,高得点を狙えそうな問題でした。
では、前置きが長くなりましたが、問題の解説です。

(問題)H27 六甲中学校 B日程 算数 大問8番
 図のようにA,B,C,D,Eの5つの駅があり,A駅とB駅の間の距離は3kmです。A駅とB駅の間の線路沿いに一郎君の家があります。A駅とE駅には特急電車も普通電車も止まりますが,B駅,C駅,D駅には普通電車しか止まりません。電車が駅で停車する時間はそれぞれ1分です。
 A駅を出発してからE駅に到着するまでにかかる時間は,特急電車の方が普通電車よりも15分短いです。また,一郎君が家を出てからE駅に着くまでにかかる時間は,B駅まで歩いてから普通電車に乗るよりも,A駅まで歩いてから特急電車に乗る方が6分短くなります。
 特急電車,普通電車の速さはそれぞれ時速60km,36kmで,一郎君の歩く速さは時速4kmです。一郎君が電車に乗るときに駅で待つ時間は考えないものとし,電車は一郎君が乗るとすぐに出発するものとします。次の(1),(2)の問いに答えなさい。
(1) B駅とE駅の間の距離は何kmですか。
(2) 一郎君の家とA駅の間の距離は何kmですか。

rokkou B 2015 8

(1) 普通電車はB駅,C駅,D駅と停車するので,これで3分余分に時間がかかっています。
特急電車も普通電車も,途中停車しないでA駅からE駅に行ったとすると,かかる時間の差は15-3=12分ですね。
特急電車と普通電車の速さの比は60:36=5:3ですから,AE間にかかる時間の比は③:⑤となります。
この差の②=12分ですから,特急電車がAE間にかかる時間は 12×3/2=18分
したがって,AE間の距離は 60×18/60=18km となりますから,BE間の距離は
18-3=15kmですね。

(2) 実際に電車に乗っている時間を求めます。
特急電車でAE間を進むと(1)より18分。
普通電車でBE間を進むと,15÷36×60=25分(走っている時間)。これにC,D2駅での停車時間が加わるので,
25+2=27分。

(☆1)ということは,特急電車がA駅を,普通電車がB駅を同時に発車したとして,かかる時間の差は27-18=9分。
ところが実際にかかった時間の差は,これより3分短い6分(特急の方が早い)。
つまり,一郎君の家からA駅までかかる時間(△)と,一郎君の家からB駅までかかる時間(◇)とで,かかる時間の差が3分(B駅に行く方が3分早い)ということが分かります。・・・ア (☆2)
また,△と◇の和は,3÷4×60=45分・・・イ
アとイから,和差算で,ア=(45+3)÷2=24分なので,その間に進む距離は,4×24/60=1.6kmとなります。

(注意)☆1~☆2の部分が考えづらい人は,次のような図で考えたり,式を作ってみるといいですね。
rokkou B 2015 8 2
上の図で,△と◇の差が3分と分かりますね。
式だと,◇+27分=△+18分+6分
この式から,△=◇+3分(つまり,△と◇の差は3分)

いずれにせよ,最後は和差算で考えればいいですね。

さて,今解説をした(2)の問題は,別解で「時間の状況図」をかきました。この時間の状況図は,ふだんの勉強では,まずかく機会はないと思います。ですが,今回のような問題を解く上では役に立ちますから,自分でも描いてみるなどして馴れておくといいですね。
また,今年の問題は,極端に難しい問題が無い分,どれだけミスをせず,1問1問きちんと答えられたかで点差が開く問題だったと言えるでしょう。ふだんの勉強で,特に入試問題を扱うようになったときは,一問一問を確実に解ききるという練習も必ずやっていきましょう。(道)
数理教育研究会へのHPはこちら
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。
| 2015.03 |
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ご案内


数理教育研究会のHPはこちら↑
※お電話・お問い合わせフォームでのご連絡、お待ちしております。

プロフィール

エデュパスタッフ

Author:エデュパスタッフ
FC2ブログへようこそ!

最新記事

最新コメント

カテゴリ

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

QRコード

QR

ページトップへ