2016(H28)入試分析 算数 西大和学園中学校

2016.01.26 21:09|入試問題分析(算数)
今回は西大和学園の問題を扱います。

今年は男子と女子の問題が統一されました。
合格者最低点は全教科の合計点500点に対し、男子が63%,女子が71%となっています。

各問題を見てみると…
1番は計算+小問群。
(7)の数値設定がイマイチなため,正解率が下がりそうです。
(5)(8)はきちんと書き出して整理する作業ができるかを問われている問題。
それ以外は西大和を受ける子であればしっかりと得点したいところです。
2番は平面図形の小問群。
(1)は軽いので絶対に取らなくてはいけませんが、(2)(3)(4)は苦戦した子が多そうです。
(2)は平行四辺形の下に直角三角形を描くことができれば,
(3)は灘のH11の過去問ですので見たことがあれば,
(4)は直角三角形の頂点を折り返した問題と気づくことができれば,
対処できそうですが,なかなかハードルが高そうです…
3番は立体の切断問題。
例年ならこの辺りからきつくなってくるのですが,今年は素直な問題でしたので,ここの単元を
苦手にしている子でなければかなり正解できるはずです。
4番は道順の問題と規則性を絡めた問題。
この問題も例年のことを考えるとそんなにきつくないんじゃないの?という感想です。

ただ、大問2番の(2)~(4)がきついので、後ろで実力を発揮できなかったという子が結構いそうですね。
このあたりの問題をサッと後回しにできた子がしっかりと実力を点数に発揮できたのではないでしょうか。

では,今回は4番を取り上げたいと思います。
(問題)H28 西大和学園中学校・算数 大問4番
はじめに,太郎君は図1のような東西南北に通る道路を持つ町を歩きます。図1のように,A地点を地点(0,0)と表すことに
します。A地点から東向きに1回進むと地点(1,0)に行き,A地点から北向きに1回進むと地点(0,1)に行きます。
例えば,図のB地点は,地点(6,4)と表され,B地点に最短経路で行くためには,北向きと東向きに合わせて10回
進むこととなります。次の問いに答えなさい。
(1) A地点からB地点に行く最短経路は何通りありますか。
(2) A地点から,CD間とEF間の少なくとも一方を通ってB地点に行く最短経路は何通りありますか。
nishiyamato2016_00.png

 次に,太郎君は図2のような東西南北に通る道路をもつ町を歩きます。
図1と同じように、P地点を地点(0,0)と表すこととし,P地点から東向きに1回進むと地点(1,0)に行き,P地点から北向きに
1回進むと地点(0,1)に行きます。
例えば,図のQ地点は,地点(3,1)と表されます。この道路が東向きと北向きに続いています。なお,図2の道路では,
Q地点などの黒丸「●」が図のように
地点(1,1),(1,3),(1,5),(1,7),(1,9)……
   (3,1),(3,3),(3,5),(3,7),(3,9)……
   (5,1),(5,3),(5,5),(5,7),(5,9)……
   (7,1),(7,3),(7,5),(7,7),(7,9)……
   (9,1),(9,3),(9,5),(9,7),(9,9)……
    ・    ・    ・    ・    ・
    ・    ・    ・    ・    ・
    ・    ・    ・    ・    ・
に続いてついており,この黒丸「●」の地点は通れないものとします。次の問いに答えなさい。
(3) P地点から地点(10,6)に行く最短経路は何通りありますか。
(4) P地点から21回進んだ地点である,(21,0),(20,1),(19,2),(18,3),……,(2,19),(1,20),(0,21),に行く最短経路を
すべて合計すると何通りありますか。

nishiyamato2016_01.png

(1) 10回進むうち,どこに北に進む4回を持ってくるかということですので,10C4210通り です。

(2) 「少なくとも一方を通って」というキーワードに気づきましたか?
(1)で求めた210通りから「CD間とEF間のいずれも通らないもの」を除けばよいですね。
nishiyamato2016_03.png
210-137=73通り が求める答えです。

(3) 北に1回進むと,必ずその次も北に進まなければならない。東に1回進むと,必ずその次も東に進まなければならない。
これに気づいてしまえば,(1)と同難易度の問題にすることができます。
北に10回進むということは「北北」と5回進むこと,東に6回進むということは「東東」と3回進むことと同じですから,
5+3=8回中,どこに「東東」と進む3回を持ってくるかということになりますね。8C3=56通り が答えです。

(4) 交差点に場合の数を書き込んで,規則性を見つけた子が多かったのではないでしょうか。
nishiyamato2016_04.png
1回地点の合計は2通り,2回地点の合計は2通り,
3回地点の合計は4通り,4回地点の合計は4通り,
5回地点の合計は8通り,6回地点の合計は8通り,
7回地点の合計は16通り・・・となっています。奇数回目は1回前の2倍,偶数回目は1回前と同じとなっているのがわかります。
21は11番目の奇数,よって、2^11=2048通り が答え。

ちなみに,なぜこのようになっているのかというと,偶数回目の移動は前回と同じ方向に移動するしかないですが,
奇数回目の移動は必ず北か東かの選択ができるからです。(3)と通じる話ですね。

解説を見てしまえばなんてことない問題ですが,時間に余裕がないと書き込むときや足し算でミスが出そうな問題です。
途中のしんどそうな問題を飛ばして,余裕をもって取り組めば解けそうな問題が最後にあるのが意地悪でした…(^^;
(池)
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2016(H28)入試分析 算数 甲陽学院中学校(2日目)

2016.01.26 14:59|入試問題分析(算数)
甲陽の第2日です。

第1日のときにも書きましたが、算数第2日の受験者平均は100点満点で47.5点。
合格者平均は、2日間の合計で119.0点。
やはり6割を押さえたいですね。

第2日の問題セットは
大問1 数に関する小問2題
大問2 立体図形と図形の移動
大問3 整数の性質
大問4 平面図形と比
大問5 場合の数(立体図形絡み)+立体図形
大問6 時計算(狂った時計の問題)

確実に6割を確保しようと思えば、大問1,大問2(1),大問3,大問5(1)(3),大問6(1)ぐらいは軽々こなしてほしいですし、今回解説する大問4もできれば得点にしていきたいところです。

(問題)H28 甲陽学院中学校 算数(第2日) 大問4番
図のように直角三角形AOBの辺OA上に点P,辺OB上に点Qがあります。OA=56cm,OB=33cm,OP=8cm,OQ=6cmです。さらに,辺AB上に点Cをとり,OCとPQの交点をRとすると,PR=3cm,RQ=7cmとなりました。
(1) ACとCBの長さの比を最も簡単な整数の比で表しなさい。
(2) CとP,CとQをそれぞれ結んでできる三角形ACPと三角形BCQの面積の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。

kouyou 2016 2-1
(1) AC:CB=三角形ACO:三角形BCOなので、この2つの面積の比を考えてみましょう。
まず図に分かっている数値を記入します。
そしてCとP,CとQを結び、四角形CPOQに注目します。
kouyou 2016 2-2

PR:RQ=3:7なので、対角線で2つに分かれた三角形CPOと三角形CQOの面積の比は3:7となりす。
三角形CPO=[3],三角形CQO=[7]とします。
AP=48cm,PO=8cmなので、AP:PO=6:1より、三角形ACP=[3]×6/1=[18]
OQ=6cm,QB=27cmなので、OQ:QB=2:9より、三角形BCQ=[7]×9/2=[31.5]
となります。
kouyou 2016 2-3


三角形ACO:三角形BCO=([3]+[18]):([7]+[31.5])=21:38.5=6:11
ですからAC:CB=6:11です。

(2) (1)より三角形ACP=[18],三角形BCQ=[31.5]なので、
三角形ACP:三角形BCQ=18:31.5=4:7ですね。

今回、(2)で求められている直線を、補助線として(1)でも利用しましたが、設問の順から、期待されている解き方は別のところにあるようです。
以下のような別解も紹介しておきましょう。

〔(1)の別解〕
図のようにAとR、BとRを結び、またPR:RQ=3:7なので三角形PORと三角形QORの面積の比も3:7ですから、
三角形POR=[6]、三角形QOR=[14]とします。
kouyou 2016 2-4
AP=56-8=48cmなのでAP:PO=48:8=6:1より、三角形APR=[6]×6/1=[36]
BQ=33-6=27cmなのでBQ:QO=27:6=9:2より、三角形BRQ=[14]×9/2=[63]
kouyou 2016 2-5
よって、三角形AOR=[42]、三角形BOR=[77]なのでAC:BC=42:77=6:11となります。

今回は、2通りの方法で解法を説明しました。
この問題のように、(1)(2)が同時に求められる問題や、解き方によっては(2)が先に求められる問題が出題される場合もあります。
出題者の意図では最初から解くことを要求されているような場合でも、着眼点を変えればもっと簡単に、後ろの方から解ける場合もあります。冷静に、問題をすみからすみまでしっかり読んで、利用できそうなことは最大限利用する、そんな気持ちで臨んでほしいと思います。(道)

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2016(H28)入試分析 算数 洛南高等学校附属中学校

2016.01.25 04:05|入試問題分析(算数)
 さて,今回は洛南高等学校附属中学校の算数から1問取り上げます。

問題数は大問8問と小問30問。例年通りの1問5点の均等配点です。
去年は一昨年に比べて難易度が下がったと書きましたが,
今年は大問ごとの難易度がかなり乖離していたように感じます。
大問1の計算群が小問4つに減ったので,そこで「うっ!」と思いましたが,全部簡単。
大問2の小問群も洛南を受ける子であれば落としてはいけないレベルの問題です。
大問3はちょっと難易度は上がるものの,ここの受験生であれば余裕の問題,
大問4も単元は違うが難易度的には大問3と変わらないレベル。
ここまでスッとこなせれば,後半戦は時間的にもかなり余裕があるはずです。
大問5の速さは状況図でもダイヤグラムでもOK。洛南の速さとしては簡単な方です。
大問6も問題の数字設定が親切なので,同じ系統の問題と比べてもミスが出にくいです。
この記事を書いている時点で学校からの数値的な発表をまだ見ていませんので推測の域を出ませんが,
ここまでしっかり取れれば算数に関しては十分な得点ができるのではないでしょうか。
大問7番は(1)ができれば十分。(今回は考える用のマス目が足りなかったのがちょっと悲しい…)
8番は(1)をしっかり取ればまずよし。(2)を取れば他の人に差をつけることができます。(3)は趣味の世界。

では,今回も一部から要望のあった7番の問題を取り上げます。
(問題)H28 洛南高等学校附属中学校・算数 大問7番
図のように,4つの面がすべて正三角形である三角すいの形をしたスタンプAがあり,各面は,数字の入った正三角形が
押せるようになっています。Aを,底面の辺を軸として転がしていきます。Aは同じところには押さないものとします。
転がした後にできる図形の周の長さと面積を,Aの1辺の長さを①,各面の面積を[1]として,
・図1の場合,周の長さは④,面積は[2]
・図2の場合,周の長さは⑤,面積は[3]
のように表します。はじめ,Aの底面の数字は1となっています。
押された数字の向きは考えないものとして,次の問いに答えなさい。
rakunan2016_7_00.png
(1)転がした後にできる図形が図3のようになるとき,あ,いにあてはまる数字をそれぞれ答えなさい。
rakunan2016_7_01.png

(2)周の長さが⑧,面積が[6]となる図形ができる転がし方は何通りありますか。
(3)周の長さが⑦,面積が[7]となる図形ができる転がし方の中で,押された数字の合計が最も小さくなるものについて,
図形の周と押された数字を,図1,図2にならって書きなさい。(解答用紙には,はじめの「1」をかいてあります。)
(4)周の長さが⑨,面積が[11]となる図形ができる転がし方の中で,押された数字の合計が最も大きくなるとき,
その合計はいくらですか。



今回の問題は,
「正三角形が敷きつめられたマス目の上を正四面体が転がる場合,各マス目にスタンプされる数は決まっている」
ということを知っているか知らないかでずいぶんと差がついたのではないかと思います。
(知らなくても解くことはできますが,時間がかなり余分にかかることと,「本当にこれでいいのか」という確信が持ちにくい。)
例えば,下のような大きな正六角形のマス目上に正四面体を転がした場合,同じ色のところに同じ数がスタンプされます。
rakunan2016_7_02.png

(1) では,これを利用すべく,図3に色をつけてみましょう。
rakunan2016_7_03.png
あ=1い=3とわかりますね。

(2) これは色分け図を利用しません。
正三角形6個で周長が[8]ということですが,正三角形6個で正六角形を作ってしまうと周長が[6]になってしまいます。
そして,これ以外のパターンは全て周長が[8]になります。
※3×6=18辺のうち,18-8=10辺が接着,つまり,10÷2=5ヵ所で接着されていればよいわけです。
スタート地点から転がる方向は3方向,その後は戻る方向以外の2方向が常に選べるので,5回転がす方法は
3×2×2×2×2=48通りあります。
そのうち,正六角形になるパターンはスタート地点の右上,右下,左上に正六角形ができるパターン。
それぞれに時計回りに転がすか,反時計回りに転がすかが選べますので,
48-3×2=42通りと出すことができます。

(3) 3×7=21辺のうち,21-7=14辺が接着,つまり,14÷2=7ヵ所で接着されていればよいわけです。
このような形は,正六角形の1辺が飛び出した形しかありません。つまり,下の6パターンです。
rakunan2016_7_05.png
ただし,今回のスタート地点の「1」は左がとがった正三角形から始まっているため,星のマスがスタート地点の候補,
その中でも,7つのマスをすべて通ることができるのは★からのスタートとなります。
さらに,青の三角形が4になれば1,2,3が2回ずつ,4が1回押されることになるので,押された数の合計が最も小さくなります。
2と3の位置に注意して書きこむと,以下の6パターンが答えとなりますね。
rakunan2016_7_06.png

(4) 3×11=33辺のうち,33-9=24辺が接着,つまり,24÷2=12ヵ所で接着されていればよいわけです。
このような形は,下の図のような,六角形におまけの正三角形がくっついた形しかありません。
(太線で囲まれた六角形に,まわりの正三角形のうちの1つをおまけとして選ぶと考えてください。)
rakunan2016_7_07.png
六角形の中は灰色と緑が3回ずつ、赤と青が2回ずつ出てきているのがわかりますね。
おまけとして選べるのは赤か青。
つまり、「3回出てくる色が3種類、残りの1種類が2回出てくる」というパターンに限られます。
押された数の合計が最も大きくなるということですから、2,3,4を3回ずつ登場させた1×2+(2+3+4)×3=29,これが最大です。

おそらく,ほとんどの子は,この色分けができるということを知らないでしょうから,下のような,図を地道に書いて,
(1)が解ければ十分,時間に余裕があれば(2)(3)をゴソゴソやっているうちに何となく正解するという感じでしょうか。
rakunan2016_7_08.png

きれいな解き方ができるに越したことはないですが,実際の合否を分けるのは,きれいな解き方ができないときに
根性出してゴソゴソ正解を導いてくるという力のようにも感じます。(池)
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2016(H28)入試分析 算数 甲陽学院中学校(1日目)

2016.01.24 10:07|入試問題分析(算数)
今回は、甲陽学院中学校算数の1日目を取り上げます。

その前に、2016年度入試概要から。

受験者数 382名 (昨年度 317名)
合格者数 220名 (昨年度 215名)
実質競争率 1.74倍 (昨年度 1.47倍)

昨年は多少難しさが緩和された印象ですが、今年度は元に戻ったというか、ここ数年で最高の競争率となりました。
おそらく、昨年度の大学進学実績が非常に良好だったことも一役買っていると思われます。

算数の受験者平均は、第1日58.3/100 第2日47.5/100 合計105.8/200
合格者の平均は、2日間の合計で119.0/200でほぼ6割。
今年の問題で6割を確実に取っていこうと思えば、ていねいに問題を読み、きちんと分析、整理する力は当然必要です。

第1日のセットは
大問1 割合の文章題、集合算の小問2つ
大問2 規則性の発見と利用
大問3 旅人算
大問4 平面図形と比
大問5 立体図形とひもの届く範囲
大問6 速さの応用問題
となっていて、6割を確保するためには、大問1,2,3(1),4(1)(2),5(1),6(1)は確実に押さえたいところです。

さて、このうち、今回は少し目新しい大問6に取り組んでみましょう。

(問題)H28 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問6番
高速道路を500台の車が90mずつ間をあけて,時速72kmで同じ方向に一列に並んで走っていました。ところが,午前10時に先頭の車が速さを時速36kmに落としたので,後ろに続く車は前の車との間が40mになると次々に速さを時速36kmに落としました。そして,前から100台目の車が速さを落とした瞬間,先頭の車が速さを時速90kmに上げたので,後ろに続く車は前の車との間が100mになると次々に速さを時速90kmに上げました。車の長さは考えないものとします。
(1) 前から100台目の車が速さを落とすのは,午前何時何分何秒ですか。
(2) 時速36kmで走る車がなくなるのは,午前何時何分何秒ですか。


時速72km=秒速20m,時速36km=秒速10m,時速90km=秒速25mです。

(1) 間の90mが40mまで、50m短くなる時間は、
50÷(20-10)=5秒
ですから、5秒ごとに次の車の速さが時速36kmになっていきます
100台目までは、5秒×(100-1)=495秒=8分15秒かかりますから、午前10時8分15秒です。

(2) (1)の時刻より後も、100台目以降の車は5秒ごとに時速36kmになっていきます。
一方、(1)の時刻に、先頭の車が加速をはじめ、
(100-40)÷(25-10)=4秒
ですから、4秒ごとに、次の車が時速90kmになっていきます

そこで1台目(①)から順に,時速36kmになった時間(左)と時速90kmになった時間(右)をかいていくと
①  0秒後,495秒後
②  5秒後,499秒後
③ 10秒後,503秒後
④ 15秒後,507秒後
・・・・
さて,ここで「時速36kmで走る車がなくなるのは」という問いですから、「前を走る車が時速を上げ、車間距離が広がれば、後ろの車は時速を落とさなくてよい」という、前後2台の車の関係を考えます。
上のまとめで、赤い数字で書いた時間の関係を見ればいいことに気づきます。
①-②=490,②-③=489,③-④=488,・・・
490÷1=490より,492台目が速度を落とすのは、5×(492-1)=2455秒後
491台目が速度を上げるのは,495+4×(491-1)=2455秒後
491台目が速度を上げるときと492台目が速度を落とすときが一致します。
ということは、この4秒後に492台目が速度を上げますから、そこで時速36kmで走る車がなくなるということですね。
2455+4=2459秒=40分59秒なので、答えは午前10時40分59秒となります。

さて、この大問6ですが、最初に速さの応用問題と分類しました。ですが、特に(2)などは、実際解いてみると、等差数列の問題として分類した方がよさそうな問題ですね。
情報を整理し、規則を見つけそれを問題に適合するように利用するというのは、中学受験の算数ではよく使う手です。手がかりが見つからない、どこから手をつけていいか悩ましい問題では、まずは情報をきちっと整理してみる。そこから分かることを限られた時間の中で応用していく。そういった練習も大切ですね。(道)

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2016(H28)入試分析 算数 灘中学校(2日目)

2016.01.23 11:07|入試問題分析(算数)
今回は灘中学校(2日目)の算数、こちらを見てみましょう。

算数2日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)71.4⇒(H25)54.9⇒(H26)49.7⇒(H27)52.7⇒(H28)50.8
合格者平均が(H24)86.2⇒(H25)70.3⇒(H26)63.9⇒(H27)64.6⇒(H28)61.2
去年に比べて少々難化。
2日間の合計点情報を見てもここ5年で一番低いですから,算数の力が
中途半端な子にはしんどい試験ですね。

では、今回は4番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H28 灘中学校 算数(第2日) 大問4番
9桁の整数123456789をA とします。また,A の各桁の数から2個を選び,それらを入れ替えてできる9桁の整数を考えます。
このような9桁の整数は全部で36個あり,これらを小さいものから順に①,②,…,㊱とします。
例えば,①=123456798,②=123456879,③=123456987,⑨=123486759,㊱=923456781です。
以下では,①,②,…,㊱からA を引いて得られる36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A を考えます。例えば,
①-A =123456798-123456789=9,②-A =90,㊱-A =799999992です。
(1) 36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A のうち,1000で割り切れるものは何個ありますか。
(2) 36個の整数①-A ,②-A ,…,㊱-A のうち,37で割り切れるものは何個ありますか。
(3) これら36個の整数をすべてかけて得られる整数(①-A )×(②-A )×…×(㊱-A )は3で最大何回割り切れますか。
例えば,810は3で最大4回割り切れます。


(1) 入れ替えた数から元の数(123456789)を引くと1000で割り切れる⇒引き算をしたときに下3桁が0になるということですから,
7,8,9は入れ替えてはいけません。1,2,3,4,5,6の6つから入れ替える2つを選べばよいので,6C215個となります。

(2) 灘中を受ける諸君であれば,
「XYという2桁の数を入れかえてYXとしたときにYX-XY=(Y×10+X)-(X×10+Y)=(Y-X)×9だけ大きくなる(X<Y)」
という,位取りの考え方を利用する問題を今まで見たことがあるかと思います。今回はそれに通じる問題です。

例えば,例で示されている,①-A =9,②-A =90を見てみましょう。
①-A =9の場合,8と9が入れ替わっているので(9×10+8)-(8×10+9)=(9-8)×9=9ふえています。
②-A =90の場合,7と8が入れ替わっているので(8×100+7×10)-(7×100+8×10)=(8-7)×90=90ふえています。
この後も,7と6の入れ替えでは900,6と5の入れ替えでは9000,・・・ふえることがわかりますね。
つまり,1桁ずれたところを入れかえると,1×9×10^n(n=0~7)とふえることになります。
※10^nは10をn回かけるということです。10^0では10をかけません。10^1は×10を,10^2は×10×10を表します。

では,2桁ずれたところだとどうなるでしょう?
例えば,9と7を入れ替えた場合,(9×100+7)-(7×100+9)=(9-7)×99=198ふえます。
さらに,8と6を入れかえた場合,(8×1000+6×10)-(6×1000+8×10)=(8-6)×990=1980ふえます。
この後も,7と5の入れ替えでは19800,6と4の入れ替えでは198000,・・・ふえることになります。
つまり,2桁ずれたところを入れかえると,2×99×10^n(n=0~6)とふえることになります。

これらをまとめると,
1桁ずれ⇒1×9×10^n (n=0~7)
2桁ずれ⇒2×99×10^n (n=0~6)
3桁ずれ⇒3×999×10^n (n=0~5)
4桁ずれ⇒4×9999×10^n (n=0~4)
5桁ずれ⇒5×99999×10^n (n=0~3)
6桁ずれ⇒6×999999×10^n (n=0~2)
7桁ずれ⇒7×9999999×10^n (n=0~1)
8桁ずれ⇒8×99999999×10^n (n=0)
となりますが,これらのうち,37で割り切れるものがいくつあるかという問題です。
すると,37で割り切れる可能性があるのは真ん中の太字部分だけですから,3桁ずれの場合と6桁ずれの場合が該当しますね。
6+3=9個が答えとなります。
※「37×3=111」というのを頭の片隅から引っ張ってこれれば処理時間は短縮できますね。

(3) (2)のところで丁寧な分析ができていれば,取り組みやすいんじゃないかと思います。
3で割り切れる可能性があるのは上記の太字部分と,初めの3と6ですね。
1桁ずれ⇒9は3で2回割り切れるので,2×8=16回
2桁ずれ⇒99は3で2回割り切れるので,2×7=14回
3桁ずれ⇒999は3で3回割り切れ,頭に3×がついているので,(1+3)×6=24回
4桁ずれ⇒9999は3で2回割り切れるので,2×5=10回
5桁ずれ⇒99999は3で2回割り切れるので,2×4=8回
6桁ずれ⇒999999は3で3回割り切れ,頭の6×で1回割り切れるので,(1+3)×3=12回
7桁ずれ⇒9999999は3で2回割り切れるので,2×2=4回
8桁ずれ⇒99999999は3で2回割り切れるので,2×1=2回
よって,16+14+24+10+8+12+4+2=90回となります。

こうやって書いてしまうと,ずいぶんとシンプルに見えますが,実際に問題を解くときには色々書き残しながらやるため,
いざまとめる段階になると,どこに何を書いているのかごちゃごちゃになって混乱してしまう子がほとんどでしょう。

このブログの記事を含め,解説記事というのは答えが分かった上で「どのように見せるか」ということを念頭に置いて
作られていますから,答えがわからずに解いている段階でここまでシンプルにまとめることができることはそうありません。

ただ,少しでも混乱しないようにするためには,普段から,どこに何を書いたかわかるようにしながら丁寧に取り組む,
特に重要なことは別の場所にきちんと整理して書いておくなど,問題に対する取り組み方がとても重要になります。

解説などから直接吸収できるのはあくまで考え方,その考え方をどのように自分の答案に反映させていくのかは
別のところにありますので,前者だけに偏らず,両方に目を向けましょう。(池)
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2016(H28)入試分析 算数 大阪星光学院中学

2016.01.19 12:03|入試問題分析(算数)
今回は、大阪星光学院です。

まず2016年度入試の概要から。

志願者数741名(昨年比-63名)
受験者数713名(昨年比-52名)
合格者数298名(昨年比-15名)
実質倍率2.4倍(昨年比±0)
合格最低点276.25点(69%)(昨年比-10点,-3%)

ところで,気になる算数ですが,
算数受験者平均79.7点(昨年比+2.3点)
算数合格者平均91.6点(昨年比-3.4点)
となっていました。

少々目を引いたのは,「合格者平均-受験者平均」。
昨年は17.6点でしたが,今年は11.9点となり,算数での差が例年と比べてつきにくかったようです。

一昨年や昨年同様、それほど高い難度のものはなく,ひとつひとつ丁寧に取り組んでいけば合格に必要な75%に届くといった印象です。
ただ,大問1(4)の後半の問題や,大問2の速さの問題,大問5の(2)(3)の表面積などは注意深さや緻密さが要求されます。

また,大問3(2)(ⅱ)の円が三角形の内部を通過する問題も解き方に習熟していると簡単ですが,そうでないとつまずく問題。
大問4はリーグ戦に関しての一風変わった問題で,冷静に対処できたかどうか。

こうしてみてみると,全体的に奇問難問はないですが,情報をきちんと読み取りていねいに解けたかどうかで合否が決まってくる、星光学院らしいセットになっていると言えそうです。

この中で,今回は大問1(3)を取り上げます。

(問題)H28 大阪星光学院中学校 算数 大問1(3)
右の図のような正方形があります。斜線部分の面積は□cm^2です。
seikou zu 2016 1

非常にシンプルな問題ですね。
次の図のように記号をつけて考えましょう。
seikou zu 2016 2

〔解き方1〕
三角形AEDの面積は正方形の面積の半分で,10×10÷2=50cm^2
AF:FEが分かれば楽勝です。
そこでDFを延長して,AB,CBの延長との交点をそれぞれG,Hとしてみましょう。
三角形AGDと三角形BEAが合同なので、AG=BE=5cm
seikou zu 2016 3
すると,三角形AGDと三角形BGHも合同になって,HB=10cmとなります。
seikou zu 2016 4
よって,三角形AFDと三角形EFHは相似で,AD=10cm,EH=15cmなので
AH:FE=2:3
seikou zu 2016 5

ですから,斜線部分の面積は50×3/(2+3)=30cm^2

ですが,この方法だと時間も手間もかかります。
次の方法で解けるといいですね。

〔解き方2〕
FからADに垂線を引き,ADとの交点をGとします。
seikou zu 2016 6

三角形ABEと三角形FGAと三角形DGFは相似で,直角をはさむ2辺の比はすべて1:2です。
AG=①とするとGF=②,GD=④となります。
seikou zu 2016 7

⑤=10cm,②=4cmなので
三角形AFDの面積は10×4÷2=20cm^2
よって斜線部分の面積は50-20=30cm^2となります。

今回は、非常に単純に見える問題を取り上げました。
大阪星光の算数の特徴は、大問1の中に、簡単そうに見えて実はちゃんと解こうと思うと結構手間がかかったり、難しかったりする小問が含まれていることです。
これをどうやり過ごすかで、大問2以降の問題の出来も変わってきます。
ていねいに、かつ迅速に対処し、対処が難しいようであれば迷わず次の問題に進む。これが大切ですね。(道)


テーマ:中学受験
ジャンル:学校・教育

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2016(H28)入試分析 算数 灘中学校(1日目)

2016.01.18 19:29|入試問題分析(算数)
また2016年の入試問題ピックアップ記事の時期がやってきました。
今日は、灘中学校(1日目)算数に目を向けてみましょう。

と、その前に数情報に目を向けてみましょう。
実質倍率は(H24)2.81⇒(H25)2.81⇒(H26)2.97⇒(H27)2.61⇒(H28)2.67
と去年とほぼ変わらない感じでした。
ただ、合格最低点は満点の6割を切る296点。
受験者最高点も満点の8割で401点。
低い得点の中に受験者が圧縮されているので、ボーダー付近の入れ替わりも激しかったことでしょう。
全教科難しかったようですが、算数・理科が特にきつかったようです。

中でも算数1日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)66.5⇒(H25)45.0⇒(H26)57.2⇒(H27)41.9⇒(H28)42.7
合格者平均が(H24)79.4⇒(H25)58.6⇒(H26)73.3⇒(H27)54.4⇒(H28)54.8
去年に続きキツイですね・・・
小問15or16問のうち最悪でも7問,8問でまずまず,9問で貯金ができるくらいの計算になりますが,
当然,試験中にはそんなことはわかりません。
一通り解いた時点で解答欄の半分しか埋まっていなかったら恐らく絶望的な気持ちになる子がほとんどでしょう。
普段からキツイ問題にあたっておいて、ある意味そういう状況に慣れておいた方がよいのかもしれません。
去年も書きましたが、精神的な強さが全教科にわたって(特に算数)求められるという傾向が強くなっているように感じます。

1日目の算数の難易度をつけると、(灘を受けるレベルの子から見た難易度☆~☆☆☆☆☆で5個が最高レベル。)
1番☆
2番☆
3番☆☆
4番☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆)
5番☆☆☆(①だけなら☆☆)
6番☆☆☆☆☆(としましたが、子供は意外とゴリゴリ計算して力づくであわせるかも?)
7番☆☆☆☆(片方合わせるだけなら☆☆☆)
8番☆☆☆
9番☆☆☆
10番☆☆☆☆
11番☆☆☆☆(①だけなら☆☆☆)
当然、得意単元・不得意単元によって変わるでしょうが、こんな感じでしょうか。
☆☆以下の5問ほどを確実にあわせて、☆☆☆の6問の中から半分取れれば勝負できる位置に行ける計算です。
捨てるべきをしっかり捨て、取るべきをしっかり取る。当たり前のことですが、なかなか実践するのは難しいですね…

では、今回は10番の問題を取り上げてみましょう。
(問題)H28 灘中学校 算数(第1日) 大問10番
右の図の三角形ABCにおいて,2本の直線ADとBEは点Fで垂直に交わっています。また,
(BDの長さ):(DCの長さ)=3:2
(ABの長さ):(CFの長さ)=3:2
です。このとき,FDの長さはAFの長さの( ① )倍で,四角形FDCEの面積は三角形ABCの面積の( ② )倍です。

2016_nada_1_10.png
パッと見たときに、どのように手をつけてよいか判断しにくい問題です。
問題文で与えられている比がいずれも「3:2」であるというところに着目し、それをどのように使うのかというような考え方が
できれば、手が動き出すかもしれません。

( ① )
まずは3:2を図の中に書きこんでみましょう。
赤の線を動かさずに、青の線の一方の端をFDの延長上に移動することでちょうちょ型の相似を作ることができます。
2016_nada_1_10_2.png
移動の仕方は2通り思いつくんじゃないかなと思われます。
2016_nada_1_10_3.png
ここまで見ると大差ないのですが、新しくできた二等辺三角形に目をやると、左の図の方が直角マークが活きてくるというのが
わかりますね。はじめから左で考えた子はいいのですが、右で考えた子はなんかうまくいかないなぁというときに
パッと考えを切り替えられたかが試されたのではないでしょうか。左の図より、2/5が答えです。
2016_nada_1_10_4.png
※ちなみに、右で強引に進めても解けないわけではないです。

( ② )
元々与えられた比と(①)の答えより,下の図のような4つの三角形の比が6:4:15:10になっていることはすぐにわかりますね。
2016_nada_1_10_5.png
AE:EC=15:(6+4)=3:2ですから,求める答えは(10×2/5)÷(6+4+15+10)=8/35となります。

問題文に同じ比が与えられているのを見て違和感を感じることができるか,正しいと思って進んだ道が違ったときに,
全て戻り切らずに似たような道をすぐに見つけ出すことができるかなどが問われてる問題でした。

普段は「ひらめき」という言葉だけで片付けられてしまいそうなところですが,
そこで一歩踏み込んで「なぜそう考えたらよいのか」という理由を追及しておくことや,
別解がないかということを追及しておくことがこういうところで活きてくるかもしれませんね。(池)
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