2016(H28)入試分析 算数 ラ・サール中学校
2016.02.21 16:16|入試問題分析(算数)|
今回はラ・サール中学校を取り上げます。
今年の問題も去年に引き続き,幅広い単元の基礎力をはかる出題となりました。
とびぬけてきついという問題はないが,ていねいに問題を解きほぐす力があり,各単元のつまづきそうなところをきちんと
理解している子でないと点数に結びつかないという感じです。非常にきれいな出題と言えるのではないでしょうか。
各問題に目を通してみると,
大問1 計算3題。(3)は流行りの繁分数を普通の式の形に直した問題です。
大問2 数の性質,速さ,平面図形,場合の数,推理の小問5題。
大問3 食塩水の定番問題。ここまでは間違えたらその分だけ差をつけられてしまいます。
大問4 平面図形の面積比の問題。誘導にのるとスムーズに解けるのですが,うまくのれなかった子はちょっと苦労したかも。
大問5 数の規則性(数列)問題。「5の倍数を除く」というのがあまり慣れていないでしょうから,慎重に作業を進めたいところです。
大問6 立体の切断。下で解説します。
(問題)H28 ラ・サール中学校 大問6番
図は1辺が6cmの立方体を真横に2cmずつずらして3個積み上げてできた立体です。このとき,次の問いに答えなさい。
(1) この立体の表面積は何cm^2ですか。
(2) 図の3点P,Q,Rを通る平面でこの立体を切ったとき,一番下にあった立方体は2つの立体に分けられます。
(ア) 切り口を解答欄にかきなさい。
(イ) そのうちの,点Aを含む方の立体の体積は何cm^3ですか。ただし,角錐の体積は(底面積)×(高さ)×1/3です。

(1) これはささっと取ってしまいたいところです。
立方体3個の表面積は6×6×6×3=648cm^3ですが,接着されているところで表面積が減少します。
1か所の接着で4×6×2=48cm^2減少しますから,
648-48×2=552cm^2が答えです。
(2) おそらく,見えないところの点線をかきこんで,更に切り口をかきこんで・・・とやって,混乱した子が多かったと思われます。
この問題は,「平行な面の切り口は平行になっている」ということをしっかりと理解しているかを確認する問題です。
しかも,一番下の立方体の切り口だけかきこめばよいので,全ての切り口をかきこんでややこしくする必要はありません。
まずは,Rから前の面に切り口をかきこみましょう。
前の面は後ろの面の切り口と平行になっています。
後ろの面の切り口はPとQを結べばよいので,12cm:8cm=3:2の直角三角形が浮かび上がりますね。
前の面の切り口をかきこむので,3:2=6cm:4cmの直角三角形を作ればよいことになります。

実際の切り口は下の図の赤線になります。
次に,RとQを結べば,上の面の切り口がわかります。合わせて下の面の切り口もかきこめそう。
元の立体でRとQを結ぶと,8cm:6cm=4:3の直角三角形が浮かび上がりますね。
上の面は4:3=6cm:4.5cm,下の面は4:3=2cm:1.5cmの直角三角形を作りましょう。

最終的にかきこむ切り口はこんな感じですね。

(3) (2)ができればあとは簡単。三角すい台の切り口を延長して三角すいを作りましょう。
大きい三角すいと先っぽの切り取る三角すいの体積比は(3×3×3):(1×1×1)=27:1ですから,

6×4.5÷2×9×1/3×(27-1)/27=39cm^3となります。
聞いてしまえばそんなに難しくないが,実際にテストになると点数にならないという感じの問題です。
普段の勉強でもそんなことありますよね?授業を聞いて分かった気になって,テストになるとなぜか取れなかった。
そういうところで1つ1つきちんと「自力で解けるようになるような」勉強をしてきた子が最終的には合格していきますよ。(池)
今年の問題も去年に引き続き,幅広い単元の基礎力をはかる出題となりました。
とびぬけてきついという問題はないが,ていねいに問題を解きほぐす力があり,各単元のつまづきそうなところをきちんと
理解している子でないと点数に結びつかないという感じです。非常にきれいな出題と言えるのではないでしょうか。
各問題に目を通してみると,
大問1 計算3題。(3)は流行りの繁分数を普通の式の形に直した問題です。
大問2 数の性質,速さ,平面図形,場合の数,推理の小問5題。
大問3 食塩水の定番問題。ここまでは間違えたらその分だけ差をつけられてしまいます。
大問4 平面図形の面積比の問題。誘導にのるとスムーズに解けるのですが,うまくのれなかった子はちょっと苦労したかも。
大問5 数の規則性(数列)問題。「5の倍数を除く」というのがあまり慣れていないでしょうから,慎重に作業を進めたいところです。
大問6 立体の切断。下で解説します。
(問題)H28 ラ・サール中学校 大問6番
図は1辺が6cmの立方体を真横に2cmずつずらして3個積み上げてできた立体です。このとき,次の問いに答えなさい。
(1) この立体の表面積は何cm^2ですか。
(2) 図の3点P,Q,Rを通る平面でこの立体を切ったとき,一番下にあった立方体は2つの立体に分けられます。
(ア) 切り口を解答欄にかきなさい。
(イ) そのうちの,点Aを含む方の立体の体積は何cm^3ですか。ただし,角錐の体積は(底面積)×(高さ)×1/3です。

(1) これはささっと取ってしまいたいところです。
立方体3個の表面積は6×6×6×3=648cm^3ですが,接着されているところで表面積が減少します。
1か所の接着で4×6×2=48cm^2減少しますから,
648-48×2=552cm^2が答えです。
(2) おそらく,見えないところの点線をかきこんで,更に切り口をかきこんで・・・とやって,混乱した子が多かったと思われます。
この問題は,「平行な面の切り口は平行になっている」ということをしっかりと理解しているかを確認する問題です。
しかも,一番下の立方体の切り口だけかきこめばよいので,全ての切り口をかきこんでややこしくする必要はありません。
まずは,Rから前の面に切り口をかきこみましょう。
前の面は後ろの面の切り口と平行になっています。
後ろの面の切り口はPとQを結べばよいので,12cm:8cm=3:2の直角三角形が浮かび上がりますね。
前の面の切り口をかきこむので,3:2=6cm:4cmの直角三角形を作ればよいことになります。

実際の切り口は下の図の赤線になります。
次に,RとQを結べば,上の面の切り口がわかります。合わせて下の面の切り口もかきこめそう。
元の立体でRとQを結ぶと,8cm:6cm=4:3の直角三角形が浮かび上がりますね。
上の面は4:3=6cm:4.5cm,下の面は4:3=2cm:1.5cmの直角三角形を作りましょう。

最終的にかきこむ切り口はこんな感じですね。

(3) (2)ができればあとは簡単。三角すい台の切り口を延長して三角すいを作りましょう。
大きい三角すいと先っぽの切り取る三角すいの体積比は(3×3×3):(1×1×1)=27:1ですから,

6×4.5÷2×9×1/3×(27-1)/27=39cm^3となります。
聞いてしまえばそんなに難しくないが,実際にテストになると点数にならないという感じの問題です。
普段の勉強でもそんなことありますよね?授業を聞いて分かった気になって,テストになるとなぜか取れなかった。
そういうところで1つ1つきちんと「自力で解けるようになるような」勉強をしてきた子が最終的には合格していきますよ。(池)
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