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筑波大学附属駒場中学校 算数 問題解説&入試分析★2017年(H29年)

2017.03.25 15:22|入試問題分析(算数)
自由が丘校の畠田です。
今年も関東の記事を更新していきますので、よろしくお願いします。

今回は筑波大学附属駒場中学校の問題です。
受験者数591人で合格者127人の倍率4.66倍
算数、国語、理科、社会、調査書、各100点ずつの500点満点
最高475点、最低371点
算数は大問4問に対して40分という短い時間設定ですが、難易度も高く、合格最低点も高いので、素早く正確に解く力が求められます。

今年も例年通り,簡単な場合で実験して規則性を見つける問題や、過去問でよく見られる論法が出題されました。
大問1は甲陽の2004年1日目4番でほとんど同じ問題が出ています。
過去問対策に加えて,様々な良問をしっかりと解いてこれたかが、大きく影響したと思います。
  
それぞれの問題を見ていくと
○大問1 以前解説を書いた2015年度の大問3と同じ考え方を使います。
過去問を研究しておけば、よりスムーズに解くことができたと思います。
(1)約数の個数が奇数、つまりは平方数の番号になります。
(2)素因数分解して100以下の約数の個数だけ開閉されます。101は平方数ではないですが,開いたままになることに注意しましょう。
(3) (2)が誘導になっています。101番以上のロッカーの扉は平方数の場合に閉じていて、平方数でない場合に開いてることになります。
つまり
(100以下の平方数である番号の個数)+(101以上の平方数でない番号の個数)
ですね。
甲陽の2004年1日目4番がほとんど同じ問題で、解いたことある人は有利だったと思います。

○大問2 『白い小立方体と赤い小立方体を8個組み合わせて大立方体を作ると,何通りできますか』というような問題に取り組んだことがあればやりやすかったかもしれないです。
鏡像の関係になる場合を同じとする場合と、異なるとする場合があり、この問題では同じとすることにも注意してください。
(1)一つの頂点は3回カウントされるので、3で割ると1の個数が6÷3=2個とわかります。(イ)では「隣どうし」「正方形の対角線」「立方体の最遠点」の3パターンを考えればよいですね。
(2)1の個数が12÷3=4個なので、8つの頂点から4つ、1の場所を選ぶと何通りできるかです。

○大問3 今回はこの問題を扱います。

○大問4 紙を切って広げる問題は2007年度にも出ています。
操作を重ねるに従い,『元の正六角形』→『小正六角形6個』→『更に小さい正六角形36個』となります。
問題文に下書き用の図があるので、実際に書いてみるような練習を普段からしておきましょう。


大問1、大問2を完答
大問3(1),(2) 大問4(1),(2)まで点数をとることが出来れば合格点です。


それでは大問3です。
(問題)平成29年 筑波大学附属駒場中学 算数 大問3番
図のように、同じ大きさの正三角形をしきつめて、それぞれの三角形に規則的に1,2,3,4,…と数を書きこみます。
例えば、5は3段目の左から2番目の三角形に書かれています。
また、4段目の左から5番目の三角形に書かれている数は15です。
次の問いに答えなさい。
mondai1.jpg
(1)10段目の一番左にある三角形に書かれている数を答えなさい。

(2)2017が書かれている三角形は、何段目の左から何番目の三角形ですか。

(3)しきつめられた図形の一部で、6個の正三角形からなる正六角形に注目し、その中の6つの数のうち最も大きい数と、6つの数の和を考えます。
例えば、右図の太線で囲まれた正六角形において、6つの数のうち最も大きい数は15であり、6つの数の和は61です。
6つの数の和が610であるとき、6つの数の中で最も大きい数を答えなさい。
mondai2.jpg



[解説]
(1)1段目は1
2段目は2×2-1=3
3段目は3×3-2=7
4段目は4×4-3=13

10段目は10×10-1=91

(2)一番右にある三角形はその段の平方数で
44×44=1936<2017
45×45=2025>2017
より45段目にあります。
45段目の一番左にある三角形に書かれている数は2025-44=1981
で2017よりも小さいですから,45段目の上向きの三角形に書かれているということです。
左端から数えて,上向きの三角形が2017-1981+1=37個,
下向きの三角形が37-1=36個並んでいますから,
左から37+36=73番目とわかります。

(3)複雑な問題に取り組む際,簡単な例を3つ4つ書き出して,そこから規則性を
発見してスピーディーに解くというのは筑駒に代表される,最難関校で求められる能力です。

例の正六角形にあわせて、一番右にある正六角形を上から求めて
kai1.jpg

28,61,106,163
これの差を求めると
33,45,57
と12ずつ増えていくので

28+33+45+57+69+81+93+105=511<610
28+33+45+57+69+81+93+105++117=628>610

より上から9つ目の正六角形の左にあることがわかります。

正六角形は左に一つ移動させるとどのマス目も1ずつ減って6小さくなるので
(628-610)÷6=3
よって右端の正六角形から3つ左にずらせばよいということです。
右端の正六角形の中で最も大きい数は11×11-1=120ですから,
120-3=117とわかりますね。

筑駒の規則性の問題は,ある程度書き出したところで見切りをつけて予想しながら
動き出さないと時間不足に陥ってしまう可能性があります。
過去問演習はきちんと時間を測って,この見切りのさじ加減を身につけるという
意識で取り組みましょう。これが必ず大問内最後の小問での差に繋がってきます。
頑張ってください!

(畠田)
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2017(H29)入試分析 算数 関西学院中等部 第2日

2017.03.23 15:33|入試問題分析(算数)
今回は関西学院中学部(第二日)の問題を取り上げます。

各問寸評
大問1 計算問題。(4)の逆算も難易度は高くありません。全問取りましょう。
大問2 (1)円グラフ(2)数の性質(3)整数条件+鶴亀算(4)円の周長と速さの問題(5)平面図形の面積
    (4)はイメージがしにくいということで,実質の難易度よりも正解率は低く出そうです。
    5問中3問は取りたいところです。
大問3 数列の問題。規則に気付きにくいので正解率はかなり低そうです。
    今回はこれを取り上げます。
大問4 比・割合の問題。このレベルの問題をしっかり合わせることが大切です。
大問5 図形の平行移動と重なり。頭が疲れた状態で解くとしんどいです。前半のきつい問題を後回しにして,
    できるだけフレッシュな状態で取り組みたいですね。(1)だけでもしっかりと確保したいところです。
大問6 立体図形の展開図。太線は全てつながっている&どの正方形にも必ず1本の対角線を引くということに
    気づかなければ,なかなかしんどい問題です。

(問題)H29 関西学院中学部・算数(第2日) 大問3番
次のように整数をある規則で並べていきます。

0,1,3,6,8,9,10,12,15,17,18,19,…

2017番目の数を求めなさい。


フィボナッチ数列でもなし,抜けている数(2,4,5,7,11,13,14,16,…)に注目してもイマイチ…
ってことで,前の数との差に注目してみましょう。順番に差を拾ってみると,
1,2,3,2,11,2,3,2,11,…
と5個区切りの等差数列になっています。
2017番目の数なので,間の数は2016個。
2016÷5=403セット…1個ですから,0+(1+2+3+2+1)×403+1=3628となります。

差が5個区切りなので,元の数列も5個ずつ区切って群数列で考えてもよいですね。
①  0, 1, 3, 6, 8
②  9,10,12,15,17
③ 18,19,21,24,26
 ・
 ・
 ・
2017÷5=403セット…2個ですから,404セット目の2番目の数,(404-1)×9+1=3628となります。

数列の問題では,規則が見つけられなければどうしようもなくなってしまいます。そうならないように,
★前の数との差を並べてみる
★前の数の何倍かを並べてみる
★フィボナッチやトリボナッチを疑ってみる
★分母(分子)をそろえて分子(分母)を眺めてみる
★分子は分子,分母は分母,整数部分は整数部分で別々に眺めてみる
★区切ってみる
などなど・・・
変な数列だなと思うものに出会うたびに使える武器を増やしていきましょう。
その積み重ねが最終的に対応できる問題幅の差に繋がります。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 関西学院中等部 第1日

2017.03.21 14:26|入試問題分析(算数)
関西シリーズもいよいよあと2回。今回は関西学院中学部(第一日)の問題を取り上げます。

入試関連数値の推移は,
■倍率
男2.1倍⇒1.7倍⇒1.6倍⇒1.6倍⇒1.8倍
女1.8倍⇒1.9倍⇒1.9倍⇒2.0倍⇒1.7倍
■合格最低点
男315点⇒322点⇒298点⇒290点⇒313点
女317点⇒337点⇒323点⇒332点⇒314点
■算数平均点
男114点(60点,55点)⇒124点(61点,63点)⇒106点(53点,53点)⇒109点(59点,51点)⇒115点(59点,56点)
女111点(58点,53点)⇒122点(61点,60点)⇒107点(53点,54点)⇒108点(57点,51点)⇒119点(61点,58点)

高槻共学化の影響か,男女の倍率が逆転しましたね(^^;

各問寸評
大問1 計算問題。(1)~(4)まで,普通の計算です。全問取りましょう。
大問2 (1)倍数算(2)面積(3)濃度(4)過不足算は全問取らないといけません。
    (4)は苦手とする人もいるのでしょうが,定番なので必ずできるようにしておきたいですね。
    (5)は規則性の文章題で難易度はそれほど高くないのですが,計算ミスなどが出るのかな…
大問3 場合の数(点移動)。定番の問題なので,できてほしいところ。
大問4 影の問題。これも定番ですが,図が描けない→解けない という人が多い問題です。
大問5 水入れ問題(グラフ付き)。今回はこれを扱います。
大問6 (1)は必須。(2)まで取れればおつりが来ます。(3)はできなくてもOK。
    「2回目に出会う」に追い越しは含めるのかで解答が分かれそうですね。
    ちなみに私は含めないと判断しましたが,含めると判断する算数の先生もいました。

(問題)H29 関西学院中学部・算数(第1日) 大問5番
図のような2つの直方体を重ねた水槽があり,左右の側面に平行な長方形のしきりで,底面が2つの部分に
分けられています。この水槽に蛇口から毎分0.6Lの水を入れます。グラフは,空の水槽に水を入れ始めてから
いっぱいになる14分までの時間と,(ア)の部分の水面の高さの関係を表したものです。グラフの①にあてはまる
数を求めなさい。
2017関学01


水入れ問題ですから,まずは正面から見た図を描きましょう。
奥行きが一定ですから,体積ではなく,面積で計算するほうが数が小さくて楽ですね。
毎分0.6L=毎分600cm^3は正面からの面積に直すと600÷10=60cm^2/分です。
ここに分かっている長さやかかった時間を書き込んでいきましょう。
2017関学02
まずはここまで書き込むことができます。長方形の面積がわかっていて,縦横の一方がわかっていれば,
他方を求めることができますね。
2017関学03
24cmと21cmから,㋐の長方形の縦の長さが3cmと求まり,そこから芋づる式に㋐の面積⇒㋑の面積がわかります。
2017関学04
つまり,㋑の長方形の縦の長さが126÷(10+18+14)=3cmなので,全体の深さは24+3=27cmとなります。

ラ・サール中学校のところでも書きましたが,水入れの問題は色々な道筋が出てきます。
今回も段のところに注目したり,横幅の比に注目したりと色々な解き方が考えられますが,
まずは前からの図を描き,縦×横=面積になっているということを当たり前に使えるようにしておきましょう。(池)

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2017(H29)入試分析 算数 神戸海星女子学院中学校(B日程)

2017.03.19 09:58|入試問題分析(算数)
今回は神戸海星女子学院中学校(B日程)の問題です。

受験者数92人に対して合格者33人。
ただ,合格者数はA日程との重複を除いての人数とのことです。

各問題を見ると…
[1] (1)単なる計算問題。正解必須。
  (2)比のかけ算の問題。しかもりんごとグレープフルーツの出現順番が途中で逆転するので,混乱する子が
   出ること必至。
  (3)縮尺の問題。この辺りはしっかりと取っておきたいです。
  (4)立方体と表面積の関係。これも当然取っておきたいですね。
  (5)角度の問題。定番なのですが,角度のマークが×になっているので,ちょっと見にくいかも・・・?
  (6)三角形の個数数え。ここは取れるかどうかが重要そうです。落ち着いてカウントしたいところ。
[2] 速さの問題。問題自体は非常にいい感じですが、問題文が読み取りにくいので,
  難易度以上に正解率が低そうです。
[3] 円の転がり移動。定番の問題なのでここは取っておきたいところです。
[4] 商売問題。(1)で問われていることがわかりにくいかもしれません。(2)だけでも取りに行けばいいのですが…
[5] 比と和差の文章題。今回はこれを取り上げます。
こうやって書いてみると,確実に点数を取れそうなところが非常に少ないですね。
点数情報がどうなっているのか知りたいところです。

では、5番を見てみましょう。
(問題)H29 神戸海星女子学院中学校・算数(B日程) 大問5番
115人の生徒がいる学校で4回のボランティア活動がありました。
第1回の参加者と第4回の参加者の合計人数は,第2回の参加者と第3回の参加者の合計人数の1.24倍でした。
第2回の参加者と第4回の参加者の合計人数は,第1回の参加者と第3回の参加者の合計人数の1.1倍でした。
第3回の参加者と第4回の参加者の合計人数は,第1回の参加者と第2回の参加者の合計人数の0.75倍でした。
次の問いに答えなさい。
(1) 第1回から第4回までのそれぞれの参加者の合計人数は,第1回の参加者と第2回の参加者の合計人数の
  何倍ですか。
(2) 第1回から第4回までのそれぞれの参加者の人数を答えなさい。


(1) 回数と人数の表記が混ざるとややこしいので,1,2,3,4回のそれぞれの参加者数をA,B,C,Dと表すことにします。
  問題文の内容をそのまま式に表すと,
  (A+D)=(B+C)×1.24 ⇒ (A+D)=(B+C)×31/25 ⇒ (A+D)=[31],(B+C)=[25] ⇒ A+B+C+D=[56]
  (B+D)=(A+C)×1.1 ⇒ (B+D)=(A+C)×11/10 ⇒ (B+D)=<11>,(A+C)=<10> ⇒ A+B+C+D=<21>
  (C+D)=(A+B)×0.75 ⇒ (C+D)=(A+B)×3/4 ⇒ (C+D)=③,(A+B)=④ ⇒ A+B+C+D=⑦
  つまり,[56]=<21>=⑦なので,これらを【168】で比合わせしましょう。
  A+B=【96】,A+C=【80】,A+D=【93】,B+C=【75】,B+D=【88】,C+D=【72】となりますので,
  【168】÷【96】=1.75倍です。

(2) 先ほどの比合わせの結果からB-C=【96】-【80】=【16】なので,
  B=(【75】+【16】)÷2=【45.5】,
  C=(【75】-【16】)÷2=【29.5】,
  A=【96】-【45.5】=【50.5】,
  D=【88】-【45.5】=【42.5】
  となります。人数ですから,いずれも整数でないとだめですが,115人をこえてはいけないので,
  【1】=2人と決まりますね。よって,
  第1回=【50.5】=101人
  第2回=【45.5】=91人
  第3回=【29.5】=59人
  第4回=【42.5】=85人が答えです。
  
  問題文で似たような文章が繰り返されているので読み取りにくく,実際の難易度よりもきつかったのではないかと
  思います。こういうときに線を引きながら読んだり,文章に区切り線を入れながら読んだりするなどの工夫が
  できるかというようなこともしっかりと点数を取るための重要なテクニックになりますよ。
  普段からそういうところにも意識を向けておきましょう。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 神戸海星女子学院中学校(A日程)

2017.03.17 16:14|入試問題分析(算数)
今回は神戸海星女子学院中学校(A日程)の問題です。

受験者数117名に対して合格者数99名。実質倍率は1.18倍です。
合格最低点は173/360なので半分弱でも合格ですが,受験生の層を考えると
算数ではちょっと難しいというレベルの問題がたくさん出題されているので,
取れない子はとことん取れなかったかもしれませんね。

各問題を見てみましょう。
[1] (1)単なる計算問題。正解必須です。
  (2)比のかけ算の問題。苦手とする子が多いところです。
  (3)棒の本数を数える問題。神戸海星受験者層では練習量は不足しているかも…?
  (4)角度の問題。できてほしいところです…
  (5)平面図形の面積。見慣れた形ですからこれは取りたい。
[2] 分数の大小関係。(2)は整数倍してできる問題なので大丈夫ですが,(1)(3)はできない子は両方とも
  間違えた可能性が高そうです。(1)は小数で考えると楽なんですけどね…
[3] 濃度の問題。3つのてんびんを抵抗なく使える子は楽なんですが,なぜか算数の先生の中には
  3つのてんびんを頑なに使わない人がいるので,正解率はどんなものか…?
[4] 平均の問題。(1)は問題文をきちんと読み取れば正解できます。(2)は(1)よりも更に題意を
  読み取りづらいかな…
[5] 水問題。これも(1)からきつめですね。(1)ができないと(2)もできません…
[6] 速さの問題。今回はこれを取り上げます。
こうやって書いてみると,確実に点数を取れそうなところが非常に少ないですね。
点数情報がどうなっているのか知りたいところです。

では、6番を見てみましょう。
(問題)H29 神戸海星女子学院中学校・算数(A日程) 大問6番
Aさん,Bさん,Cさんの3人は1周200mのトラックで5000m走をしました。Aさんは25分で,Bさんは40分かかって
ゴールしました。3人はそれぞれ常に同じ速さで走っているものとし,次の問いに答えなさい。
(1) Aさんがゴールしたとき,Bさんはあと何周と何m走らなければなりませんか。

(2) Aさんが5000m走り終えるまでに,Bさんに追いつき追いこした回数は何回ですか。

(3) Cさんは5000m走り終えるまでに,5回Bさんに追いつき追いこしました。Cさんの走る速さは,
  分速何mより大きく何m未満でしたか。


(1) これは簡単。AさんとBさんの5000mにかかる時間の比は25:40=5:8ですから,速さの比は8:5。
  つまり,Aさんが5000m走った時点で,Bさんは5000×3/8=1875m残していることになります。
  これは,1875÷200=9周…75mです。

(2) この手の問題は,「追いこした回数」→「何周差つけたか」と読み替えることができるかにかかっています。
  そうすると,(1)で9周と75m差ついていることがわかっていますので,そのまま9回が答えです。

(3) Bさんの速さは5000÷40=125m/分です。これを基準にCさんの速さを考えましょう。
  (2)と同様に考えると,CさんはBさんに5周~6周の差をつけたということになりますね。
  5周差の場合:Cさんが5000÷200=25周する間に,Bさんは25-5=20周ということになります。
          125×25/20=625/4 → 分速625/4mです。
  6周差の場合:Cさんが25周する間に、Bさんは25-6=19周ということになります。
          125×25/19=3125/19 → 分速3125/19mです。
  つまり,分速625/4mより大きく,分速3125/19m未満が答えですね。

着眼点が明確になっていればすんなり解けるんですが,なかなかこれが身につかない子が多いようですね。
最初に速さの問題を解くときから,当たり前のようにこれを使っていくことが重要なのかなとも思います。
全てが全て,定型の解き方があるわけではないですが,型のある問題はしっかりとその型を身につけて
おきたいところです。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 高槻中学校 B日程

2017.03.15 14:36|入試問題分析(算数)
今回は高槻中学校のB日程を見てみましょう。

まずは入試関連の数値情報。
受験者→合格者(倍率)
男子:625人→300人(2.08倍)
女子:241人→81人(2.98倍)
A日程に比べて女子の倍率がぐっと上がっています。
統一日以降の女子の選択肢がもともと少なかったところに共学化が来たので、
男子以上の率で女子が集まったということでしょうか。

各問題に目を向けてみると,
大問1 計算問題5問。(5)の分母はかけ算のままで通分していきましょう。
大問2 濃度の問題。(3)は答えが汚いですが,何とか合わせてしまいたいところです。
大問3 場合の数。おそらく,この小問3つでものすごく差がついたように思います。
    解ける人にはなんてことない問題なんですけどね…
    今回はこれを見てみましょうか。
大問4 直方体の切断。この単元は問題の難易度以上に差がつきますから,大問3同様に
    合否を分けたと思われます。
大問5 おうぎ形と直角二等辺三角形の転がり移動。(1)は必須。(2)もよくある問題なので,取りたいところ。
こうやって見ると,大問1,3,5でいかに落とさないか,大問3,4にどれだけ対応できるかの勝負になりそうですね。

では大問3です。
(問題)H29 高槻中学校 B日程 算数 大問3
赤,青,黄の色をつけたサイコロが1つずつあります。3つのサイコロを同時に振り,出た3つの目の数について
次の問いに答えなさい。
(1) 赤のサイコロの目の数が,他の2つの目の数より大きい出方は何通りありますか。

(2) 3つの目の数のうち,2つの目の数の積が残りの目の数と同じとなる出方は何通りありますか。

(3) 3つの目の数がすべて異なり,3つの数の平均が,3つの数のうちの1つと同じとなる出方は何通りありますか。


(1) 赤のサイコロの目の数によって場合分けしてみましょう。
  ★赤のサイコロの目の数が6の場合 残り2つは1~5を自由に出してよいので,5×5=25通り
  ★赤のサイコロの目の数が5の場合 残り2つは1~4を自由に出してよいので,4×4=16通り
  ★赤のサイコロの目の数が4の場合 残り2つは1~3を自由に出してよいので,3×3=9通り
  ★赤のサイコロの目の数が3の場合 残り2つは1~2を自由に出してよいので,2×2=4通り
  ★赤のサイコロの目の数が2の場合 残り2つは1を自由に出してよいので,1×1=1通り
  これらの合計ですので,25+16+9+4+1=55通りとなります。
  (1)の正解率はまぁまぁ高そうかな…

(2) ○×△=□(ただし,△は○以上の数)の形で書き出してみましょう。□を1から順に大きくするように考えて…
  (○,△,□)=(2,3,6)(1,6,6)(1,5,5)(2,2,4)(1,4,4)(1,3,3)(1,2,2)(1,1,1)
  ここまではたぶん皆できるんですよね。答えは8通りではありません。
  (2,3,6)の場合,どの数をどの色で出すかで別物と考えなければいけませんので,3×2×1=6通りとなります。
  (1,6,6)の場合、1が「赤になるか」「青になるか」「黄になるか」の3通りがありますね。
  (1,5,5)(2,2,4)(1,4,4)(1,3,3)(1,2,2)も同様です。
  (1,1,1)の場合はどの色も1を出すしかないので1通り。
  つまり6+3×6+1=25通りが答えです。
  言われれば簡単なんですけどね…

(3) 平均値をはさんで,+方向と-方向に同じだけ離れればよいですね。
  先ほどと同様,(○,△,□)の形(ただし,○<△<□)で書き出してみましょう。平均値の△を2から順に大きくすると,
  (1,2,3)(1,3,5)(2,3,4)(2,4,6)(3,4,5)(4,5,6)の6パターン。
  今回はいずれも3×2×1=6通りずつあるので,6×6=36通りが答えとなります。

(2)(3)がよく似ているので,両方できたか両方間違えた人が多かったと思います。
書き出すときに,どこに注目しながら書き出すか,更に,並び替えた場合を考える必要があるか。
この辺りをきちんとしないと場合の数は正解しません。
雑な解き方をしていると身につかない単元,これが「場合の数が苦手」という人が多い理由ですね。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 洛星中学校 後期

2017.03.13 15:08|入試問題分析(算数)
前期から少し開きましたが,今回は洛星中学校の後期の問題を見てみましょう。

まずは入試情報から。
受験者数:276人→212人→226人→284人→242人→265人
合格者数:43人→42人→45人→40人→43人→44人
実質倍率:6.42倍→5.05倍→5.02倍→7.10倍→5.63倍→6.02倍
3科受験倍率:4.13倍→3.33倍→3.21倍→6.35倍→5.83倍→3.76倍
4科受験倍率:11.69倍→8.13倍→8.31倍→7.65倍→5.55倍→10.4倍

去年・一昨年は3科受験生が例年に比べてきつかったのですが,今年はそれ以上に揺り戻しがありました。

各教科の受験者平均はこんな感じ。
国語:66.5→69.6→54.9→66.2→61.2→58.9
算数:59.1→68.5→62.4→51.4→53.6→61.4
理科:42.5→39.5→54.1→44.8→52.5→42.5
社会:38.8→41.8→54.9→51.3→58.4→58.5
総合:205.7→217.9→222.8→210.6→222.0→215.4

やはり算数の平均が低いときは3科受験生がきついという感じですね。

では各問題の方に目を向けてみます。
大問1 (1)計算問題(2)単位分数分解(3)重なりの問題(4)トリボナッチ数列
    このあたりは軽く全問正解できないと,後期での合格は厳しいでしょう。
大問2 (1)定番の風車切りは合わせましょう。
    (2)回転体 これは結構きついのかな。「どこが分かれば解けるのか」を意識しないと糸口が見えにくいですね。
大問3 旅人算ですが,洛星後期の割には難易度は低いです。是非とも全問正解しておきたいところ。
    ダイヤグラムでも状況図でも解けますが,ややダイヤグラムの方が楽かな。
大問4 図形の移動。(1)も(2)も今まで解いてきた問題の組み合わせであると気づけばそれほど難しくもない?
    今回はこれを取り上げます。
大問5 数表の問題。この手の問題を解くときに必要な,概要図を描くことができれば十分得点が期待できます。
    0から並べ始めていることや,左半分は上から下に整数が並んでいることに注意!
大問6 サイコロ問題。6年生になると触れることがぐっと減るので,正答率は低いと思われますが,
    (1)は必須です。全てのサイコロが同じ方向を向いていると気づけばそのあともそれほど苦も無く
    解けるのと思うのですが,(2)はくっついていない面も足し合わせてしまう子がいそうですね。
    (3)を解くときに気づいてくれるとよいのですが…(-_-;)

では,大問4番です。
(問題)H29 洛星中学校 後期 算数 大問4
長さが4cmの棒ABとCDがあります。これを真ん中の点Mで垂直に交わるように固定して図1のような十字の形を
作ります。また,図2のような点Oを中心とする半径2cmの円があります。図3のように,十字の形の棒を点Aと点O,
点Mと点Eが重なるようにおきます。
2017洛星後期01

この状態から十字の形の棒を,点Mが円周上を通って点Fに重なるまで移動させます。

(1) 十字の形の棒を,棒の向きが変わらないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が通った
  部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。
2017洛星後期02

(2) 十字の形の棒を,点Aが円の中心Oから動かないように矢印の向きに移動させます。このとき,十字の形の棒が
  通った部分の面積はいくらになりますか。ただし,棒の太さは考えないものとします。
2017洛星後期03


実は,いずれの問題も横棒と縦棒をそれぞれ動かし,それを重ねてしまえば簡単に作図はできてしまいます。
(1) 下の図は,上から順に,「横棒の通過部分」「縦棒の通過部分」「重ね合わせたもの」となっています。
2017洛星後期04
  最後の図を見ていただければわかるように,1辺2cmの正方形3つ分の面積になっていますから,
  2×2×3=12cm^2ですね。

(2) (1)同様に「横棒の通過部分」と「縦棒の通過部分」を重ねると一番右下の状態になります。
2017洛星後期05

  大きな赤いおうぎ形(半径4cm,中心角90°)にちっちゃなおまけを2つつければよいですね。
  おまけは 中心角45°,半径×半径=4×4÷2=8のおうぎ形から2×2÷2=2cm^2の直角二等辺三角形を
  引けばよいので,4×4×3.14×1/4+8×3.14×1/8×2-2×2=14.84cm^2となります。

幅のあるものを移動するときは,全体をまとめて動かすと非常に動きが見えにくくなるときがあります。
そういうときは,いくつかに分割して考えたり,頂点ごとの動きに注目したりすると糸口が見えやすくなりますよ。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 ラ・サール中学校

2017.03.11 18:13|入試問題分析(算数)
今回はラ・サール中学校です。

例年通り,とびぬけてきついという問題はないが,各単元のつまづきそうなところをきちんと理解している子でないと
点数に結びつかないというテストです。最難関レベルの学校を受験する子たちが,ベースとなる力をきちんとつけているか
を測るテストとして,最適だと思います。
各問題に目を通してみると,
大問1 計算3題。しっかりと取っておきましょう。
大問2 (1)計算の工夫。直感が働かないときついので,ピンと来なければ飛ばすのが吉。
    (2)比の問題。すごく簡単です。
    (3)平面図形の面積問題。半径不明→半径×半径を考えるという基本は大丈夫でしょうか。
    (4)場合の数。方眼に隠れた長方形の個数はすっと出せるようにしておきたいところです。
    (5)速さの歩き休み問題。難易度は低めです。
    ここまででできれば1つ,最悪でも2つの×に抑えておきたいです。
大問3 食塩水の問題。食塩量に注目すれば,あっさり(2)まで正解できるでしょう。
大問4 面積比の問題。補助線を2本入れれば頻出のベンツ切りです。ここも(3)まで取れるようにしておきたいです。
大問5 立方体の切断。(1)は5年生くらいまでにできるようになっておきたいです。
    (1)ができなくても(2)は正解ということも十分考えられる問題です。
大問6 水入れ問題。今回はこちらを見てみましょう。

(問題)H29 ラ・サール中学校 算数 大問6
2017ラサール01
上のような内側に階段のついた水そうがあり,一定の割合で水を入れました。水を入れ始めてからの時間(分)と,
水そうの底からはかった水面までの高さ(cm)の関係をグラフで表したら一部が右のようになりました。
また,水を入れ始めてから8分45秒後の高さは36cmであり,16分でこの水そうは満水になりました。
このとき次の問に答えなさい。
(1) [ア]に入る数を求めなさい。
(2) 高さが[イ]cm,および[イ]+[ウ]cmとなるのは,それぞれ水を入れ始めてから何分何秒後ですか。
(3) [イ],[ウ],[エ]に入る数を求めなさい。

今回,水そうの奥行きがわかりませんので,体積ではなく前から見たときの面積で考えましょう。
(1) 初めの1分で,横幅30cmのところの深さが0cm→6cmと変化しました。
  つまり,30×6=180cm^2の水が入ったということがわかります。
  また,最後の1分では横幅30+33+[ア]cmのところの深さが50cm→52cmと変化しています。
  ここの面積も180cm^2のはずですから,横幅は180÷2=90cm,[ア]=90-30-33=27cmです。

(2) 実は(3)を出してから地道に計算してもいいですが,せっかくこの順番になっているので,
  (2)から先に解いてみましょう。
  初めは横幅30cmのところに水が溜まっていきますが,途中から横幅63cmに広がります。
  つまり,水の上昇速度の比は63:30=21:10。最初はグラフから読み取ると毎分6cmで上昇していますので,
  途中から6×10/21=毎分20/7cmとなり,35/4分後に高さが36cmになったということです。
  あとは単なる鶴亀算。(36-20/7×35/4)÷(6-20/7)=3.5分 → 3分30秒で上昇速度が変化したということです。

  その次も同様に考えましょう。続きで考えると,残りの16-35/4=29/4分で52-36=16cmの上昇です。
  今度は毎分20/7cmから毎分2cmに変化したということですから,
  (16-2×29/4)÷(20/7-2)=7/4分で段の変わり目に到達します。
  つまり,水を入れ始めてから35/4+7/4=10.5分 → 10分30秒が答えですね。

(3) 8分45秒後の水の状態を図に表すと,下のようになります。
2017ラサール02
  水の部分の面積は180×8.75=1575cm^2なので,低い方の階段の面積(上図の★)は36×63-1575=693cm^2です。
  よって、[イ]=693÷33=21cmとなります。

  同様に,満水状態での水部分の面積は180×16=2880cm^2,
  階段部分全体の面積は(30+33+27)×52-2880=1800cm^2
  高い方の階段だけだと1800-693=1107cm^2ですので,[イ]+[ウ]=1107÷27=41cmということです。
  よって,[ウ]=41-21=20cm,[エ]=52-41=11cmですね。

水入れの問題は水に注目したり,空気に注目したり,段のところに注目したりと色々な解法が発生する単元です。
より素早く解くためには,普段からいろいろな解き方に触れておくことが必要です。
特に時間のある5年生や6年生の前半にしっかりと土台を作っておきたいですね。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 清風南海中学校 B入試

2017.03.07 21:21|入試問題分析(算数)
今回は清風南海中学校のB入試です。

まずは数値情報。
男子の 受験者数/S特合格者数(S特倍率)/特進合格者数(S特+特進倍率) は
2015年 248人/50人(5.0倍)/68人(2.1倍)
2016年 261人/54人(4.8倍)/67人(2.2倍)
2017年 284人/57人(5.0倍)/81人(2.1倍)
女子は
2015年 196人/46人(4.3倍)/51人(2.0倍)
2016年 198人/44人(4.5倍)/49人(2.1倍)
2017年 203人/35人(5.8倍)/48人(2.4倍)

算数だけの各平均情報は 男子/女子/全体 の順に, 
2015年 68.6/66.4/67.6
2016年 79.4/76.0/77.9
2017年 79.5/81.2/77.1
となっています。
7割が大まかな目標というところでしょうか。

では、各問題をざっと見てみましょう。
1番 計算小問が4問。当然落とせません。
2番 (1)消去算(2)仕事算(3)水問題(4)数字の個数問題(5)平面図形の面積 ここまで全部正解したいところです。
   悪くても1個ミスには抑えたいですね。 (6)立体の切断 得意不得意の分かれる問題ですので,できればチャンス!
3番 平面図形の面積比(ベンツ切り) (3)まで合わせれば十分ですが,定番の形なので(4)を合わせればリードを奪えます。
4番 点の移動 (1)①は必須。②まで合わせれば十分でしょう。(2)は正解率がかなり低いはずです。
5番 年令算の発展問題 今回はこれを扱います。

では,5番を見てみましょう。
(問題)H29 清風南海中学校 B入試 算数 大問5
S君の家族はお父さん,お母さん,S君,弟の4人家族で,毎年それぞれの誕生日に,あるホテルに宿泊してお祝いを
することにしています。S君の家族の誕生日は下の表のようになっています。ただし,2017年1月1日時点でのお父さんの
年れいは47才で,S君の年れいは19才未満です。

 お父さん  お母さん   S君     弟   
 12月1日   8月1日   4月1日   8月1日 

このホテルの宿泊費は,大人(20才以上)が12000円,子供(19才以下)が6000円で,誕生日に宿泊すると誕生日の人の
宿泊費が(年れい)%引きになるサービスがあります。たとえば,2017年12月1日にS君の家族が宿泊するとき,この日は
お父さんの48才の誕生日なので,お父さんの宿泊費は12000円の48%引きで6240円になり,他の3人の宿泊費は割引
されないので4人の宿泊費の合計は30240円になります。次の問いに答えなさい。
(1) 2017年4月1日に宿泊するとき,4人の宿泊費の合計は35220円になります。この日にS君は何歳になりますか。

(2) 2017年8月1日に宿泊するとき,4人の宿泊費の合計は30840円になります。また,お母さんと弟の年れいの差は
  34才です。この日にお母さんは何才になりますか。

(3) □年は8月1日に宿泊するときと,12月1日に宿泊するときの4人の宿泊費の合計が同じになります。
  □に当てはまる数を答えなさい。ただし,□は2017から2060までの数とします。

(4) 2017年1月1日から2060年12月31日までの間で,4人の宿泊費の合計が最も安くなるのは何年何月何日ですか。

まず,文章が長いので心が折れる人が続出。そして,年令算で誕生日が違うパターンは整理が難しいので正解率が
ガクンと下がります。が,実はあるポイントをおさえてしまうと(2)まではあっさり取れるはずです。そのポイントとは…

☆大人(20才以上)が値引きされるときは,1才あたり12000×0.01=120円安くなる。
☆子供(19才以下)が値引きされるときは,1才あたり6000×0.01=60円安くなる。

ということです。聞いてしまえば当たり前なのですが,金額×(100-年れい)/100という式がまず頭に浮かびがちなので,
なかなかサッと発想を切り替えるのは難しいですね。では,これを利用して(1)から見ていきましょう。

(1) もしも値引きがなければ12000+12000+6000+6000=36000円ですから,36000-35220=780円
  値引いてもらったということになります。4月1日はS君の誕生日なので,1才あたり60円安くなるのですから,
  780÷60=13才が答えです。

(2) (1)同様に考えると,36000-30840=5160円値引いてもらったということです。
  8月1日はお母さんと弟の誕生日なので,
  母×120+弟×60=5160円  ――――(÷60)―――→ 母×2+弟×1=86
  また,問題文に二人の年れい差が書かれていますので, 母×1-弟×1=34
  この2つの式を足すと, 母×3=120 ですから,母の年れいは120÷3=40才,弟の年れいは40-34=6才です。
  ずいぶんとあっさり答えが出るでしょう?単純な値引きの式で解こうとした人はここまででも結構しんどいと思います。

(3) (1)(2)より,2017年8月1日時点の4人の年れいは「父:47才」「母:40才」「S:13才」「弟:6才」
  ということがわかりました。母は弟よりも34才年上,父は弟よりも41才年上です。
  つまり,□年8月1日の弟の年れいを{1}才とすると,同日の母の年れいは{1}+34才,父の年れいは{1}+41才,
  □年12月1日の父は1つ年を取るので{1}+42才となります。
  □年に弟が大人料金になっているかどうかで場合分けをしないといけません。
  ★もしも弟が大人料金になっていた場合
  □年8月1日の値引き額=□年12月1日の値引き額 ですから,
  120×({1}+34+{1})=120×({1}+42) → {1}+34={1}+42 → {1}=8
  これだと,弟が8才で大人料金を払うことになるのでダメですね。
  ★もしも弟が子供料金のままの場合
  先ほどと同様に□年8月1日の値引き額=□年12月1日の値引き額 の形の式を作ると,
  120×({1}+34)+60×{1}=120×({1}+42) → 120×8={60} → {1}=16
  となりますので,弟が16才になるのは2017年の16-6=10年後,つまり2017+10=2027年となります。 

(4) 最後はちょっとややこしいですが、慎重に整理して宿泊費が最も安くなる場合を考えましょう。
  単純に考えると,皆が年を取れば取るほど割引率が上がるので宿泊費は安くなりそうですが,
  子供料金から大人料金になると6000円値上がりするので,そこで宿泊費がガツンと上がってしまいます。
  つまり,大人料金になる直前の4月1日と8月1日と12月1日,あとは2060年の4月1日と8月1日と12月1日を調べれば
  よいことになります。
  ★S君が20才になる直前
  (1)より,S君は2017年4月1日に13才になるので,20才になるのはその7年後で2024年4月1日です。
  調べるのはその直前の2023年12月1日,2023年8月1日,2023年4月1日。
  2023年12月1日は父が48+6=54才の誕生日なので120×54=60×108円,
  2023年8月1日は母が40+6=46才,弟が6+6=12才の誕生日なので,120×46+60×12=60×104円,
  2023年4月1日はS君が19才の誕生日なので,60×19円の値引きになります。
  この中で一番安いのは2023年12月1日で,36000-60×108=29520円です。
  ★弟が20才になる直前
  (3)より,弟は2027年8月1日に16才になるので,20才になるのはその4年後の2031年8月1日です。
  調べるのはその直前の2031年4月1日,2030年12月1日,2030年8月1日。
  ただし,S君は既に20才になっていますので,値引き前の金額は先ほどよりも6000円アップしていますので,
  値引き額が先ほどよりも6000円以上多くないとだめですが,7,8年のずれでは全然足りませんね。
  ここはもう計算しなくてよいでしょう。
  ★問題指示の限界ぎりぎり
  調べるのは2060年12月1日,2060年8月1日,2060年4月1日です。
  もう4人とも20才以上なので12000×4=48000円からいくら値引きがあるかです。
  2060年12月1日は父が54+37=91才の誕生日なので120×91円,
  2060年8月1日は母が46+37=83才,弟が12+37=49才の誕生日なので,120×132円
  2060年4月1日はS君が19+37=56才の誕生日なので120×56円の値引きになります。
  この中で一番安いのは2060年8月1日で48000-120×132=32160円です。

  ということで,最安値は2023年12月1日の29520円でした。

上でも書きましたように,誕生日が違うパターンは整理が難しいので正解率が低いのです。
これに対応する手段は,自分でいかに混乱しない整理の仕方を作り上げるかです。
単純に授業を聞いて,理解したということにしているだけでは決して身につきません。
それはあくまでも「先生が整理しやすいやりかた」ですから。
その上で,もう一度自分で解きなおして,こうやったら混乱しにくいなという自分独自のスタイル
(それが結果的に授業のやり方と重なるのは全然かまわないですよ)
をいかに作り上げるか,そういう姿勢で普段から宿題などの課題に向き合ってほしいですね。(池)
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2017(H29)入試分析 算数 清風南海中学校 A・SS入試

2017.03.03 19:54|入試問題分析(算数)
今回は清風南海中学校のA・SS入試に目を向けてみましょう。

まずは数値情報から。
A入試男子の 受験者数/S特合格者数(S特倍率)/特進合格者数(S特+特進倍率) は
2015年 534人/129人(4.1倍)/142人(2.0倍)
2016年 528人/116人(4.6倍)/137人(2.1倍)
2017年 523人/102人(5.1倍)/129人(2.3倍)
女子は
2015年 242人/49人(4.9倍)/66人(2.1倍)
2016年 379人/69人(5.5倍)/96人(2.3倍)
2017年 378人/67人(5.6倍)/90人(2.4倍)
女子の方がやや狭き門という感じですね。
ただし,合格基準点は男女で違いはないので,目標とすべき点数は変わりません。
算数ではS特なら7割5分,特進なら7割を目指したいところです。

SS入試男子の 受験者数/S特合格者数(S特倍率) は
2015年 39人/23人(1.7倍)
2016年 33人/18人(1.8倍)
2017年 13人/10人(1.3倍)
女子は
2015年 43人/23人(1.9倍)
2016年 14人/8人(1.8倍)
2017年 4人/4人(1.0倍)
SS入試は理系科目特化,しかも回し合格はないので,かなり自信がある子のみ突っ込んでくる感じでしょうね。
算数では9割を狙える自信があれば勝負できると思います。

ちなみに,算数だけの各平均情報は
A受験男子/A受験女子/A受験全体/SS受験男子/SS受験女子/SS受験全体 の順に, 
2015年 77.5/72.7/76.0/92.4/88.8/90.5
2016年 85.0/77.4/81.8/97.2/95.4/96.7
2017年 80.8/76.0/78.8/97.4/107.8/99.8
となっています。

算数の各問題をざっと見てみますと,
1番 計算小問が4問。当然すべて取りましょう。
2番 (1)倍数算(2)通過算 この2つはあっさり取りましょう。(3)仕事算 どの仕事量を①とするかが問われそうです。
   (4)論理論証 今回はこれを扱います。(5)角度 これは意外と正解率が低いかも。 (6)回転体 これは合わせましょう。
3番 平面図形の面積比・相似比。この辺りをしっかりと合わせられるようにしておきたいです。
4番 水入れ問題。仕切りの置き方がちょっと変なのですが、断面図にすれば関係なし。ここも完答を目指したいですね。
5番 変則時計算。時計算の本質をしっかりと理解した上で,出題者の意図を正しく読み取らなければいけないので,
   結構(1)から苦戦することが予想されます。問題文の表現に自分の頭をマッチさせるのがしんどそうです・・・

では、2番の(4)です。
(問題)H29 清風南海中学校 A・SS入試 算数 大問2(4)
あるクラスで,①~⑤の5問ある小テストを行いました。その結果について,次のA~Fのことがわかっています。
 A.①と②の両方を正解した人はいない。
 B.①と②の両方を間違えた人はいない。
 C.③を正解した人は全員①も正解している。
 D.③を正解した人は全員④も正解している。
 E.⑤を正解した人は全員①と④の両方を間違えている。
 F.どの問題も1人は正解した人がいる。
このとき,(ア)~(オ)の中で必ず正しいと言えるものをすべて選びなさい。
 (ア)②と③を両方正解した人はいない。
 (イ)②と④を両方正解した人はいない。
 (ウ)③と⑤を両方正解した人はいない。
 (エ)①と③と④の3つともに正解した人が1人はいる。
 (オ)4問以上正解した人が1人はいる。

①~⑤の正誤は2×2×2×2×2=32通りなので,とりあえずそれを全部書き出して,
A.~F.の条件に当てはまらないものを消し込んでいってもいいと思いますが,
今回は前の方の条件から順に整理していってみましょう。

A.とB.の条件から
(①,②)の正誤は
(○,×)
(×,○)
のいずれかです。

C.とD.の条件から,③が○ならば①と④は必ず○ですが,③が×ならば①と④は○×どちらもあり得ます。よって,
(①,②,③,④)の正誤は
(○,×,○,○) ← ③が○の人はこれだけ
(○,×,×,○) ← ③が×の人はここから下の4パターン
(○,×,×,×)    (①②の正誤が2通り,④の正誤が2通り,これらを組み合わせて2×2=4通り)
(×,○,×,○)
(×,○,×,×)
が考えられます。

更にE.の条件より,⑤が○ならば①と④は必ず×ですが,⑤が×ならば①と④は○×どちらもあり得ます。よって,
  (①,②,③,④,⑤)の正誤は
ⅰ(○,×,○,○,×)
ⅱ(○,×,×,○,×)
ⅲ(○,×,×,×,×)
ⅳ(×,○,×,○,×)
ⅴ(×,○,×,×,○) ← (×,○,×,×)にのみ○と×をつけることができる。
ⅵ(×,○,×,×,×)
の6パターンのみとなります。
が、ここで大切なのは,この全パターンの答案が存在したとは限らないということです。
F.の条件を加えると,③の正解者が存在するにはⅰ,⑤の正解者が存在するにはⅴが外せないのは確定ですが,
実はこの2パターンのみで①~⑤の全ての問題の正解者が存在してしまうので,ⅱ,ⅲ,ⅳ,ⅵはいてもいなくても
いいということになってしまうんです。

あとは(ア)~(オ)を1つずつ調べていきましょう。
(ア) ⅰ~ⅵのいずれにも②③の両方に○がついた人はいないので,これは正しいと言えます。
(イ) ⅳの人は②④の両方に○がついています。こういう人が必ずいるとは断定できませんが,
   逆に絶対にいないと断定することもできません。よって,これは必ずしも正しいとは言えません。
(ウ) ⅰ~ⅵのいずれにも③⑤の両方に○がついた人はいないので,これは正しいと言えます。
(エ) ⅰの人は①③④全てに○がついています。ⅰの人が必ずいるということでしたから,これは正しいと言えます。
(オ) ⅰ~ⅵのいずれにも4問以上○がついた人はいないので,これは正しいとは言えません。

よって,答えは(ア),(ウ),(エ)となります。
今回の問題ではいてもいなくてもいいというところをついてくるような出題ではありませんでしたので
比較的考えやすかったのですが,例えば「②と④を両方正解した人が1人はいる。」が必ず正しいと言えるか
というような選択肢があったら正解率は低かったと思われます。
(ちなみにこれはⅳの人がいるかいないかはわからないので,正しくないとするのが正解です。)

論理論証の問題は,いかに漏れが出ないように整理するかに加えて,日本語の意味を正しくとらえることが
できるかということが問われます。算数の力も当然のことながら、普段から言葉の正しい意味をしっかりと
意識しながら使うようにしましょう。(池)
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