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ラ・サール中学校その2 入試分析 算数 2018(H30)

2018.05.31 20:52|入試問題分析(算数)
今回もラ・サールの問題をもう一つとりあげたいと思います。

立体図形の問題で、難しいわけではないけど切り口がどのようになるか考えていく過程にポイントがあります。

(問題)H30 ラ・サール中学校 算数 大問6
rasa2018m1.jpg
図のような立方体の頂点Aから、3つの点P,Q,Rが同時に出発し、PはA-B-C-G、QはA-D-H-G,RはA-E-F-Gの順に、それぞれ辺上を同じ一定の速さで移動して、12秒後に点Gに着きます。3点P,Q,Rを通る平面でこの立方体を切ったときの切り口の面積をSとするとき、出発して4秒後のSは12㎠でした。このとき、次の場合のSは何㎠ですか。

(1)出発して3秒後
(2)出発して6秒後
(3)出発して7秒後


(1)12秒で3辺分進むので,4秒で1辺分進みます。

rasa2018k1.jpg
図において4秒後は青い三角形,3秒後は黒い三角形になるので相似比は
(青い三角形):(黒い三角形)=4:3
面積の比は
(青い三角形の面積):(黒い三角形の面積)=4×4:3×3
=16:9
よって青い三角形の面積は12㎠から
(黒い三角形の面積)=12×9/16
6.75㎠

(2)6秒後の動点は辺の中点になりますが,どれも同じ平面上にないので切り口を考えるのが難しいです。
rasa2018k21.jpg
そこでRとPの2点を結んだ線分を延長して面DHGCを含む平面との交点と点Qを結ぶとDCの中点(赤い点)を通ることがわかります。
rasa2018k22.jpg
ここまでこれば,正六角形になるとわかりますね。
(赤の正三角形の1辺の長さ):(青の正六角形の1辺の長さの)=1:2
です。

rasa2018k23.jpg
よって図より小正三角形の個数に注目して
(赤の正三角形の面積):(青の正六角形の面積)=4:6=2:3
(青の正六角形の面積)=12×3/2=18㎠

となります。


(3)同じように7秒後を考えたらよいわけですが、ここで(1)(2)から3秒後と4秒後と6秒後の切り口は全て平行になっていることに注目して解いてみます。
8秒後も切り口は平行になります。
rasa2018k3.jpg
と言うことは図のように3:1となる点を結んだ緑の平面になることがわかります。


rasa2018k31.jpg
小正三角形の個数を数えて
(青の正三角形の面積):(緑の六角形の面積)=16:22
=8:11
よって
(緑の六角形の面積)=12×11/8
16.5㎠
とわかりました。


わかりやすい値で具体的に切り口を考えてみると、解法の糸口がつかめて途中の切り口が見えてきます。
このようなアプローチの仕方も取り入れてみると、点数につながります(畠田)
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ラ・サール中学校 入試分析 算数 2018(H30)

2018.05.29 21:02|入試問題分析(算数)
ラ・サールの問題を扱いたいと思います。


場合分けの整理の仕方など基礎的なことや、テクニックまで勉強になりそうな問題をとりあげます。
(問題)H30 ラ・サール中学校 算数 大問2(2)
何枚かのコインを横一列に並べます。3枚以上表が連続するところがある並べ方は何通りですか。次の場合について答えなさい。
(ア)5枚を並べるとき
(イ)6枚を並べるとき



(ア)
場合の数の問題は何か基準を決めて数えるのがポイントになります。
一つの方法として表の枚数で場合分けして数えてみましょう。

○を表,×を裏とします。
(a)表が3枚の時
○○○××
×○○○×
××○○○
の3通り

(b)表が4枚の時
○○○○×
○○○×○
○×○○○
×○○○○
の4通り

(c)表が5枚の時
○○○○○
の1通り

合計3+4+1=8通り


(イ)同じように表の枚数で場合分けして数えてみますが、更には何枚ずつにわかれるかを基準に整理してみます。

(a)表が3枚の時
○○○×××
×○○○××
××○○○×
×××○○○
の4通り

(b)表が4枚の時
○○○○××
×○○○○×
××○○○○
○○○×○×
○○○××○
×○○○×○
○×○○○×
○××○○○
×○×○○○
の9通り

(c)表が5枚の時
○○○○○×
○○○○×○
○○○×○○
○○×○○○
○×○○○○
×○○○○○
の6通り

(d)表が6枚の時
○○○○○○
の1通り

で合計20通りとなります。

このようにある基準で整理して漏れなく、ダブることなく数えることはあらゆる場合の数の問題に通じる大切なことです。


もう一つのアプローチの仕方として
3枚以上連続しない場合を数えて全体から引く
のように逆を考える方法もよくあるので、それでやってみましょう。

6枚の場合、全部で
2×2×2×2×2×2=64通り

左から考えてみると
×(5つの場合)
○×(4つの場合)
○○×(3つの場合)
と場合分けすることができます。

それでは5つの場合は
×(4つの場合)
○×(3つの場合)
○○×(2つの場合)
と場合分けすることができます。

それでは4つの場合は
×(3つの場合)
○×(2つの場合)
○○×(1つの場合)

それでは3つの場合は
×(2つの場合)
○×(1つの場合)
○○×

それでは2つの場合は
×(1つの場合)
○×
○○

それでは1つの場合は

×
の2通りです。

と言うことは
(2つの場合)=(1つの場合)+1+1
=2+1+1
=4

(3つの場合)=(2つの場合)+(1つの場合)+1
=4+2+1
=7

(4つの場合)=(3つの場合)+(2つの場合)+(1つの場合)
=7+4+2
=13

(5つの場合)=(4つの場合)+(3つの場合)+(2つの場合)
=13+7+4
=24

(6つの場合)=(5つの場合)+(4つの場合)+(3つの場合)
=24+13+7
=44

よって
64-44=20通り
と求まります。


※前2つの場合の数の和になる数のことをフィボナッチ数と言ったように
今回の前3つの場合の数の和になる数のことをトリボナッチ数と言います。
フィボナッチ数 1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,…
トリボナッチ数 1,1,2,4,7,13,24,44,81,…


整理する方法など基礎的な練習と、アプローチの仕方のテクニックを勉強することで得点に反映されます。
がんばりましょう(畠田)
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西大和学園中学校 入試分析 算数 2018(H30)

2018.05.21 22:18|入試問題分析(算数)
西大和学園中学校を取り扱います

受験者→合格者(倍率) 合格最低点
男子:1020人→471人(2.17倍) 284点
女子:277人→51人(5.43倍) 326点

女子の合格最低点がかなり高くなっています。

それでは答えはわかるかもしれないけど、その答えが正しいかを考えるのは難しい問題をとりあげます。

(問題)H30 西大和学園中学校 算数 大問4
図1は1辺の長さが1cmの正方形8個の辺をぴったりとくっつけて作った六角形です。この図形を図2のように4つに切りわけて,くっつけ直すと図3のような面積が8㎠の正方形になります。
nisiya2018m1.jpg


(1)図1を3つに切りわけて面積が8㎠の正方形をつくりたいとき,どのように切りわければよいですか。解答用紙の図に線をかきこみなさい。

(2)図4は1辺の長さが1cmの正方形15個の辺をぴったりとくっつけて作った図形です。図5は図4の図形の中に正方形3個をぴったりとくっつけた長方形Xを5個をしきめたものです。このように図4の図形の中に長方形Xをしきつめる方法は,図5の場合をふくめて全部で何通りありますか。
nisiya2018m2.jpg

(3)図6は1辺の長さが1cmの正方形64個の辺をぴったりとくっつけて作った1辺の長さが8cmの正方形です。この問題では1辺の長さが1cmの正方形を「小正方形」,1辺の長さが8cmの正方形を「大正方形」と呼ぶこととします。「大正方形」の中に,「小正方形」3個をぴったりとくっつけた長方形を21個しきつめたとき,しきつめられない「小正方形」が必ず1つあります。それはどの「小正方形」ですか。しきつめられない「小正方形」をすべて黒くぬりつぶしなさい。
nisiya2018m3.jpg

(4)同じ大きさの正方形の頂点を1つの点に集めると図7のようにすきまなく並べることができます。このような正多角形は正方形をふくめて全部で何種類ありますか。
nisiya2018m4.jpg



(1)このような問題は例に注目してみるとヒントになったりします。

nisiya2018k1.jpg
正方形のマスの対角線2つ分が、くっつけ直してできた正方形の辺1つ分になることがわかります。
つまり正方形のマスの対角線4つ分を切るように切ればよいので例えば次のようになります。

nisiya2018k2.jpg


(2)
nisiya2018k31.jpgnisiya2018k32.jpg
図のように①の正方形のマス目に横に長方形を入れて②のマス目に縦に長方形を入れると残りは2通りの入れ方があります。

nisiya2018k33.jpg
②のマス目に横に入れると残りは1通りに決まります。

nisiya2018k34.jpg
①のマス目に縦に長方形を入れると残りは1通りに決まります。

合計4通りです。

(3)答えはわかるかもしれません。
前の問いがヒントになってることが多いので、それを元に考えると

nisiya2018k4.jpg
図のようにすれば真ん中の4×4のところに(2)の入れ方をすればよいので右上の小正方形が空きます。

nisiya2018k5.jpg
そして対称性から回転させて図の4箇所はしきめられない小正方形となりえます。

しかし本当にこれだけなのかはわかりません。


ここからは次の数学的な論法で考えます。
条件を満たすのはどの場合しかありえないか絞る(必要条件により絞る)
→実際にその場合は可能である例を挙げる(十分であることを言う)


まず次のように小正方形を白と青と緑に塗り分けます。

nisiya2018k6.jpg
白は21個,青は22個,緑は21個あります。
青だけ1個多いです。

このように塗り分けると、どのように長方形を1つしきつめても白1個,青1個,緑1個を埋めることになります。
長方形を21個うめると、青だけ1個残ることになります。

つまりしきつめられない場所は青の部分に絞られます。

更に対称性を利用して青の部分の赤い直線について対称な部分を赤に塗ります。

nisiya2018k7.jpg
しきつめられない場所は赤の部分でもなければなりません。
なので青と赤の共通部分の紫の部分に絞られます。

そして紫の部分がしきつめられない例はさきほど書いたように存在しているので紫の小正方形4箇所が答えとなります。

塗り分けは算数オリンピックでも使われているテクニックです。


(4)は簡単に書きます。
これも答えは簡単にわかりますが,それが正しいのか論理的に書いておきます。
すきまなく並べられる正多角形の内角は360°の約数であることから大きい方から360°と180°のぞいて120°,90°,…なので120°以下です。
そして正多角形の内角は正三角形の場合が一番小さく60°以上です。
正三角形は60°,正四角形は90°,正五角形は108°,正六角形は120°でこのうち360°の約数になってるのは60°,90°,120°の3種類とわかります。


試験中にしきつめられない箇所は4箇所しかないことを示すのは難しいとは思うので,まずは前の問いをヒントに答えを書けることが目標です。
余裕があれば何故正しいのか,解法の道具や,考え方も勉強すると答えに漏れがあるかもしれない意識が芽生え点数につながっていくと思います(畠田)

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六甲中学校 入試分析 算数 (A日程) 2018(H30)

2018.05.16 21:19|入試問題分析(算数)
今回は六甲学院中学校のA日程です。

今年は238人の受験者数に対して168人の合格者。実質倍率が1.42倍です。

各教科の受験者平均が,国語96.4/150点,算数94.7/150点,理科59.9/100点に対して
合格者平均が,国語100.7/150点,算数108.1/150点,理科63.6/100点です。
この受験者平均と合格者平均の国語と理科の差が小さいだけに算数の合否への影響が大きいです。

それでは問題を取り上げます。

(問題)H30 六甲学院中学校 A日程 算数 大問4
各辺を5等分した正方形に,右の図のような三角形㋐,㋑,㋒,㋓を作りました。㋐,㋑,㋒の面積がそれぞれ3㎠,1㎠,2㎠のとき,㋓の面積は何㎠ですか。

roko2018m1.jpg



roko2018k1.jpg
㋒+㋐の2倍は図の青い部分の面積と等しいです。

roko2018k2.jpg
㋓+㋑の2倍は図の緑の部分の面積と等しいです。

(㋒+㋐):(㋓+㋑)=(青の面積):(緑の面積)=2:1
より
㋓+1=(2+3)÷2=2.5㎠
㋓=1.5㎠


等積変形など普段の勉強がそのまま点数につながります。
確実に稼げるようにがんばりましょう。(畠田)
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洛星中学校 入試分析 算数 2018(H30)期

2018.05.09 17:41|入試問題分析(算数)
今回は洛星中学校の前期を扱います。

きっちりそれが答えであると言うことを判断するのが難しい問題です。

(問題)H30 洛星中学校 前期 算数 大問6
たて1cm,高さ1cm,横2cmの直方体を【2ブロック】,
たて1cm,高さ1cm,横3cmの直方体を【3ブロック】,…
のように呼ぶことにします。ただし,横の長さは整数とします。
rakusei2018m1.jpg

たて1cm,高さ1cmで横が十分に長い箱を3個用意し,図のように左端をそろえて並べます。これらの箱に,ブロックを左端から順に,次の<<ルール>>にしたがってつめていきます。
rakusei2018m2.jpg

<<ルール>>
① ひとつの箱には,同じ種類のブロックを左端から順につめる
② 箱ごとに異なる種類のブロックを使う

このように順につめたとき,左端から何cmかのところで,初めて3つの箱のブロックの右端がすべてそろうところがあります。この長さを「そろった長さ」と呼ぶことにし,左端からそこまでをつめるのに使ったブロックの個数の合計を「使った個数」と呼ぶことにします。

たとえば,【2ブロック】【3ブロック】【4ブロック】を使ってつめるとき,「そろった長さ」は12cmで,「使った個数」は13個です。
rakusei2018m3.jpg

(1)【4ブロック】【5ブロック】【6ブロック】を使ってつめるとき,「そろった長さ」と「使った個数」を求めなさい。

(2)【3ブロック】【8ブロック】ともう1種類のブロックを使ってつめたところ,「そろった長さ」は72cmとなりました。もう1種類のブロックは何ですか。考えられるものをすべて答えなさい。
ただし,「【4ブロック】,【5ブロック】」と答えるときは,4,5のように答えなさい。

(3) 3種類のブロックを使ってつめたとき,「そろった長さ」は180cmとなりました。このようなブロックの組み合わせを考えるとき,
(ア) 「使った個数」が一番少ない場合
(イ) 「使った個数」が一番多い場合
について,3種類のブロックと「使った個数」をそれぞれ答えなさい。
ただし,(ア)も(イ)も【1ブロック】と【180ブロック】は使わないものとします。



そろった長さはブロックのLCM
使った個数はLCM÷(ブロックの横の長さ)の和となります。

(1)(2)は簡単に答えます。

(1)使った長さは4,5,6のLCMで60cm
使った個数は60÷4+60÷5+60÷6=15+12+10=37個

(2)3と8とAのLCMが72となるようなAを求めることになります。
72=3×3×2×2×2
なのでAは9の倍数かつ72の約数より
9,18,36,72とわかりました。

(3)
(ア)「使った個数」が一番少なくなるのはブロックの横の長さが基本的には大きければ良いので180の約数で180を除いて大きい順に考えてみると90,60,45,…です。
ところが90,60,45のLCMは180なのでこの組み合わせは可能なので、この時が「使った個数」は一番少なくなることがわかってしまいます。
【45ブロック】【60ブロック】【90ブロック】の場合で
180÷90+180÷60+180÷45=2+3+4
9個

(イ)180=2×2×3×3×5よりブロックの横の長さは
2×2と3×3と5の素因数を持つものがないといけません。

「使った個数」が一番多くなるには,ブロックの横の長さを基本的には短くする必要がありますが単純に比べるのが難しいので場合分けして整理して考えます。

3つの素数
大,中,小
があってLCMが
小×小×中×中×大
になるような3つの整数を考えることになります。

○小×小と中×中と大がそれぞれ別々の場合
(小×小,中×中,大)
の組み合わせが「使った個数」が一番多い場合になります。
つまり(4,9,5)で180÷4+180÷9+180÷5=45+20+36=101個

○小×小と中×中と大のうち2つがセットになる場合
1つがフリーになるので「使った個数」が一番多くなるには小を1つ使う場合に限られます。

(a) 小×小と中×中がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小×中×中,大)
つまり(2,36,5)で180÷2+180÷36+180÷5=90+5+36=131個

(b) 小×小×大がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小×大,中×中)
つまり(2,20,9)で180÷2+180÷20+180÷9=90+9+20=119個

(c) 小×小×大がセット
「使った個数」が一番多いのは
(小,小×小,中×中×大)
つまり(2,4,45)で180÷2+180÷4+180÷45=90+45+4=139個

○小×小と中×中と大がセットになる場合
180になるので不適です。

以上より「使った個数」が一番多いのは
【2ブロック】【4ブロック】【45ブロック】の場合の139個


本番中には完璧な論理で「使った個数」が一番多い場合など考えるのは難しいかもしれませんが,単純に小さければいいと言うわけではない問題があることをこの問題を通して知っておいて,あらゆるパターンを実際に書いてみて考えましょう(畠田)
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四天王寺中学校 入試分析 算数 2018(H30)

2018.05.04 14:26|入試問題分析(算数)
今回は四天王寺中学校です。

入試データですが医志コースは合格点に達していなくても英数Ⅰ・Ⅱの変更合格があるので英数ⅠまでのラインとⅡまでのラインと医志までのラインで分析します。

医志コースと英数Ⅰ・Ⅱ合算
受験者数621 合格者数471 実質倍率1.31 合格最低点236/400

医志コースと英数Ⅱ合算
受験者数621 合格者数296 実質倍率2.10 合格最低点269/400

医志コース
受験者数459 合格者数77 実質倍率5.96 合格最低点308/400

各教科の平均点は
(科目,受験者平均,合格者平均,最高点,満点)
(国語,79,82,107,120)
(社会,58,60,78,80)
(算数,85,91,114,120)
(理科,43,46,75,80)
で医志コースと英数ⅠⅡまでの合算なので合格者平均がほとんど意味がないですが合格者最高点と受験者平均の得点率を計算すると
(科目,受験者平均,最高点)
(国語,66%,89%)
(社会,73%,98%)
(算数,71%,95%)
(理科,54%,94%)
算数は得点率の高い争いでミスが許されなかったであろうと言うことがわかります。


それでは差がついたであろう場合の数の問題を扱います。

(問題)H30 四天王寺中学校 算数 大問6番
Aさんの箱には[1],[3],[5],…,[19]の奇数が書かれた10枚のカードが,Bさんの箱には[2],[4],[6],…,[20]の偶数が書かれた10枚のカードが入っています。これらを使って2人でゲームをします。

ルール
(ア) 2人同時に自分の箱からカードを1枚ずつ取り出す。
(イ) 数の大きいカードを出した人がその2枚のカードをもらい,自分の箱に入れる。
(ウ) 自分の箱に入っているカードの数の合計をそれぞれの得点とする。

① ゲームを始める前の,AさんとBさんの得点はそれぞれ何点ですか。

② 1回目にAさんが[11],Bさんが[6],2回目にAさんが[3],Bさんが[14],3回目にAさんが[6],Bさんが[2]を取り出しました。
3回目が終わったときのAさんの得点は何点ですか。

③ 2回目が終わったとき,2人の得点が等しくなりました。このような2人のカードの取り出し方は何通りありますか。



①,②は簡単に書きます

①Aは1から19までの10個の奇数の和なので
(1+19)×10÷2=100点
Bは2から20までの10個の偶数の和なので
(2+20)×10÷2=110点

②Aさんの得点のうつりかわりは
100→106→103→105
なので105点
この時Bさんも105点ですね

③二人の得点が同じなのは105点になったときなので
2回でAさんが100点から+5で105点になる場合のことになります。

+5は奇数で
(偶数)+(偶数)=(偶数),(偶数)+(奇数)=(奇数),(奇数)+(奇数)=(偶数)より2回で奇数の点増加するにはAが
1回目奇数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目偶数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合に限ります。

1回目偶数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目奇数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合はないので1回目にもらったカードを2回目に渡すことはありません。

なので整理するとAが
1回目失点,2回目得点
1回目得点,2回目失点
の場合を考えたらよいことがわかります


(i)Aが1回目失点,2回目得点

1回目-1,2回目+6の時
1回目(A,B)=(1,2か4か6か8か10か12か14か16か18か20)の10通りで
Aのカードは3,5,7,9,11,13,15,17,19で1なし
Bのカードは2,4,6,8,10,12,14,16,18,20ともらった1
2回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで合計10×7通り

1回目-3,2回目+8の時
1回目(A,B)=(3,4か6か8か10か12か14か16か18か20)の9通り,2回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通りで合計9×6通り

1回目-5,2回目+10の時
1回目(A,B)=(5,6か8か10か12か14か16か18か20)の8通り,2回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通りで合計8×5通り

以下規則性から同様にして合計
10×7+9×6+8×5+7×4+6×3+5×2+4×1=224


(i)Aが1回目得点,2回目失点

1回目+6,2回目-1の時
1回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで
Aのカードは1,3,5,7,9,11,13,15,17,19ともらった6
Bのカードは2,4,8,10,12,14,16,18,20で6なし
2回目(A,B)=(1,2か4か8か10か12か14か16か18か20)の9通りで合計7×9通り

1回目+8,2回目-3の時
1回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通り,2回目(A,B)=(3,4か6か10か12か14か16か18か20)の8通りで合計6×8通り

1回目+10,2回目-5の時
1回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通り,2回目(A,B)=(5,6か8か12か14か16か18か20)の7通りで合計5×7通り

以下規則性から同様にして合計
7×9+6×8+5×7+4×6+3×5+2×4+1×3=196

よって224+196=420通りとわかりました。


このように少し複雑な数える問題でも具体的に書きだして規則性を見つけるとミスなく数えられることができます。
練習して差をつけられたらいいですね。(畠田)
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