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甲陽中学校 算数(1日目) 2019(H31)入試分析

2019.02.28 17:19|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田和幸です。

甲陽学院中学算数1日目の問題をとりあげたいと思います。

【入試資料分析】
受験者数 389名→363名→350名→349名→317名→382名→369名→402名→393名
合格者数 218名→216名→219名→219名→215名→220名→219名→222名→220名
実質倍率 1.78倍→1.68倍→1.60倍→1.59倍→1.47倍→1.74倍→1.68倍→1.81倍→1.79倍去年に引き続き今年も例年より高めの倍率となりました。

各科目の得点情報は算数1日目は平均点が高かったですが2日目の平均点はかなり低くく1日目と2日目の問題の難易度の差が激しい結果になりました。
受験者平均
国語① 64.9→49.4→63.1→62.0→56.5→53.6→55.2→56.9
国語② 59.9→59.0→69.5→49.3→60.7→59.7→52.8→60.8
算数① 56.0→49.8→60.3→62.1→58.3→58.9→62.1→63.8
算数② 54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3→40.3
理科  54.7→52.1→67.9→53.7→59.8→56.9→47.9→62.8
合格者平均
国語 132.0→114.9→138.1→117.7→125.4→119.9→117.1→125.2
算数 128.6→122.6→138.3→127.2→119.0→130.5→141.4→122.6
理科 58.8→58.1→71.7→57.1→59.8→60.6→53.3→67.6

算数の(①の平均点)+(②の平均点)は
110.0→106.1→121.7→115.2→105.8→113.2→120.4→104.1
これと合格者平均との差は
18.6→20.5→16.6→12→13.2→17.3→21→18.5

結果として算数合計でも例年より低めとなりました。

しかし対策すれば解けるような問題ではあったので,算数で差をつけることも出来る試験でもあったと思います。
第一日の目標は8割です。


【問題分析】
○大問1
基本問題のうち捻ったものがうまく出題されています。
正解してほしいところです。
(1)
kouyou_2019_1_m1-kaisetu1.jpg
点Oについて対称に弦を描けば円から正方形を取り除いた部分の4等分したものとわかります。
(10×10×3.14-10×10)÷4=53.5cm^2
今年の灘の1日目でも同じ解法が使える問題がありました

(2)上に2回,右に2回,斜めに1回進めばいいので,進み方は↑↑→→↗の並べ方と1対1に対応する。よって並べ方は↗の場所は5通り,残り4つの場所から2つ選んで↑↑を入れて
5×(4×3÷2)=30通り
数学的な解き方ですが,この解き方でなくてもどの斜めの線を通ったかで場合わけして全部足すなどして求められます。
力技で求めることも大切なことです。


○大問2
特に何もない普通のニュートン算の問題です。素早く正確にあわせておきたいです。
(1)(2)始めにたまっていた水の量を☐cm^2,排水口1つが1分で排出できる水の量を①cm^2とすると
☐=(④-270)×24
☐=(⑤-270)×16
これで(④-270)×24=(⑤-270)×16より①=135,☐=(135×4-270)×24=6480
とわかります。
(3)6480÷(135×7-270)=9.6より9.6分


○大問3
正六角形を6つに正三角形に分割して正三角形のマス目で比を考えるよくある問題です。
しっかりあわせたいですね。
(1)
kouyou_2019_1_m3-kaisetu1.jpg
青の三角形は正六角形の2/6=1/3です。
HI:BD=1:2,HIとBDを底辺と考えると高さの比は5:4になるので
18×1/3×1/2×5/4=15/4cm^2とわかります。
(2)
kouyou_2019_1_m3-kaisetu2.jpg
(緑+赤)の三角形は青の三角形と底辺が同じ長さで高さは2/3
赤の三角形は正六角形の1/24より
(18×1/3)×2/3-18×1/24=13/4cm^2


○大問4
特に何もない普通の旅人算です。
基礎をしっかり練習して素早く正確に固めておきましょう。

(1)円周の一周の長さを[90]とすると,A,B,Cは[30]ごとに等間隔に並んでる状態から出発することになります。それぞれの速さの差は
A-B [30]÷6=[5],A-C [60]÷20=[3],これらの差から
C-B [5]-[3]=[2]でCがBに追いつくのは[60]÷[2]=30分後
(2)Aの速さは[90]×10÷30=[30]/分
Bは[30]-[5]=[25]/分より[90]÷25=3分26秒
Cは[30]-[3]=[27]/分より[90]÷27=3分20秒


○大問5
よくある普通の回転体の問題です。
確実にとりましょう!
(1)
kouyou_2019_1_m5-kaisetu1.jpg
赤の三角形を緑に移動させると,相似から半径が3×4/5,高さが5cmの円柱となり
12/5×12/5×3.14×5=90.432cm^3
(2)ADを母線にした円すいの側面と,BCを母線にした円すいの側面と,ABが回転することで出来る円柱の側面の和なので
(3×12/5×3.14)×2+12/5×2×3.14×5=120.576cm^2


○大問6
間違えるとしたらこの問題です。
最後の問題で時間も少ないし焦りやすいので,規則性の問題の解き方にどれだけ慣れているかがポイントです。

(問題)H31 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問6番
次のように数が並んでいます.ただし,1行目には1から19までの19個の整数が並んでいます。
kouyou_2019_1_m6-1.jpg
(1)5行目の一番左の数はないですか.

(2)19行目の数は何ですか.

(3)これらの数全体の中に17の倍数は何個ありますか.


[解説]
(1)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu1.jpg
書きくだして48になります。
このように実際書いてみて,規則性を見いだすように誘導されています。

(2)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu2.jpg
1から5までの整数なら,(1+5)÷2=3を3-1=2回4倍して3×4×4=48
同じようにやると1から19までの整数なら,(19+1)÷2=10を10-1=9回4倍して
10×4×4×4×4×4×4×4×4×4=2621440

(3)
kouyou_2019_1_m6-kaisetu3.jpg
赤い矢印のように両端以外の整数を4倍すると2段下の整数になります。
1行目の17からは右から3個目で,4倍ずつしたのが縦に3個並びます。
2行目の17からは左から8個目で同様にして、4倍ずつしたのが縦に8個並びます。
よって17の倍数は3+8=11個とわかります。
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筑波大学附属駒場中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)

2019.02.27 20:31|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。

今回は筑波大学附属駒場中学校の問題を取り上げます。

【入試資料分析】
倍率は例年並みです。
受験者数624人で合格者129人の倍率4.84倍

筑駒では最高点と最低点しか発表されていませんが、今年は最低点がここ10年でもっとも低かったです。
算数、国語、理科、社会、調査書、各100点ずつの500点満点で最高388点、最低322点


算数の問題は難しい問題というわけではなく素早い処理が求められる筑駒らしい問題でした。
ただし大問2問は書き上げた人と,問題のアプローチの仕方がわかった人でかかった時間と正解率に差が出たかもしれません。
大問4がすぐに出来ることを考えると,大問2などに時間をとられてしまって大問4にかける時間がないと点数がとれないので筑駒の過去問で戦略を研究して慣れておくことが重要です。
目標は8割です。
筑駒の傾向にあわせた対策と,時間配分を意識して練習していけば合格点とれます!



【問題分析】
○大問1
筑駒の問題は小さい数で書き下して規則性を見つけて,他の数の場合にあてはめるのが基本です。
非常に筑駒らしい処理になり,満点を狙いたいところです。
看板の番号と,その看板と0の看板の間の距離は
1…1
2…1/2
3…1/4
4…3/4
5…1/8
6…3/8
7…5/8
8…7/8
9…1/16
10…3/16
11…5/16
12…7/16
13…9/16
14…11/16
15…13/16
16…15/16
これを見ると
1 | 1/2 | 1/4,3/4 | 1/8,3/8,5/8,7/8 | 1/16,3/16,5/16,7/16,9/16,11/16,13/16,15/16|…
のように例えば
4群目の最後は全体で2×2×2=8番目で,分母が2×2×2=8で分子は奇数が4個
5群目の最後は全体で2×2×2×2=16番目で,分母が2×2×2×2=16で分子は奇数が2×2×2×2=8個
となるような群数列です。

31の看板は
2×2×2×2=16,2×2×2×2×2=32から6群目の中の31-16=15番目より分母は32で分子は15番目の奇数2×15-1=29。
したがって29/32kmです。

(2)2019の看板は
(2が10個の積)=1024,(2が11個の積)=2048より11群目の中の2019-1024=995番目より分母は2048,分子は995番目の奇数2×995-1=1989より1989/2048km

よってに1989/2048-29/32=133/2048km

(3)例えば工事3の図を見ると看板0から8までなら1/8kmずつの間隔で並んでいます。
看板0から2048では1/2048kmずつの間隔で並んでいることになるので2019個目の看板は2019-1=2018に注意して
0の看板から2018/2028=1009/1024kmのところにあります。
これは1024=(2が10個の積)より11群目の中の(1009+1)÷2=505番目です。
よって10群目の最後は全体で(2が9個の積)=512番目より全体で512+505=1017番目
つまり1017の看板とわかりました。


大問2
この問題を取り上げようと思います。


大問3
(1),(2)は基礎的な問題で落とせません。
(3)では少し複雑になっていきますが,ちょっと工夫する程度なのであわせたいところです。
(1)赤と白の進んだ長さの差が15mになればよいので
15÷(3.5-2)=10秒後
白はこのとき2×10=20m進むので15で割ると20÷15=1余り5よりAからの距離は5m

(2)(1)より赤と白は10秒ごとに一致します。
赤と青の進んだ長さの和が15cmになればよいので
15÷(3.5+1.3)=25/8
よって25/8秒ごとに赤と青は一致。
したがって10,20,30,…と25/8,25/8×2,25/8×3,…が最初に一致するのは50なので
50秒後
このとき白は2×50=100m進むので100÷15=6余り10よりAからの距離は10m

(3)(2)より赤と青は25/8ごとに一致
白はAからB,BからAまでそれぞれ15÷1.5=10秒ずつかかる。

0~10,20~30,40~50,…秒では白が往復せずにAを出発しBに到着した瞬間に再びAで点灯した動きと同じです。
もし白がこのA→Bを繰り返す動きしかないとすると
15÷(3.5-1.5)=15/2秒ごとに一致
25/8,25/8×2,25/8×3,…と15/2,15/2×2,15/2×3,…が最初一致するのは75/2より75/2秒ごとに一致する。
実際は0~10,20~30,40~50,…秒の間だけなのでこの場合に最初に一致するのは37.5×5=187.5秒

10~20,30~40,50~60,…秒では白が往復せずにBを出発しAに到着した瞬間に再びAで点灯した動きと同じです。
もし白がこのB→Aを繰り返す動きしかないとすると
15÷(3.5+1.5)=3秒ごとに一致
25/8,25/8×2,25/8×3,…と3,6,9,…が最初一致するのは75より75秒ごとに一致する。
実際は10~20,30~40,50~60,…秒の間だけなのでこの場合に最初に一致するのは75秒です。
よって75秒とわかりました。

このとき赤は3.5×75=262.5m進むのでAからの距離は262.5÷15=17余り7.5から7.5m

○大問4
(1),(2)は基本的で落とせません。(3)も△ABC+扇形としてしまいそうですが筑駒受けるならばこの程度はミスがないようにとりたいですね。

(1)(ア)の操作後のAの位置をA'とするとCA=CA'=AA'で正三角形なので
30°+60°+60°=150°

(2)(ア)(イ)(ウ)の操作でBAはAを中心に150°回転し
Aは半径5cm、中心角60°×2=120°度の円弧をえがきます。
150°と360°の最小公倍数は150°×12=1800°より(ア)(イ)(ウ)を12回繰り返します。
2×5×3.14×120°/360°×12=12.56cm

(3)
tukubakoma_2019_m4-kaisetu1.jpg

回転させると図のように点Bの回転による弧BB'は線分ABから飛び出すので注意してください。
きっちり点Cを中心にそれぞれの点を60°回転させましょう。
弧BB'と線分ABとの交点をDとするとCB=CD,∠DBC=75°より∠DCB=30°とわかり30°問題なので△ABCの面積と△DBCの面積はわかります。
求める面積は
(扇形CBD)+(扇形CAA')+(△ABC-△CBD)
=2.6×2.6×3.14×30°/360°+5×5×3.14×60°/360°+(5×5÷4-2.6×2.6÷4)
19.4122cm^2



(問題)2019年度 筑波大学附属駒場中学校 算数 大問2
長さが1cmのまっすぐな線をいくつか紙にかいて図形をつくります。
紙から鉛筆をはなさずに,この図形上のある1点Aから,すべての線をなぞってAに戻ることを考えます。
tukubakoma_2019_m2-1.jpg
例えば,4本の線でつくった図形1は,Aからすべての線を1回ずつなぞってAに戻れます。このとき,なぞった線の長さは4cmです。

tukubakoma_2019_m2-2.jpg

また,(あ)~(き)の7本の線でつくった図形2は,Aからすべての線を1回ずつなぞってAに戻ることはできませんが,(え)の線を2回なぞれば,他の線を1回ずつなぞってAに戻れます。このとき,なぞった線の長さは8cmです。

次の問いに答えなさい。
なお,すべての線をなぞってAに戻るまでの間で,Aを何度通ってもよいものとします。

(1)tukubakoma_2019_m2-3.jpg

(ア)~(コ)の10本の線でつくった図形3には,そのうち2本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さ12cmのなぞり方があります。
このとき,2回なぞる2本の線の選び方は2通ります。
それぞれの選び方で,2回なぞる2本の線はどれですか。
2回なぞる2本の線の組み合わせを,(ア)~(コ)の記号で答えなさい。

(2)tukubakoma_2019_m2-4.jpg
12本の線でつくった図形Aには,そのうち4本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さが16cmのなぞり方があります。このとき,2回なぞる4本の線の選び方は何通りありますか。

(3)tukubakoma_2019_m2-5.jpg
17本の線でつくった図形5には,そのうち5本の線を2回,他の線をちょうど1回ずつなぞってAに戻る,長さが22cmのなぞり方があります。このとき,2回なぞる5本の線の選び方は何通りありますか。



[解説]
一筆書きの問題です。
奇数本交わるところを奇点、偶数本交わるところを偶点とすると一筆書きが出来る条件は
○全て偶点である
または
○奇点が2つで奇点からはじまる

です。
この問題の場合は,Aからスタートするので全て偶点になればよいことになります。

一筆書きの問題のようにきっちり基本的事項は抑えているか,整理の仕方などが問われています。
(1)だけは落としてはいけません。
(2)と(3)どちらかは正解しておきたいです。

(1)tukubakoma_2019_m2-kaisetu1.jpg
奇点(赤色)が4つあるので,ここが偶点になるように2本線を入れて結びます。
緑の㋑と㋘,青の㋔と㋕
の2つになります。

(2)tukubakoma_2019_m2-kaisetu2.jpg
奇点がE,B,C,Dの4つあるので,ここが偶点になるように4本線を入れます。
Bは点Eか点Cか点Dと結ぶことになります。

BとE,CとDを結ぶ時,それぞれ青の場合と緑の場合の2通りずつで2×2=4通り

BとC,EとDを結ぶ時,それぞれ青の場合と緑の場合の2通りずつで2×2=4通り

BとD,CとEを結んだ時の1通りを2重に数えてるので4+4-1=7通り

(3)tukubakoma_2019_m2-kaisetu3.jpg
BとG,CとD,EとFを結ぶとき青と緑の2通りずつで2×2=4通り
BとC,GとF,DとEを結ぶとき青と緑の2通りずつで2×2=4通り
BとE,GとF,CとDを結ぶとき1通り
よって4+4+1=9通りになります。

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灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その3

2019.02.26 19:48|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。
前回の続きで灘中学校、2019年度算数2日目大問4,大問5をとりあげます。

大問4は高校数学の整数問題で普通に解ける問題ですが誘導に載って解いたとしても,基本的な考え方は素因数分解で,素因数分解の勉強になります。
大問5は立体をとらえるときに,高校数学では積分で体積を求めるときに断面を考えてますが,この問題も断面を考えることによって立体をとらえる問題です。類題がこれまで他の学校でも出題されてきましたが,断面の誘導が強く出ていて,断面で立体をとらえる勉強になります。


○大問4
どの辺の長さも,3cmのように整数に単位cmをつけて表される長方形を「整長方形」ということにします。ただし,正方形は整長方形に含めないことにします。

(1)整長方形の周の長さがa cm,面積がa cm^2であるとき,aにあてはまる整数は次の説明文のようにして求めることができます。空欄①,②,③に入る適当な数を答えなさい。
ただし,同じ番号の空欄には同じ数が入ります。

説明文
H31nada2-4-m1_20190219155601d69.jpg

右の図のように,整長方形ABCDがあり,周の長さはa cm,面積はa cm^2であるとします。
辺AB上に点P,辺BC上に点Q,辺CD上に点R,辺DA上に点Sを,直線PRと直線BCが平行で,直線SQと直線DCが平行になるようにとります。
BPの長さとSDの長さがどちらも[ ① ]cmであるとき,整長方形PBCRの面積と整長方形SQCDの面積の和はa cm^2になります。このとき,直線PRと直線SQが交わる点をTとすると,整長方形APTSの面積は[ ② ]cm^2になります。
このことから,整長方形APTSの直角をはさむ2辺の長さとして考えられるのは1cmと[ ② ]cmとなるため,aにあてはまる整数は[ ③ ]です。

(2)整長方形の周の長さがa cm,面積が(a×2)cm^2であるとき,aにあてはまる整数をすべて求めなさい。

(3)整長方形の周の長さがa cm,面積が(a×2+8)cm^2であるとき,aにあてはまる整数をすべて求めなさい。


[解説]
これは誘導に乗らなくても2辺の長さをx,y(x>y)とすれば
(1)はa=2×x+2×yで2×x+2×y=x×yという不定方式をとけばよくなります。
甲陽などでもx,yを自然数として2数の和と積が等しいx,yを求めろ(x+y=xyを解け)と言う問題がありましたが,同じように解けば
((xが2個分)+(yが2個分))は(xが4個分)より小さい
x×yを(xがy個分)と考えると,xは4個未満(3個以下)にならないといけなかったのでy=1,2,3のみ調べればよくなり(x,y)=(6,3)と解けました。
もっと数学の知識を使って式変形をすると
(x-2)×(y-2)=4
とやって4の約数の組みあわせを考えて
(x-2,y-2)=(4,1)より(x,y)=(6,3)とすぐに出ます。
(2)は4×x+4×y=x×yを解けばよく(x-4)×(y-4)=16と変形して(x-4,y-4)=(16,1),(8,2)より(x,y)=(20,5),(12,6)
(3)も4×x+4×y+8=x×yを解けばよく(x-4)×(y-4)=24と変形して(x-4,y-4)=(24,1),(12,2),(8,3),(6,4)と求めていけます。

誘導の意図をつかむ時間よりも安定して解けるので,このようにまず泥臭く勉強して解いて点数の最低値を底上げすることも合格するのに大切だと思います。

今回は問題の意図に沿って誘導に乗って解く方法を解説したいと思います。
(1)PBとSCの長さが等しいので長方形PBCRと長方形SQCDを並べて図のように長い長方形することが出来てこの面積がa cm^2になります。
H31nada2-4-kaisetu1 (1)
この長い長方形は底辺の長さが周の半分でa÷2 cmで,高さを☐ cmとすると
(a÷2)×☐=a
なので☐=2とわかります。
正方形TQCRは2×2=4なので
(長方形ABCD)=(長方形APTS)+(長方形PBCR)+(長方形SQCD)-(正方形TQCR)
より
a=(長方形APTS)+a-4
なので長方形APTSの面積は4cm^2とわかります。
よって1×4の組み合わせしかないのでa=((1+2)+(4+2))×2=18とわかりました。

(2)同じように
(a÷2)×☐=2×aから☐=4で長方形APTSの面積は4×4=16
16=1×16,2×8より
aは((1+4)+(16+4))×2=50と((2+4)+(8+4))×2=36

(3)同じように
(a÷2)×☐=2×aから☐=4で長方形APTSの面積は4×4+8=24になればよいので
24=1×24,2×12,3×8,4×6よりaは
((1+4)+(24+4))×2=66,((2+4)+(12+4))×2=44,((3+4)+(8+4))×2=38,((4+4)+(6+4))×2=36
とわかりました。


○大問5
一辺の長さ4cmで中身がつまった2つの立方体A,Bがあります。立方体Cは一辺の長さが12cmで,はじめ,図のように立方体Aの上面は立方体Cの上面の㋐に,立方体Bの上面は立方体Cの上面の㋒に重なっています。立方体Aは回転することなく一定方向に進み,下面が立方体Cの下面の㋑に到着しました。そののち,立方体Bは回転することなく一定方向に進み,下面が立方体Cの下面の㋓に到着しました。このとき,立方体Aが通過した部分をX,立方体Bが通過した部分をYとして,XとYが重なった部分をZとします。
H31nada2-5-m1.jpg


(1)右の図は,立方体Cの下面から9cmの高さにある平面でZを切ったときの真上から見た切り口をかき入れたものです。その平面と面PQRSの交わりを太線で表しています。立方体Cの下面から8cm,7cm,6cmの高さにある平面でZを切ったときの真上から見た切り口を,右の図にならってそれぞれかき入れなさい。
H31nada2-5-m2.jpg

解答欄
H31nada2-5-m3.jpg


(2)Zのうち,立方体Cの下面から8cmの高さにある平面と10cmの高さにある平面ではさまれた部分の体積を求めなさい。

(3)Zのうち,立方体Cの下面から6cmの高さになる平面と8cmの高さにある平面ではさまれた部分の体積を求めなさい。



[解説]
類題が難関校でよく出ている問題です。
灘で出やすい分野、お題です。
XとYの共通部分の立体を考えて断面を調べるのではなく,XとYそれぞれの断面を考えてその共通部分を調べる
上面と下面の通過部分を考える
しっかり練習しておけばアプローチに迷うことはなかったと思います。

(1)XとYを別々に断面を考えてから共通部分をとります。
H31nada2-5-kaisetu3.jpg
H31nada2-5-kaisetu4.jpg
H31nada2-5-kaisetu5.jpg

断面において動かす立方体の上面が通ったところ,下面が通ったところを描いて対応する頂点を結べば断面ができます。
青がXの断面,赤がYの断面です。
青と赤の共通部分が求める断面になります。

(2)共通部分をイメージするのではなく断面を元に共通部分の立体をとらえます。
高さ8cm,9cmの断面はかいているので10cmの断面を考えてみると
H31nada2-5-kaisetu6.jpg
高さ10cmは立方体A,Bの最初の位置の下面より上なので,下面が最初の位置であると考えて描けばよく図のようになります。

XとYの共通部分は図の黒い線になります
これら高さが8cm,9cm,10cmの断面図から,黒い点が同じ位置にあることに注意して立体の図を描いてみます。
H31nada2-5-kaisetu1.jpg
底面積が4×2÷2=4cm^2,平均の高さが(4+4+4)÷3=4cmの断頭三角柱の部分と
青い部分の底面積が4×2÷2=4cm^2高さが2cmの三角すいに分けて考えて

4×4+4×2÷3=56/3cm^3
とわかります。

(3)高さ6cm,7cm,8cmの断面の図から考えて黒い点が同じ位置であることに注意すると
図のようになります
H31nada2-5-kaisetu2.jpg
対角線の長さが8cmずつの正方形を底面とした高さ2cmの直方体から
底面積が4×2÷2=4cm^2,高さが2cmの青い三角すい3つを取り除いて
8×8÷2×2-4×2÷3×3=56cm^3

とわかりました。

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灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その2

2019.02.16 18:37|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。
前回の灘中学校、2019年度算数2日目大問1と大問2に続いて大問3をとりあげます。

ただ単に頂点を通った光はどこに到達するか考えて結べばいいだけの問題ではなく,辺を通った光がどう到達するか考えないといけない問題なので,曖昧な理解を明確な理解にレベルアップさせてくれる非常に良い問題です。
きちんとした論理の組み立てとしては算数に役立つ数学的な空間図形で勉強になります。


○大問3
右の図のように,板①と板②が垂直に置かれています。板①と板②のつなぎ目の直線をXYとします。板①にかかれた正方形ABCDは一辺の長さが10cmです。また,直線ADと直線XYは平行で,ABとXYが交わる点をEとすると,AEの長さは10cmです。BFは長さが10cmで,板①に垂直であり,点Fに電球が置かれています。電球の大きさは考えないものとします。
H31nada2-3-m1.jpg

(1)
一辺の長さが10cmの正方形の板を,板②と平行に,1つの辺がADと重なるように置きます。板①と板②にできるこの正方形の板の影の面積の和は
[   ]cm^2です。ただし,板は光を通さず,板の厚さは考えないものとします。
H31nada2-3-m2.jpg

(2)
底辺の長さが10cmで高さが10cmの二等辺三角形の板を,板②と平行に,底辺がADと重なるように置きます。板①と板②にできる二等辺三角形の板の影を,例にならって右ページの上の図にかきいれなさい。
H31nada2-3-m3.jpg


H31nada2-3-m4.jpg


H31nada2-3-m5.jpg
解答欄

(3)
一辺の長さが10cmの正方形を底面とし,高さが10cmである四角すいの石像を,底面が正方形ABCDと重なるように置きます。この四角すいのA,B,C,D以外の頂点をOとすると,OA,OB,OC,ODの長さはすべて等しくなっています。この四角すいの石像の影が板①と板②にできます。
H31nada2-3-m6.jpg

(ア)板①と板②にできる四角すいの石像の影を,(2)の例にならって右の図に書きいれなさい。
H31nada2-3-m5.jpg
解答欄

(イ)板①と板②にできる四角すいの石像の影の面積の和を求めなさい。ただし,正方形ABCDは含めません。



[解説]
(1)は図のように真上から見た図でFとA,FとDを結んで直線を引いてXYとの交点E,E'をとり,AとDとEとE'と板②のFの影の2点の各点を結べばよく図のようになります。
H31nada2-3-kaisetu1.jpg

これで面積は20×20-10×10÷2=350cm^2と出せます。

ただ(2)と(3)では板①や②に垂直または平行ではない辺が出てくるので,影はどう求めればいいかできるもう少しはっきりさせる必要があります。

そこで辺による影が影の境界になるので
その辺の両端の点と点Fの3点を通る平面を考えて,その平面と板①や,その平面と板②の交線(平面が交わって出来る直線)が影の境界になります。

(2)
H31nada2-3-kaisetu2_201902161841476bb.jpg
二等辺三角形の頂点Gとして辺GAによる影は,3点F,G,Aを通る平面との交線になると考えます。すると直線FGと板①は平行なので板①にできる境界は点Aを通り直線FGと平行な直線上になります。
同じように考えて辺GD側による境界も,点Dを通り直線FGと平行な直線上になります。
H31nada2-3-kaisetu3.jpg
板②の方は板①に出来た影の境界とXY上の交点と,光が点Gを通って板②に到達した点をそれぞれ結んでこのようにできあがります。

(3)同じように辺OAによる影は,3点F,O,Aを通る平面との交線になると考えます。すると直線FOと板①は平行なので板①にできる境界は点Aを通り直線FOと平行な直線上になります。
辺OD側も同じです。
H31nada2-3-kaisetu4.jpg

板②の方も同様にしてこのようにできあがります。

面積はマス目14個分より5×5×14=350cm^2とわかります。


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灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その1

2019.02.15 14:30|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田です。

灘中学校、算数2日目をとりあげます。

【入試資料分析】
今年の算数2日目の特徴は1日目と同じで平均点がここ10年でも一番低いことです。
受験者平均,合格者平均の差はそんなに大きいわけでもありませんでした。
そして大問の数が4から5に増えました。

受験者平均
(H24)71.4,(H25)54.9,(H26)49.7,(H27)52.7,(H28)50.8,(H29)48.4,(H30)54.8,(H31)44.5
合格者平均
(H24)86.2,(H25)70.3,(H26)63.9,(H27)64.6,(H28)61.2,(H29)62.4,(U30)69.2,(H31)56.8

ただし問題の内容としては去年にかなり近く,近年の試験を中心に傾向を分析し対策をすればそれだけ成果が出やすかったと思います。目標は6割。
今年も高校数学の考え方が背景にある問題がほとんどです。
大問1は合同式(mod)
大問2は群数列
大問3は空間図形
大問4は数と式,整数問題
大問5は積分の体積の問題で使う断面を考えて体積を求める
これは高校数学を勉強すればよいという極端な話ではなく,過去問などの算数の問題を通してどのような数学的背景があるか考察,研究しましょう。
そのためには何度か解いてみたり,類題や他の難関校の問題などもたくさん練習するなど対策の仕方はシンプルです。
努力が合格点につながっていきます!


【問題分析】
○大問1
4桁の整数Aは百の位の数字が0です。Aの十の位の数字と一の位の数字を入れ替えて4桁の整数Bを作ります。4018と4081のようにAもBも7の倍数となるようなAは全部で何個ありますか。次のヒントを参考にして答えなさい。ただし,4018と4081の2個も含め,AとBが等しい倍も含めます。
ヒント
4081-4018=63=9×(8-1)
4082-4028=54=9×(8-2)
1000=7×143-1

[解説]
前回の灘1日目の大問4でも解説したように高校数学で並ぶ合同式の考え方を勉強していると安定して解けます。
もはやヒントが合同式の考え方に誘導しています。

合同式は
NとN'をそれぞれPで割った余りが等しいということを
N-N'=(Pの倍数)
で扱ってこれを
N≡N' (mod P)とあらわします。

これを考えることにより何が便利になるのかというと
N+M≡(NをPで割った余り)+(MをPで割った余り)
N-M≡(NをPで割った余り)-(MをPで割った余り)
N×M≡(NをPで割った余り)×(MをPで割った余り)
のように足し算,引き算,掛け算をしたものの余りを考えるときは,それぞれの整数の余りで足し算,引き算,掛け算をして考えればいいところです。

まず
4081-4018=63=9×(8-1)
4082-4028=54=9×(8-2)
の使い方はAとBは7で割った余りが等しくないといけません。
このことをA-B=(7の倍数)で扱います。

AとBが7で割り切れなければならないのを,まずはAとBを7で割った余りが等しい,つまりA-Bが7の倍数って考え方に至るには合同式の考え方を練習したかどうかが大きく差が出てしまいます。

ヒントから(AとBの差)=9×(下2桁の二つの数の差4)なので,AとBが7で割った余りが等しくなるには下2桁の二つの数の差が0も含めて7の倍数であればよくなり

00,11,22,33,44,55,66,77,88,99,07,18,29
の場合しかないことがわかります。

次に4桁の整数が7の倍数でないといけませんがヒントの
1000=7×143-1
は1000は7で割ると1不足する(余り6になる)数として扱います。
なので千の位をNとすると
N×1000は1×N=N不足する数として扱えばよくなります。

すると4桁の整数
1000×N+(下2桁)

(7で割るとN不足)+(下2桁を7で割った余り)
として扱えばよく,これが7で割り切れるようになればよくなります。

つまり
(Nを7で割った余り)=(下2桁を7で割った余り)
となればよくなります。

下2桁は7で割ると
余り0は00,07,70,77の4つ
余り1は22,99,29,92の4つ
余り2は44の1つ
余り3は66の1つ
余り4は11,88,18,81の4つ
余り5は33の1つ
余り6は55の1つ

千の位Nを7で割ると
余り1は1,8の2つ
余り2は2,9の2つ
残りは全部1つです。

4桁の整数の個数は
4×1+4×2+1×2+1×1+4×1+1×1+1×1=21個
とわかりました。


○大問2
1から52までの数が書かれたカードが,左から数が小さい順に次のように並んでいます。
[1] [2] [3] [4] … [51] [41]
これらのカードを次の手順で並べ替えます。

2の倍数が書かれたカードが左にあるものから順にすべて取り出し,取り出した順に左から並べます。その並びの右側に,取り出していないカードを順番を変えずにすべて並べます。このとき次の(A)のような並びになりました。
(A)[2] [4] [6] … [52] [1] [3] [5] … [51]

(A)の状態のカードについて,3の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替えました。そのときの状態を(B)とします。
(B)の状態のカードについて

(1)左から1番目,2番目,3番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。

(2)[1]は左から何番目にありますか。

(B)の状態のカードについて,4の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並べ替え,次に5の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替え,さらに6の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替え,最後に7の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替えました。

(3)左から1番目,2番目,3番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。

(4)[31]は左から何番目にありますか。

(5)左から31番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。



[解説]
群数列のような問題です。
グループ(群)にわけて考えて
1、まずどのグループに入るか
2、そのグループの中で何番目か

が基本的な方針になります。

(1)まずは具体的にやってみましょう
1,2,3,4,…,52
2の倍数を取り出すと
(A)2,4,6,…,52,1,3,5,…,51
3の倍数を取り出すと
(B)6,12,18,…,3,9,15,…,2,4,8,…,1,5,7,…
となります。

(2)
(B)は
[3の倍数または2の倍数][3の倍数でないかつ2の倍数でない]
とグループ分けできる順番になっていて1は[3の倍数でないかつ2の倍数でない]のグループの一番左です。
[3の倍数または2の倍数]のグループの個数を考えて
52÷6=8余り4,52÷3=17余り1,52÷2=26より
17+26-8=35個
よって35+1=36番目です。

(3)
グループに分類して,どのグループに入っていて,その中で何番目か細かく見ます。

一番左に並ぶものは[7の倍数]のグループなので
7,14,21,28,35,42,49
が並んでいます。
このうち6の倍数の42が一番左にあることになります。
その次に5の倍数の35,その次に4の倍数の28の順番に並んでいることになります。

(4)31は素数なので一番右の
[7,6,5,4,3,2の倍数でない]のグループのところに入ります。
このグループに入る数を書き下すと素因数が7より大きい素数だけで出来た数(11×11=121の時点で52をこえるので結局11以上の素数)と1になります。
1,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47
この順番のまま並ぶことになるので31は右から5番目
つまり左から52-5+1=48番目とわかります。

(5)左から31番目と言うことは右から52-31+1=22番目です。
右から数えた方が早いかもしれません。
一番右のグループ
[7,6,5,4,3,2の倍数でない]は(4)より12個
それより一つ左にあるグループ
[2の倍数かつ7,6,5,4,3の倍数でない]は
2×1,2×11,2×13,2×17,2×19,2×23の6個
この時点で12+6=18個です。
もう一つ左にあるグループ
[3の倍数かつ7,6,5,4の倍数でない]は
3×1,3×3,3×9,3×11,3×13,3×17
の6個
で順番もこのままです。
だからこの二義から22-18=4番目の3×9=27となります。

一応最後の状態を書くと
42,35,28,21,14,7,49 | 30,12,24,36,48,6,18 | 20,40,15,45,10,50,5,25 | 4,8,16,32,44,52 | 3,9,27,33,39,51 | 2,22,26,34,38,46 | 1,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47
となります。
ただ,この問題の場合は細かく全て順番を知ることでなく,まず大きくグループ分けするという大局的な見方を練習しているか問われてると思います。

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灘中学校 算数(1日目)2019(H31)入試分析 その3

2019.02.14 13:34|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田和幸です

今回は灘中学、算数1日目の大問7をとりあげたいと思います。
一見N回目の出会いの問題に見えますが,出会いの度に折り返すし,速さも遅くなります。
文字など置いて力技で解くこともできて,それはそれで大事なことですが,算数の速さの問題としてもアプローチの仕方
『時間、距離、速さ、何が一定か』
『和と差を考えてみる』

に注目するという勉強になる良い問題と思います。



(問題)2019年度 灘中学校 算数第1日目 大問7
A地点とB地点を結ぶ道を,太郎君はAからBへ,次郎君はBからAへ向かって,それぞれ一定の速さで同時に走り始めました。2人の間の距離は3分間に1kmの割合で縮まりました。途中,2人はC地点で出会うとすぐに折り返し,速さをそれぞれ時速1kmだけおとして,来た道を戻りました。2人はそれぞれA,Bに到着してすぐに折り返し,Cよりも130mだけAに近いD地点で再び出会いました。Dで出会った2人はまたすぐに折り返し,速さをさらにそれぞれ時速1kmだけおとして,来た道を戻りました。そして,2人はそれぞれA,Bに到着してすぐに折り返し,Dよりも[   ]mだけAに近いE地点で出会いました。



[解説]
まず和を考えてみると

折り返してから出会いまでの太郎と次郎の進んだ長さの和が、AB二つ分で一定
→速さの和と時間が逆比

走り始めてから最初の出会いまではAB一つ分ですが二人ともC地点から太郎はAに次郎はBに向かって同時にスタートして折り返してきて1回目の出会いになったと考えれば太郎と次郎の進んだ長さの和がAB二つ分になるので扱いやすくなります。

H31nada1-7kaisetu1.jpg
二人の速さの和は
○~△:1÷3 km/分=1000/3 m/分
△~☐:1 km/時=1000/60 m/分=50/3 m/分ずつ遅くなるので1000/3-50/3×2=900/3 m/分
☐~●:300-50/3×3=800/3 m/分

距離が一定なので(○~△),(△~☐),(☐~●)の時間の比は

1000/3:900/3:800/3=10:9:8
なので速さの比は
9×8:8×10:10×9=36:40:45
となります。


次に差を考えてみると

太郎と次郎の速さの差は常に一定
→太郎と次郎の進んだ距離の差と時間が比例

太郎と次郎は1km/時ずつ遅くなっても,差はかわりません。
ということは太郎と次郎の進んだ距離の差は時間に比例します。

ABの中点をMとしてC,D,EをMについて対称移動した点をC',D',E'とすると太郎と次郎の進んだ距離の差は
○~△:CC'2つ分
△~☐:DD'2つ分
☐~●:EE'2つ分
それぞれ時間に比例するので36:40:45になります。

よって差の半分である図の青い線の部分も36:40:45になるのでそれぞれの長さを[36],[40],[45]とおくと
CM=[36÷2]=[18]
CD=[40]-[36]=[4]
ED=[45]-[40]-[4]=[1]
よってCD:ED=4:1よりED=130÷4=32.5m

とわかりました。

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灘中学校 算数(1日目)2019(H31)入試分析 その2

2019.02.13 18:03|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田和幸です

今回は灘中学、算数1日目の大問4をとりあげたいと思います。
大問4では表面上は高校数学で習う合同式を道具として使わなかったとしても根本的な考え方,解法の原理は合同式になります。
灘でもよく出題され,合同式の考え方に慣れていれば大きく有利になるのでぜひ考え方を勉強してください。


(問題)2019年度 灘中学校 算数第1日目 大問4
A=377×377×377×377×377×377とするとき,Aの約数の中で14で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ① ]個あります。また,Aの約数の中で15で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ② ]個あります。

[解説]
このような余りの問題が出たとき
(A+BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)+(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A-BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)-(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A×BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)×(BをPで割った余り))をPで割った余り)

を使います。
和,差,積は余りにおきかえて計算してしまったらよいわけです。


377=13×29よりAは13の素因数が6個と29の素因数が6個の積です。
14で割った余りで考えると
29は14で割ると余り1です。
13は14で割ると余り12ですがこれを1不足しているということで余り-1として扱います。
余りで掛け算を考えると
1×1=1 ←余り1になるもの同士をかけると余り1の整数になる
(-1)×(-1)=1 ←1不足しているもの同士をかけると余り1の整数になる
このルールで考えればよいことになる。

なので(余り1の整数である)29は何個使ってもよくて,
(1不足の整数である)13は偶数個使えばよいことになります。

29の使い方は0個から6個の7通り,13の使い方はは0個,2個,4個,6個の4通りより
7×4=28通り



29は15で割ると余り-1
13は15で割ると余り-2

と考えて扱います。

13の個数で場合分けすると
0個の時…1のことなので余り1
1個の時…2不足
2個の時…(-2)×(-2)=4で余り4
3個の時…4×(-2)=-8で8不足
4個の時…(-8)×(-2)=16で余り1
5個の時…1×(-2)=-2で2不足
6個の時…2個と同じで余り4
よってAの約数が余り1になるには,13が0個または4個で余り1,29が偶数個で余り1の時の1×1=1の場合しかない。
13の使い方は0個または4個の2通り,29は0,2,4,6個の4通りで
4×2=8通り

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灘中学校 算数(1日目)2019(H31)入試分析 その1

2019.02.12 19:25|入試問題分析(算数)
数理教育研究会の畠田和幸です。

今年も入試問題解説をすることになりました。
よろしくお願いします。

最初は灘中学校の1日目です。

【入試資料分析】
まず今年の実質倍率は2.70です。
これはほぼほぼ例年程度でした。
(H24)2.81(H25)2.81(H26)2.97(H27)2.61(H28)2.67(H29)2.76(H30)2.88(H31)2.70

次に平均点ですが注目すべきは算数です。
第1日目,2日目ともにここ数年で平均点が一番低く
平均点が高かった去年に比べて合計で30点ほど低くなっています。

(教科,受験者平均点,合格者平均点)の順に
(国語1日目,60.0点,63.6点)
(国語2日目,69.1点,75.1点)
(国語合計,129.1点,138.7点)
(算数1日目,38.5点,49.8点)
(算数2日目,44.5点,56.8点)
(算数合計,83.0点,106.6点)
(理科,64.5点,73.2点)
(総合,276.6点,318,6点)

全体的に難易度の高い問題が並びましたが,これは解くのに無理があるであろうというような問題はありませんでした。
算数をよく勉強してきた人にとっては,差をつけることが出来た試験であったと思われます。5割とることができたら,アドバンテージです。


【問題分析】
○大問1
(17-[   ]×77) × 2019/5 = 31+3/5-7/13



[解説]
計算問題です。
31+3/5-7/13 = 2019/65
2019/65 ÷ 2019/5 = 1/13
17-1/13 = 220/13
220/13÷77 = 20/91
素因数に注意して約分されることを意識することで素早く正確に解けます。



○大問2
[ア]/[イ] × [ウ]/[エ] = 1/[オ] の[ア]~[オ]に2,3,4,5,6,7,8,9の数から1つずつ当てはめて式を完成させました。ただし,同じ数を2回以上使うことはできません。また,[ア]/[イ]と[ウ]/[エ]は仮分数でもよく,これ以上約分できない分数です。このとき,[オ]に当てはまる数は[   ]です。



[解説]
5,7は5,7を約数に持つ整数が他にないので使えません。
残りの整数2,3,4,6,8,9において6だけ2と3の両方を約数に持つので[ア]/[イ],[ウ]/[エ]がこれ以上約分できない分数ということなので使えないので,入るとしたら[オ]だけです。
[ア]/[イ],[ウ]/[エ]がこれ以上約分できない分数となるには3の倍数を[ア]か[イ]のどちらか,[ウ]か[エ]のどちらかに入れることになるが,残りの3の倍数は3と9だけです。
つまり3の倍数は約分されずに残ることになるので[オ]は6以外ありません。
[オ]だけわかればよいので素早く6と答えられたら要領が良いですね。



○大問3
A,B,C,D,E,F,G,Hはどの2つも異なる2から9までの数字です。3桁の整数ABCとDEFを足すと4桁の整数10GHになり,この足し算で繰り上がりは百の位から千の位にだけあるとき,GとHの和は[ ① ]です。さらにこのとき,AがDより大きいとすると,ABCとして考えれる3桁の整数は全部で[ ② ]個あります。


[解説]
各桁の数に関する問題のアプローチは筆算や,各桁の数の関係式を作るなどが考えられます。
この問題は足し算で繰り上がりが百の位から千の位にだけあると書いてあるので各桁の数の関係式がたてやすいです。
百の位A+D=10,十の位B+E=G,一の位C+F=H
またA,B,C,D,E,F,G,Hは2から9のどれかですが、このことはよく全部足すと2+3+4+5+6+7+8+9=44で
A+B+C+D+E+F+G+H=44であるという使い方をよくします。
すると10+G+G+H+H=44でG+H=17とわかり,しかも(G,H)は(8,9)か(9,8)の場合しかありません。
A+D=10,A>Dより(A,D)=(7,3),(6,4)
(A,D)=(7,3)の時,残り2,4,5,6で和が8と9になる組み合わせは
2+6=8,4+5=9
よって(G,H)=(8,9)の時は(B,E)=(2,6),(8,6)の2通り,(C,F)=(4,5),(5,4)の2通り
(G,H)=(9,8)の時は(B,E)=(4,5),(5,4)の2通り,(C,F)=(2,6),(6,2)の2通り
で合計2×2×2=8個
(A,D)=(6,4)の時,残り2,3,5,7で和が8と9になる組み合わせは
3+5=8,2+7=9
よって同様に8個で
8+8=16個となります。
灘の1日目でよくある問題なので練習しておきましょう。



○大問4
これはこちらの記事で解説したいと思います。
http://edupastaff.blog82.fc2.com/blog-entry-545.html


○大問5
ある品物を仕入れ,利益を見込んで1個400円で売りました。しかし,いくつか売れ残ったため,売値を半額の200円にして残りをすべて売りました。その結果,売上高は26000円,利益は11600円になりました。品物1個の仕入れ値は1円未満の端数はありません。また,400円で売れた品物の個数は仕入れた品物の個数全体の6割より多く,7割より少ないことがわかっています。このとき,品物1個の仕入れ値は[ ① ]円で,400円で売れた品物の個数は[ ② ]個です。



[解説]
合計の仕入れ値は26000-11600=14400円で
合計の仕入れ値と売上高がわかっています。
よって品物1個の仕入れ値と品物1個の平均の定価の比がわかるのがポイントです。
(仕入れ値):(平均定価)=14400:26000
=36:65
仕入れ値と個数は整数より仕入れ値は14400の約数になります。
400円が6割,200円が4割の時,平均定価は400×0.6+200×0.4=320円で仕入れ値は320×36/65=177.2…
400円が7割,200円が3割の時,平均定価は400×0.7+200×0.3=340円で仕入れ値は340×36/65=188.3…
よって仕入れ値は178,179,…,188のどれかで14400の約数なので180円
合計の品物の個数は14400÷180=80個
400円で売れた品物の個数はつるかめ算より(26000-200×80)÷(400-200)=50個
算数として何か勉強になるように算数的に解きましたが,本番は数式で力技で計算して答えを出すことも大切です。



○大問6
89の倍数と113の倍数を,
89,113,178,226,……
のように小さいものから順に並べるとき,50番目の倍数は[   ]です。



[解説]
50番目までの(89の個数)と(113の個数)は
89×(89の個数)=113×(113の個数)で目星を付けると
(89の個数):(113の個数)=113:89
(89の個数)+(113の個数)=50

より
(89の個数)=50×113/(113+89)=27.97…,(113の個数)=50×89/(113+89)=22.02…
なので89の27倍と113の22倍付近を調べると
89×27=2403,89×28=2492
113×22=2486,113×23=2599
より50番目の数は2492
89-1=8×11,113-1=8×14で11と14では綺麗に50×14/(11+14)=28,50×11/(11+14)=22番目と綺麗に求まることから,89と113の比を考えて最後に調整しろというのがこの問題の意図なのかもしれません。



○大問7
これはこちらの記事で解説したいと思います。
http://edupastaff.blog82.fc2.com/blog-entry-546.html


○大問8
右の図のような点Oを中心とする円について,斜線部分の面積の和は[   ]cm^2です。

H31nada1-8shukushou.jpg


[解説]
まず図のように長さがわかります。
H31nada1-8kaisetu1.jpg

円の半径をAとすると
A×A=5×5×2=50
二つの直角三角形の面積の和
12×4÷2+6×2÷2=30cm^2

H31nada1-8kaisetu2.jpg

図の斜線部の面積○+☐+△×2は円から2cm×10cmの長方形をのぞいた半分になっているので
斜線部の面積は137
(A×A×3.14-2×10)÷2=68.5cm^2
よって求める面積は斜線部の面積から直角三角形を2つ取り除いて
68.5-30=38.5cm^2
今年(2019年度)の甲陽学院の算数第1日目の平面図形でも使われたよくある処理です。
きっちり典型問題を勉強しておくということと,似たような問題と同じように解けないかアプローチの練習をしておきましょう。



○大問9
右の図で,三角形ABCは正三角形で,面積は1cm^2です。PBの長さがPAの長さの2倍のとき,三角形CPAの面積は[   ]cm^2
H31nada1-9.jpg


[解説]
正三角形の面積の問題なので正三角形のマス目が何個あるかということになるので正三角形方眼紙で考えます。
H31nada1-9kaisetu.jpg

図より三角形APBの形をした三角形は正三角形のマス目4個分の半分よりマス目1個分の面積を[1]とすると三角形ABCの面積は[4]÷2×3+[1]=[7],三角形CAPの面積はマス目1個分の面積より[1]で三角形ABCの1/7倍。よって1/7cm^2となります。



○大問10
表面が青色で塗られている正四面体を,底辺に平行な2枚の平面で高さを3等分するように切り,残りの3つの面についても同様に切ります。このとき,もとの正四面体はいくつかの正四面体といくつかの正八面体に分かれます。2つの面に色が塗られている立体は全部で[ ① ]個あり,3つの面に色が塗られている立体は全部で[ ② ]個あります。
ただし,正四面体とは,右の図1のような,どの面も合同な正三角形でできている三角すいです。また,正八面体とは,右の図2つのような,どの面も合同な正三角形でできている,8つの面をもつ立体です。
H31nada1-10.jpg


[解説]
まず2等分の場合は正四面体4個と正八面体1個ができました。
H31nada1-10kaisetu1.jpg

それを参考にして図のように3等分の上の2段だけで考えると,3面塗られている正四面体1個,3面塗られている正八面体1個,2面塗られている正四面体が3個あります。
3面塗られている正方形と正八面体は1個の頂点に1セット対応(○で表す),2面塗られている正四面体は1つの辺に1個対応(△)であわらします。
H31nada1-10kaisetu2.jpg
すると全体では2面塗られいるのは辺が6つより6個
3面塗られいてるのは頂点が4つより2×4=8個とわかります。


H31nada1-10kaisetu3.jpg
問われてはいませんが○と△を取り除いていくと,上から3段目に図のように太い線を面とした塗られている面のない正四面体が1個残ります。
灘や難関校でよくある問題で,知っているものを使って解きましょう。



○大問11
展開図が右の図のような立体の体積は[   ]cm^3です。ただし,実線で囲まれた三角形は3つの大きな直角二等辺三角形,3つの正三角形,3つの小さな直角二等辺三角形です。また,3本の破線は小さな直角二等辺三角形の2本の辺の真ん中を結ぶ直線です。折り方は,直角の印以外の実線が山折りで破線が谷折りです。

H31nada1-11.jpg


[解説]
図のように四面体の中に四面体の穴があり,更にその四面体も頂点で内側に四面体状に折られています。
H31nada1-11kaisetu1.jpg
これらの四面体は全て3面が直角二等辺三角形で相似です。

H31nada1-11kaisetu2.jpg

直角二等辺三角形の1辺が1cmの四面体の体積は1×1÷2×1÷3=1/6 cm^2
体積の比は大きい順に
4×4×4:2×2×2:1×1×1=64:8:1より
(64-8+1×2)×1/6=29/3cm^3
展開図の問題は定番で,この形は立方体から切り落としたもの,基本的な立体を組み合わせたものなどよくあるパターンを過去問で慣れておけばやりやすい問題です。



○大問12
右の図の六角すいは,底面が正六角形でOはその中心です。頂点Pと点QはどちらもOの真上にあり,PQの長さはQOの長さの2倍です。3点A,B,Qを通る平面でこの六角すいを切り2つの立体に分けるとき,頂点Pを含む方の立体の体積はもとの六角すいの体積の[   ]倍です。

H31nada1-12.jpg


[解説]
問題の図を見ると底面の正六角形が正三角形に分割されているのでPを頂点とした6つの三角すいを考えて,それらを切断して頂点Pを持つ3辺の比がそれぞれa倍,b倍,c倍になると体積はa×b×c倍になることを使うことが考えられます。
H31nada1-12kaisetu1.jpg
図のようにABの中点M,DEの中点Nとすると三角形PMNにおいてA,B,Qを通る切断面とPNの交点RはPNの中点になっています。
H31nada1-12kaisetu2.jpg
よって一つの三角すいの体積は全体の1/6より
1/6×2/3×(2/3×1+1×1+2/3×1+2/3×1/2+1/2×1/2+2/3×1/2)13/36倍
難問ではなく標準的な問題を組み合わせた問題でしたが,よくある処理が使えないかを考えて,それを使うためには何がわかれば良いのか解法の過程が問われる良い問題です。

テーマ:中学受験
ジャンル:学校・教育

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