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2012(H24)入試分析 理科 灘中学校

2012.01.23 15:19|入試問題分析(理科)
今回もH24の灘中入試問題の解説を行いたいと思います。

(問題)H24 灘中学校 理科 大問5番

水酸化ナトリウム水溶液(A液),塩酸(B液),B液の2倍の濃さの塩酸(C液),同じ重さのアルミニウムの粒をたくさん用意して,次の実験を行いました。下の問いに答えなさい。
実験1 A液60cm3とB液60cm3を別々にとり,それぞれにアルミニウム2粒を入れたところ,どちらの場合も水素が90cm3発生し,アルミニウムはすべて溶けました。
実験2 A液の体積とB液の体積の合計が60cm3になるように,A液とB液をさまざまな割合で混ぜた液(混合液とよびます)を用意し,それぞれにアルミニウム2粒を入れたときに発生した水素の体積を調べたところ,図1のようなグラフになりました(横軸は混合液をつくるときに用いたA液の体積,縦軸は発生した水素の体積を表します。)

問1 A液とB液の体積の合計が60cm3になるようにある割合で混ぜ,そのBTB液を加えると緑色になりました。このときに用いたA液の体積は何cm3ですか。
問2 A液とC液を,体積の合計が60cm3になるようにある割合で混ぜ,その液にBTB液を加えると緑色になりました。このときに用いたA液の体積は何cm3ですか。

nada表


(解説)
問1 アルミニウムは塩酸にも水酸化ナトリウム水溶液にも溶けて水素を発生します。従って,塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の混合液がちょうど中和反応したときのみ水素の発生が起こりません。図1より水酸化ナトリウム水溶液A40cm3+塩酸B20cm3のときにアルミニウムを加えても水素の発生が0cm3となっていますので,この場合が完全中和となります。

問2 塩酸B液中に含まれる塩化水素の量は,塩酸C10cm3に含まれる塩化水素の量と同じですので,水酸化ナトリウム水溶液A40cm3+塩酸C10cm3のときに完全中和である事がわかります。したがってA:C=4:1で完全中和ですので,答えは60cm3×4/5=48cm3となります。

ちなみに…
図1から解る事として,

A液10cm3+B液50cm3の混合液(B液が45cm3過剰)にアルミニウム2粒がちょうど溶けて水素が発生する事がわかりますので,
B液45cm3+アルミニウム2粒→水素90cm3 がちょうどの式となります。

また,A液50cm3+B液10cm3の混合液(A液が30cm3過剰)にアルミニウム2粒がちょうど溶けて水素が発生する事がわかりますので,
A液30cm3+アルミニウム2粒→水素90cm3 がちょうどの式となります。

この式は次回解説する問3の問題に大きく関係してきます。頑張れ今年の受験生達!!
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