2012(H24)入試分析 算数 灘中学校(第1日) Part1
2012.01.26 18:30|入試問題分析(算数)|
私の呑気な犬ブログが,いつの間にやら怒涛の理科ブログで押しやられていました(^o^;;
ということで,気を引き締めて算数も入試分析突入です。
算数も,関西の最難関校・灘中学校から始めましょう。
「今年は第1日・第2日とも簡単だったなぁ」と思っていたら,
平均点も大変なことになっていましたね(^o^;;
第1日の受験者平均が66.5点(合格者平均は79.4点(!)),
第2日の受験者平均が71.4点(!!)(合格者平均は86.2点(!!!))。
これだけ点数が上の方で固まってくると,一問のミスが致命傷になったと言えるでしょう。
難問奇問をテクニカルに解き崩すのも楽しいことではありますが,
このレベルのものを正確かつ迅速に処理していく能力も必須ですね。
では,早速問題を見てみましょう。
(問題)H24 灘中学校・算数(第1日) 大問6番
10枚のカードが横一列に並んでいます。カードには1枚につき1つの数が書かれていて,次の規則(ア),(イ)をみたしています。
(ア) 左端のカードには1が,左から2枚目のカードには3が書かれています。
(イ) 左から3枚目以降のカードには,そのカードより左にあるカードに書かれているすべての数の積に2を加えた数が書かれています。
たとえば,左から3枚目のカードには,1×3+2=5なので,5が書かれています。左から4枚目のカードには,1×3×5+2=17なので,17が書かれています。このとき,右端のカードに書かれている数から1を引いた数は,2で□回まで割り切ることができます。
一見するとややこしく見えますが,
最後の「2で□回まで割り切ることができます」の部分に注目しつついくつか書いて調べてみると,
実は,答えはすぐに見つかります。
(1枚目…1 → 0 2で割り切れる回数は0回)
2枚目…3 → 2 2で割り切れる回数は1回
3枚目…5 → 4 2で割り切れる回数は2回
4枚目…17 → 16 2で割り切れる回数は4回
1枚目を除くと,2で割り切れる回数が2倍ずつになっていくのがわかると思います。
よって答えは
1×2×2×2×2×2×2×2×2=256(回)
以上。
おしまいです(^o^;;
でも,「本当にこの後もその規則が続くのか??」と疑う人のために,
もうちょっとだけ詳しい説明を。
ただ,若干の予備知識が必要です。
一つは「面積図」,
一つは「1+2^1+2^2+2^3+…+2^N=2^(N+1)-1」
(ここで,「2^3」は「2の3乗」,つまり2×2×2=8の計算を表すものとします。)
一つは「和と差の積は二乗の差」
例えば,1枚目のカード(1),2枚目のカード(3),3枚目のカード(5)から4枚目のカードを作ることを考えましょう。
1枚目の1はかけても同じですので除外しておきますと,
3=2^1+1
5=2^2+1
ですので,
この2数のかけ算は面積図では下図のような長方形の面積を求めることと等しくなります。

これが
1+2^1+2^2+2^3
となるわけですが,先に書いたように,
1+2^1+2^2+2^3+…+2^N=2^(N+1)-1
(これも長方形の面積を使って図形的に説明できます(式でもできます))
となるので,この長方形の面積は
2^4-1
となり,4枚目のカードに書かれる数は,
2^4+1(=17)
となります。
では,5枚目に書かれる数は?
3枚目の数までの積が
2^4-1
で,4枚目の数が
2^4+1
です。
ここでさっき書いた,「和と差の積は二乗の差」,つまり
(a+b)×(a-b)=a^2-b^2
という知識を使ってみましょう(これも,面積図を使うと比較的簡単に説明できます。)
すると,4枚目までの積は,
(2^4-1)×(2^4+1)=(2^4)^2-1^2=2^8-1
となりますので,
5枚目に書かれる数字は
2^8+1(=257)
となります。
こうして以下同様に,
1枚目…1=2^0+1 → 0 よって,0回
2枚目…3=2^1+1 → 2^1 よって,1回
3枚目…5=2^2+1 → 2^2 よって,2回
4枚目…17=2^4+1 → 2^4 よって,4回
5枚目…257=2^8+1 → 2^8 よって,8回
6枚目…65537=2^16+1 → 2^16 よって,16回
となっていくわけですね。
(この後も延々続くことの厳密な証明には,高校数学で習う「数学的帰納法」が必要ですね。)
普段はこういう理屈の部分を考えるのも大事なことですが,
こと,この問題を入試本番で解くことだけを考えるなら,
グチャグチャ考えるより書いて調べた方が圧倒的に早いですね…(^o^;;
追記:
我が家の愛犬は,かなりの高確率(7,8回に1回ぐらい)で
「フライングディスクをいったん前脚でキャッチしてから,空中で口に咥え直す」
という技を再現できるようになりました!

(画像:人の布団に先に潜り込み熟睡する,寒がりの犬の図)
ということで,気を引き締めて算数も入試分析突入です。
算数も,関西の最難関校・灘中学校から始めましょう。
「今年は第1日・第2日とも簡単だったなぁ」と思っていたら,
平均点も大変なことになっていましたね(^o^;;
第1日の受験者平均が66.5点(合格者平均は79.4点(!)),
第2日の受験者平均が71.4点(!!)(合格者平均は86.2点(!!!))。
これだけ点数が上の方で固まってくると,一問のミスが致命傷になったと言えるでしょう。
難問奇問をテクニカルに解き崩すのも楽しいことではありますが,
このレベルのものを正確かつ迅速に処理していく能力も必須ですね。
では,早速問題を見てみましょう。
(問題)H24 灘中学校・算数(第1日) 大問6番
10枚のカードが横一列に並んでいます。カードには1枚につき1つの数が書かれていて,次の規則(ア),(イ)をみたしています。
(ア) 左端のカードには1が,左から2枚目のカードには3が書かれています。
(イ) 左から3枚目以降のカードには,そのカードより左にあるカードに書かれているすべての数の積に2を加えた数が書かれています。
たとえば,左から3枚目のカードには,1×3+2=5なので,5が書かれています。左から4枚目のカードには,1×3×5+2=17なので,17が書かれています。このとき,右端のカードに書かれている数から1を引いた数は,2で□回まで割り切ることができます。
一見するとややこしく見えますが,
最後の「2で□回まで割り切ることができます」の部分に注目しつついくつか書いて調べてみると,
実は,答えはすぐに見つかります。
(1枚目…1 → 0 2で割り切れる回数は0回)
2枚目…3 → 2 2で割り切れる回数は1回
3枚目…5 → 4 2で割り切れる回数は2回
4枚目…17 → 16 2で割り切れる回数は4回
1枚目を除くと,2で割り切れる回数が2倍ずつになっていくのがわかると思います。
よって答えは
1×2×2×2×2×2×2×2×2=256(回)
以上。
おしまいです(^o^;;
でも,「本当にこの後もその規則が続くのか??」と疑う人のために,
もうちょっとだけ詳しい説明を。
ただ,若干の予備知識が必要です。
一つは「面積図」,
一つは「1+2^1+2^2+2^3+…+2^N=2^(N+1)-1」
(ここで,「2^3」は「2の3乗」,つまり2×2×2=8の計算を表すものとします。)
一つは「和と差の積は二乗の差」
例えば,1枚目のカード(1),2枚目のカード(3),3枚目のカード(5)から4枚目のカードを作ることを考えましょう。
1枚目の1はかけても同じですので除外しておきますと,
3=2^1+1
5=2^2+1
ですので,
この2数のかけ算は面積図では下図のような長方形の面積を求めることと等しくなります。

これが
1+2^1+2^2+2^3
となるわけですが,先に書いたように,
1+2^1+2^2+2^3+…+2^N=2^(N+1)-1
(これも長方形の面積を使って図形的に説明できます(式でもできます))
となるので,この長方形の面積は
2^4-1
となり,4枚目のカードに書かれる数は,
2^4+1(=17)
となります。
では,5枚目に書かれる数は?
3枚目の数までの積が
2^4-1
で,4枚目の数が
2^4+1
です。
ここでさっき書いた,「和と差の積は二乗の差」,つまり
(a+b)×(a-b)=a^2-b^2
という知識を使ってみましょう(これも,面積図を使うと比較的簡単に説明できます。)
すると,4枚目までの積は,
(2^4-1)×(2^4+1)=(2^4)^2-1^2=2^8-1
となりますので,
5枚目に書かれる数字は
2^8+1(=257)
となります。
こうして以下同様に,
1枚目…1=2^0+1 → 0 よって,0回
2枚目…3=2^1+1 → 2^1 よって,1回
3枚目…5=2^2+1 → 2^2 よって,2回
4枚目…17=2^4+1 → 2^4 よって,4回
5枚目…257=2^8+1 → 2^8 よって,8回
6枚目…65537=2^16+1 → 2^16 よって,16回
となっていくわけですね。
(この後も延々続くことの厳密な証明には,高校数学で習う「数学的帰納法」が必要ですね。)
普段はこういう理屈の部分を考えるのも大事なことですが,
こと,この問題を入試本番で解くことだけを考えるなら,
グチャグチャ考えるより書いて調べた方が圧倒的に早いですね…(^o^;;
追記:
我が家の愛犬は,かなりの高確率(7,8回に1回ぐらい)で
「フライングディスクをいったん前脚でキャッチしてから,空中で口に咥え直す」
という技を再現できるようになりました!

(画像:人の布団に先に潜り込み熟睡する,寒がりの犬の図)
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