2012(H24)入試分析 算数 灘中学校(第2日)
2012.02.04 19:01|入試問題分析(算数)|
予定通り,今回は灘中学校の第2日の問題の解説です。
で,ネットを見てみると,
どうも2日目の大問4番(2)が一部で話題になっているようで。
曰く,「小学6年生にあんな問題を解かせるなんて鬼畜」だとか…(^o^;;
鬼畜呼ばわりされてしまった灘の先生につくづく同情します…(^o^;;
実際のところ,灘を目指すぐらいの子ならあの問題はすんなり解けたはずです。
ということで今日はその「鬼畜の所業」を見てみましょう…(^o^;;
(灘の先生,ごめんなさい…m(_ _)m)
(問題)H24 灘中学校・算数(第2日) 大問4番
(1) 一辺の長さが1 cmの正方形の形をしたタイルをすきまなく並べて長方形を作り,この長方形の一つの対角線に沿ってタイルを切ったとき,切られたタイルの個数を数えます。

① タイル15個をたて5cm,横3cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは□個です。
② タイル5184個をたて81cm,横64cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは何個ですか。
③ タイル11664個をたて144 cm,横81cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは何個ですか。
(2) 一辺の長さが1cmの立方体の形をした透明なブロックを,すきまなく並べて直方体を作ります。この直方体の1つの頂点から,残り7つの頂点の中で最も遠い頂点に向かって光線を発射します。光線はまっすぐ進み,ブロックによって反射したり方向が変化したりすることはありません。この光線が貫いているブロックの個数を数えます。ただし,光線がブロックの頂点のみを通っている場合や辺のみを通っている場合には,光線がブロックを貫いているとは考えません。ブロック202500個をたて75cm,横90cm,高さ30cmの直方体に並べたとき,貫かれたブロックは何個ですか。
これ,
平面図形の場合は,
(対角線で切断される正方形の個数)=(たての個数)+(横の個数)―(たての個数と横の個数のG.C.M.)
立体図形の場合は,
(対角線で切断される立方体の個数)=(たての個数)+(横の個数)+(高さの個数)-(たての個数と横の個数のG.C.M.)-(たての個数と高さの個数のG.C.M.)-(横の個数と高さの個数のG.C.M.)+(たての個数と横の個数と高さの個数のG.C.M.)
となるのを知っていれば瞬殺の問題だったのですよね。
これを知識として知っていた(灘中学の)受験生は多かったと思います。
こうなる理屈は,平面図形の方については以前にこのブログのマメ知識で軽く紹介しました(後半かなりはしょってますが…)ので,ご参照ください。
算数・数学 マメ知識No.8(直線が通過する正方形・立方体の個数)
「算数・数学 マメ知識No.8(直線が通過する正方形・立方体の個数)」のつづき
(2)の立体でも同じようにできるわけですが,こちらはちょっと違う説明をしてみましょう。
この対角線をたて方向で75等分,横方向で90等分,高さ方向で30等分するときに,
対角線にそれぞれ違う印をつけていくことにしましょう。
この対角線の長さを,75と90と30の最小公倍数<450>cmとすると,
それぞれ<6>cmごと,<5>cmごと,<15>cmごとに印が付けられ,対角線が切断されていくわけです。
そうするとこの問題は,
1から450まで(450までとしておくと,付けられた印の個数と切断された立方体の個数が等しくなります)の
6または5または15で割りきれる整数の総数を求める問題
と同じことであるのがわかります。
個数の計算は,ベン図で書くとわかりやすいですね。
(重なり方が,普段見る「3つの円で描くベン図」の重なり方とだいぶ異なりますが,
考え方はまったくいっしょです。
普通に3つの円を重ねて,要素が無いところに0と書いてもいいわけですし。)
高校数学で,集合を習った方は,
集合A,B,Cの和集合の要素の個数の求め方を思い出してもらえればいいと思います。
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
n(A∪B∪C)=n(A)+n(B)+n(C)-n(A∩B)-n(A∩C)-n(B∩C)+n(A∩B∩C)
という,あれですね。
(これもこんなややこしい記号は別として,内容自体はベン図を使えば算数でも説明できますね。)
この問題の最初に書いた公式と同じことになるのがご理解いただけるでしょうか?
かなりはしょりましたがわかっていただけましたか?(^-^)
ちなみに一応立体の場合の公式どおりやると上記のようになりますが,
この問題については,30等分点はすべて90等分点に含まれますので,
「たて75cmと横90cmの長方形の場合と同じ」と考えてもできます。
つまり,
75+90-15=150
ですね(^-^)

(人の腕にアゴをのせるのが好き。)
で,ネットを見てみると,
どうも2日目の大問4番(2)が一部で話題になっているようで。
曰く,「小学6年生にあんな問題を解かせるなんて鬼畜」だとか…(^o^;;
鬼畜呼ばわりされてしまった灘の先生につくづく同情します…(^o^;;
実際のところ,灘を目指すぐらいの子ならあの問題はすんなり解けたはずです。
ということで今日はその「鬼畜の所業」を見てみましょう…(^o^;;
(灘の先生,ごめんなさい…m(_ _)m)
(問題)H24 灘中学校・算数(第2日) 大問4番
(1) 一辺の長さが1 cmの正方形の形をしたタイルをすきまなく並べて長方形を作り,この長方形の一つの対角線に沿ってタイルを切ったとき,切られたタイルの個数を数えます。

① タイル15個をたて5cm,横3cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは□個です。
② タイル5184個をたて81cm,横64cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは何個ですか。
③ タイル11664個をたて144 cm,横81cmの長方形に並べたとき,切られたタイルは何個ですか。
(2) 一辺の長さが1cmの立方体の形をした透明なブロックを,すきまなく並べて直方体を作ります。この直方体の1つの頂点から,残り7つの頂点の中で最も遠い頂点に向かって光線を発射します。光線はまっすぐ進み,ブロックによって反射したり方向が変化したりすることはありません。この光線が貫いているブロックの個数を数えます。ただし,光線がブロックの頂点のみを通っている場合や辺のみを通っている場合には,光線がブロックを貫いているとは考えません。ブロック202500個をたて75cm,横90cm,高さ30cmの直方体に並べたとき,貫かれたブロックは何個ですか。
これ,
平面図形の場合は,
(対角線で切断される正方形の個数)=(たての個数)+(横の個数)―(たての個数と横の個数のG.C.M.)
立体図形の場合は,
(対角線で切断される立方体の個数)=(たての個数)+(横の個数)+(高さの個数)-(たての個数と横の個数のG.C.M.)-(たての個数と高さの個数のG.C.M.)-(横の個数と高さの個数のG.C.M.)+(たての個数と横の個数と高さの個数のG.C.M.)
となるのを知っていれば瞬殺の問題だったのですよね。
これを知識として知っていた(灘中学の)受験生は多かったと思います。
こうなる理屈は,平面図形の方については以前にこのブログのマメ知識で軽く紹介しました(後半かなりはしょってますが…)ので,ご参照ください。
算数・数学 マメ知識No.8(直線が通過する正方形・立方体の個数)
「算数・数学 マメ知識No.8(直線が通過する正方形・立方体の個数)」のつづき
(2)の立体でも同じようにできるわけですが,こちらはちょっと違う説明をしてみましょう。
この対角線をたて方向で75等分,横方向で90等分,高さ方向で30等分するときに,
対角線にそれぞれ違う印をつけていくことにしましょう。
この対角線の長さを,75と90と30の最小公倍数<450>cmとすると,
それぞれ<6>cmごと,<5>cmごと,<15>cmごとに印が付けられ,対角線が切断されていくわけです。
そうするとこの問題は,
1から450まで(450までとしておくと,付けられた印の個数と切断された立方体の個数が等しくなります)の
6または5または15で割りきれる整数の総数を求める問題
と同じことであるのがわかります。
個数の計算は,ベン図で書くとわかりやすいですね。
(重なり方が,普段見る「3つの円で描くベン図」の重なり方とだいぶ異なりますが,
考え方はまったくいっしょです。
普通に3つの円を重ねて,要素が無いところに0と書いてもいいわけですし。)
高校数学で,集合を習った方は,
集合A,B,Cの和集合の要素の個数の求め方を思い出してもらえればいいと思います。
n(A∪B)=n(A)+n(B)-n(A∩B)
n(A∪B∪C)=n(A)+n(B)+n(C)-n(A∩B)-n(A∩C)-n(B∩C)+n(A∩B∩C)
という,あれですね。
(これもこんなややこしい記号は別として,内容自体はベン図を使えば算数でも説明できますね。)
この問題の最初に書いた公式と同じことになるのがご理解いただけるでしょうか?
かなりはしょりましたがわかっていただけましたか?(^-^)
ちなみに一応立体の場合の公式どおりやると上記のようになりますが,
この問題については,30等分点はすべて90等分点に含まれますので,
「たて75cmと横90cmの長方形の場合と同じ」と考えてもできます。
つまり,
75+90-15=150
ですね(^-^)

(人の腕にアゴをのせるのが好き。)
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