2012(H24)入試分析 算数 東大寺学園中学校
2012.03.01 15:33|入試問題分析(算数)|
2月半ばからスタッフに加わりました,池田と申します。
よろしくお願いいたします。
それでは,記念すべき第一回の私の記事ですが,今回は東大寺学園中学校の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問5題,小問数は17題と例年通りでした。
が,平均点はここ数年に比べて5点ほど低く出てしまいました。
おそらく,点数を取りやすい問題と取りにくい問題が交互に並んでいたことで,
難易度に比べて得点ができなかったことが原因の1つだと思われます。
普段から言われていることだと思いますが,「取るべきところをしっかりと取る」
という当たり前のことを,入試本番という緊張する場面でもしっかりと発揮できた子が
得点できたのが今回の入試問題だったのではないでしょうか。
では,今回は合否を分けたと思われる問題の1つを取り上げましょう。
(問題)H24 東大寺学園中学校・算数 大問5番
右の図のように,平らな地面の上に東西,南北それぞれに1m間隔で直線が引かれています。
図の太線の上には高さ5mの壁があります。また,高さ10mの柱があり,柱の上には電球がついています。
この電球で壁を照らしたとき,地面にできる影について,次の問いに答えなさい。
(1) 図のPの位置に柱をたてたとき,影の面積を求めなさい。
(2) 図のQの位置に柱をたてたとき,影の面積を求めなさい。
(3) 柱を図のPの位置からQの位置までまっすぐに動かしたとき,一度でも影になった部分の面積を求めなさい。
まず10mの高さから5mの高さの壁を照らしたときに,どのような影ができるかを調べてみると,
図1のように,壁までの距離と同じ距離だけ進んだところに影の先端が来ることがわかります。
図1

(1) これを上からの図に落とし込んでいくと,図2のようになりますね。
影の面積は
14×9-6×5÷2-10×1÷2=106(m^2)
となります。
今回の問題は建物ではなく壁なので,壁の中も影になっていることに注意しましょう。
図2

(2) (1)と同様に作図するのですが,この問題はひっかけポイントが隠されています。
実は図3の★のところには影ができません。
「本当に影にならないの?」
と思う人は,4枚の壁について,それぞれどこに影ができるのかを分けて考えてみましょう。
★の所に影ができないのがわかりやすくなると思います。
影の面積は10×11-2×7÷2-6×3÷2-2×1=92(m^2)
図3

(3) (1)と(2)で作図した図をそのまま利用しましょう。
図4のように,2つの影の図を重ねてみてください。
柱がPからQに移動することで,影も矢印のように移動するので,
赤く色をつけたところも影に加わることに注意しましょう。
影の面積は14×11-2×7÷2-4×2÷2-10×1÷2=138(m^2)
となります。
図4

作図系の問題は普段の勉強をするときに,解説の図を見て納得するだけで終わってしまう人と,
実際に自分で手を動かして描いてみる人との間でとても大きな差ができてしまいます。
「面倒くさい」という言葉が出そうになるのをぐっとこらえて,しっかりと作図してもらいたいものですね。
では,次回からは大阪星光学院中学校の問題を見ていきましょう。
よろしくお願いいたします。
それでは,記念すべき第一回の私の記事ですが,今回は東大寺学園中学校の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問5題,小問数は17題と例年通りでした。
が,平均点はここ数年に比べて5点ほど低く出てしまいました。
おそらく,点数を取りやすい問題と取りにくい問題が交互に並んでいたことで,
難易度に比べて得点ができなかったことが原因の1つだと思われます。
普段から言われていることだと思いますが,「取るべきところをしっかりと取る」
という当たり前のことを,入試本番という緊張する場面でもしっかりと発揮できた子が
得点できたのが今回の入試問題だったのではないでしょうか。
では,今回は合否を分けたと思われる問題の1つを取り上げましょう。
(問題)H24 東大寺学園中学校・算数 大問5番
右の図のように,平らな地面の上に東西,南北それぞれに1m間隔で直線が引かれています。
図の太線の上には高さ5mの壁があります。また,高さ10mの柱があり,柱の上には電球がついています。
この電球で壁を照らしたとき,地面にできる影について,次の問いに答えなさい。
(1) 図のPの位置に柱をたてたとき,影の面積を求めなさい。
(2) 図のQの位置に柱をたてたとき,影の面積を求めなさい。
(3) 柱を図のPの位置からQの位置までまっすぐに動かしたとき,一度でも影になった部分の面積を求めなさい。
まず10mの高さから5mの高さの壁を照らしたときに,どのような影ができるかを調べてみると,
図1のように,壁までの距離と同じ距離だけ進んだところに影の先端が来ることがわかります。
図1

(1) これを上からの図に落とし込んでいくと,図2のようになりますね。
影の面積は
14×9-6×5÷2-10×1÷2=106(m^2)
となります。
今回の問題は建物ではなく壁なので,壁の中も影になっていることに注意しましょう。
図2

(2) (1)と同様に作図するのですが,この問題はひっかけポイントが隠されています。
実は図3の★のところには影ができません。
「本当に影にならないの?」
と思う人は,4枚の壁について,それぞれどこに影ができるのかを分けて考えてみましょう。
★の所に影ができないのがわかりやすくなると思います。
影の面積は10×11-2×7÷2-6×3÷2-2×1=92(m^2)
図3

(3) (1)と(2)で作図した図をそのまま利用しましょう。
図4のように,2つの影の図を重ねてみてください。
柱がPからQに移動することで,影も矢印のように移動するので,
赤く色をつけたところも影に加わることに注意しましょう。
影の面積は14×11-2×7÷2-4×2÷2-10×1÷2=138(m^2)
となります。
図4

作図系の問題は普段の勉強をするときに,解説の図を見て納得するだけで終わってしまう人と,
実際に自分で手を動かして描いてみる人との間でとても大きな差ができてしまいます。
「面倒くさい」という言葉が出そうになるのをぐっとこらえて,しっかりと作図してもらいたいものですね。
では,次回からは大阪星光学院中学校の問題を見ていきましょう。
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