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2012(H24)入試分析算数六甲中学

2012.03.10 16:05|入試問題分析(算数)
六甲中学の2012年度A日程入試。道幸が連投でお届けします<(_ _)>
受験者314名に対し、合格者167名。実質競争率1.88倍。
ここ数年、2倍を超える競争率であったように記憶しているのですが、今年は多少易化しました。

○ 合格最低点は400点満点で212点(53%)。
○ 国語 150点満点で、受験者平均82.6点(55%)、合格者平均88.9点(59%)。
○ 理科 100点満点で受験者平均66.4点、合格者平均が74.7点。
○ 算数 150点満点で、受験者平均が66.7点(44%)、合格者平均は85.6点(57%)。

算数は、解いてみた感覚では、少々とっつきにくく、1枚目の大問2(過不足算)から、イヤラシイ感じの、
受験生泣かせの問題でした。3番以下、大問ごとに一言コメントを。

3 食塩水 難しくはないですが、普段あまりやっていないタイプ。従って、多少手間がかかる。
4 平面図形と比 手間も時間もかかる問題。
5 通過算 やっと、受験生が見慣れた問題。
6 直線図形の面積 楽勝!と思った人はとりこぼす。
7 反射 難関校を目指してきた人は、これを見て少しホッとしたかも。見慣れているだろう問題。
8 割合の文章題 数字は大きいですが、きちんとまとめていけば何とか対処できる問題。
9 速さ 旅人算系の問題。意味の読み取りから始まります。きちんと読み取れれば、対処可能。

正直、私は、2枚目より1枚目に時間を取られました。受験生の諸君も、平均点の低さから見て、
結構手を焼いた問題が多かったものと思います。
それでは、ようやくですが、大問の解説を。今回は4を取り上げます。

2012六甲4番問題


では、解説です。

図のように、記号をつけて考えてみます。
2012六甲4番解説

太線の三角形は
㋐+㋑+㋒+㋓+㋔+㋕+㋖+㋗=4×8÷2=16(cm^2)
そして、これは受験生なら当然知っていると思いますが、
㋐:㋑:㋒:㋓:㋔:㋕:㋖:㋗=1:3:5:7:9:11:13:15
1+3+5+7+9+11+13+15=8×8=64
なので、[64]=16cm^2 → [1]=0.25cm^2
また、底辺の長さに注目すると
㋓=㋙,㋗=㋛(上底,下底,高さが等しい)
㋒:㋘=㋕:㋚=4:3(上底+下底の比が4:3)

というところまで考えて、一気にいきましょう

㋘=㋒×3/4=[5]×3/4=[15/4],㋙=[7],㋔=[9],㋚=㋕×3/4=[11]×3/4=[33/4],㋖=[13],㋛=[15]
すべてたすと
[15/4]+[7]+[9]+[33/4]+[13]+[15]=[56]=0.25×56=14(cm^2)

一つ一つの台形について、いちいち上底や下底を求めて…というとんでもない方法でできないことはないですが、
少しでも時間を節約して、労力も少なくいきたいところなので、面積比に注目してみました。
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いつも楽しく拝見させて頂いております。

待ってました~H24六甲分析!....。毎年ですが,実はこの「六甲中」の入試問題を解くのが,入試シーズンの中の一番の楽しみだったりします(^^♪。(実は,私個人の中で,H24関西入試の中で一番最初に解答出ししたのが,六甲でした。結構,マニアックですが...)

さて,H24六甲ですが,数値設定が厳しい問題が結構見受けられたと思います。(【9】を除いて,答は確かに綺麗になるのですが,その綺麗な答にたどり着くまでの,計算がしんどいというのが,結構あったかと思います。)
《例》-----------------------------------------------------------------
【2】の過不足算の途中で,費用の合計を出すのに,170×264+120=?
【5】の通過算の中で,列車Aの速さを出すのに,1159÷19=?
列車Aの長さを出すのに,61×11-549=?
【8】の文章題で,210×24=?
------------------------------------------------------------------------
以上に示すように,「自分の頭では分かっていても」いざ,計算を進めようとすると,やたらと「半端」な数値設定が多いために,途中で計算間違いをしたりして,中々機動に乗り切れなかった受験生が結構いたのではないでしょうか。

六甲の問題は「パターン処理能力」を以外に,初見の文章を読んだときの「条件整理力」,「内容把握力」,「分析力」が必要な問題が多いことが特徴なのですが,今年はそれに追加する形で,「計算」で結構手こずって失点してしまった生徒も多かったのではないかと予想しております。

ちなみに,私が初見で解いたときに一番解きやすかったのは【7】の「反射」の問題でした。理由は「典型的で数値設定が易しいから」かも知れません(^^♪。

逆に,最も解答出しに自信が持てなかった問題は【2】と【9】です。
【2】については,【1】の六甲特有のハードな計算であるにも関わらず,答が「1/2,1/3」という出題者の配慮があるにも関わらず,なぜこの位置に「H24六甲Aの中で最も難しかった問題」を置くかなぁ~と,出題者の心理が未だに読めません。ここで,調子を崩した受験生は多数いるかと思います(T_T)/~~~。
【9】については,問題そのものは,速さの基本3用法を知っていれば4年生でも?解ける問題ですが,いかんせん数値設定の汚さゆえに答に自信が持てなかった受験生が多数いたことと思います。せめて,時速を「9の倍数」にするだけでも,正答率は上がったかと思いますが,これはこれで今後の六甲中の特徴かもしれません(*^_^*)。

追記ですが,H24入試については,六甲Aと六甲Bの作問者は同じ先生ではないかなぁ~という勝手な予想です。
《A》【1】の計算問題の答が(1)1/2,(2)1/3,《B》【1】の計算問題の答が(1)1/7000,(2)1/8
《A》【2】,《B》【7】ともに,過不足算の難問
《A》【6】,《B》【5】の面積移動のひっかけ問題
《A》【9】,《B》【9】みたいに神経を使う問題
以上を比較すると,六甲Aと六甲Bの作問に共通な匂いがぷんぷんした,H24六甲入試でした。

No title

ウルトラマン様、数理の道幸です。
どうも、いつもコメントありがとうございます。その中での的確な入試分析には常々感服しております。
六甲についてもそうですね。毎年、少しずつひねった、というか手をひと手間加えた問題が六甲の算数の特徴であったように思いますが、今年は、それが度を越したという印象です。やはり、数値設定のイヤラシイ問題が多かったせいもあるのでしょうね。
受験生全体の平均点も低調でしたから、来年度の入試問題に、これがどういう影響を及ぼすのかが、今から楽しみです。
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