2012(H24)入試分析 算数 筑波大学附属駒場中学校
2012.03.23 14:52|入試問題分析(算数)|
こんにちわ。だんだんと暖かくなってきましたが,皆様いかがお過ごしでしょうか。
関東シリーズになっての2回目の登場となりました,算数科の池田でございます。
では,今回は筑波大学附属駒場中学校の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問4題、小問数は13題。
難易度としては昨年並み,正解にたどり着くまでに思考の分岐点がたくさんあるため,
途中で折れない強い心と,きちんと情報を整理する力が必要となります。
例年,西暦の数を問題に絡めてくるので(今年は2012でした),数の大きな計算になっても,
落ち着いて計算しましょう。
1番は点の移動の問題。「正六角形の頂点をむすんで」というキーワードを見逃すと悲惨なことになりますが,
正三角形になるケースを2パターンにきちんと絞れれば,(3)まで取れると思います。
2番の水入れは変数が4つもある不定方程式なので心が折れそうになりますが,
丁寧に解けば決して無茶な問題ではありません。
さらに,(2)は(1)が解けなくてもできてしまうのですが,(1)で疲れ果てて,
目を通さずに先に進んでしまったというケースも考えられます。
3番は素因数分解のよくある問題ですので(2)までは必須ですね。
(3)は最後にチョロっと罠があるので,かなりの子が引っかかってしまったと思われます。
4番は場合の数。慎重に書き出すのですが,問題の性質上,数え洩らしが起こってしまうのが場合の数です。
小問3つのうち2つまで取れればOKというところでしょう。
では,今回は2番の問題を取り上げたいと思います。
(問題)H24 筑波大学附属駒場中学校・算数 大問2番

(1)まずは問題文に従って情報整理をしましょう。
10×A+20×B+40×C+60×D=400(L) 両辺を10で割っておきましょう。
A+2×B+4×C+6×D=40(☆) かつ,A+B+C+D=10となります。
A,B,C,Dはいずれも0でないことも注意しましょう。
さて,☆の式に注目すると,答えが偶数になっていますね。
A以外の2×B,4×C,6×Dは偶数確定ですから,Aも偶数になります。
・Aが2の場合
2×B+4×C+6×D=38 ⇒ B+2×C+3×D=19 かつ,B+C+D=8
D=5 のとき B+2×C=4 B+C=3より,B=2,C=1
D=4 のとき B+2×C=7 B+C=4より,B=1,C=3
D=3 のとき B+2×C=10 B+C=5より,B=0,C=5となり,不適。
・Aが4の場合
2×B+4×C+6×D=36 ⇒ B+2×C+3×D=18 かつ,B+C+D=6
B=0,C=0,D=6しか満たさないので不適。
よって,答えは(2,2,1,5)と(2,1,3,4)となります。
ちなみに,☆の式からA+B+C+D=10を引いて,
B+3×C+5×D=30から絞っていくということもできますね♪
(2)下線部分に注意して問題を整理しましょう。
(ア)5分間で10+20+40+60+0=130(L)入れることの繰り返しですね。
400÷130=3(セット)…10(L)
最後の10Lは10分で入るので,5×3+1=16(分)となります。
(イ)今度は排水されます。排水は常に行われているので,
5分間で0+10+30+50-10=80(L)入ることの繰り返しです。
ただし,400÷80=5(セット)としてはいけません。
最後の-10まで含めて400Lということは24分の時点では410L入ったことになってしまいます。
4セットが終わった時点で80×4=320(L)入っているので,あと80L。
0+10+30+40で80L入りますから,最後の40Lの部分にかかる時間を計算すると,
40÷50=0.8(分)
よって,5×4+3+0.8=23.8(分)→23分48秒となります。
セットの中に減る時間帯がある問題では,単純にセット数を数えるとアウト!というひっかけがよくつかわれます。
普段の勉強をするときにはどんどん罠にはまってもいい(?)ですから,はまったときに
「こういうところに罠があるんだな」
ということをしっかりと意識するようにしましょう。
関東シリーズになっての2回目の登場となりました,算数科の池田でございます。
では,今回は筑波大学附属駒場中学校の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問4題、小問数は13題。
難易度としては昨年並み,正解にたどり着くまでに思考の分岐点がたくさんあるため,
途中で折れない強い心と,きちんと情報を整理する力が必要となります。
例年,西暦の数を問題に絡めてくるので(今年は2012でした),数の大きな計算になっても,
落ち着いて計算しましょう。
1番は点の移動の問題。「正六角形の頂点をむすんで」というキーワードを見逃すと悲惨なことになりますが,
正三角形になるケースを2パターンにきちんと絞れれば,(3)まで取れると思います。
2番の水入れは変数が4つもある不定方程式なので心が折れそうになりますが,
丁寧に解けば決して無茶な問題ではありません。
さらに,(2)は(1)が解けなくてもできてしまうのですが,(1)で疲れ果てて,
目を通さずに先に進んでしまったというケースも考えられます。
3番は素因数分解のよくある問題ですので(2)までは必須ですね。
(3)は最後にチョロっと罠があるので,かなりの子が引っかかってしまったと思われます。
4番は場合の数。慎重に書き出すのですが,問題の性質上,数え洩らしが起こってしまうのが場合の数です。
小問3つのうち2つまで取れればOKというところでしょう。
では,今回は2番の問題を取り上げたいと思います。
(問題)H24 筑波大学附属駒場中学校・算数 大問2番

(1)まずは問題文に従って情報整理をしましょう。
10×A+20×B+40×C+60×D=400(L) 両辺を10で割っておきましょう。
A+2×B+4×C+6×D=40(☆) かつ,A+B+C+D=10となります。
A,B,C,Dはいずれも0でないことも注意しましょう。
さて,☆の式に注目すると,答えが偶数になっていますね。
A以外の2×B,4×C,6×Dは偶数確定ですから,Aも偶数になります。
・Aが2の場合
2×B+4×C+6×D=38 ⇒ B+2×C+3×D=19 かつ,B+C+D=8
D=5 のとき B+2×C=4 B+C=3より,B=2,C=1
D=4 のとき B+2×C=7 B+C=4より,B=1,C=3
D=3 のとき B+2×C=10 B+C=5より,B=0,C=5となり,不適。
・Aが4の場合
2×B+4×C+6×D=36 ⇒ B+2×C+3×D=18 かつ,B+C+D=6
B=0,C=0,D=6しか満たさないので不適。
よって,答えは(2,2,1,5)と(2,1,3,4)となります。
ちなみに,☆の式からA+B+C+D=10を引いて,
B+3×C+5×D=30から絞っていくということもできますね♪
(2)下線部分に注意して問題を整理しましょう。
(ア)5分間で10+20+40+60+0=130(L)入れることの繰り返しですね。
400÷130=3(セット)…10(L)
最後の10Lは10分で入るので,5×3+1=16(分)となります。
(イ)今度は排水されます。排水は常に行われているので,
5分間で0+10+30+50-10=80(L)入ることの繰り返しです。
ただし,400÷80=5(セット)としてはいけません。
最後の-10まで含めて400Lということは24分の時点では410L入ったことになってしまいます。
4セットが終わった時点で80×4=320(L)入っているので,あと80L。
0+10+30+40で80L入りますから,最後の40Lの部分にかかる時間を計算すると,
40÷50=0.8(分)
よって,5×4+3+0.8=23.8(分)→23分48秒となります。
セットの中に減る時間帯がある問題では,単純にセット数を数えるとアウト!というひっかけがよくつかわれます。
普段の勉強をするときにはどんどん罠にはまってもいい(?)ですから,はまったときに
「こういうところに罠があるんだな」
ということをしっかりと意識するようにしましょう。
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