2012(H24)入試分析 算数 神戸海星女子学院B日程
2012.03.17 09:35|入試問題分析(算数)|
こんにちは!
寒かったり暖かかったりで,まだまだ体調管理の難しい季節が続きますが,皆様いかがお過ごしでしょうか。
算数科の池田でございます。
今回の記事で関西の入試問題はとりあえず一段落となります。
次回からは関東の入試問題に入っていきますね。
では,関西の入試問題の最後に神戸海星女子学院中学校(B日程)の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問6題、小問数は20題。
難易度はA日程よりも取り組みやすい問題が多く,受験者層を考えると1つのミスが命取りとなったのではないでしょうか。
1番の小問群は(4)の食塩水の問題で操作回数が多いこと以外は基本的なことをしっかりと押さえておけば取れる問題です。
2番の問題もよく見る平面図形の問題ですが,問題文の中に「合同な」という言葉が書かれています。
当然のことなのですが,図形問題であっても問題文をきちんと読んでから取り組みましょう。
「図形問題=図を見て解く」という子が非常に多い(これはできる子にもよく見られる現象です)のが実情ですから,
条件を読み落として無駄に時間を費やすことのないようにしてくださいね。
3番は点の移動の問題。点の動き方,グラフもオーソドックスなもので,ここでもミスをしない限り差はつかないです。
ちなみに,今回の台形は右半分の直角三角形の3辺の比が5:6:7となってしまい,三平方の定理が成り立たない,
存在し得ない形になってしまっていました。
問題を解く分には影響ないですが,気付いてしまうとちょっと気持ち悪いですね。
4番は数列です。これもB日程で受ける子にとっては,基本の問題なので,ミスをしない限り差はつきません。
5番は通過算。ここは差がついたと思われます。進んだ距離がどれだけかということを,
図を描いて1点に注目して考えるという,基本的だがなかなか定着しにくいことが試される問題です。
6番は立体図形ですが,(1)だけしっかり取って,他をミス無くというのが合格点を取るための王道かと思います。立体に強い子は(2)(3)の難易度はそれほど大きく変わらないので,かなり有利だったのではないでしょうか。
では,今回取り上げる問題ですが,1番の(4)を取り上げましょう。
(問題)H24 神戸海星女子学院中学校・算数(B日程) 大問1番(4)
□%の食塩水A100gと,6%の食塩水B50gをよくかき混ぜて,食塩水Cをつくりました。次に,食塩水C100gと,食塩水B50gをよくかき混ぜて,食塩水Dをつくりました。さらに,食塩水D100gと,食塩水B50gをよくかき混ぜると,10%の食塩水になりました。
食塩水の問題で複数回のやり取りが行われている場合は,食塩/全体量で表しましょう。
まずは,問題文に書かれていることをそのまま図に表します。

同じ濃さのところを同じ印で囲んでおいてあげることがポイントです。
同じ濃さということに気付かずに行き詰る人が多いのが食塩水の問題ですよ。
あとは逆からたどっていってあげるだけ。

①15-3=12
②12×150/100=18
③18-3=15
④15×150/100=22.5
⑤22.5-3=19.5
となるので,Aは19.5%となります。
ちなみに,このような問題を解くときに,知っているとちょっとスピードアップできる方法として,
「濃さが同じ食塩水で,全体が□倍になっていたら塩も□倍になっている」というのがあります。
例えば,②を出すところで,全体量が100g→150gで×1.5になっているので,12×1.5=18gみたいなところですね。
今回の問題では100gなのでそれほど効果を感じませんが,例えば

のときに,
10.5÷56=0.1875 80×0.1875=15g
と出すよりも,
80÷56=10/7 10.5×10/7=15g
で出す方が早いですよね。
(早いというよりも暗算でやりやすい)
言われてみれば当たり前のことですが,当たり前のことを本番当日にしっかりできることで,難問に回す時間も生み出すことができます。
普段からこのようなことを意識して問題に取り組んでみてくださいね。
寒かったり暖かかったりで,まだまだ体調管理の難しい季節が続きますが,皆様いかがお過ごしでしょうか。
算数科の池田でございます。
今回の記事で関西の入試問題はとりあえず一段落となります。
次回からは関東の入試問題に入っていきますね。
では,関西の入試問題の最後に神戸海星女子学院中学校(B日程)の算数の問題を見てみましょう。
問題の分量は大問6題、小問数は20題。
難易度はA日程よりも取り組みやすい問題が多く,受験者層を考えると1つのミスが命取りとなったのではないでしょうか。
1番の小問群は(4)の食塩水の問題で操作回数が多いこと以外は基本的なことをしっかりと押さえておけば取れる問題です。
2番の問題もよく見る平面図形の問題ですが,問題文の中に「合同な」という言葉が書かれています。
当然のことなのですが,図形問題であっても問題文をきちんと読んでから取り組みましょう。
「図形問題=図を見て解く」という子が非常に多い(これはできる子にもよく見られる現象です)のが実情ですから,
条件を読み落として無駄に時間を費やすことのないようにしてくださいね。
3番は点の移動の問題。点の動き方,グラフもオーソドックスなもので,ここでもミスをしない限り差はつかないです。
ちなみに,今回の台形は右半分の直角三角形の3辺の比が5:6:7となってしまい,三平方の定理が成り立たない,
存在し得ない形になってしまっていました。
問題を解く分には影響ないですが,気付いてしまうとちょっと気持ち悪いですね。
4番は数列です。これもB日程で受ける子にとっては,基本の問題なので,ミスをしない限り差はつきません。
5番は通過算。ここは差がついたと思われます。進んだ距離がどれだけかということを,
図を描いて1点に注目して考えるという,基本的だがなかなか定着しにくいことが試される問題です。
6番は立体図形ですが,(1)だけしっかり取って,他をミス無くというのが合格点を取るための王道かと思います。立体に強い子は(2)(3)の難易度はそれほど大きく変わらないので,かなり有利だったのではないでしょうか。
では,今回取り上げる問題ですが,1番の(4)を取り上げましょう。
(問題)H24 神戸海星女子学院中学校・算数(B日程) 大問1番(4)
□%の食塩水A100gと,6%の食塩水B50gをよくかき混ぜて,食塩水Cをつくりました。次に,食塩水C100gと,食塩水B50gをよくかき混ぜて,食塩水Dをつくりました。さらに,食塩水D100gと,食塩水B50gをよくかき混ぜると,10%の食塩水になりました。
食塩水の問題で複数回のやり取りが行われている場合は,食塩/全体量で表しましょう。
まずは,問題文に書かれていることをそのまま図に表します。

同じ濃さのところを同じ印で囲んでおいてあげることがポイントです。
同じ濃さということに気付かずに行き詰る人が多いのが食塩水の問題ですよ。
あとは逆からたどっていってあげるだけ。

①15-3=12
②12×150/100=18
③18-3=15
④15×150/100=22.5
⑤22.5-3=19.5
となるので,Aは19.5%となります。
ちなみに,このような問題を解くときに,知っているとちょっとスピードアップできる方法として,
「濃さが同じ食塩水で,全体が□倍になっていたら塩も□倍になっている」というのがあります。
例えば,②を出すところで,全体量が100g→150gで×1.5になっているので,12×1.5=18gみたいなところですね。
今回の問題では100gなのでそれほど効果を感じませんが,例えば

のときに,
10.5÷56=0.1875 80×0.1875=15g
と出すよりも,
80÷56=10/7 10.5×10/7=15g
で出す方が早いですよね。
(早いというよりも暗算でやりやすい)
言われてみれば当たり前のことですが,当たり前のことを本番当日にしっかりできることで,難問に回す時間も生み出すことができます。
普段からこのようなことを意識して問題に取り組んでみてくださいね。
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