2012(H24)入試分析 算数 麻布中学校

2012.03.21 15:29|入試問題分析(算数)
元気ですかーーーーーっ!?
算数科の宇高です。

さて,今回は麻布中学校の算数を見てみましょう。

今年の受験者数830人,合格者数363人(募集人員300名),実質倍率2.29倍,
点数については,
トータル200点満点(国語・算数 各60点,理科・社会 各40点)で,
最高点は160点(8割),合格最低点は122点(6割1分)という結果でした。
受験者数が昨年度より減ったこともあり,今年は若干通りやすくはなっています。

ただ,算数に関しては相変わらず,理屈をしっかり考えさせられる問題,
丁寧に調べ上げていく問題,思考力が要求される問題など手強い問題が多いので,
学力差が如実に出るテストとなっていると思われます。

それでは今日の問題は,なかなかユニークな視点のこの問題。

(問題)H24 麻布中学校・算数 大問6番
(1)1辺の長さが1cmの正三角形があります。この正三角形2つをつなげて,図1のような平行四辺形PQRSを作ります。この平行四辺形の平行な2辺PS,ORを1.5cmにのばして,図2のように新しい平行四辺形を作りました。このとき,この平行四辺形の面積はもとの正三角形の面積の何倍になりましたか。
2012azabu6-1.jpg
(2)
(ア)1辺の長さが1cmの正六角形ABCDEFがあります。この正六角形の平行な2辺ABとEDを同じ長さだけのばして,図3のように新しい六角形を作ったところ,面積が2倍になりました。この新しい六角形において,辺ABの長さを求めなさい。
2012azabu6-2.jpg
(イ)次に(ア)で作った六角形ABCDEFの平行な2辺BCとFEを同じ長さだけのばして,面積が2倍になるように新しい六角形を作りました。新しい六角形において,辺BCの長さを求めなさい。答えは分数で書きなさい。
2012azabu6-3.jpg
(ウ)さらに,(イ)で作った六角形ABCDEFの平行な2辺AFとCDを同じ長さだけのばして,面積が2倍になるように新しい六角形を作りました。新しい六角形において,辺AFの長さを求めなさい。答えは分数で書きなさい。

2012azabu6-4.jpg

(2)は力ずくでもなんとかできてしまう問題ではあります。
ただ,ここまでの問題が結構面倒な場合分けの問題が多かったので,
最後で力ずくでやろうとすると,
(1)と,辛うじて(2)(ア)ぐらいしかとれないかもしれません。
以下では,(1)をヒントにしながら解いていきたいと思います((1)と(2)(ア)は絶対にとらなければなりませんね。)

(1)
1辺が1cmの正三角形の面積を[1]cm^2としますと,
図1の平行四辺形の面積は,[2]cm^2となります。
図1の平行四辺形と図2の平行四辺形はいわゆる「等高図形」の関係で,
(上底の長さ+下底の長さ)の比がそのまま面積比となりますので,
面積比は
図1:図2=(1+1):(1.5+1.5)=2:3=[2]:[3]
となり,
図2の平行四辺形の面積は,もとの正三角形の面積の3倍となります。

この図1と図2の比較で気付いてほしいのは,
「平行四辺形の高さを変えずに上底と下底をどちらも□倍にすると,面積も□倍になる」という,
まぁ当たり前といえば当たり前の事実です。

この「平行四辺形の横のばし」の発想を使って(2)の問題を解いてみましょう。

(ア)
元の正六角形ABCDEFの面積は[6]cm^2,
その面積の2倍になるのですから,
図3の六角形の面積は[12]cm^2となります。
「平行四辺形の横のばし」の関係ができるように,
それぞれの図形を下の図のように赤の点線で分割すると,
分かれた部分の面積は以下のようになります(単位は省略)。
2012azabu6-5.jpg
よって,平行四辺形EGCDの面積が
5÷2=2.5(倍)
になっているので,上底EDの長さも2.5倍,
つまり2.5cmとなります。

(イ)
これも,BC,FEの方向にのばしたときにできる「平行四辺形の横のばし」の関係を見つけると,
下の図のように分割できます(赤の太線で囲んだ部分が元の(ア)の六角形です)。
2012azabu6-6.jpg
これを,平行四辺形EFHDと平行四辺形DHBCの横のばしと見てもいいですが,
どちらも同じ割合だけ横のばししますので,
六角形EFHBCDをまとめて横のばししたと考えても解けますね。
のびた部分の面積が元の六角形の面積,つまり[12]cm^2なので,
面積は,(7+12)÷7=19/7(倍)
つまり,BCの長さも元のBCの長さの19/7倍で19/7cmとなります。

(ウ)
これも,AF,CDの方向にのばしたときにできる「平行四辺形の横のばし」の関係を見つけると,
下図のように分割できます(赤の太線で囲んだ部分が元の(イ)の六角形です)。
2012azabu6-7.jpg
これも,平行四辺形EFAIと平行四辺形EICDの横のばしでなく,
六角形EFAICDをまとめて横のばししたと考えます。
(1辺1cmのひし形の面積が[2]cm^2ですので,
四角形EFAIの面積は,AIの長さが19/7cmなので[38/7]cm^2,
四角形EICDの面積は,ICの長さが2.5cmなので[5]cm^2,
よって,六角形EFAICDの面積は[38/7]+[5]=[73/7](cm^2)
となるのはわかりますよね?)
のびた部分の面積が元の六角形の面積,つまり[24]cm^2なので,
(73/7+24)÷73/7=241/73(倍)
つまり,AFの長さも元のAFの長さの241/73倍で241/73cmとなりますね。

次回は,慶應義塾中等部の問題を見てみたいと思います。

070210_1825~001
(うちの愛犬との初対面の瞬間。お前,最初から目つき悪かったよね…(^o^;)
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