2012(H24)入試分析 算数 渋谷教育学園幕張中学校
2012.03.24 15:15|入試問題分析(算数)|
こんにちはーーーーーっ!
算数科の宇高です。
それでは,今回は渋谷教育学園幕張中学校(以下,渋幕)の一次入試を見てみましょう。
この3年,競争率としては2.2倍~2.4倍ぐらいで推移しています。
ただ,算数自体は難易度の変動が激しいので
(100点満点中受験者平均が,2009年度は39.5点,2010年度が64.1点,
2011年度が40.4点,2012年度が60.5点。すごい乱高下ですね…(^o^;;),
日ごろのテストで,どんなレベルの問題にあたろうが
「時間内でいかに効率よく点数を稼いでいくか」
ということは常に強く意識しておく必要があります。
そして,渋幕の一次入試では,特に算数と理科において,
受験者平均と合格者平均の格差が大きくなっています。
算数,理科でしっかり力をつけておくことが合格への近道となるといえるでしょう。
さて,実際に問題を見てみましょう。
個人的には「このゲーム,やってもテンション上がらないだろうな…」と思ってしまうこの問題(笑)。
(問題)H24 渋谷教育学園幕張中学校・算数 大問2番
1~13の数が書かれたカードがそれぞれ4枚ずつ合計52枚あります。真一くんと和子さんと研二くんの3人は,次の手順にしたがって,このカードを使ってゲームをします。
手順1 はじめに,52枚のカードをすべて裏にして積みます。一番上のカードを表にしてそのとなりにおき,表にしたカードに書かれた数をAとします。
手順2 真一くんと和子さんと研二くんはこの順に,残りの裏になっているカードから,1枚ずつカードを引きます。
手順3 3人は次のルールにしたがって,自分がゲームを終了するかどうかを判定し,ゲームが終了したときに得点が決まります。
① 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAより大きいときは,手元にあるカードの枚数に関係なく,自分の得点を0点として,ゲームを終了します。
② 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAと同じときは,手元にあるカードの枚数を得点として,ゲームを終了します。
③ 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAより小さいときは,ゲームを続け,手順4に進みます。
手順4 ゲームを続ける人は,裏にして積まれたカードからもう1枚カードを引き,それを手元にあるカードに加えて,手順3に戻ります。
全員がゲームを終了したときに,もっとも得点の高い人が勝ちとなります。ただし,カードを引く順番は,真一くん,和子さん,研二くんの順で,最後の一人になってもカードを引き続けます。3人は,このゲームを1回しました。
次の各問いに答えなさい。
(1) このゲームで考えられる最高得点は何点ですか。
(2) Aが8のとき,真一くんは3点,和子さんは4点,研二くんは5点で,研二くんの勝ちとなりました。このとき,真一くんが持っているカードに書かれている3つの数を答えなさい。
試験中の緊張した状況で読むと,なかなか条件がつかみにくいかもしれませんね。
具体的に見てみましょう。例えば一番最初に表にしたカードの数(A)が8のとき,
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に4を引いた場合,合計がA=8より大きくなるので,この時点で真一くんは「0点」になってゲーム終了です。
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に3を引くと,合計がAと等しくなるので,真一くんの得点は「2点(引いたカードは5と3の2枚)」となってゲーム終了です。
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に2を引くと,合計がAより小さいのでゲーム続行です。次に1を引くと,合計がAと等しくなるので,真一くんの得点は「3点(引いたカードは5と2と1の3枚)」となってゲーム終了です。
つまり,このゲームは引いたカードの数の合計がA未満で終わることはなく,
「合計がAと等しくなって,引いたカードの枚数を得点としてもらうか,合計がAを超えて0点になって終わるか」
のどちらかしか無いのです。
このルールがつかめてくると,この問題も比較的解きやすく感じると思います。
(1)
あくまで,このゲームでの「得点」は
「合計がAとちょうど同じになるまでに引いたカードの枚数」
だということを忘れないでください
(ここを,ついつい「得点=引いたカードの数の和」と思いがちなところが,
この問題の厄介なところだ思います) 。
すると,最高得点は,
「Aができるだけ大きな数字で,
和がAになるまで小さな数字のカードをできるだけたくさん引いたときの枚数」
だろうと予想がつくと思います。
ということで,Aを13としてみましょう。
このとき,引いたカードの枚数をできるだけ多くするには,
「1を4枚,2を3枚,3を1枚」の合計8枚を引けばよいとわかります。
他を調べても,8枚を超える場合はありません。
よって,最高得点は8点です。
(2)
しつこいですが,もう一度確認しておきますね(^o^;
このゲームを終了した時点で得点が0点でないということは,引いたカードの数の合計がAと等しくなったということです
(それ以外の場合はすべて0点です。イヤなゲームですね(笑))。
この問題では,3人とも得点があるわけですから,
3人とも引いたカードの合計が8になったわけです。
そして,真一くんが引いた枚数は3枚,和子さんは4枚,研二くんは5枚です。
ここで,3枚,4枚,5枚で8になる組み合わせを一つ一つ考えていくのはちょっと大変ですね…。
でも,組み合わせを実際に考えていってみると,
3人が引いた数の中には1や2が相当入ることはわかってくると思います
(真一くんの引いた数の平均が8/3,和子さんが2,研二くんが1.6ということからも
なんとなくはわかりますよね)。
そこで,3人バラバラに考えるのでなく,3人まとめて考えてみます。
3人は,全員で3+4+5=12(枚)のカードを引いて,その合計が8×3=24になるわけですが,
実はこうなるような12枚のカードの組み合わせ自体が
「1,2,3がそれぞれ4枚ずつ」
というパターンしかありません。
つまり,この12枚の中から
真一くん,和子さん,研二くんのカードの組み合わせを考えればよいのです。
すると,この中で真一くんのとったカードの組み合わせは「2,3,3」しか考えられませんね。
(ちなみに,残りの中から和子さんの組み合わせは「1,1,3,3」か「1,2,2,3」,
研二くんはそれぞれ残りの「1,1,2,2,2」か「1,1,1,2,3」ですね。)
次回は,桜蔭中学校の入試を見ていきましょう。

(ペットショップからうちに初めて来た日。ウェルカム・トゥ・我が家!
しかし,リボン似合わないねぇ…(^o^;)
算数科の宇高です。
それでは,今回は渋谷教育学園幕張中学校(以下,渋幕)の一次入試を見てみましょう。
この3年,競争率としては2.2倍~2.4倍ぐらいで推移しています。
ただ,算数自体は難易度の変動が激しいので
(100点満点中受験者平均が,2009年度は39.5点,2010年度が64.1点,
2011年度が40.4点,2012年度が60.5点。すごい乱高下ですね…(^o^;;),
日ごろのテストで,どんなレベルの問題にあたろうが
「時間内でいかに効率よく点数を稼いでいくか」
ということは常に強く意識しておく必要があります。
そして,渋幕の一次入試では,特に算数と理科において,
受験者平均と合格者平均の格差が大きくなっています。
算数,理科でしっかり力をつけておくことが合格への近道となるといえるでしょう。
さて,実際に問題を見てみましょう。
個人的には「このゲーム,やってもテンション上がらないだろうな…」と思ってしまうこの問題(笑)。
(問題)H24 渋谷教育学園幕張中学校・算数 大問2番
1~13の数が書かれたカードがそれぞれ4枚ずつ合計52枚あります。真一くんと和子さんと研二くんの3人は,次の手順にしたがって,このカードを使ってゲームをします。
手順1 はじめに,52枚のカードをすべて裏にして積みます。一番上のカードを表にしてそのとなりにおき,表にしたカードに書かれた数をAとします。
手順2 真一くんと和子さんと研二くんはこの順に,残りの裏になっているカードから,1枚ずつカードを引きます。
手順3 3人は次のルールにしたがって,自分がゲームを終了するかどうかを判定し,ゲームが終了したときに得点が決まります。
① 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAより大きいときは,手元にあるカードの枚数に関係なく,自分の得点を0点として,ゲームを終了します。
② 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAと同じときは,手元にあるカードの枚数を得点として,ゲームを終了します。
③ 自分の手元にあるすべてのカードに書かれた数の合計がAより小さいときは,ゲームを続け,手順4に進みます。
手順4 ゲームを続ける人は,裏にして積まれたカードからもう1枚カードを引き,それを手元にあるカードに加えて,手順3に戻ります。
全員がゲームを終了したときに,もっとも得点の高い人が勝ちとなります。ただし,カードを引く順番は,真一くん,和子さん,研二くんの順で,最後の一人になってもカードを引き続けます。3人は,このゲームを1回しました。
次の各問いに答えなさい。
(1) このゲームで考えられる最高得点は何点ですか。
(2) Aが8のとき,真一くんは3点,和子さんは4点,研二くんは5点で,研二くんの勝ちとなりました。このとき,真一くんが持っているカードに書かれている3つの数を答えなさい。
試験中の緊張した状況で読むと,なかなか条件がつかみにくいかもしれませんね。
具体的に見てみましょう。例えば一番最初に表にしたカードの数(A)が8のとき,
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に4を引いた場合,合計がA=8より大きくなるので,この時点で真一くんは「0点」になってゲーム終了です。
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に3を引くと,合計がAと等しくなるので,真一くんの得点は「2点(引いたカードは5と3の2枚)」となってゲーム終了です。
☆ 真一くんが1枚目に5を引き,2枚目に2を引くと,合計がAより小さいのでゲーム続行です。次に1を引くと,合計がAと等しくなるので,真一くんの得点は「3点(引いたカードは5と2と1の3枚)」となってゲーム終了です。
つまり,このゲームは引いたカードの数の合計がA未満で終わることはなく,
「合計がAと等しくなって,引いたカードの枚数を得点としてもらうか,合計がAを超えて0点になって終わるか」
のどちらかしか無いのです。
このルールがつかめてくると,この問題も比較的解きやすく感じると思います。
(1)
あくまで,このゲームでの「得点」は
「合計がAとちょうど同じになるまでに引いたカードの枚数」
だということを忘れないでください
(ここを,ついつい「得点=引いたカードの数の和」と思いがちなところが,
この問題の厄介なところだ思います) 。
すると,最高得点は,
「Aができるだけ大きな数字で,
和がAになるまで小さな数字のカードをできるだけたくさん引いたときの枚数」
だろうと予想がつくと思います。
ということで,Aを13としてみましょう。
このとき,引いたカードの枚数をできるだけ多くするには,
「1を4枚,2を3枚,3を1枚」の合計8枚を引けばよいとわかります。
他を調べても,8枚を超える場合はありません。
よって,最高得点は8点です。
(2)
しつこいですが,もう一度確認しておきますね(^o^;
このゲームを終了した時点で得点が0点でないということは,引いたカードの数の合計がAと等しくなったということです
(それ以外の場合はすべて0点です。イヤなゲームですね(笑))。
この問題では,3人とも得点があるわけですから,
3人とも引いたカードの合計が8になったわけです。
そして,真一くんが引いた枚数は3枚,和子さんは4枚,研二くんは5枚です。
ここで,3枚,4枚,5枚で8になる組み合わせを一つ一つ考えていくのはちょっと大変ですね…。
でも,組み合わせを実際に考えていってみると,
3人が引いた数の中には1や2が相当入ることはわかってくると思います
(真一くんの引いた数の平均が8/3,和子さんが2,研二くんが1.6ということからも
なんとなくはわかりますよね)。
そこで,3人バラバラに考えるのでなく,3人まとめて考えてみます。
3人は,全員で3+4+5=12(枚)のカードを引いて,その合計が8×3=24になるわけですが,
実はこうなるような12枚のカードの組み合わせ自体が
「1,2,3がそれぞれ4枚ずつ」
というパターンしかありません。
つまり,この12枚の中から
真一くん,和子さん,研二くんのカードの組み合わせを考えればよいのです。
すると,この中で真一くんのとったカードの組み合わせは「2,3,3」しか考えられませんね。
(ちなみに,残りの中から和子さんの組み合わせは「1,1,3,3」か「1,2,2,3」,
研二くんはそれぞれ残りの「1,1,2,2,2」か「1,1,1,2,3」ですね。)
次回は,桜蔭中学校の入試を見ていきましょう。

(ペットショップからうちに初めて来た日。ウェルカム・トゥ・我が家!
しかし,リボン似合わないねぇ…(^o^;)
スポンサーサイト
