2013(H25)入試分析 灘中学校(第1日) 算数 PART1
2013.01.25 19:33|入試問題分析(算数)|
今年もこの時期がやってまいりました。
入試分析を少しずつ進めていきたいと思います。
問題数は大問13問,小問数15問とボリューム的には例年と変化なく,
テスト時間内で脳味噌をフル回転させてテンポよく問題を解いていくことが
求められるテストとなっています。
去年は合格者平均が1日目79.4点,2日目86.2点と例年になく高かったので,
今年はどのようになるかと注目していましたが,やはり1日目は厳しい問題が
並びました。合格者平均が58.6点とここ5年で最も厳しく,問題の並びも
前半にキツ目の問題が並び,生真面目に前から順に取り組んだ生徒は,
精神的にもしんどい試験になったのではないでしょうか。
今年はその中でも前から順に解いていったときにはじめに出てくる壁となるであろう,
4番の問題を取り上げてみたいと思います。
(問題)H25 灘中学校・1日目算数 大問4番
分母,分子がともに整数で,これ以上約分できない分数のうち,0.5より大きく0.51より小さいものを
すべて考えます。ただし,ちょうど0.5または0.51になる分数は除きます。この中で,分母が100以下の
分数は□個あります。
0.5と0.51を数直線上で表してみると下の図のようになります。

○のところが分母が100のときにちょうど表すことのできる目盛りになりますね。
この赤いところに○が乗ってくるような分数を見つければよいわけです。
では,分母が偶数の場合と奇数の場合に分けて考えましょう。
なぜ偶数と奇数に分けるかというと,50/100のところは1/2なので,
分母が偶数の場合は必ずここに○が重なり,
分母が奇数の場合はここを挟んで左右対称に○が配置されるからです。

分母が偶数の場合は,上の図のように①/②の次の○が1/②だけ右に移動しますので,
51/100を飛び越えてしまうのが分かりますね。つまり,分母が偶数の場合はありえないということです。
次に,分母が奇数の場合を見てみましょう。
先ほどと違い,1/2にあたるところに○が来ません。
ここは無理に表現するならば(①+0.5)/(②+1)を示しており,実際に○で表せる場所は
左右に0.5/(②+1)ずつ離れたところになります。

分数のままで考えるのが得意な人はこの解き方でよいかと思いますが,分数のままで考えるのが
ちょっと苦手な人のために別解を。
<<別解>>
50/100と△/○と51/100を,分母が○×100になるように通分すると,50×○<100×△<51×○
となるので,50×○より大きく51×○より小さい100の倍数が存在しないといけません。
★○が偶数の場合
50×○が100の倍数になり,51×○が次の100の倍数を超えることができないのであり得ません。
★○が奇数の場合
50×○は下2桁が50となるので,51×○が次の100の倍数を超えるには○は少なくとも51は必要です。
よって,51以上100以下の奇数なので50÷2=25個
いずれの解き方でも分母が偶数の場合と奇数の場合で分けて考えていますね。
時間がたっぷりあって余裕をもって解ける状況であればともかく,限られた時間の中で
場合分けをして,それぞれ整理して考えるとなると,かなり高い壁だったのではないかと思われます。
(池)
入試分析を少しずつ進めていきたいと思います。
問題数は大問13問,小問数15問とボリューム的には例年と変化なく,
テスト時間内で脳味噌をフル回転させてテンポよく問題を解いていくことが
求められるテストとなっています。
去年は合格者平均が1日目79.4点,2日目86.2点と例年になく高かったので,
今年はどのようになるかと注目していましたが,やはり1日目は厳しい問題が
並びました。合格者平均が58.6点とここ5年で最も厳しく,問題の並びも
前半にキツ目の問題が並び,生真面目に前から順に取り組んだ生徒は,
精神的にもしんどい試験になったのではないでしょうか。
今年はその中でも前から順に解いていったときにはじめに出てくる壁となるであろう,
4番の問題を取り上げてみたいと思います。
(問題)H25 灘中学校・1日目算数 大問4番
分母,分子がともに整数で,これ以上約分できない分数のうち,0.5より大きく0.51より小さいものを
すべて考えます。ただし,ちょうど0.5または0.51になる分数は除きます。この中で,分母が100以下の
分数は□個あります。
0.5と0.51を数直線上で表してみると下の図のようになります。

○のところが分母が100のときにちょうど表すことのできる目盛りになりますね。
この赤いところに○が乗ってくるような分数を見つければよいわけです。
では,分母が偶数の場合と奇数の場合に分けて考えましょう。
なぜ偶数と奇数に分けるかというと,50/100のところは1/2なので,
分母が偶数の場合は必ずここに○が重なり,
分母が奇数の場合はここを挟んで左右対称に○が配置されるからです。

分母が偶数の場合は,上の図のように①/②の次の○が1/②だけ右に移動しますので,
51/100を飛び越えてしまうのが分かりますね。つまり,分母が偶数の場合はありえないということです。
次に,分母が奇数の場合を見てみましょう。
先ほどと違い,1/2にあたるところに○が来ません。
ここは無理に表現するならば(①+0.5)/(②+1)を示しており,実際に○で表せる場所は
左右に0.5/(②+1)ずつ離れたところになります。

分数のままで考えるのが得意な人はこの解き方でよいかと思いますが,分数のままで考えるのが
ちょっと苦手な人のために別解を。
<<別解>>
50/100と△/○と51/100を,分母が○×100になるように通分すると,50×○<100×△<51×○
となるので,50×○より大きく51×○より小さい100の倍数が存在しないといけません。
★○が偶数の場合
50×○が100の倍数になり,51×○が次の100の倍数を超えることができないのであり得ません。
★○が奇数の場合
50×○は下2桁が50となるので,51×○が次の100の倍数を超えるには○は少なくとも51は必要です。
よって,51以上100以下の奇数なので50÷2=25個
いずれの解き方でも分母が偶数の場合と奇数の場合で分けて考えていますね。
時間がたっぷりあって余裕をもって解ける状況であればともかく,限られた時間の中で
場合分けをして,それぞれ整理して考えるとなると,かなり高い壁だったのではないかと思われます。
(池)
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