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2013(H25)年度入試分析 大阪星光学院 算数 PART2

2013.02.05 19:42|入試問題分析(算数)
数理教育研究会算数科の道幸です。

今回は,問題用紙2枚目の最初の問題である,大問3を見てみましょう。

以前はこのタイプの速さの問題が,星光ではよくみられましたが,最近ではあまり見かけなくなりました。
落ち着いて状況図を描けば,ヒントがきちんと見つかるでしょう。


(問題)H25 大阪星光学院・算数 大問3番
X,Y,Zの3人が直線コースで競走をしました。Xがスタートした後にYがスタートし,
その時間差の2/3の後にZがスタートしました。
コースの途中のA地点で3人が横一線に並びました。
A地点から204m先のB地点はコースの中間地点です。ZがB地点の先36mを通過した瞬間,
XはB地点の手前24mを通過しました。XがB地点を通過したのは,YがB地点を通過してから6秒後でした。
Zは自分が出発してから90秒後にゴールに到着しました。
3人の速さはそれぞれ一定であったとして,次の問いに答えなさい。
(1) XとZの速さの比を最も簡単な整数の比で表すとどうなりますか。式と答えを書きなさい。
(2) XとYの速さの比を最も簡単な整数の比で表すと□:□です。
(3) コースの全長は□mです。


X,Y,Zの進む様子を状況図にまとめると次のようになります。
このとき,同一時刻には同じ記号を使うことが大切です。
「時間差の2/3」という表現は目新しいので,少し注意が必要です。
図にかいたように,Xの進んだ距離の比が3:2になることに気づくかどうか。

大阪星光2013 3①

まず,Xの○~△と△~●の距離の比は,進んだ時間の比が3:2なので,3:2となります。
(図には[3]と[2]で距離を表しています。)
次に,図の㋐は204-24=180(m),㋑は204+36=240(m)

(1) XとZの速さの比は同じ時間に進む距離の比なので,図の㋐と㋑の比になります。
 180:240=3:4

(2) (1)の3:4をXの●~□を{3},Zの●~□を{4}として考えると,{1}=[5]になるので
 {3}=[15],{4}=[20]となりますから,これを図に記入すると次のようになります。
大阪星光2013 3②

 Xの△~□は[17],Yの△~□は[20]なので,同じ時間に進む距離の比(=速さの比)は17:20

(3) Xの□~♡は204mなのでYの□~♡は204×20/17=240(m)
 240-204=36(m)をYは6秒で進むので36÷6=6(m/秒)…Yの秒速
 したがってzの秒速は6×17/20×4/3=6.8(m/秒)
 コースの全長は,6.8×90=612(m)

限られた時間内で,問題を読みこなし,整理し図にまとめるというのはなかなか大変です。
落ち着いて処理できるかどうかは,星光の入試問題全体に言えることですが,とても大切ですね。
また,この問題に関して言えば,ダイヤグラムでの処理が可能ですが,日ごろダイヤグラムを
かき慣れていなければ,ここで扱ったように状況図で徹底的に攻めてみる方がよいでしょう。
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Comment

良い問題ですねぇ~。

『速さ』というのは大抵の子供が嫌がる単元でもあり,ましてや時間制限のある入学試験という場の中でこういった類の『丁寧に状況を整理すれば解ける』というタイプの問題は決して難しくはないですが,非常に実力差が出たのではないでしょうか。『簡単だけど試験場で解くと焦って解けない』問題が並んでいる今年の星光入試を象徴する問題と言えると思います。

No title

ありがとうございます。まったくその通りですね。焦って分からなくて、さらに焦る^_^;
実力がある程度あっても、こういう精神状態で涙をのんだ子は結構いたのではないかと思います。それが入試の怖さですね。
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