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2013(H25)入試分析 算数 洛星中学校(前期)

2013.02.12 18:16|入試問題分析(算数)
※一度公開した記事を誤って削除してしまったので,再度書き直しました。(T T)

今回は洛星中学校(前期)の算数の分析です。

問題の分量は大問6題,小問数は19題。
例年と分量はそれほど変わりませんが,問題の難易度としては非常にいいものが並びました。
洛星を受験する生徒たちの力よりもちょっと難しいくらいの問題で,受験生の力の差をはかるのに
非常にバランスのいい問題の組み合わせだったと思われます。

では今回はこの中から6番の問題を取り上げてみましょう。

(問題)H25 洛星中学校(前期) 算数 大問6番
3つの正方形の紙を重ねたところ,図1のようになりました。ただし,図1の角はすべて直角です。
洛星6番図1
(1)正方形の紙が3枚とも重なっている部分の面積を求めなさい。
(2)正方形の紙が2枚以上重なっている部分の面積を求めなさい。

立方体を使って図2のように地面に穴を空けます。穴をあけるときは立方体を図2のように地表まで
地面にうめ,取り出すものとします。
洛星6番図2
3種類の立方体を1つずつ順番に使って穴をあけたところ,できた穴を上から見ると図1のようになりました。
(3)この穴の容積を求めなさい。


今回取り上げるこの問題は,解説を見てしまうとそれほど難しくないなと思われるかもしれません。
が,いざ自分で解くとなると,図がゴチャゴチャになってしまい,混乱して解けなかったという子がかなり
発生する問題だと思われます。下の図を,自分が解いたときの図と見比べてみてくださいね。
まずは,3枚の正方形の線を書きこみましょう。今回聞かれているのは(1)(2)とも重なっている部分の面積なので,
図の中に最低限の必要な長さと面積を書きこみましょう。(面積は下の図では□で囲んでいます。)
洛星6番01
ここまでくれば答えを出すだけ。
(1)3枚重なっている所は28㎝^2です。

(2)2枚,あるいは3枚重なっている所は,14+12+28+44=98㎝^2です。

(3)上の図の各部分がそれぞれどれくらいの深さになっているかが分かればよいですね。
一辺13cmの正方形の所はそのまま深さは13cmです。
一辺12cmの正方形の所のうち,28cm^2の所と12cm^2の所は先ほど13cmの深さということになっていますので,
それ以外のところが深さ12cmとなります。
一辺10cmの正方形のところのうち,残っているのは14cm^2のところだけ。ここの深さが10cmとなります。

よって,求める容積は,13×13×13+(44+60)×12+14×10=3585㎝^2となります。

図1に書きこんだ内容が,ずいぶんシンプルにまとまっていると思いませんか?
問題を解くときに,何も思いつかなければわかる値をドンドン書きこんでいくということは必要なのですが,
あまり書きこみ過ぎると,逆にごちゃごちゃになってしまって,ピントがぼやけてしまうということも起こり得ます。
問題を解くにあたって,どのような方針で解くのかをまずは決めて,情報を絞って書きこむようにすると
今まで気づきにくかったようなことに気づくかもしれませんね。
(池)
 
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テーマ:中学受験
ジャンル:学校・教育

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Comment

良い問題ですねぇ~♪

今年は洛南と言い,洛星といい『京都方面』の最難関の入試問題は『力作』の年だったと個人的に思っています。特に,洛星中学校の入試問題は毎年子供にやらして解説すると,ほとんど『お通夜状態』になってしまうのですが,今年は久しぶりに,子供の達成感/満足感が得られるような問題ばかりで,9月からの入試演習期が楽しみです。ちなみに,掲題の【6】の問題(典型的で,H6 甲陽1日目に類題あり)も,解説を聞けば何のこともないのですが,日ごろから図形問題に対する数値整理の仕方をしっかり練習しておかないと,時間制限のある入試本番ではなかなか正解にたどり着けない良問だと思います。こういう問題は受験生というよりむしろ体積まで習った4年生に宿題でやらせたい問題ですねぇ~。宿題に出したときに,いろいろと試行錯誤の残骸が残るかと思われる宿題ノートを見るのが,これまた結構楽しみです♪。

No title

授業では答えの出し方というよりも、問題情報の整理の仕方を意識して聞いてほしいものです。
なかなかこの真意を早いうちから理解してくれる生徒はいませんけどね。(^^;

しかし、そこの壁を乗り越えた子は、飛躍的に伸びますので、その日が来ることを期待して
言い続けるわけです…
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