2013(H25)年度入試分析 算数 東大寺学園中学校
2013.02.14 18:35|入試問題分析(算数)|
数理教育研究会 道幸です。
2013年度入試の合格最低点は266.7/400。これは昨年の237.3/400と比較すると20点ぐらい高くなったのですが,
例年並みになったと言えるでしょう。
そして算数の受験者平均は55.8/100。昨年の57.6/100と比較すると,若干低くなりました。
他の教科の受験者平均は、国語67.5/100,理科64/100,社会71/100
266.7-(67.5+64+71)=64.2となり、算数で7割取れば合格の可能性が高くなることが分かります。
もちろんこれは、算数以外の3教科で足を引っ張る教科がない場合ですから、たとえば国語で55しか取れない
となると、266.7-(55+64+71)=76.7となり、75点取っても苦しくなります。東大寺は今どき珍しい,
4教科均等配点の学校ですから,教科のバランスは非常に大切ですね。
ちなみに3教科で受験する(判定してもらう)場合は
266.7×3/4-(67.5+64)=68.525となり、算数70ではギリギリライン。75は欲しいところです。
さて、その算数ですが、例年問題用紙2~3枚のところが、今年は4枚と、量が一気に増えた印象。
受験者平均が、2013年度は昨年度より若干下がっているのは、この問題量に圧倒されたのでしょうか…
大問は5問、小問数は16問で、これは例年並みです。
もちろん解き易い順に並んでいるのではなく、筆者が解いた印象で行くと、
大問1→大問4→大問3→大問2→大問5(むろん、これには異論があると思いますが)の順。
(と書いてたら,チェックの途中で、2→3→5だ!!と早速の異論もあり^_^;
まぁ,筆者としては大問3の(1)(2)は取れるので、そちらを優先した訳です・・・)
70÷100/16から12問以上の正答が要求されますから、今年の問題の配列などを考えると,結構きつい気がします。
ではその中から大問2を見てみましょう。
2013(H25)年度 東大寺学園中学 算数 大問2
大問2 次の問いに答えなさい。
(1) 3けたの整数Nに対し,その各位の数の和をSと表します。たとえば,N=784のとき,S=7+8+4=19となります。N-Sの一の位が5になったとすれば,Nとして考えられる整数は全部で何個ありますか。
(2) ア×イというかけ算で,アとイにそれぞれ1から31までの整数を入れます。このとき全部で31×31=961個のかけ算ができますが,その答えの一の位の数が等しいかけ算を1つのグループにして,答えの一の位が0であるグループから答えの一の位が9であるグループまで合計10個のグループに分けます。例えば,3×12,24×19,12×3はすべて答えの一の位が6ですから,3つのかけ算3×12,24×19,12×3はすべて同じグループに入ります。このとき,グループに入っているかけ算の個数が奇数個になっているのは答えの一の位の数が何のグループですか。その一の位の数をすべて答えなさい。ただし,例えば,3×12と12×3のようにかけ算の順序が逆になっているものは,2個の異なるかけ算として数えます。
(1) 3桁の整数Nの100の位の数をA,10の位の数をB,1の位の数をCとしましょう。
Nの各位の数の和SはA+B+C
N-S=(100×A+10×B+1×C)-(A+B+C)=99×A+9×B=9×(11×A+1×B)
この1の位が5なので,11×A+1×Bの1の位が5になります。
Aは1以上9以下の整数,Bは0以上9以下の整数ですよ。
このときA,Bの組み合わせを(A,B)の形で列挙すると
(1,4) (2,3) (3,2) (4,1) (5,0) (6,9) (7,8) (8,7) (9,6)の9通りあり,
Cはそれぞれ0から9の10通り入れられるので,10×9=90(個)ですね。
(2) 961個全てを調べることは不可能なので,工夫しましょう。
a×bの答えを調べてみましょう。
aとbが異なる数の場合,a×b=b×aなので一の位は等しくなります。
つまり、異なる2数の積の一の位の数は0~9までどれも偶数個ずつあることになります。
aとbが等しい数の場合,つまり平方数の場合は,一の位の数が1つずつしか出てきませんから,
1×1から31×31まで,31個の平方数のうち,積の一の位の数が奇数個になるものを探せばよいことになります。
1×1から31×31までを調べると,一の位の数は,
1が7個,4が6個,5が3個,6が6個,9が6個,0が3個となりますから,
一の位が奇数個になっているのは0,1,5のグループということになりますね。
(2)など,言われてみればその通りなのですが,なかなか自分で思いつくのは難しく,
961個調べることもできませんから,試験中立ち往生しそうな問題ですね。
さっさと飛ばして,点数にできそうなところに進みたいところです。
しかし,ここの算数の問題は,年々難しくなっているような・・・(道)
2013年度入試の合格最低点は266.7/400。これは昨年の237.3/400と比較すると20点ぐらい高くなったのですが,
例年並みになったと言えるでしょう。
そして算数の受験者平均は55.8/100。昨年の57.6/100と比較すると,若干低くなりました。
他の教科の受験者平均は、国語67.5/100,理科64/100,社会71/100
266.7-(67.5+64+71)=64.2となり、算数で7割取れば合格の可能性が高くなることが分かります。
もちろんこれは、算数以外の3教科で足を引っ張る教科がない場合ですから、たとえば国語で55しか取れない
となると、266.7-(55+64+71)=76.7となり、75点取っても苦しくなります。東大寺は今どき珍しい,
4教科均等配点の学校ですから,教科のバランスは非常に大切ですね。
ちなみに3教科で受験する(判定してもらう)場合は
266.7×3/4-(67.5+64)=68.525となり、算数70ではギリギリライン。75は欲しいところです。
さて、その算数ですが、例年問題用紙2~3枚のところが、今年は4枚と、量が一気に増えた印象。
受験者平均が、2013年度は昨年度より若干下がっているのは、この問題量に圧倒されたのでしょうか…
大問は5問、小問数は16問で、これは例年並みです。
もちろん解き易い順に並んでいるのではなく、筆者が解いた印象で行くと、
大問1→大問4→大問3→大問2→大問5(むろん、これには異論があると思いますが)の順。
(と書いてたら,チェックの途中で、2→3→5だ!!と早速の異論もあり^_^;
まぁ,筆者としては大問3の(1)(2)は取れるので、そちらを優先した訳です・・・)
70÷100/16から12問以上の正答が要求されますから、今年の問題の配列などを考えると,結構きつい気がします。
ではその中から大問2を見てみましょう。
2013(H25)年度 東大寺学園中学 算数 大問2
大問2 次の問いに答えなさい。
(1) 3けたの整数Nに対し,その各位の数の和をSと表します。たとえば,N=784のとき,S=7+8+4=19となります。N-Sの一の位が5になったとすれば,Nとして考えられる整数は全部で何個ありますか。
(2) ア×イというかけ算で,アとイにそれぞれ1から31までの整数を入れます。このとき全部で31×31=961個のかけ算ができますが,その答えの一の位の数が等しいかけ算を1つのグループにして,答えの一の位が0であるグループから答えの一の位が9であるグループまで合計10個のグループに分けます。例えば,3×12,24×19,12×3はすべて答えの一の位が6ですから,3つのかけ算3×12,24×19,12×3はすべて同じグループに入ります。このとき,グループに入っているかけ算の個数が奇数個になっているのは答えの一の位の数が何のグループですか。その一の位の数をすべて答えなさい。ただし,例えば,3×12と12×3のようにかけ算の順序が逆になっているものは,2個の異なるかけ算として数えます。
(1) 3桁の整数Nの100の位の数をA,10の位の数をB,1の位の数をCとしましょう。
Nの各位の数の和SはA+B+C
N-S=(100×A+10×B+1×C)-(A+B+C)=99×A+9×B=9×(11×A+1×B)
この1の位が5なので,11×A+1×Bの1の位が5になります。
Aは1以上9以下の整数,Bは0以上9以下の整数ですよ。
このときA,Bの組み合わせを(A,B)の形で列挙すると
(1,4) (2,3) (3,2) (4,1) (5,0) (6,9) (7,8) (8,7) (9,6)の9通りあり,
Cはそれぞれ0から9の10通り入れられるので,10×9=90(個)ですね。
(2) 961個全てを調べることは不可能なので,工夫しましょう。
a×bの答えを調べてみましょう。
aとbが異なる数の場合,a×b=b×aなので一の位は等しくなります。
つまり、異なる2数の積の一の位の数は0~9までどれも偶数個ずつあることになります。
aとbが等しい数の場合,つまり平方数の場合は,一の位の数が1つずつしか出てきませんから,
1×1から31×31まで,31個の平方数のうち,積の一の位の数が奇数個になるものを探せばよいことになります。
1×1から31×31までを調べると,一の位の数は,
1が7個,4が6個,5が3個,6が6個,9が6個,0が3個となりますから,
一の位が奇数個になっているのは0,1,5のグループということになりますね。
(2)など,言われてみればその通りなのですが,なかなか自分で思いつくのは難しく,
961個調べることもできませんから,試験中立ち往生しそうな問題ですね。
さっさと飛ばして,点数にできそうなところに進みたいところです。
しかし,ここの算数の問題は,年々難しくなっているような・・・(道)
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