2013(H25)入試分析 算数 神戸女学院中等部 PART2
2013.02.18 16:35|入試問題分析(算数)|
前回に引き続き,神戸女学院中等部の算数の分析です。
では,今回はこの中から7番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸女学院中等部 算数 大問7番
箱の中に1から5までの数字が書かれたカードが1枚ずつ入っています。この箱の中からカードを1枚ずつ
順に3回取り出します。ただし,取り出したカードは元に戻さないものとします。次に,1回目と2回目に
とりだしたカードに書かれた数字の和を十の位とし,2回目と3回目に取り出したカードに書かれた数字の
和を一の位とする整数を作ります。例えば,1回目に5のカード,2回目に1のカード,3回目に2のカードを
取り出したとき,1回目と2回目に取り出したカードの数字の和は5+1=6,2回目と3回目に取り出した
数字の和は1+2=3ですから,作られる整数は63となります。このとき,カードの取り出し方を(5,1,2)と
書くことにします。
(1)作られた整数が奇数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(2)作られた整数が3の倍数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(3)作られた整数が37となるカードの取り出し方は(1,2,5)の1通りで,45となるカードの取り出し方は,
(1,3,2)(3,1,4)の2通りです。作られた整数が70以上になり,その整数を作るカードの取り出し方が
3通りある整数をすべて求めなさい。
(1)取り出した3枚のカードを(A,B,C)とすると,Bが偶数でCが奇数,または,Bが奇数でCが偶数になればOKです。
・Bが偶数でCが奇数のとき
B C A
2×3×3=18通り
・Bが奇数でCが偶数のとき
B C A
3×2×3=18通り
となるので,18×2=36通りですね。
(2)剰余系を使ってもいいのですが,数字が限られているので逆にややこしくなるかもしれません。
よって,ここではそのまま書き出していきます。
3の倍数ということは,十の位と一の位を足して3の倍数になればよいということです。
(A+B)+(B+C)=A+B×2+Cが3の倍数ということですね。
今回はB×2のところを基準として場合分けしてみましょう。
・B=1のとき(B×2=2のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(2,5)(3,4)(4,3)(5,2) の4通り
・B=2のとき(B×2=4のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(3,5)(4,1)(5,3) の4通り
・B=3のとき(B×2=6のとき)
A+C=3の倍数 ⇒ (A,C)=(1,2)(1,5)(2,1)(2,4)(4,2)(4,5)(5,1)(5,4) の8通り
・B=4のとき(B×2=8のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(1,3)(2,5)(3,1)(5,2) の4通り
・B=5のとき(B×2=10のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(2,3)(3,2)(4,1) の4通り
となるので,4×4=8=24通りです。
(3)この問題に関しては,80台と90台はまず省くことができます。
なぜか?例えば80台を考えてみましょう。
A+B=8になる(A,B)の組み合わせは(3,5)と(5,3)しかありません。
さらに,87を作る場合を考えてみると,(3,5)に対してC=2,(5,3)に対してC=4とそれぞれ1通りに決まるので,
(A,B)を決める時点で3通り以上ないとお話にならないわけです。よって,80台は全滅。
90台も(A,B)の組み合わせは(4,5)と(5,4)しかないのでダメですね。
つまり,70台だけを考えればよいことになります。
(A,B)の組み合わせは(2,5)と(3,4)と(4,3)と(5,2)の4通り。この中から3通りが生き残ればよいわけです。
Cに入る数を表にして書き上げると次のようになります。

3通りが生き残るのは75と76の場合ですね。
こうやって記事にしてしまうとなんてことなさそうなのですが,まぁ,テストという限られた時間の中では
なかなか正解にはたどり着かないでしょう。特に(2)は剰余系を使うと混乱しそうだし,書き出すと抜けそうだしで
正解率はかなり低いと思われます。
つくづく,今年の受験生にはしんどいテストだったなぁという感想です。
(池)
では,今回はこの中から7番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 神戸女学院中等部 算数 大問7番
箱の中に1から5までの数字が書かれたカードが1枚ずつ入っています。この箱の中からカードを1枚ずつ
順に3回取り出します。ただし,取り出したカードは元に戻さないものとします。次に,1回目と2回目に
とりだしたカードに書かれた数字の和を十の位とし,2回目と3回目に取り出したカードに書かれた数字の
和を一の位とする整数を作ります。例えば,1回目に5のカード,2回目に1のカード,3回目に2のカードを
取り出したとき,1回目と2回目に取り出したカードの数字の和は5+1=6,2回目と3回目に取り出した
数字の和は1+2=3ですから,作られる整数は63となります。このとき,カードの取り出し方を(5,1,2)と
書くことにします。
(1)作られた整数が奇数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(2)作られた整数が3の倍数となるようなカードの取り出し方は何通りありますか。
(3)作られた整数が37となるカードの取り出し方は(1,2,5)の1通りで,45となるカードの取り出し方は,
(1,3,2)(3,1,4)の2通りです。作られた整数が70以上になり,その整数を作るカードの取り出し方が
3通りある整数をすべて求めなさい。
(1)取り出した3枚のカードを(A,B,C)とすると,Bが偶数でCが奇数,または,Bが奇数でCが偶数になればOKです。
・Bが偶数でCが奇数のとき
B C A
2×3×3=18通り
・Bが奇数でCが偶数のとき
B C A
3×2×3=18通り
となるので,18×2=36通りですね。
(2)剰余系を使ってもいいのですが,数字が限られているので逆にややこしくなるかもしれません。
よって,ここではそのまま書き出していきます。
3の倍数ということは,十の位と一の位を足して3の倍数になればよいということです。
(A+B)+(B+C)=A+B×2+Cが3の倍数ということですね。
今回はB×2のところを基準として場合分けしてみましょう。
・B=1のとき(B×2=2のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(2,5)(3,4)(4,3)(5,2) の4通り
・B=2のとき(B×2=4のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(3,5)(4,1)(5,3) の4通り
・B=3のとき(B×2=6のとき)
A+C=3の倍数 ⇒ (A,C)=(1,2)(1,5)(2,1)(2,4)(4,2)(4,5)(5,1)(5,4) の8通り
・B=4のとき(B×2=8のとき)
A+C=3の倍数+1 ⇒ (A,C)=(1,3)(2,5)(3,1)(5,2) の4通り
・B=5のとき(B×2=10のとき)
A+C=3の倍数+2 ⇒ (A,C)=(1,4)(2,3)(3,2)(4,1) の4通り
となるので,4×4=8=24通りです。
(3)この問題に関しては,80台と90台はまず省くことができます。
なぜか?例えば80台を考えてみましょう。
A+B=8になる(A,B)の組み合わせは(3,5)と(5,3)しかありません。
さらに,87を作る場合を考えてみると,(3,5)に対してC=2,(5,3)に対してC=4とそれぞれ1通りに決まるので,
(A,B)を決める時点で3通り以上ないとお話にならないわけです。よって,80台は全滅。
90台も(A,B)の組み合わせは(4,5)と(5,4)しかないのでダメですね。
つまり,70台だけを考えればよいことになります。
(A,B)の組み合わせは(2,5)と(3,4)と(4,3)と(5,2)の4通り。この中から3通りが生き残ればよいわけです。
Cに入る数を表にして書き上げると次のようになります。

3通りが生き残るのは75と76の場合ですね。
こうやって記事にしてしまうとなんてことなさそうなのですが,まぁ,テストという限られた時間の中では
なかなか正解にはたどり着かないでしょう。特に(2)は剰余系を使うと混乱しそうだし,書き出すと抜けそうだしで
正解率はかなり低いと思われます。
つくづく,今年の受験生にはしんどいテストだったなぁという感想です。
(池)
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