2013(H25)入試分析 算数 開成中学校
2013.02.20 15:50|入試問題分析(算数)|
さて,そろそろ関西から飛び出してしまいましょう。
開成中学校の入試問題に目を向けてみます。
問題の分量は大問3題、小問数は13題。
去年の合格者平均がぐっと落ちたこともあり,今年は難易度が下がりましたね。
(85点満点で去年の合格者平均が55.7,今年の合格者平均が68.3となっています。)
1番の小問群も(1)~(4)が取りやすく,大問2,3も特別複雑だということはないので,
大問2,3で小問2個落とすぐらいでおさめたいところですね。
では,今回はこの中から3番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 開成中学校 算数 大問3番
水槽Aは三角柱の形で,底面は一番長い辺の長さが8mの直角二等辺三角形で,高さは9mです。
水槽Bは四角柱の形で,底面は2辺の長さが8mと5mの長方形で,高さは9mです。
水槽A,Bは,たて9m,横8mの長方形の面で隣り合っています。下図のように水槽A,Bの
隣り合っている面を取り外して,横8mで高さが変えられる長方形の仕切りを入れました。
初めは2つの水槽は空で,仕切りは9mの高さまで上げられています。
有る時刻から水槽Aに1分あたり10m^3の水を注水口から入れます。それと同時刻に,
仕切りは高さが1分あたり50㎝の速さで下がり始め,その高さが0mになったら停止します。
水槽A,Bが水でいっぱいになったら水を入れるのをやめます。
このとき以下の問いに答えなさい。ただし,仕切りや面に厚みはないものとし,
仕切りからあふれた水槽の水はただちに隣の水槽に移るものとします。
(1)水槽Aから水槽Bへ水があふれ出すのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(2)水槽Aと水槽Bの水面の高さが初めて等しくなるのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(3)水を入れ始めてからの時間と水槽Aの水面の高さの関係を表すグラフを解答欄にかきなさい。

計算で出てくる数字もあまりきれいではないので,非常にいやらしいのですが,何が起こっているのかを
しっかりと把握できれば,グラフを利用して非常に簡単に解くことができますよ。
まず,水槽の中でどのようなことが起こるのかをしっかりと理解しましょう。
①まず,水槽Aの水面が0mから上昇していく。そのとき,仕切り板の上端はどんどん下がってくる。
②水槽Aの水面と仕切り板の上端が出会う。この後,水槽Aから水槽Bには水が流れ込み,水槽Bの水面が上昇
して行くのと同時に,仕切り板の上端が下がっていくのに合わせて水槽Aの水面は下降していく。
③水槽Aの水面,仕切り板の上端,水槽Bの水面が一致する。この後,水槽Aと水槽Bの水面は同じ速さで上昇し,
その水面下に仕切り板の上端はどんどん沈んでいく。
大きく分けてこの3つの動きに分かれます。
つまり,水槽Aだけに水が入っているときの上昇と,仕切り板の上端の下降,水槽A,Bに水が入っているときの
上昇の3種類の速さだけおさえてしまえばOKですね。
では,これらをグラフに表してみましょう。
まずは水槽Aだけに水が入っているときの上昇です。
底面積が8×4÷2=16m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷16=5/8(m/分)ずつ上昇します。(赤のグラフ)
次に仕切り板の上端の下降です。
これは問題文にあるように9mの高さから,0.5m/分ずつ下降します。(青のグラフ)
最後に水槽A,Bに水が入っているときの上昇です。
底面積が16+8×5=56m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷56=5/28(m/分)ずつ上昇します。
上記の③になってしまえば,初めから仕切りがない場合とまったく同じ動きになるので,原点から
直線を引いてしまいましょう。(緑のグラフ)

結局(3)のグラフは上の実線部分を残してあげればよいことになります。
このグラフを利用して(1)(2)も解いてしまいましょう。
(1)(5/8):(0.5)=5:4なので,赤線と青線の交点は18分を4:5に分けたところになります。
よって,18×4/9=8分後ですね。
(2)(5/28):(0.5)=5:14なので,緑線と青線の交点は18分を14:5に分けたところになります。
よって,18×14/19=13 5/19分後となります。
底面積と水量を使って解くこともできますが,わざわざグラフをかきなさいと問題に出ているときは
グラフを利用すると楽なことが多いというのも覚えておくとよいですね。
(池)
開成中学校の入試問題に目を向けてみます。
問題の分量は大問3題、小問数は13題。
去年の合格者平均がぐっと落ちたこともあり,今年は難易度が下がりましたね。
(85点満点で去年の合格者平均が55.7,今年の合格者平均が68.3となっています。)
1番の小問群も(1)~(4)が取りやすく,大問2,3も特別複雑だということはないので,
大問2,3で小問2個落とすぐらいでおさめたいところですね。
では,今回はこの中から3番の問題を取り上げてみます。
(問題)H25 開成中学校 算数 大問3番
水槽Aは三角柱の形で,底面は一番長い辺の長さが8mの直角二等辺三角形で,高さは9mです。
水槽Bは四角柱の形で,底面は2辺の長さが8mと5mの長方形で,高さは9mです。
水槽A,Bは,たて9m,横8mの長方形の面で隣り合っています。下図のように水槽A,Bの
隣り合っている面を取り外して,横8mで高さが変えられる長方形の仕切りを入れました。
初めは2つの水槽は空で,仕切りは9mの高さまで上げられています。
有る時刻から水槽Aに1分あたり10m^3の水を注水口から入れます。それと同時刻に,
仕切りは高さが1分あたり50㎝の速さで下がり始め,その高さが0mになったら停止します。
水槽A,Bが水でいっぱいになったら水を入れるのをやめます。
このとき以下の問いに答えなさい。ただし,仕切りや面に厚みはないものとし,
仕切りからあふれた水槽の水はただちに隣の水槽に移るものとします。
(1)水槽Aから水槽Bへ水があふれ出すのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(2)水槽Aと水槽Bの水面の高さが初めて等しくなるのは,水を入れ始めてから何分後でしょうか。
(3)水を入れ始めてからの時間と水槽Aの水面の高さの関係を表すグラフを解答欄にかきなさい。

計算で出てくる数字もあまりきれいではないので,非常にいやらしいのですが,何が起こっているのかを
しっかりと把握できれば,グラフを利用して非常に簡単に解くことができますよ。
まず,水槽の中でどのようなことが起こるのかをしっかりと理解しましょう。
①まず,水槽Aの水面が0mから上昇していく。そのとき,仕切り板の上端はどんどん下がってくる。
②水槽Aの水面と仕切り板の上端が出会う。この後,水槽Aから水槽Bには水が流れ込み,水槽Bの水面が上昇
して行くのと同時に,仕切り板の上端が下がっていくのに合わせて水槽Aの水面は下降していく。
③水槽Aの水面,仕切り板の上端,水槽Bの水面が一致する。この後,水槽Aと水槽Bの水面は同じ速さで上昇し,
その水面下に仕切り板の上端はどんどん沈んでいく。
大きく分けてこの3つの動きに分かれます。
つまり,水槽Aだけに水が入っているときの上昇と,仕切り板の上端の下降,水槽A,Bに水が入っているときの
上昇の3種類の速さだけおさえてしまえばOKですね。
では,これらをグラフに表してみましょう。
まずは水槽Aだけに水が入っているときの上昇です。
底面積が8×4÷2=16m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷16=5/8(m/分)ずつ上昇します。(赤のグラフ)
次に仕切り板の上端の下降です。
これは問題文にあるように9mの高さから,0.5m/分ずつ下降します。(青のグラフ)
最後に水槽A,Bに水が入っているときの上昇です。
底面積が16+8×5=56m^2の所に10m^3ずつ水を注ぐので,10÷56=5/28(m/分)ずつ上昇します。
上記の③になってしまえば,初めから仕切りがない場合とまったく同じ動きになるので,原点から
直線を引いてしまいましょう。(緑のグラフ)

結局(3)のグラフは上の実線部分を残してあげればよいことになります。
このグラフを利用して(1)(2)も解いてしまいましょう。
(1)(5/8):(0.5)=5:4なので,赤線と青線の交点は18分を4:5に分けたところになります。
よって,18×4/9=8分後ですね。
(2)(5/28):(0.5)=5:14なので,緑線と青線の交点は18分を14:5に分けたところになります。
よって,18×14/19=13 5/19分後となります。
底面積と水量を使って解くこともできますが,わざわざグラフをかきなさいと問題に出ているときは
グラフを利用すると楽なことが多いというのも覚えておくとよいですね。
(池)
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