2014(H26)入試分析 開成中学校 算数
2014.02.19 15:41|入試問題分析(算数)|
さて,関西の最難関,難関とよばれる学校も一通り目を通しましたので,そろそろ関東の学校にまいりましょう。
今回は開成中学校の入試問題に目を向けてみます。
問題の分量は大問4題、小問数は11題。
64.6⇒72.1⇒55.7⇒68.3⇒61.9
ここ5年の合格者平均を見ていると,3年前の上がり過ぎと2年前の下がり過ぎがあるので安定していないように見えますが,
学校側としては65点あたりに落ち着いてくれればという風に考えていそうですね。
つまり,7割が目標点となりそうです。
小問3つ間違いに抑えたいところですから,立体図形がNGの子にはかなりきついテストでした。
今回は,大問4を取り上げたいと思います。
(問題)H26 開成中学校 算数 大問1番
図1のように1から8までの数字がかかれている8枚の正三角形を用いて,図2のような立体を作ります。ただし,図1
の正三角形の黒丸の頂点は立体の点Aまたは点Fのどちらかに重ね,すべての数字が表から見えるようにします。


また,立体の6個の頂点A,B,C,D,E,Fについて,それぞれの頂点に集まっている4枚の正三角形に
書かれている数の合計はすべて同じになっています。
(1)1つの頂点に集まっている4枚の正三角形に書かれている数の合計を求めなさい。
(2)辺BCを1辺とする2枚の正三角形に書かれている数の合計と,辺DEを1辺とする2枚の正三角形に
書かれている数の合計は等しくなります。その理由が書かれた次の文章の空欄をうめなさい。
『どちらも[ 空 欄 ]すると,同じ値になるから。』
(3)三角形ABCに書かれている数が1であるとします。8が書かれている三角形として可能性があるものを
すべて選び,解答欄の三角形を○で囲みなさい。
(4)この立体の展開図で,1,2,3の書かれている三角形の配置が図3のようになるとき,他の数字を
向きも正確に解答欄の展開図にかきこみなさい。
(1)Aに集まっている4面とFに集まっている4面,この8面は重複がありません。
1+2+3+4+5+6+7+8=36を2つの頂点で分け合っているわけですから,36÷2=18ずつとなります。
(2)△ABC+△FBC+△ACD+△FCDはCに集まる4面ですので和が18です。
△ADE+△FDE+△ACD+△FCDもDに集まる4面ですので和が18です。
それぞれから△ACD+△FCDを引いても大きさは同じですから,△ABC+△FBC=△ADE+△FDEとなりますね。
文章をうまくあてはまるように書くのがちょいと難しいですが,『どちらも[4面の和の18から三角形ACDに書かれた数と
三角形FCDに書かれた数を引き算]すると,同じ値になるから。』とでもしておきましょう。
(3)見取図のままだと書き込みにくいので,真上から見た,段ごとの図に直してみましょう。

「1」の場所は△ABCと決まっており,残りの7面は大きく分けて3種類に分かれます。どのような3種類かというと,
・「1」と辺をはさんで隣り合っている面(図の○)
・「1」と1つの頂点だけ共有している面(図の△)
・「1」と平行な面(図の×)
です。ここからの解説は見取図も参考にしながら見てくださいね。
例えば,△ADEに8が入ったとすると,(2)で△ABC+△FBC=△ACD+△FCDを証明していますから,
1+△FBC=8+△FDEということになります。が,残った数字は2~7ですから,これを満たすことはできません。
よって,△ADEに8が入ることは不可能ということになります。
また,△ADEと同じ位置関係にある,他の△の面にも8は入りません。
同様に,△FDEに8が入った場合も,1+△FBC=△ADE+8ということになり,残った数字は2~7を使って
これを満たすことはできません。
つまり,「8」が入る可能性のある面は○の面である,△AEB,△ACD,△FBCとなります。
(4)まずは,展開図に正8面体の頂点打ちをしておきましょう。最も離れた点が,展開図ではひし形の長い方の
対角線上に出てきますから,(A,F)(B,D)(C,E)をペアにして書き込んでいきましょう。
※ここでは,△ABCに「1」が書き込まれたものとして頂点を打っています。
同時に,段ごとの図にも数字を書きこんでおきます。

さて,ここから使うのは4面の和が18という条件です。
上4面の和から考えて,ア+イ=18-3=15です。
また,左4面の和から考えて,ア+ウ=18-4=14です。
残っている数は4,5,6,7,8ですから,この条件を満たす組み合わせは(ア,イ,ウ)=(8,7,6)だけです。
さらに,後ろ4面の和から考えて,エ=18-13=5になりますから,残ったオは4になります。
あとは下のように展開図に数字を書きこめばよいだけです。
段ごとの図を見ながら,数の上に来るアルファベットに注意して書き込みましょう。

別の学校のところでもかきましたが,立体問題はいかに平面での処理に持ち込めるかです。
当然,全てが平面処理というわけにはいかないでしょうが,どのようにすれば平面的に考えられるかを意識しましょう。
(池)
今回は開成中学校の入試問題に目を向けてみます。
問題の分量は大問4題、小問数は11題。
64.6⇒72.1⇒55.7⇒68.3⇒61.9
ここ5年の合格者平均を見ていると,3年前の上がり過ぎと2年前の下がり過ぎがあるので安定していないように見えますが,
学校側としては65点あたりに落ち着いてくれればという風に考えていそうですね。
つまり,7割が目標点となりそうです。
小問3つ間違いに抑えたいところですから,立体図形がNGの子にはかなりきついテストでした。
今回は,大問4を取り上げたいと思います。
(問題)H26 開成中学校 算数 大問1番
図1のように1から8までの数字がかかれている8枚の正三角形を用いて,図2のような立体を作ります。ただし,図1
の正三角形の黒丸の頂点は立体の点Aまたは点Fのどちらかに重ね,すべての数字が表から見えるようにします。


また,立体の6個の頂点A,B,C,D,E,Fについて,それぞれの頂点に集まっている4枚の正三角形に
書かれている数の合計はすべて同じになっています。
(1)1つの頂点に集まっている4枚の正三角形に書かれている数の合計を求めなさい。
(2)辺BCを1辺とする2枚の正三角形に書かれている数の合計と,辺DEを1辺とする2枚の正三角形に
書かれている数の合計は等しくなります。その理由が書かれた次の文章の空欄をうめなさい。
『どちらも[ 空 欄 ]すると,同じ値になるから。』
(3)三角形ABCに書かれている数が1であるとします。8が書かれている三角形として可能性があるものを
すべて選び,解答欄の三角形を○で囲みなさい。
(4)この立体の展開図で,1,2,3の書かれている三角形の配置が図3のようになるとき,他の数字を
向きも正確に解答欄の展開図にかきこみなさい。
(1)Aに集まっている4面とFに集まっている4面,この8面は重複がありません。
1+2+3+4+5+6+7+8=36を2つの頂点で分け合っているわけですから,36÷2=18ずつとなります。
(2)△ABC+△FBC+△ACD+△FCDはCに集まる4面ですので和が18です。
△ADE+△FDE+△ACD+△FCDもDに集まる4面ですので和が18です。
それぞれから△ACD+△FCDを引いても大きさは同じですから,△ABC+△FBC=△ADE+△FDEとなりますね。
文章をうまくあてはまるように書くのがちょいと難しいですが,『どちらも[4面の和の18から三角形ACDに書かれた数と
三角形FCDに書かれた数を引き算]すると,同じ値になるから。』とでもしておきましょう。
(3)見取図のままだと書き込みにくいので,真上から見た,段ごとの図に直してみましょう。

「1」の場所は△ABCと決まっており,残りの7面は大きく分けて3種類に分かれます。どのような3種類かというと,
・「1」と辺をはさんで隣り合っている面(図の○)
・「1」と1つの頂点だけ共有している面(図の△)
・「1」と平行な面(図の×)
です。ここからの解説は見取図も参考にしながら見てくださいね。
例えば,△ADEに8が入ったとすると,(2)で△ABC+△FBC=△ACD+△FCDを証明していますから,
1+△FBC=8+△FDEということになります。が,残った数字は2~7ですから,これを満たすことはできません。
よって,△ADEに8が入ることは不可能ということになります。
また,△ADEと同じ位置関係にある,他の△の面にも8は入りません。
同様に,△FDEに8が入った場合も,1+△FBC=△ADE+8ということになり,残った数字は2~7を使って
これを満たすことはできません。
つまり,「8」が入る可能性のある面は○の面である,△AEB,△ACD,△FBCとなります。
(4)まずは,展開図に正8面体の頂点打ちをしておきましょう。最も離れた点が,展開図ではひし形の長い方の
対角線上に出てきますから,(A,F)(B,D)(C,E)をペアにして書き込んでいきましょう。
※ここでは,△ABCに「1」が書き込まれたものとして頂点を打っています。
同時に,段ごとの図にも数字を書きこんでおきます。

さて,ここから使うのは4面の和が18という条件です。
上4面の和から考えて,ア+イ=18-3=15です。
また,左4面の和から考えて,ア+ウ=18-4=14です。
残っている数は4,5,6,7,8ですから,この条件を満たす組み合わせは(ア,イ,ウ)=(8,7,6)だけです。
さらに,後ろ4面の和から考えて,エ=18-13=5になりますから,残ったオは4になります。
あとは下のように展開図に数字を書きこめばよいだけです。
段ごとの図を見ながら,数の上に来るアルファベットに注意して書き込みましょう。

別の学校のところでもかきましたが,立体問題はいかに平面での処理に持ち込めるかです。
当然,全てが平面処理というわけにはいかないでしょうが,どのようにすれば平面的に考えられるかを意識しましょう。
(池)
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