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2015(H27)入試分析 灘中学校(第2日) 算数

2015.01.25 09:44|入試問題分析(算数)
今回は灘中2日目の問題を扱います。

先の1日目の記事にもありましたが,1日目の算数で精神的ダメージを負っていると,
2日目は非常に力が出しにくい。特に同科目の算数では辛いですね。
おそらく6,70点取れる力がある子が40点位まで押し下げられるという
ケースが結構あったのではないかと思います。
実際の得点情報を見ると,算数の受験者平均がここ5年で最低,
国語・理科の受験者平均がここ5年で最高,
合計点は去年と同じということを考えると,いかに終わった科目のことを(出来が良くても悪くても)
忘れて次の科目に向かって気持ちを切り替えるかが大切かということが分かりますね。

では,2日目の中で最もきつそうな4番を扱ってみましょう。
(単元の得意不得意で2,3,4,5のどれが取りにくいかは微妙に変わりそうですが…)

(問題)H27 灘中学校・2日目算数 大問4番
右の図で,4本の直線ア,イ,ウ,エは平行です。点Aは直線ウの上に,点Cは直線アの上に,点Eは
直線イの上に,点H,I,J,K,Lは全て直線エの上にあります。直線AH,BI,CJ,DK,ELはすべて
直線エと垂直で,CJの長さはAHの長さの2倍です。また,直線AD,BEはどちらも直線CDと垂直です。
2015灘2日目4番
(1)BIの長さはAHの長さの何倍ですか。
(2)DKの長さはAHの長さの何倍ですか。
(3)JLの長さはHJの長さの何倍ですか。


(1)とりあえず,3本の平行線の間隔が1:2:2ということは問題文からわかります。
2015灘2日目4番01
AD:CD=30:20=15:10なので,A,B,Cは一直線上に並び,赤の相似比が2:1になりますね。
(実際の問題の図ではこれが一直線上にないのが意地悪…)
すると,青の相似比も2:1になりますから,Aより上の部分とBより上の部分が(3)と(3/2)になります。
よって,AH=(2),BI=(5)-(3/2)=(7/2)となりますので,(7/2)÷(2)=1.75倍が答えです。

(2)DKの長さが分かればよい,つまり,★の長さが分かればよいですね。
BEとADが平行であることと,★に関係のある,赤と青の三角形の相似に注目しましょう。
2015灘2日目4番02
赤の三角形は35cmの斜辺に対して(1/2)の高さですから,
青の三角形の30㎝の斜辺に対しては(1/2)×30/35=(3/7)となります。
よって,AH=(2),DK=(2)+(3/7)=(17/7)となりますので,(17/7)÷(2)=17/14倍が答えです。

(3)最後はちょっと気付きにくいですが,下の図の赤と青の三角形の相似に注目しましょう。
2015灘2日目4番03
青の三角形は斜辺30㎝に対して短い辺が(3/7)ですので,
赤の三角形は斜辺20㎝に対して短い辺の長さが(3/7)×20/30=(2/7) です。(=ア)
赤の三角形は斜辺20㎝に対して中くらいの長さの辺が(18/7)ですので,
青の三角形は斜辺30㎝に対して中くらいの辺の長さが(18/7)×30/20=(27/7) です。(=イ)
の長さは赤の三角形(斜辺20㎝)の中くらいの長さの辺と等しいですから,(18/7)ですね。

JL=÷2=(18/7)+(1/7)=(19/7),
HJ==(27/7)+(2/7)=(25/7)となりますので,
(19/7)÷(25/7)=19/25が答えです。

この問題に関しては(2)までしっかりと取れれば十分だと思われます。
(3)をちょっと考えて,きつそうなので他の問題に取り組み,時間が余れば戻ってくるということに
なりますが,戻って考える際に発生するタイムロスを少しでも抑えるために,問題を解くのに
使った情報をできるだけしっかりと残しておくということが大切です。

今回であれば(2)の時点で,
斜辺 短辺
30㎝ (3/7)
35㎝ (1/2)
みたいなメモ書きがあれば,気付く可能性も上がります。

また,問題の図を雑に扱わず,解き終わった後で必要な情報に絞っておくことなども必要ですね。

いずれにしても,普段からどのようなことを書き残せばよいか,どのようにすれば気付きやすいかを意識して
問題に取り組むという,より高い意識が必要になります。(池田)
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これが

今年の灘で一番厄介でした(^^;いい解き方がないか考えてみます。
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