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2015(H27)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第1日)

2015.01.26 17:37|入試問題分析(算数)
今回は,甲陽学院中学校です。
まず、入試概況から。
志願者は344名,受験者は317名,合格者は215名でした。
実受験者数は昨年度の349名から32名減、合格者は昨年度の219名から4名減でしので,実質競争率は昨年度が1.59倍,今年度は1.47倍とやや易化したというところです。
各教科の受験者平均を見ると,
国語(第1日) 2014年度 63.1点  2015年度 62.0点
国語(第2日) 2014年度 69.5点  2015年度 49.3点 
算数(第1日) 2014年度 60.3点  2015年度 62.1点
算数(第2日) 2014年度 61.4点  2015年度 53.1点
理科      2014年度 67.9点  2015年度 53.7点
となっています。
国語の2日目と算数の2日目,理科の受験者平均が,昨年度と比べて下がっています。
合格者最低点は500点満点で,2014年度が313点,2015年度が262点と大きく下がっているのは,算・国の2日目と理科で点数がのばせていないことによると思われます。

今回のテストのように,難度が上がった場合の対処方法は,焦らず,問題の見切りを素早くやって,得点できるところを確実に得点していくことが求められます。
問題の見切りのためには,それ相応の準備を積み重ねておかないと難しいので,日ごろの訓練を大切にしていきたいものです。

では,問題の解説です。今回は第1日の大問11を扱います。

(問題)H27 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問6
次の問いに答えなさい。
⑴ 10000の約数は何個ありますか。
⑵ 1÷16=0.0625です。この整数16のように,1を割ったときの商がちょうど小数第4位で終わる整数は何個ありますか。
⑶ 2÷512=0.00390625です。この整数512のように,2を割ったときの商がちょうど小数第8位で終わる整数は何個ありますか。

⑴ 10000の約数の個数から求めてみましょう。
10000=2^4×5^4ですから,(4+1)×(4+1)=25より,25個です。
甲陽進学を考えているのでしたら,約数の個数の求め方は知ってて当然(!?)ですね。
⑵ ⑴で10000の約数を考えていますから,この約数を利用することを考えます。
1÷16=0.0625・・・ア
の割られる数を10000倍すると
10000÷16=625・・・イ
という式になります。
このとき16と625はともにかけて10000になるペアです。
そして,アの商が小数第4位までの数になるためには,イの商の1の位が0以外の数でないといけませんね。

ですから,次の通り10000の約数のペア12組すべてを調べて,
10000÷10000=1 (1÷10000=0.0001)
10000÷5000=2 (1÷5000=0.0002)
10000÷2500=4 (1÷2500=0.0004)
10000÷2000=5 (1÷2000=0.0005)
10000÷1250=8 (1÷1250=0.0008)
10000÷625=16 (1÷625=0.0016)
10000÷400=25 (1÷400=0.0025)
10000÷80=125 (1÷80=0.0125)
10000÷16=625 (1÷16=0.0625)
の9個が求められますから,答えは9個になります。

ところが,このやり方だと,⑶のように約数が多い数になったとき対応できません。
そこでもう少しうまい方法を考えましょう。

上のイの商に0がつかないということは,商を素因数分解したとき,2と5が同時に出てこないということです。
10000の約数のうちでこの条件に当てはまる数の個数を考えましょう。
10000=2^4×5^4ですから,2^1,2^2,2^3,2^4,5^1,5^2,5^3,5^4と1の合計9個ありますね。
(これは4+4+1=9で求められます。)
ですから,答えは9個です。

⑶ 2÷512=0.00390625の割られる数を100000000倍すると
200000000÷512=390625とできます。
⑵の後半で解説した方法でやってみましょう。
まず,200000000を素因数分解します。
200000000=2^9×5^8となりますね。
次に,これを利用して,200000000の約数のうち10で割り切れないものの個数を求めます。これが答えになります。
2^1,2^2,2^3,2^4,・・・,2^9,5^1,5^2,5^3,5^4,・・・,5^8と1の合計18個
(これも⑵と同様に,9+8+1=18と求められますね。)
よって答えは18個です。

この最後の問題は,解法に気づかなければ正解するのは難しいかもしれません。
ですが,あまり気にしなくてもいいでしょう。入試は満点を取りに行く競争ではありません。
大切なことは,できる問題を確実に正解にして,確実に合格点を取っていくことです。
今回の問題では,そして甲陽の場合はだいたいそうですが,70点を目指していくといいですね。(道)
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(2)は10000(=2^4×5^4)の約数の個数25個から
1000(=2^3×5^3)の約数の個数16個
を引いて9個,

(3)は200000000(=2^9×5^8)の約数の個数90個から
20000000(=2^8×5^7)の約数の個数72個
を引いて18個

と出すこともできますね。
引く方までこれでやると混乱する子もいるかな・・・?

これは

灘の過去問と同じテーマですね。事前に対策をしていると素早く解けるタイプの問題。
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