2015(H27)入試分析 算数 甲陽学院中学校(第2日)
2015.01.27 14:34|入試問題分析(算数)|
今回は甲陽2日目の問題を扱います。
(問題)H27 甲陽学院中学校・2日目算数 大問3番
A,B,Cの3人でする仕事があります。Cがまだ新人のときは,その仕事をAとCでするとちょうど20日目の最後に終わり,
BとCでするとちょうど24日目の最後に終わり,AとBですると16日目の途中に終わっていました。
しかし,今ではCも仕事に慣れて,新人のときの2倍の速さで仕事ができるようになりました。
(1)今,この仕事を3人ですると何日目に終わりますか。
(2)今,この仕事をCだけですると何日目に終わりますか。最も早い場合と,最も遅い場合を求めなさい。
見るからに仕事算ですね。16日目の途中で終わったということは,
「15日より多くかかり,16日より少なくかかった」
ということですから,
(ア)仕事の全体量は20,24,15,16の最小公倍数で(240)
(イ)Aと昔のCの仕事能力は(240)÷20=(12)/日
(ウ)Bと昔のCの仕事能力は(240)÷24=(10)/日
(エ)AとBの仕事能力は(240)÷16=(15)/日より多く,(240)÷15=(16)/日未満
というところまではかなりの子がたどり着けると思います。
ここから昔のCの仕事量を出そうとして,混乱したということが多そうです。
(1)実は,今のCの仕事能力を求めなくても,「今,この3人で仕事をすると」ということですから,
A+B+昔のC×2が分かればよいわけです。
それであれば,(イ)と(ウ)の条件をたして(12)+(10)=(22)/日と出せますね。
(240)÷(22)=10.・・・・・ となりますので,11日目ということです。
(2)今のCとは昔のC×2ですから,
(イ)+(ウ)-(エ)で求めることができます。
(12)+(10)-(16)=(6)/日より多く
(12)+(10)-(15)=(7)/日より少ない
となりますので,かかる日数は
(240)÷(7)=34.・・・・・日より多く
(240)÷(6)=40日未満
となります。
そして最後の難関,答えをかくところです。
「何日目に終わりますか」と聞かれていますので,
最も早い場合は34日といくらかかかる35日目,
最も遅い場合は39日といくらかかかる40日目と答えなければなりません。
せっかく最後のところまでたどり着いたのに,遅い場合の日数を39日と書いてしまう子が
結構いたのではないかなと思われます。
ここ16年の算数における(合格者平均-受験者平均)に目をやりますと,
23.0→21.7→19.8→23.2→18.5→19.4→16.5→13.5→19.8→19.7→18.7→18.6→16.6→18.4→16.6→12.0
となっており,今年が最も小さくなっています。
受かった子と落ちた子の間で,得点できたであろう問題量の差が小さいということは,
「取れない問題は皆が取れない,取れる問題は皆が取れる」
の傾向が強かったということですね。
このような場合は1つのミスで多くのライバルに差をつけられるということになりますから,
「取れる問題は必ず取る」がより大切だったと言えるでしょう。
当然,テストを受けている最中にこの傾向が強いか弱いかなんてわかるわけもないですから,
普段からこの意識をしっかりと持っておかなくてはなりません。(池)
(問題)H27 甲陽学院中学校・2日目算数 大問3番
A,B,Cの3人でする仕事があります。Cがまだ新人のときは,その仕事をAとCでするとちょうど20日目の最後に終わり,
BとCでするとちょうど24日目の最後に終わり,AとBですると16日目の途中に終わっていました。
しかし,今ではCも仕事に慣れて,新人のときの2倍の速さで仕事ができるようになりました。
(1)今,この仕事を3人ですると何日目に終わりますか。
(2)今,この仕事をCだけですると何日目に終わりますか。最も早い場合と,最も遅い場合を求めなさい。
見るからに仕事算ですね。16日目の途中で終わったということは,
「15日より多くかかり,16日より少なくかかった」
ということですから,
(ア)仕事の全体量は20,24,15,16の最小公倍数で(240)
(イ)Aと昔のCの仕事能力は(240)÷20=(12)/日
(ウ)Bと昔のCの仕事能力は(240)÷24=(10)/日
(エ)AとBの仕事能力は(240)÷16=(15)/日より多く,(240)÷15=(16)/日未満
というところまではかなりの子がたどり着けると思います。
ここから昔のCの仕事量を出そうとして,混乱したということが多そうです。
(1)実は,今のCの仕事能力を求めなくても,「今,この3人で仕事をすると」ということですから,
A+B+昔のC×2が分かればよいわけです。
それであれば,(イ)と(ウ)の条件をたして(12)+(10)=(22)/日と出せますね。
(240)÷(22)=10.・・・・・ となりますので,11日目ということです。
(2)今のCとは昔のC×2ですから,
(イ)+(ウ)-(エ)で求めることができます。
(12)+(10)-(16)=(6)/日より多く
(12)+(10)-(15)=(7)/日より少ない
となりますので,かかる日数は
(240)÷(7)=34.・・・・・日より多く
(240)÷(6)=40日未満
となります。
そして最後の難関,答えをかくところです。
「何日目に終わりますか」と聞かれていますので,
最も早い場合は34日といくらかかかる35日目,
最も遅い場合は39日といくらかかかる40日目と答えなければなりません。
せっかく最後のところまでたどり着いたのに,遅い場合の日数を39日と書いてしまう子が
結構いたのではないかなと思われます。
ここ16年の算数における(合格者平均-受験者平均)に目をやりますと,
23.0→21.7→19.8→23.2→18.5→19.4→16.5→13.5→19.8→19.7→18.7→18.6→16.6→18.4→16.6→12.0
となっており,今年が最も小さくなっています。
受かった子と落ちた子の間で,得点できたであろう問題量の差が小さいということは,
「取れない問題は皆が取れない,取れる問題は皆が取れる」
の傾向が強かったということですね。
このような場合は1つのミスで多くのライバルに差をつけられるということになりますから,
「取れる問題は必ず取る」がより大切だったと言えるでしょう。
当然,テストを受けている最中にこの傾向が強いか弱いかなんてわかるわけもないですから,
普段からこの意識をしっかりと持っておかなくてはなりません。(池)
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