2015(H27)入試分析 算数 西大和学園中学校(女子)

2015.02.04 13:57|入試問題分析(算数)
今回は西大和学園(女子日程)の問題を扱います。

各教科の得点情報に目をやると,
国語(150点満点):受験者平均86.1点,合格者平均106.0点
算数(150点満点):受験者平均91.8点,合格者平均108.7点
理科(100点満点):受験者平均67.2点,合格者平均74.5点
社会(100点満点):受験者平均66.4点,合格者平均72.8点
となっています。

理社では合格者平均-受験者平均が満点の5分から7分なのに対し,国算では1割を超えています。
ただでさえ150点満点の2教科ですから,この2教科の出来不出来が大きく影響したと言えそうですね。

では,算数の問題を見てみます。
1番,2番は小問群ですが,今回はきついなぁという小問がありませんでした。
慎重に合わせておきたかったところです。
1番(6)は引く数として2015というのが適当かどうか,解答を書くときに迷いそうですね。
ここで迷って正解を書けるかどうかというのが学校の合否基準というわけではないでしょうから,
問題のチェックの段階で問題文の表現を変えるなどしておいていただきたかったところです。
1番の(6)(7),2番の(3)(4)あたりで点数差がつきそうですね。

3番は西大和でよく出題される推理系の問題ですが,このあたりは数多く問題を解けば出来るように
なるというものでもありません。1つ1つの問題を「どうしてそうなるのか」「自分が考えたときには
どこに理論の破綻があったのか」という風に追求して考える習慣を身につけましょう。

4番は少々工夫したりできる所もありますが,基本的には丁寧な書き出しで対応できる問題です。
あまり面白くない問題ですが,こういうところでしっかりと点をとりたいですね。

では,今回は1番の(7)を見てみましょう。

(問題)H27 西大和学園中学校(女子)・算数 大問1番(7)
片面が白色,もう片面が黒色のコインが3枚あります。これら3枚のコインをすべて白の面を上にして横一列に並べます。
コインを1枚選んで,選んだコインとその隣のコインを裏返すことを1回の操作とします。
例えば,1回目の操作を上から見た図は真ん中のコインを選ぶと,○○○から●●●となり,右のコインを選ぶと,
○○○から○●●になります。この操作を2回行ったとき,真ん中のコインは[ア]の面が上になっていて,この操作を
2015回行った時には,真ん中のコインは[イ]の面が上になっています。また4回の操作を行ったとき,すべてのコインの
上の面が白になる方法は,全部で[ウ]通りあります。


文章が長々と書かれていますが,実は丁寧にひもといていくとそれほど難しい問題ではありません。
今回,コインを裏返す前にコインを選ばないといけないのですが,選び方は

(A)左のコインを選ぶ   ⇒   左と真ん中がひっくり返る
(B)真ん中のコインを選ぶ   ⇒   左と真ん中と右がひっくり返る
(C)右のコインを選ぶ   ⇒   真ん中と右がひっくり返る

の3パターンが考えられます。
つまり,どこを選んでも真ん中は必ずひっくり返るということです。

[ア]2回操作をすると,真ん中は2回ひっくり返されることになりますから,最初の状態と同じになります。

[イ]2015回操作をすると,真ん中は2015回ひっくり返されることになりますから,最初の状態の逆でになります。

[ウ]4回操作をすると,真ん中は4回ひっくり返されることになりますから,最初の状態と同じ白になります。
あとは左が白になるために(A)+(B)が偶数回に,右が白になるために(B)+(C)が偶数回になればよいですね。
(A)+(B)+(C)=4回ということから,(A)=4回-偶数回=0,2,4回のいずれかです。
同様に(C)も0,2,4回のいずれかですから,これらを元に書き出すと,
(A,B,C)=(0,4,0),(0,2,2),(0,0,4),(2,2,0),(2,0,2),(4,0,0)の6パターンありますね。
例えば(0,4,0)では中中中中の並べかえなので1通り。
(0,0,4)や(4,0,0)でも同様です。
例えば(0,2,2)では中中右右の並べかえなので4C2=6通り。
(2,2,0)や(2,0,2)でも同様です。
よって,すべて合わせて1×3+6×3=21通りとなります。

解説を見てしまえばなんてことない問題ですが,スタートの時点で「操作の回数→選ぶ回数」と考えることができた人と,
「操作の回数→裏返す回数」と考えてしまった人でずいぶんかかった時間が違ったと思われます。

普段から場合の数の解説を見聞きしたときに,「おお!そう考えると手間が省けるのか!」という感動を強く持つ人が
こういう問題にあたったときに最善手を選びやすくなります。そのためにも,気持ちを張って普段の授業に臨んで下さいね。
(池)
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Comment

なるほどぉ♪ 素晴らしい解法ですねぇ。

池田先生,素晴らしい解説ありがとうございます。

H27年度の西大和女子ですが,難易度的には昨年度より若干易しくなった印象です。今年度のトピックとしては,最後の大問で予想されたいわゆる『思考力問題』がなくなったといったところでしょうか。

実は,恥ずかしながら,上に挙げられた【1】(7)ウの問題。。。H27西大和女子の問題が公開されてから,上手い解き方が分からずに,ず~っと悩み続けた問題の一つでした。確かに誘導に従うと,『どの操作をした場合でも真ん中のコインは必ずひっくり返る』という条件を使うのが学校側の出題意図ということでしょうか。なんだか,去年の東大寺の【4】が甦ってきそうな問題ですねぇ。

ちなみに,全体の難易度設計としては,合格者平均点6割が物語る通り,非常にバランスのとれた良い問題だったと思います。まぁ~,欲を言えば,大問【3】が,『急遽つけたした?』もしくは『直前で差し替えた?』とような問題で,???の印象です。逆に【4】はオーソドックスではありますが,極めて学習効果の高い問題で,個人的にはこういう問題がしっかり正解できる生徒を西大和女子は求めているのでは?と受け止めています。

今回で2回目の西大和女子入試でしたが,問題の設計的に『四天王寺』に似ているなぁ~と思ったのは私だけでしょうかねぇ!(^^)!。

No title

推理系の問題(大問3)は「情報を混乱せずに整理する」という能力を求めているんでしょうが,
大問1つ使って出されるとげんなりするというのが感想です(例年そうですが)。
四天王寺みたいに小問群の中に1,2枠ぐらいで十分だと思うんですけどね…

丁寧な作業を求める系の問題(大問4)は女子の学校では
「こういう作業をできる子が欲しいんだぞ!」っと言わんばかりにストレートに出されますね
(男子の学校でも出ますが,もうちょっとその意図は隠されて出されるように感じます)。

結局のところ,女子の最難関の子たちに求められるのは,泥臭い作業に,集中力を切らさずに
注意深く取り組むことができるかという能力なんでしょうね。
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