2015(H27)入試分析 算数 四天王寺中学校

2015.02.24 19:46|入試問題分析(算数)
今回は四天王寺中学校の分析です。

3つのコース(医志,英数Ⅱ,英数Ⅰ)の合格ラインは、昨年度入試で
医志コース 312点/400点 (78%)
英数Ⅱコース 274点/400点(68.5%)
英数Ⅰコース 230点/400点(57.5%)
でした。
今年の入試結果については、まだ公表されていませんが、どんな結果になっているか楽しみです。
(ちなみに、一昨年の合格ラインは,英数Ⅱで67.5%,英数Ⅰで56.8%,その前の年もほとんど同じです。)

今年の算数セットに関して少し言及しておきましょう。
大問1は計算問題が2問
大問2は面積の問題と虫食い算。面積の問題は、ここ数年続く等積移動を使いまくる問題ですが、難易度はどちらかと言えば易しめでした。ですが、続く虫食い算はけっこう手間。とりあえず飛ばして先に進んでもいいかもしれません。
大問3濃度計算、大問4がニュートン算と続きますが、かなり取り組み易い設定となっていますから、ここはきちっと取っておきたいところです。
そして、続く大問5。
見たところ,倍数の問題でもあるようだし,過不足算の問題のような感じもするし、いったいどこから手を付けていいのか、と戸惑うような文章題です。突破口を見つけられず焦ってしまって頭の中が真っ白になった受験生も多かったのではないでしょうか。過去問を見ても、ときどき、文章題で切り口を見つけにくい出題がありますね。5分考えて切り口が見えてこないようなら、飛ばして先に進みましょう。
残るは大問3問です。
まず大問6。直方体をブロックのように組み立てた問題の表面積。
①は落とせません。②も慎重に取り組んで、何とか得点してほしい問題です。
大問7はカードを使う場合の数、最後の大問8は流水算です。
場合の数の問題は、丁寧に調べていけば①②は正解できます。流水算も①②は外せません。
ですが、どちらも③はなかなか手間のかかる問題です。特に流水算の③は自分でダイヤグラムを、それもかなり正確にかいて考えないと難しいような問題です。間違えても合否には大きく影響しないでしょう。

では、そんな今年の問題から1問、大問7を取り上げましょう。
(問題)H27 四天王寺中学校 算数 大問7番
箱の中に1から9までの数字が書かれた9枚のカードが入っています。この箱からカードを1枚ずつ取り出して左から順に並べます。並べるとき,カードの数字が左どなりのカードの数字より小さい場合は,次のカードを取り出す前に,左から数字の小さい順に並ぶまで,となり合うカードを入れかえます。例えば,5,2,1の順にカードを取り出したときは,
5→52→25→251→215→125
   入れかえ    入れかえ 入れかえ 
となり3回入れかえます。
①2,8,4,3,5の順に取り出したとき,何回入れかえますか。
②最後に1357と並ぶとき,最も多くて何回入れかえますか。
③Aさんが4枚のカードを取り出して入れかえると,最後に2689と並びました。続いて,Bさんが3枚のカードを取り出して入れかえると,最後に347と並びました。2人が入れかえた回数の合計が4回となる取り出し方は何通りありますか。


① 例のようにやってみましょう。
2→28→284→248→2483→2438→2348→23485→23458
           入れかえ       入れかえ  入れかえ         入れかえ
となりますから,4回入れかえることが分かりますね。

② 4個の数字の並べ替えですから、4×3×2×1=24通りすべて試してみるというのも一つの方法です。
(③の問題を解くときに,これを調べておくと使えますから,無駄にはなりません。)
ここで,この問題の入れかえ回数の仕組みを考えましょう。
先の①で、284→248と1回入れかえるのは、右端の4より大きな数が4の左に1個あるからですね。
次の2483→2348と2回入れかえるのは、右端の3より大きな数が3の左に2個あるからです。
つまり、ある数字の左側に、それより大きな数が何個あるかで入れかえる回数が決まります。
①の問題で、出た順に書いた28435の数字を左の2から順に、その数字より左にそれより大きい数が何個あるか調べると、
2・・・0個,8・・・0個,4・・・1個,3・・・2個,5・・・1個
となります。これをたした0+0+1+2+1=4が入れかえの回数であることが分かります。
そうすると、入れかえた結果が1,3,5,7となる場合の、入れかえ回数が最も多くなるのは、
これを大きい順に並べた7,5,3,1と分かりますね。
そして、回数の合計は0+1+2+3=6回であることも分かります。
③ 2人が取り出した回数の合計が4回ということは、次の組み合わせが考えられます。
(A,B)=(4,0),(3,1),(2,2),(1,3),(0,4)
ところで、Bの3,4,7の3枚のカードの取り出し方は3×2×1=6通りあります。
すべて書き出して、入れかえが何回になるか調べてみましょう。
3,4,7 ・・・0+0+0=0回
3,7,4 ・・・0+0+1=1回
4,3,7 ・・・0+1+0=1回
4,7,3 ・・・0+0+2=2回
7,3,4 ・・・0+1+1=2回
7,4,3 ・・・0+1+2=3回
つまり、0回が1通り,1回が2通り,2回が2通り,3回が1通りとなります。・・・(★)
次に、Aの入れかえの回数は,2,6,8,9の4枚のカードを並び替えた24通りです。
(②に書いたように、これをすべて調べて解くのもいい方法です。)
ですが,せっかくの機会ですし,今後何かの役に立つかもしれませんから,ここではもう少し工夫することを考えてみます。
まず9以外の3枚を並べた時の入れかえの回数は、先の(★)と同じで
0回が1通り,1回が2通り,2回が2通り,3回が1通りです。
ここに9のカードを付け加えて4枚にします。
2015shitennouji1.jpg
図の○印は2,6,8のどれかの数で,ア~エのどこかに9のカードを入れます。
すると,9のカードが入る場所により,入れかえの回数が変わります
(1) エにいれても、入れかえ回数は変わりません。
 → 0回が1通り,1回が2通り,2回が2通り,3回が1通り
(2) ウに入れた場合,入れかえ回数はそれぞれ最後の数が9と入れかわるので、★より1回ずつ増えます。
 → 1回が1通り,2回が2通り,3回が2通り,4回が1通り
(3) イに入れた場合,入れかえ回数はそれぞれ後ろ2つの数が9と入れかわるので、★より2回ずつ増えます。
 → 2回が1通り,3回が2通り,4回が2通り,5回が1通り
(4) アに入れた場合,入れかえ回数は3つの数すべてが9と入れかわるので、★より3回ずつ増えます。
 → 3回が1通り,4回が2通り,5回が2通り,6回が1通り
以上の(1)~(4)をまとめると、入れかえ回数は
0回が1通り,1回が3通り,2回が5通り,3回が6通り,4回が5通り,5回が3通り,6回が1通り・・・(☆)
となります。

そこで,★と☆から,先に書き出した,(A,B)=(4,0),(3,1),(2,2),(1,3),(0,4)のそれぞれが何通りあるかを調べていきます。
(4,0)のとき 5×1=5通り
(3,1)のとき 6×2=12通り
(2,2)のとき 5×2=10通り
(1,3)のとき 3×1=3通り
(0,4)のとき 0通り
したがって、答えは5+12+10+3=30通りとなります。

この問題は、実は平成15年の灘中学校の1日目に出題された「逆順の数」と同じ考え方を使っています。
目にしたことがある受験生も多かったことでしょう。
ですが,ここにかいたような考え方が分からなかったとしても,書き出しで充分対応できる問題でした。
四天王寺中学校の受験を考えている人は,こういう「やや面倒」な問題に対応できる取り組みをふだんからやって,しっかり慣れておいてほしいですね。(道)

※追記
その後,合格最低点が公表されました。
医志コース  292点/400点 (73%)
英数Ⅱコース 260点/400点 (65%)
英数Ⅰコース 225点/400点 (56.25%)
という結果でした。
算数の受験者平均は67点/120点で,昨年より9点アップ,合格者平均は77点/120点で昨年より12点アップでした。
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