2015(H27)入試分析 算数 関西学院中学部(第1日)
2015.03.02 20:44|入試問題分析(算数)|
関西学院中学部(第一日)の問題を今回は取り上げてみます。
2012年の女子入試スタート以降の入試関連数値の推移を見ると,
■倍率
男1.7倍⇒2.1倍⇒1.7倍⇒1.6倍
女1.4倍⇒1.8倍⇒1.9倍⇒1.9倍
■合格最低点
男275点⇒315点⇒322点⇒298点
女270点⇒317点⇒337点⇒323点
■算数平均点
男90点(42点,48点)⇒114点(60点,55点)⇒124点(61点,63点)⇒106点(53点,53点)
女90点(41点,49点)⇒111点(58点,53点)⇒122点(61点,60点)⇒107点(53点,54点)
となり,女子の人気が定着している様です。
点数に関しては,算数の平均点では男女差がそれほどありませんが,合格最低点では25点もの差がついています。
これは国語の平均点の差がそのまま出ているようですね。
(問題)H26 関西学院中学部・算数(第1日) 大問5番
1800m離れた家と公園の間を弟は徒歩で,兄は自転車で,それぞれ一定の速さで何度も往復します。
弟が家を出発してから12分後に兄は公園を出発しました。
すると,公園から720mの場所で初めて兄が弟を追い抜きました。
グラフは弟が出発してからの時間と,2人の往復している様子を表したものです。
次の問いに答えなさい。
(1)弟の歩く速さは分速何mか求めなさい。
(2)兄と弟が初めて同時に公園に着くのは,弟が出発してから何分後か求めなさい。

グラフの問題では,まず準備作業がとても重要です。
問題文に載っているのに,グラフには書かれていない内容をまずは書きこむのですが,
下の①②③までの記入はスムーズに進むでしょうが,④の記入作業を行うことをお勧めします。
なぜなら,上に書くことによって,兄が公園に戻ってきたのが30分だということに意識が行きやすくなるからです。

(1)速さを求めるので,時間と距離が分かっているところを探します。問題では弟の速さを聞かれているのですが,
残念ながらまずは兄の公園の往復しているところしかわかりませんので,ここから手をつけます。
1800×2=3600mを30-12=18分で進んでいますから,3600÷18=200m/分が兄の速さです。
兄の速さが分かったので,兄の進んだ距離か時間が分かっているところを探すと,
30分時点から720m進むのに,720÷200=3.6分かかることになりますね。
よって,下のグラフの⑤33.6を書き込むことができます。
※私が自分で問題を解くときは※のところに33.6を書き込みます。
理由は追いつきが33.6分に起こったことに気付きやすくなるからです。
全員にお勧めするわけではありませんが,時刻の見落としをしやすい人はこれくらい極端な対策をたててもいいですよ。

これで,弟は兄に追い抜かれるまで,1800+720=2520mを33.6分で進んだことが分かりますから,
2520÷33.6=75m/分が弟の速さです。
(2)実は(1)ができてしまうと,(2)ではグラフはほぼ使いません。
弟は片道に1800÷75=24分かかりますので,24分に着いた後は48分ごとに公園にもどってきます。
24,72,120,・・・ですね。
兄は12分に公園をスタートした後,18分ごとに公園にもどってきますので,
12,30,48,66,84,102,120,…となります。
よって,初めて重なるところは弟が出発してから120分後になります。
速さのグラフの問題はどうしても練習量が少なくなりがちなので,どこに着目すればいいかが分からないという
子が見受けられます。それだけに,上記のような,ポイントに気付きやすくするための工夫を意識することが
大切ですね。
ちなみに,ここ1,2年,最難関の学校でもグラフを自分で描かないと解きにくいような問題が増えています。
一時的なものかもしれませんが,状況図で解けた問題もグラフを描いてみるなどの作業を普段からできれば
こういう問題の対策になりますね。(池)
2012年の女子入試スタート以降の入試関連数値の推移を見ると,
■倍率
男1.7倍⇒2.1倍⇒1.7倍⇒1.6倍
女1.4倍⇒1.8倍⇒1.9倍⇒1.9倍
■合格最低点
男275点⇒315点⇒322点⇒298点
女270点⇒317点⇒337点⇒323点
■算数平均点
男90点(42点,48点)⇒114点(60点,55点)⇒124点(61点,63点)⇒106点(53点,53点)
女90点(41点,49点)⇒111点(58点,53点)⇒122点(61点,60点)⇒107点(53点,54点)
となり,女子の人気が定着している様です。
点数に関しては,算数の平均点では男女差がそれほどありませんが,合格最低点では25点もの差がついています。
これは国語の平均点の差がそのまま出ているようですね。
(問題)H26 関西学院中学部・算数(第1日) 大問5番
1800m離れた家と公園の間を弟は徒歩で,兄は自転車で,それぞれ一定の速さで何度も往復します。
弟が家を出発してから12分後に兄は公園を出発しました。
すると,公園から720mの場所で初めて兄が弟を追い抜きました。
グラフは弟が出発してからの時間と,2人の往復している様子を表したものです。
次の問いに答えなさい。
(1)弟の歩く速さは分速何mか求めなさい。
(2)兄と弟が初めて同時に公園に着くのは,弟が出発してから何分後か求めなさい。

グラフの問題では,まず準備作業がとても重要です。
問題文に載っているのに,グラフには書かれていない内容をまずは書きこむのですが,
下の①②③までの記入はスムーズに進むでしょうが,④の記入作業を行うことをお勧めします。
なぜなら,上に書くことによって,兄が公園に戻ってきたのが30分だということに意識が行きやすくなるからです。

(1)速さを求めるので,時間と距離が分かっているところを探します。問題では弟の速さを聞かれているのですが,
残念ながらまずは兄の公園の往復しているところしかわかりませんので,ここから手をつけます。
1800×2=3600mを30-12=18分で進んでいますから,3600÷18=200m/分が兄の速さです。
兄の速さが分かったので,兄の進んだ距離か時間が分かっているところを探すと,
30分時点から720m進むのに,720÷200=3.6分かかることになりますね。
よって,下のグラフの⑤33.6を書き込むことができます。
※私が自分で問題を解くときは※のところに33.6を書き込みます。
理由は追いつきが33.6分に起こったことに気付きやすくなるからです。
全員にお勧めするわけではありませんが,時刻の見落としをしやすい人はこれくらい極端な対策をたててもいいですよ。

これで,弟は兄に追い抜かれるまで,1800+720=2520mを33.6分で進んだことが分かりますから,
2520÷33.6=75m/分が弟の速さです。
(2)実は(1)ができてしまうと,(2)ではグラフはほぼ使いません。
弟は片道に1800÷75=24分かかりますので,24分に着いた後は48分ごとに公園にもどってきます。
24,72,120,・・・ですね。
兄は12分に公園をスタートした後,18分ごとに公園にもどってきますので,
12,30,48,66,84,102,120,…となります。
よって,初めて重なるところは弟が出発してから120分後になります。
速さのグラフの問題はどうしても練習量が少なくなりがちなので,どこに着目すればいいかが分からないという
子が見受けられます。それだけに,上記のような,ポイントに気付きやすくするための工夫を意識することが
大切ですね。
ちなみに,ここ1,2年,最難関の学校でもグラフを自分で描かないと解きにくいような問題が増えています。
一時的なものかもしれませんが,状況図で解けた問題もグラフを描いてみるなどの作業を普段からできれば
こういう問題の対策になりますね。(池)
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