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筑波大学附属駒場中学校 算数 問題解説&入試分析★2015年(H27年)

2015.03.15 21:15|入試問題分析(算数)
この春から数理教育研究会は東京のほうにも教室を出すことになりました。
その教室で算数と数学、物理を担当して参ります、畠田と申します。
教室での授業もブログの記事執筆も頑張っていきますので、よろしくお願いします!


今回は、国立である筑波大学附属駒場中学校です。
全受験者数は628人、合格者数は一般128人で倍率は4.91倍となっています。
大問4つで、大問1つあたり3問で構成されています。
合格最低点は7割2分なので12問中9問分がボーダーとなります。

1番は分数に操作をほどこす問題で計算などが複雑と言うわけではありませんが、考え方が少し難しい面白い問題です。
2番はよくある問題で固めたいとこです。
3番は正答率が低かったようですが、少し整理の仕方を工夫すれば短時間で解けます。
4番は図形問題で特に計算や処理が複雑と言うわけではありませんが面白い問題です。
2番を(3)まで1,3,4番は(2)までとってボーダー近くにのせて、後どれくらい稼げるか?です。
今回は3番の解説を紹介します。

(問題)平成27 筑波大学附属駒場中学 算数 大問3番
縦100個,横100個,全部で10000個のます目が書かれた表があります。表のそれぞれのます目には,次のように整数が1つずつ書かれています。

1行目には、すべて1が書かれています。
2行目には、1から1ずつ増える数が100個,順に書かれています。
3行目には、1から2ずつ増える数が100個,順に書かれています。
4行目には、1から3ずつ増える数が100個,順に書かれています。
・・・・・・

99行目には、1から98ずつ増える数が100個,順に書かれています。
100行目には、1から99ずつ増える数が100個,順に書かれています。

tuku20151.png


次の問いに答えなさい。
(1)この表に、100は全部で何個書かれていますか。
(2)この表に、ちょうど5個書かれている整数があります。
そのような数のうち,最も小さいものを答えなさい。
(3)100から200までの整数のうち,この表にちょうど1個書かれている数をすべて答えなさい。



この表を見ると

tuku20152.png

横のマス目を右にいくのにしたがって
1行目は右へ+0ずつ
2行目は右へ+1ずつ
3行目は右へ+2ずつ
4行目は右へ+3ずつ
5行目は右へ+4ずつ
ということは問題文に書いてありますが、

同じように

tuku20153.png

縦マス目も下にいくのにしたがって
1列目は下へ+0ずつ
2列目は下へ+1ずつ
3列目は下へ+2ずつ
4列目は下へ+3ずつ
5列目は下へ+4ずつ
となっていることがわかります。

これと似た表を見たことありませんか?
そう、九九の表です。

どうすれば九九の表と関連つけることができるでしょうか。

実は、最初の項1に注目して各マスの数字から全て1ひくと…

tuku20154.png

0の部分を除いた赤で囲んだ部分が、
左から3行目と上から4列目のマス目は3×4=12。
一般的には、
左からA行目と上からB行目のマス目はA×B。

というように、九九(9×9)の表ならぬ、九十九九十九(99×99)の表になっています。

そして100が何個あらわれるか?ということは100から1を引いて99が何個あらわれるか?を考えたらよいですね。

99の約数を考えると
1,3,9,11,33,99の6個ありますので、表でも
(縦×横)
1×99
3×33
9×11
11×9
33×3
99×1
6個あらわれることがわかります。

(2)
5個書かれている整数は約数が5個ある数と考えることができます。
5=1×5ですから、(素数)^4と言うことになりますが、
問題では「もっとも小さいものを答えろ」ということですので、
2^4=16です。
ただし、これは1を引いた後の数ですので、
16+1=17
というように、元の表の数に戻しておきましょう。

(3) 100から200までの整数のうちという、問題文にアンダーラインを引かれた箇所に注意しましょう。
(1)(2)と同様に1をひいて考えると、
99から199までの整数ということになります。

tuku20155.png

みなさん、九九の表でもなんとなくご存知かと思いますが、表の右上と右下では必ず同じ答えが出てきます。
が、対角線上の数はそのペアになるものがありませんので、
「ちょうど1個書かれている数」というのはこの対角線上にしか出てこない数ということになります。

つまり
10×10=100
11×11=121
12×12=144
13×13=169
14×14=196
が候補となりますが、
100=2×50、4×25、5×10
144=2×72、3×48、4×36、6×24、8×18、9×16
196=2×98、4×49、7×28
などでも登場することになりますので、
(素数)^2になっている121、169が1個だけ書かれている数となります。
ここでも+1をして元の数に戻すことを忘れないように!
122,170が答えとなります。

計算や処理が複雑なものでも、このように1をひいて九九の表と関連付けると簡単でシンプルに解くことができます。
複雑な問題は自分が知っているものと結びつけることができないかと考える癖をつけていきましょう。(畠)
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