2015(H27)入試分析 算数 愛光中学校
2015.03.09 19:44|入試問題分析(算数)|
今回は愛光中学校の問題を見てみましょう。
その前に、受験者関連の数字から。
本校(県内生)と本校(県外生)と県外会場で合格最低点が変わるので、第一志望として受験される方は
本校まで出向いて受験されることをお勧めします。
今年は、本校(県内生)が239/400、本校(県外生)が243/400、県外会場が280/400ということですので、
その差がかなり大きいことがお分かりいただけるかと思います。
受験者数/合格者数の倍率は、本校(県内生)で1.55倍、本校(県外生)で1.46倍、
東京会場で1.87倍、大阪会場で1.30倍、福岡会場で1.63倍
となっていますが、これは大阪会場受験生の平均点がほかに比べて大幅に高いためです。
平均点を比較すると、全体の平均点と比べて国語と社会は+2点なのに対し、理科は+5点、算数に至っては+11点
ですから、やはり関西の受験は理数系がかなり厳しいレベルまで求められているということがわかりますね。
各問題にざっと目を向けてみると、
大問1番
(1)(2)計算問題。落とすべからず。
(3)過不足算の典型的な問題。当然落とすべからず。
(4)通過算。パッと見、ちょっと面倒くさい問題かと思いきや、基本レベル。焦らず解けば正解して当然。
(5)歩幅問題の典型題。愛光を受験するならできますよね・・・?
(6)円の面積(半径不明)のこれまた典型題。愛光を受験するならできるはず・・・?
(7)パズル的な問題。ごそごそやりながら正解する子が多いだろうが、限られた試験時間の中で混乱しそうになったら
とりあえずは飛ばすのが吉。
(8)商売の問題。解けた子は強引に解いてしまったというケースが多そうだが、A店のみに注目すればスルスルっと
解けてしまう。限られた時間の中では難しいかも。
(9)面積の面白い問題。解けなくても合否には響かなさそう。
(10)①はしっかり取りたい。②は目安のつけ方が身についている子でないときついので飛ばすもよし。
大問2番
仕事算。最小公倍数が大きいのでちょっと焦るかもしれないが、しっかりと正解したい。
大問3番
(1)は落ち着いてやれば正解できる。(2)はAの使用額=BとCの使用額の和ということに気づかないといけないので、
時間がある程度たっても糸口が見つからなければ飛ばすべき。
大問4番
やり取りの図をきちんと書いたうえで、底面積⇔体積の変換ができれば無茶な問題ではない。
が、最後の出題ということもあり、精神的に疲労しているとつらいかもしれないので、前のほうのきつい問題は
テンポよく飛ばして、元気な状態で解きたいところ。
つまり、大問1の後半をいかにしのぐか(飛ばすか)が勝負の分かれ目になったのではないでしょうか。
では、今回は大問1(9)を取り上げてみます。
(問題)H27 愛光中学校 算数 大問1番(9)
右の図のように、EG、HFをひいて長方形ABCDを4つの部分に分けます。四角形AEIHの面積は29cm^2で、
四角形IFCGの面積は17㎝^2です。四角形EFGHの面積は三角形AFGの面積より[①]cm^2大きく、三角形CHEの面積は
三角形AFGの面積より[②]cm^2大きいです。

[①]まず、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
四角形EFGHは下図のようになりますので、

29÷2+四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=14.5+●+▲+8.5 と表せます。
一方、三角形AFGは下図のようになりますので、分割してから2つの三角形を等積変形することで

四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=●+▲+8.5 と表せます。
よって、14.5㎝^2大きいことになります。
[②]先ほどと同様に、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
三角形AFGは先ほど見ましたので、三角形CHEを見てみます。同じように分割してから2つの三角形を等積変形すると、

四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+29÷2=●+▲+14.5 と表せます。
よって、14.5-8.5=6㎝^2大きいことになります。
等積変形をうまく使えばこのようにきれいに解説できるのですが、不要部分(図の色がついていない部分)の面積を
比較して、「この長方形の半分になって…」と考えながら解く子が多いかもしれないなぁと推測されます。
その考え方でも間違っていないので、まずはその解き方で頑張って正解した後で、「ああ!こういうやり方もあるのか!」
と思ってもらえれば記憶にも残りやすいですよ。(池)
その前に、受験者関連の数字から。
本校(県内生)と本校(県外生)と県外会場で合格最低点が変わるので、第一志望として受験される方は
本校まで出向いて受験されることをお勧めします。
今年は、本校(県内生)が239/400、本校(県外生)が243/400、県外会場が280/400ということですので、
その差がかなり大きいことがお分かりいただけるかと思います。
受験者数/合格者数の倍率は、本校(県内生)で1.55倍、本校(県外生)で1.46倍、
東京会場で1.87倍、大阪会場で1.30倍、福岡会場で1.63倍
となっていますが、これは大阪会場受験生の平均点がほかに比べて大幅に高いためです。
平均点を比較すると、全体の平均点と比べて国語と社会は+2点なのに対し、理科は+5点、算数に至っては+11点
ですから、やはり関西の受験は理数系がかなり厳しいレベルまで求められているということがわかりますね。
各問題にざっと目を向けてみると、
大問1番
(1)(2)計算問題。落とすべからず。
(3)過不足算の典型的な問題。当然落とすべからず。
(4)通過算。パッと見、ちょっと面倒くさい問題かと思いきや、基本レベル。焦らず解けば正解して当然。
(5)歩幅問題の典型題。愛光を受験するならできますよね・・・?
(6)円の面積(半径不明)のこれまた典型題。愛光を受験するならできるはず・・・?
(7)パズル的な問題。ごそごそやりながら正解する子が多いだろうが、限られた試験時間の中で混乱しそうになったら
とりあえずは飛ばすのが吉。
(8)商売の問題。解けた子は強引に解いてしまったというケースが多そうだが、A店のみに注目すればスルスルっと
解けてしまう。限られた時間の中では難しいかも。
(9)面積の面白い問題。解けなくても合否には響かなさそう。
(10)①はしっかり取りたい。②は目安のつけ方が身についている子でないときついので飛ばすもよし。
大問2番
仕事算。最小公倍数が大きいのでちょっと焦るかもしれないが、しっかりと正解したい。
大問3番
(1)は落ち着いてやれば正解できる。(2)はAの使用額=BとCの使用額の和ということに気づかないといけないので、
時間がある程度たっても糸口が見つからなければ飛ばすべき。
大問4番
やり取りの図をきちんと書いたうえで、底面積⇔体積の変換ができれば無茶な問題ではない。
が、最後の出題ということもあり、精神的に疲労しているとつらいかもしれないので、前のほうのきつい問題は
テンポよく飛ばして、元気な状態で解きたいところ。
つまり、大問1の後半をいかにしのぐか(飛ばすか)が勝負の分かれ目になったのではないでしょうか。
では、今回は大問1(9)を取り上げてみます。
(問題)H27 愛光中学校 算数 大問1番(9)
右の図のように、EG、HFをひいて長方形ABCDを4つの部分に分けます。四角形AEIHの面積は29cm^2で、
四角形IFCGの面積は17㎝^2です。四角形EFGHの面積は三角形AFGの面積より[①]cm^2大きく、三角形CHEの面積は
三角形AFGの面積より[②]cm^2大きいです。

[①]まず、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
四角形EFGHは下図のようになりますので、

29÷2+四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=14.5+●+▲+8.5 と表せます。
一方、三角形AFGは下図のようになりますので、分割してから2つの三角形を等積変形することで

四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+17÷2=●+▲+8.5 と表せます。
よって、14.5㎝^2大きいことになります。
[②]先ほどと同様に、問題文に書いてある四角形や三角形を図の中に書き込んでみましょう。
三角形AFGは先ほど見ましたので、三角形CHEを見てみます。同じように分割してから2つの三角形を等積変形すると、

四角形HIGD÷2+四角形EBFI÷2+29÷2=●+▲+14.5 と表せます。
よって、14.5-8.5=6㎝^2大きいことになります。
等積変形をうまく使えばこのようにきれいに解説できるのですが、不要部分(図の色がついていない部分)の面積を
比較して、「この長方形の半分になって…」と考えながら解く子が多いかもしれないなぁと推測されます。
その考え方でも間違っていないので、まずはその解き方で頑張って正解した後で、「ああ!こういうやり方もあるのか!」
と思ってもらえれば記憶にも残りやすいですよ。(池)
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