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2015(H27)入試分析 算数 関西学院中学部(第2日)

2015.03.13 21:30|入試問題分析(算数)
関西学院中学部の第2日の問題を解説します。
第1日と違い,なかなか面白い問題も含まれていましたが,逆に言えば、算数講師から見て面白い=受験生が取り組みにくい,という場合も多く,今回もおそらくそうなっています。

大問1は計算問題4問。そこそこのレベルですが,これは落とせません。
大問2は小問5題。(1)~(4)はほぼ受験生としては見慣れた(見慣れていてほしい)出題ですから,これもミスなく確実に点数にしましょう。(5)は時差を扱う問題で,あわてずにまとめていけたら難しくはないはずなんですが,試験中だと焦るかもしれませんね。おっ?と思ったときは,とりあえず後回しでも構いません。
大問3は7を何個かの整数に分割する問題。個数で場合分けして,重複・見落としに注意して数えましょう。(数えるだけなので,それほど時間はかからないはずです。何もここでエレガントな解き方を考えなくてもいいですよ!)
大問4は白黒の球を並べる規則性の問題。
この手の問題は,表に整理することで,手がかりをつかみましょう。それほど難しくありません。
大問5は回転体の表面積。一見,ややこしそうですが,出来上がりを想像して,面積を求めたい部分をちょこちょこっと移動してやると,1個の円すいになって楽勝です。
そして大問6。
点の移動とグラフの問題。
グラフから必要な部分を読み取っていかないといけませんが,この手の問題に苦手意識がある人には難しいかもしれません。詳しく解説します。
全14問のうち,大問1,2で7問は正解したいですね。そして,大問3,4,5あたりからあと2問正解するとほぼ6割5分。
これだけ合わせれば,何とか合格ラインに乗ってくるのではないでしょうか。

ではその中から,大問6を解説します。
(問題)H26 関西学院中学部・算数(第2日) 大問6番
図のような長方形ABCDにおいて,点Pは辺AD上を,点Qは辺BC上をそれぞれ一定の速さで何度も往復します。長方形ABCDを直線PQで分けた2つの図形のうち,辺ABを含む図形を㋐とします。グラフは点PがAを,点QがBを同時に出発してからの時間と,図形㋐の面積の関係を表しています。ただし,点PはQよりも速く動きます。次の問いに答えなさい。
(1) 点PとQの速さの比を求めなさい。
(2) 図形㋐の面積が,3回目に長方形ABCDの面積の半分になるのは,点PとQが出発してから何秒後か求めなさい。

kangaku 2015 2 6 1
まず,グラフの折れ目に注目しましょう。こういうグラフでは,グラフが折れ曲がっているところで何が起こっているか考えることが大切でしたね。
kangaku 2015 2 6 3
図形㋐は台形ですから,面積は(上底+下底)で決まります。
上底はAPの長さ,下底はBQの長さですね。
点PはQより速いので,右端の点(D)に先にQより早く到着し,折り返します。
ですから,㋑はPがDに到着した時です。
その後,QもCに到着して折り返します。これが㋒のところ。
さらにPがAに戻ってきて折り返します。これが㋓のところです。

(1) グラフの㋒より,QはBからCまで31.5秒で進んだと分かります。
また,グラフの㋓より,PはAD間を往復するのに36秒かかったと分かりますから,片道(グラフの㋑)は36÷2=18秒です。
ですから,速さの比は,かかる時間の逆比なので,31.5:18=7:4ですね。

(2) Pの速さを7cm/秒,Qの速さを4cm/秒とでもしておきましょう。
すると,長方形の横の長さは,7×18=126cmとできます。
㋐の面積が長方形の半分になるためには,上底+下底=126cmになればいいですね。
〔解法1〕
図形的に考えてみます。
この場合,上底+下底=126cmで面積が長方形の半分になるのですが,次のように,AP=QCになればいいですね。
kangaku 2015 2 6 5
そこで,PとQの速さの比が7:4であることも考慮して,AP=QCになるときまでのPとQの動きを順に調べてみましょう。
1回目は次のようになったときで,PとQが合わせて128cm進んだ時です。
kangaku 2015 2 6 9
128÷(7+4)=128/11秒後
2回目は,次の図のように,PとQが合わせて128×3=384cm進んだときです。
kangaku 2015 2 6 7
384÷(7+4)=384/11秒後
そして3回目が,PとQの進んだ距離の差が128cmになったときです。
kangaku 2015 2 6 8
これは128÷(7-4)=42秒後で,これが答えです。
〔解法2〕
この問題に関しては,グラフを利用する方が楽に解けるかもしれませんから,そちらも見てみましょう。
問題に使われているグラフの縦軸に,「上底+下底」の数字を書くと,これが126になったときを見つければいいということになります。
そこで,AP+BQの長さを求めておきましょう。
18秒後:126+4×18=198cm
31.5秒後:126×2-7×31.5+126=157.5cm
36秒後:126×2-4×36=108cm
54秒後:126×2-4×54+126=162cm
これをグラフに記入します。
kangaku 2015 2 6 11
のア~ウがAP+BQ=126になるところです。
3回目がウですから,そのときのの時間を求めればいいですね。
グラフのに挟まれた部分に注目して,
(126-108):(162-126)=1:2となりますから,
36+(54-36)×1/(1+2)=42(秒)と求められます。

先に書いた図形的に解く〔解法1〕で,「これって本当に3回め?」など,少し自信が持てない場合は,グラフを利用する方法を試してみてはどうでしょう?意外とサクサク解けるかもしれません。

今回は,一番解きにくそうな大問6を解説しましたが,入試で合格点を取るためには,この大問6(特に(2))は解けなくても全く問題はないでしょう。
はじめに書いたように,大問1,大問2を確実に取っていくこと,大問3以降は取れそうな問題に集中すること。(ただし,途中で「あれ?」と思うような問題に出くわしたときは少し考えて先に進め!) こうして,確実に7割のラインを狙って行くことが合格への近道でしょう。(道)




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