2015(H27)入試分析 算数 清風南海中学校(A・SS入試)
2015.03.14 12:04|入試問題分析(算数)|
今回は,清風南海中学校のA・SS入試の問題を取り上げます。
A入試もSS入試も,入試初日(1月17日)に実施されますが,開始時間と教科数が違います。
A入試は4科のアラカルト型または算・国・理の3科型入試,SS入試は算・理の2科型入試(これはなかなかユニークです)で,開始時刻が異なりますが,同じ問題を使っています。
で,今年の入試結果から。
ややこしいので,一覧表で。
まず,A入試。

男女とも合格基準点は同じでした。
昨年度は,男子の倍率が 3.5倍,1.5倍, 女子の倍率が 3.9倍,1.8倍でしたから,昨年と比べると,男女ともに難化したと言えるでしょう。
昨年の大学受験の好調な結果を受けて,受験者数が,男子90名,女子28名増加した結果です。
続いてSS入試。

男子は昨年度の1.2倍から難化,女子は2.1倍からほんの少し易化しました。
算数の問題ですが,大問数は5問,小問数は22問で,配点は大問1,2が各6点,大問3,4,5が各5点となっています。
今年の問題は例年と比較すると,素直で解きやすく,A入試の受験者平均も76点と,この学校にしてはやや高めでした。S特進合格のためには90点,特進合格のためには80点を目安に考えるといいでしょう。
大問1の計算や大問2の6問ある小問はできるだけ正解しないといけません。
大問3の平面図形の問題は一見難しく見えますが,小問(1)から条件に従って解いていけばさほど難しくありません。
ですが,図形が少し苦手な受験生はここで差をつけられるという問題です。S特進を狙う人は全問正解すべきでしょう。
大問4は,グラフから条件を読み取る濃度計算で,(3)は正答率はかなり低くなるかもしれません。
大問5は(1)(2)は確実に正解しましょう。(3)(4)もある程度あてはめても正解できそうですが,これは解説します。
問題)H27 清風南海中学校 A・SS入試 算数 大問5
1以上の整数について,次の各問いに答えなさい。
(1) 5つの連続する整数の和が120であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(2) 6つの連続する整数の和が123であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(3) いくつかの奇数個の連続する整数の和が352であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(4) いくつかの偶数個の連続する整数の和が328であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(1) 連続する整数が奇数個の場合,ちょうど真ん中の整数がその奇数個の整数の平均になっていることは知っていますよね。そこで,この5個の整数の平均を求めると,120÷5=24となり,これが3番目の数です。
24-2=22より最小の数は22,24+2=26より最大の数は26となります。
(2) 偶数個の場合,ちょうど真ん中の整数は存在しません。
整数が6個の場合,平均は3番目の整数と4番目の整数のちょうど間になります。

6個の平均は123÷6=20.5なので,3番目の数は20.5-0.5=20です。
20-2=18より,最小の数は18,18+5=23より,最大の数は23です。
(3) (1)(2)では個数が分かっていましたから,平均を求めることができました。
それを手掛かりに最小・最大の整数が求められましたが,(3)では個数が分かりません。
ですが,とりあえず同じように考えてみましょう。
この場合,個数は奇数個なので,平均がちょうど真ん中の数になります。
個数を△個,平均を◇とすると
352÷△=◇となります。
書き直すと,△×◇=352ということですね。
△も◇も352の約数で,△が奇数と分かっています。
352の約数を書き出すと
1,2,4,8,11,16,22,32,44,88,176,352となって,この中で奇数は1と11の2個です。
連続する整数を考えるので1は考えなくていいですから,残るは11で,個数が11個と分かります。
このとき平均は32ですから,これが11個の真ん中の大きさ。
ですから,32-5=27より最小の整数は27,32+5=37より最大の整数は37となります。
(4) この場合も,とりあえず個数を△個,平均を◇としましょう。
328÷△=◇となりますが,ここで個数△は偶数でしたから,◇は小数第1位が5,つまり○○.5という形の小数になります。
328÷△=○○.5
ここで,割られる数の328を2倍しておけば,答えの○○.5も2倍になり整数となります!
それどころか,うれしいことにこの整数は必ず奇数になるのです!!
328×2=656
656÷△(偶数)=◆(奇数)
(3)と同じように約数をすべて書き出してもいいのですが,ここでは素因数分解を利用しましょう。
656=2×2×2×2×41
となりますから,約数のうち奇数は1と41のみです。
△=16,◆=41なので,◇=20.5
ですから20-7=13より,最小の整数は13,13+15=28より,最大の整数は28となります。
今年の清風南海の問題は,例年よく出題される奇問・難問の類もなく,それだけに実力差がストレートに出ることになったと思います。こういった傾向に対処するために一番大切なことは,奇をてらった勉強ではなく,ふだんからしないといけないことをきちんと仕上げていくということに尽きます。地道な努力が大切だということですね。(道)
A入試もSS入試も,入試初日(1月17日)に実施されますが,開始時間と教科数が違います。
A入試は4科のアラカルト型または算・国・理の3科型入試,SS入試は算・理の2科型入試(これはなかなかユニークです)で,開始時刻が異なりますが,同じ問題を使っています。
で,今年の入試結果から。
ややこしいので,一覧表で。
まず,A入試。

男女とも合格基準点は同じでした。
昨年度は,男子の倍率が 3.5倍,1.5倍, 女子の倍率が 3.9倍,1.8倍でしたから,昨年と比べると,男女ともに難化したと言えるでしょう。
昨年の大学受験の好調な結果を受けて,受験者数が,男子90名,女子28名増加した結果です。
続いてSS入試。

男子は昨年度の1.2倍から難化,女子は2.1倍からほんの少し易化しました。
算数の問題ですが,大問数は5問,小問数は22問で,配点は大問1,2が各6点,大問3,4,5が各5点となっています。
今年の問題は例年と比較すると,素直で解きやすく,A入試の受験者平均も76点と,この学校にしてはやや高めでした。S特進合格のためには90点,特進合格のためには80点を目安に考えるといいでしょう。
大問1の計算や大問2の6問ある小問はできるだけ正解しないといけません。
大問3の平面図形の問題は一見難しく見えますが,小問(1)から条件に従って解いていけばさほど難しくありません。
ですが,図形が少し苦手な受験生はここで差をつけられるという問題です。S特進を狙う人は全問正解すべきでしょう。
大問4は,グラフから条件を読み取る濃度計算で,(3)は正答率はかなり低くなるかもしれません。
大問5は(1)(2)は確実に正解しましょう。(3)(4)もある程度あてはめても正解できそうですが,これは解説します。
問題)H27 清風南海中学校 A・SS入試 算数 大問5
1以上の整数について,次の各問いに答えなさい。
(1) 5つの連続する整数の和が120であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(2) 6つの連続する整数の和が123であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(3) いくつかの奇数個の連続する整数の和が352であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(4) いくつかの偶数個の連続する整数の和が328であるとき,この連続する整数のうち,最小の数と最大の数を答えなさい。
(1) 連続する整数が奇数個の場合,ちょうど真ん中の整数がその奇数個の整数の平均になっていることは知っていますよね。そこで,この5個の整数の平均を求めると,120÷5=24となり,これが3番目の数です。
24-2=22より最小の数は22,24+2=26より最大の数は26となります。
(2) 偶数個の場合,ちょうど真ん中の整数は存在しません。
整数が6個の場合,平均は3番目の整数と4番目の整数のちょうど間になります。

6個の平均は123÷6=20.5なので,3番目の数は20.5-0.5=20です。
20-2=18より,最小の数は18,18+5=23より,最大の数は23です。
(3) (1)(2)では個数が分かっていましたから,平均を求めることができました。
それを手掛かりに最小・最大の整数が求められましたが,(3)では個数が分かりません。
ですが,とりあえず同じように考えてみましょう。
この場合,個数は奇数個なので,平均がちょうど真ん中の数になります。
個数を△個,平均を◇とすると
352÷△=◇となります。
書き直すと,△×◇=352ということですね。
△も◇も352の約数で,△が奇数と分かっています。
352の約数を書き出すと
1,2,4,8,11,16,22,32,44,88,176,352となって,この中で奇数は1と11の2個です。
連続する整数を考えるので1は考えなくていいですから,残るは11で,個数が11個と分かります。
このとき平均は32ですから,これが11個の真ん中の大きさ。
ですから,32-5=27より最小の整数は27,32+5=37より最大の整数は37となります。
(4) この場合も,とりあえず個数を△個,平均を◇としましょう。
328÷△=◇となりますが,ここで個数△は偶数でしたから,◇は小数第1位が5,つまり○○.5という形の小数になります。
328÷△=○○.5
ここで,割られる数の328を2倍しておけば,答えの○○.5も2倍になり整数となります!
それどころか,うれしいことにこの整数は必ず奇数になるのです!!
328×2=656
656÷△(偶数)=◆(奇数)
(3)と同じように約数をすべて書き出してもいいのですが,ここでは素因数分解を利用しましょう。
656=2×2×2×2×41
となりますから,約数のうち奇数は1と41のみです。
△=16,◆=41なので,◇=20.5
ですから20-7=13より,最小の整数は13,13+15=28より,最大の整数は28となります。
今年の清風南海の問題は,例年よく出題される奇問・難問の類もなく,それだけに実力差がストレートに出ることになったと思います。こういった傾向に対処するために一番大切なことは,奇をてらった勉強ではなく,ふだんからしないといけないことをきちんと仕上げていくということに尽きます。地道な努力が大切だということですね。(道)
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