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桜蔭中学 理科 各問寸評★2015年(H27年)

2015.04.09 13:26|入試問題分析(理科)
今日は2015桜蔭中学の理科の問題をざっと見ていきましょう。

第1問 地学 気象
A 問1 日本の気象観測用の人工衛星を「ひまわり」といいます。
問2 大陸から来た冷たく乾燥した空気が、それよりも温度の高い日本海を通過するとき、その温度差によって雲が生じ、季節風の流れに沿ってすじ状になります。よって、写真あを撮影した日は冬になります。
問3 冬の気圧配置は西高東低です。
問4 冬は、大陸の方が冷え込むので高気圧、太平洋の方が暖かくなり低気圧ができます。風は高気圧から低気圧に向かって、低温から高温に向かって吹きますから、北西の季節風になります。よって答えはアですね。
問5 仙台の冬の天気なので、氷点下になっているところがあるグラフ2と3に絞って考えてみましょう。日本海側が湿度が高く、太平洋側が湿度が低いことから、グラフ3は仙台であることが分かります。

B 問6 これは台風の写真ですね。台風は熱帯で発生した低気圧のうち、最大風速が17.2m/秒以上のものをいいます。外側から中心にいくと風雨が強まります。また、台風の目は風がほとんどなく、晴れています。
問7 台風は南の海上で発生すると、北へ移動するので、答えはお、う、え、いです。
問8 写真えでは、台風が東京の南西側に位置しています。このあと、台風が東京に近づいてくることを考えると、雨や風が強くなるので、湿度は時間が経つにつれて100パーセントに近づいていくと考えられます。以上のことから、答えはグラフ6になります。
問9 9時時点で鹿児島は台風が通り過ぎているので、湿度の低いグラフ10が鹿児島、名古屋と仙台では西にある名古屋のほうが、先に湿度が下がると考えられるので、グラフ8が名古屋になると考えられます。

第2問 生物 昆虫
問1 モンシロチョウは、キャベツや(①ア. ダイコン)などのアブラナ科の植物の葉に卵を産みつける。卵の大きさはは
(②イ. 1㎜)ほどで、※(③ア. 黄)色をしている。5月ごろにキャベツの葉に産みつけられた卵が幼虫にかえると、幼虫は最初に(④ 卵のから)を食べる。その後、幼虫の間は葉を食べて成長し、4回のだっ皮ごとに体が大きくなっていき、やがて(⑤ さなぎ)になる。(⑤ さなぎ)なると何も食べず、動かなくなるが、(⑥ア. 5日)ほどで成虫となる。
※モンシロチョウの卵は産卵直後は白いですが、時間が経つと薄い黄色になります。
問2 A、B、Cのそれぞれの場合において、何が原因でコナガの幼虫が減っているのかをまとめると以下のようになります。
A: 側面と天じょうに0.1㎜の目のアミを張ったので、天敵が木わくの中に入ることができず、食べられることはなくなりましたが、キャベツの葉が不足し、コナガの幼虫の数は減ります。
B:天じょうは開放しているので、飛ぶことのできる鳥やハチが木わくの中に入ってきて幼虫を食べてしまうため、コナガの幼虫の数は減ります。
C: 木わくに何も張っていないので、飛ぶことのできる鳥やハチに加えて、地面をはい回るクモも木わくの中に入ってくきて幼虫を食べてしまうため、コナガの幼虫の数は減ります。

以上のことをふまえて、ア~エを見てみましょう。
ア: クモのような天敵が側面のアミをはい上がってコナガの幼虫を食べているとしたら、BとCの間に差は見られないはずですが、図1を見ると幼虫の数の減り方に大きな差が見られるので、アは誤りです。
イ: BとCの差が飛べない天敵による減少分と考えられ、これがかなり大きそうです。よって、イは誤りです。
ウ: BとCの違いはクモがいるかどうかなので、クモの天敵としてのはたらきは大きいといえます。よってウは正しいですね。
エ: AとBの間で、コナガの幼虫の減り方に大きな差がないことから、飛ぶことができる鳥やハチが、コナガの幼虫を減らすのに与える影響は大きくなさそうです。よって、エは正しいです。

問3 ①メソミルによるコナガの数が減少する効果よりも、天敵であるコモリグモがたくさん死んでしまうことによる生存数が増加する効果のほうが大きい。②メスの産卵数が増加するので生存数は増える。以上の2点をまとめましょう。
問4 同じだけ食べられるならば、ウに産卵するほうが、アに産卵するよりも『自分の産んだ卵からかえった幼虫』の生存率が上がります。よって答えはイ、ウ、アとなります。

第3問 物理 モーメント
問1 おもりは右回りのモーメントとなるので、それとつりあわせるには左回りのモーメントとなるBを引けばよいですね。ばねばかりがBを引く力を□とすると、(左回りのモーメント)=□×5、(右回りのモーメント)=500×30なので、棒が水平になるとき、□×5=500×30より、□=3000gとなります。
問2 AとBのどちらのほうが強く引かれているかは問題文からは分かりませんので、きちんと確認する必要があります。一方を①、他方を②として等式を作りましょう。Aをばねばかりが引く力を①とすると、Bをばねばかりが引く力は②となります。(左回りのモーメント)=700×30+①×3、(右回りのモーメント)=②×5なので、棒が水平になるとき、700×30+①×3=②×5が成り立つので、①=3000gとなります。よって、Aにつけたばねばかりの示す値は3000g、Bにつけたばねばかりが示す値は6000gとなります。
Bを①、Aを②とすると、700×30+②×3=①×5より、21000+⑥=⑤となるので、モーメントはつり合いません。

第4問 物理 電気
問1 回路に多くの電流が流れると、ハンドルを回す手ごたえは①(A. 重)くなります。実験ア~エにおいて、ハンドルを回すときの手ごたえについて考えてみましょう。
実験アは何もつながれておらず、電流は流れないため手ごたえは一番軽くなります。
実験イの場合に流れる電流を1とすると、実験ウ、実験エの場合に流れる電流は、実験アと同じ一定の速さでハンドルを回すためそれぞれ1/2、2になります。①より、回路に流れる電流が多いほど、ハンドルを回す手ごたえは重くなるので答えは、②エ ③イ ④ウ ⑤ア になります。
問2 豆電球は光を発すると同時にかなりの熱を放出しますが、発光ダイオードの場合、そのような熱の放出が少ないため、点灯させるために多くの電流を流さねばならない実験イのほうがハンドルを回す手ごたえは重くなります。
問3 発光ダイオードは、豆電球と違い、逆向きにつなぐと電流が流れなくなる性質があります。そのため、実験カの場合、回路に電流は流れていないので実験アと同じ手ごたえでハンドルを回すことができます。
問4 初めは手ごたえが重かったが、回転を一定にさせると手ごたえが軽くなったことから、手を放すとこれと逆の現象が起こり、だんだんと遅く回転するようになり最後に止まってしまいます。よって答えはBですね。

第5問は次回に解説します。(和)
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