雙葉中学校 理科 問題 解説★2015年(H27年)
2015.05.15 20:29|入試問題分析(理科)|
今日は2015雙葉中学の理科第1問の解説を行います。
第1問 物理 熱、状態変化
A ものをさわったときに温かい、冷たいと感じるのはどういうときでしょうか。自分よりも温度が高いものをさわったときには温かい、温度が低いものをさわったときには冷たいと感じるはずです。これは、温度の異なる2つのものが触れ合ったとき、どちらも同じ温度になろうとする現象によるものです。このとき、温度の高いものから低いものへと熱が移動します。この熱の移動が、温かい、冷たいと感じる理由の1つです。
通常、部屋にあるものは室温と同じ温度になっています。室温は体温に比べて低いので、部屋にあるものをさわると冷たいと感じるはずです。しかし、ものによって冷たいと感じるものとあまり感じないものがあります。これもやはり熱の移動によるものです。ものの種類によって熱の伝わり方が異なるから、たとえば同じ15℃でも(a)に触れたときの方が(b)に触れたときよりも冷たく感じます。
注射をするときにアルコール消毒をすると、冷たいと感じるのは、アルコールの温度が体温より低いからだけではありません。これは、アルコールが蒸発するとき(c)ためです。このように、ものの状態がかわるときには、熱の出入りがあります。
問1 手で温度の低いものをさわったときに、冷たいと感じるのはなぜですか。「熱」という言葉を用いて15字以内で答えなさい。
問2 文中の(a)、(b)にあてはまる言葉の組み合わせとして正しいものをすべて選び、番号で答えなさい。
①a木 b金属 ②a金属 b木 ③a空気 b水 ④a水 b空気
問3 文中の(c)にあてはまる文として適するものを次の中から選び、番号で答えなさい。
①アルコールは熱を吸収し、皮ふは熱を放出する。
②アルコールは熱を放出し、皮ふは熱を吸収する。
③アルコールも皮ふも熱を吸収する。
④アルコールも皮ふも熱を放出する。
問4 文中の下線部について、ものの状態がかわる様子は身のまわりのいろいろなところで見られます。
(1) 夏、氷を入れたコップのまわりに水滴がつきます。これは空気中の水蒸気が冷たいものに触れて液体の水になる現象です。この変化をなんといいますか。
(2) 冬の冷え込みの激しい朝には、霜が降りたり、霜柱が見られます。霜と霜柱はどちらも氷からできていますが、そのでき方が違います。どこにあった何が変化したものか、下の文の( )に適する言葉を答えなさい。
霜は、(ア)の(イ)が氷に、霜柱は、(ウ)の(エ)が氷に変化したものです。
B 50℃の湯と10℃の水を使って、次のような実験をしました。
(Ⅰ)図1のように、水の入った水そうに、赤い絵の具で色をつけた湯の入ったペットボトルを口を下にして静かに入れて、
ふたを取った。
(Ⅱ)図2のように、水の入った水そうに、赤い湯の入ったペットボトルを口を上にして静かに沈めて、ふたを取った。
(Ⅲ)今度は水のかわりに湯を入れた水そうと、青い絵の具で色をつけた水の入ったペットボトルを使って、(Ⅰ)、(Ⅱ)と同じように実験した。

問5 赤い湯は、ペットボトルの口を下にしたとき(図1)と、上にしたとき(図2)で、それぞれふたを取った直後、どのようになりますか。また、青い水のときはどうなりますか。次の中から選び、番号で選びなさい。
① ペットボトルの口から出て上がっていく。
② ペットボトルの口から出て下がっていく。
③ ペットボトルの口から出ていかない。
C 下の図のような器具を用いて、温度が15℃に保たれた室内で冷蔵庫から-20℃のくだいた氷を取り出し、紙コップに
半分位入れ、発砲スチロールのふたをして中央に温度計を差し込みました。そして、容器全体をふり動かしながら1分ごとに50分間温度をはかると,右下のグラフが得られました。ただし、室内から紙コップには常に一定の熱があたえられ、その熱は氷や水にすべて吸収されるものとします。

問6 グラフのab間で氷はどのような状態になっていますか。次の中から正しいものを1つ選び、番号で答えなさい。
①氷はとけずに、すべて残っている。
②氷はaでとけ始め、bですべてとけ終わって水になる。
③氷はaでとけ始め、bでは氷の10%がとけて水になっている。
④氷はaですべてとけて水になる。
問7 グラフのbc間で、室内から紙コップに熱があたえられても温度が一定になるのはなぜですか。次の中から正しいもの1つ選び、番号で答えなさい。
①熱が氷の温度を上げるのに使われるから。
②熱が水の温度を上げるのに使われるから。
③熱が氷と水の温度を上げるのに使われるから。
④熱が氷をとかして水にするのに使われるから。
⑤熱が水を蒸発させるのに使われるから。
問8 cd間で、水は毎分何℃の割合で温度が上がっていますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①1.0 ②2.0 ③2.5 ④3.0 ⑤3.5
問9 グラフのd点からさらに10分たつと温度は何℃になりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①10 ②15 ③20 ④25 ⑤30
問10 熱の量をcal(カロリー)という単位で表すことがあります。1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱を1calと決めています。実験終了後、紙コップの中の水の重さは25gでした。
(1)cd間で紙コップに与えられた熱は毎分何calになりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①0 ②20 ③25 ④45 ⑤50
(2)氷がとけ始めてからとけ終わるまでに必要な熱は氷1gあたり何calになりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①80 ②100 ③125 ④150 ⑤200
A 問1 手で温度の低いものをさわると、手(温度の高い方)から冷たいもの(温度の低い方)へ熱が移動します。
答 手からものに熱が移動するから
問2 密度が大きいと熱はよく伝わります。木と金属ならば金属、空気と水ならば水の方が熱をよく伝えます。
答 ②、④
問3 液体は蒸発するときに熱を吸収します。問3では、皮ふからアルコールに熱が移動しています。
このようにものの状態が変化するとき、熱の出入りがあることは覚えておきましょう。
答 ①
問4 (1)気体が液体になる変化を液化といいます(凝縮でもよい)。
(2)空気中の水蒸気が昇華して氷の結晶となったものを霜といい、地面の水分が凝固して氷の結晶となったものを霜柱といいます。
答 (1)液化 (2)ア空気中 イ水蒸気 ウ地表面 エ水
B 問5 赤い湯は暖かいので、上に移動しようとします。口を下に向けると液体は出てきませんが、上に向けると液体は上に出ていこうとします。逆に、青い水は冷たいので、下のほうに移動しようとします。口を下に向けると液体は下に出ていこうとしますが、上に向けると液体は出てきません。
答 赤い湯 図1③ 図2① 青い水 図1② 図2③
C 問6 氷の融点(固体が融解するときの温度)は0℃なので、ab間ではすべて氷のままで存在しています。
答 ①
問7 氷をとかして水にするために熱が使われるので、状態変化が起こっている間は温度が変化しません。
答④
問8 cd間では、5分間で10℃上昇しているので、1分間では2℃上昇していることになります。
答 ②
問9 室温を越えて存在することはできないので、15℃より高くなることはありません。よって②が正解です。
答②
問10 (1) 問8の結果より1分間で2℃上昇するから、1分間で25×2=50calの熱が紙コップに与えられています。
(2) bc間でも50cal/分の割合で熱が与えられているので、bc間では25gの氷に対して、合計50×(45-5)=2000calの熱があたえられたことになります。よって氷1gあたり、2000÷25=80calの熱が必要になります。
答 (1)⑤ (2)①
雙葉中学の理科は、難問、奇問が出題されることはほとんどなく、標準的な問題で構成されていますので、落とすとそこで確実に差をつけられてしまいます。基本的な知識をひと通りおさらいしたあと、過去問にチャレンジしましょう(和)
第1問 物理 熱、状態変化
A ものをさわったときに温かい、冷たいと感じるのはどういうときでしょうか。自分よりも温度が高いものをさわったときには温かい、温度が低いものをさわったときには冷たいと感じるはずです。これは、温度の異なる2つのものが触れ合ったとき、どちらも同じ温度になろうとする現象によるものです。このとき、温度の高いものから低いものへと熱が移動します。この熱の移動が、温かい、冷たいと感じる理由の1つです。
通常、部屋にあるものは室温と同じ温度になっています。室温は体温に比べて低いので、部屋にあるものをさわると冷たいと感じるはずです。しかし、ものによって冷たいと感じるものとあまり感じないものがあります。これもやはり熱の移動によるものです。ものの種類によって熱の伝わり方が異なるから、たとえば同じ15℃でも(a)に触れたときの方が(b)に触れたときよりも冷たく感じます。
注射をするときにアルコール消毒をすると、冷たいと感じるのは、アルコールの温度が体温より低いからだけではありません。これは、アルコールが蒸発するとき(c)ためです。このように、ものの状態がかわるときには、熱の出入りがあります。
問1 手で温度の低いものをさわったときに、冷たいと感じるのはなぜですか。「熱」という言葉を用いて15字以内で答えなさい。
問2 文中の(a)、(b)にあてはまる言葉の組み合わせとして正しいものをすべて選び、番号で答えなさい。
①a木 b金属 ②a金属 b木 ③a空気 b水 ④a水 b空気
問3 文中の(c)にあてはまる文として適するものを次の中から選び、番号で答えなさい。
①アルコールは熱を吸収し、皮ふは熱を放出する。
②アルコールは熱を放出し、皮ふは熱を吸収する。
③アルコールも皮ふも熱を吸収する。
④アルコールも皮ふも熱を放出する。
問4 文中の下線部について、ものの状態がかわる様子は身のまわりのいろいろなところで見られます。
(1) 夏、氷を入れたコップのまわりに水滴がつきます。これは空気中の水蒸気が冷たいものに触れて液体の水になる現象です。この変化をなんといいますか。
(2) 冬の冷え込みの激しい朝には、霜が降りたり、霜柱が見られます。霜と霜柱はどちらも氷からできていますが、そのでき方が違います。どこにあった何が変化したものか、下の文の( )に適する言葉を答えなさい。
霜は、(ア)の(イ)が氷に、霜柱は、(ウ)の(エ)が氷に変化したものです。
B 50℃の湯と10℃の水を使って、次のような実験をしました。
(Ⅰ)図1のように、水の入った水そうに、赤い絵の具で色をつけた湯の入ったペットボトルを口を下にして静かに入れて、
ふたを取った。
(Ⅱ)図2のように、水の入った水そうに、赤い湯の入ったペットボトルを口を上にして静かに沈めて、ふたを取った。
(Ⅲ)今度は水のかわりに湯を入れた水そうと、青い絵の具で色をつけた水の入ったペットボトルを使って、(Ⅰ)、(Ⅱ)と同じように実験した。

問5 赤い湯は、ペットボトルの口を下にしたとき(図1)と、上にしたとき(図2)で、それぞれふたを取った直後、どのようになりますか。また、青い水のときはどうなりますか。次の中から選び、番号で選びなさい。
① ペットボトルの口から出て上がっていく。
② ペットボトルの口から出て下がっていく。
③ ペットボトルの口から出ていかない。
C 下の図のような器具を用いて、温度が15℃に保たれた室内で冷蔵庫から-20℃のくだいた氷を取り出し、紙コップに
半分位入れ、発砲スチロールのふたをして中央に温度計を差し込みました。そして、容器全体をふり動かしながら1分ごとに50分間温度をはかると,右下のグラフが得られました。ただし、室内から紙コップには常に一定の熱があたえられ、その熱は氷や水にすべて吸収されるものとします。

問6 グラフのab間で氷はどのような状態になっていますか。次の中から正しいものを1つ選び、番号で答えなさい。
①氷はとけずに、すべて残っている。
②氷はaでとけ始め、bですべてとけ終わって水になる。
③氷はaでとけ始め、bでは氷の10%がとけて水になっている。
④氷はaですべてとけて水になる。
問7 グラフのbc間で、室内から紙コップに熱があたえられても温度が一定になるのはなぜですか。次の中から正しいもの1つ選び、番号で答えなさい。
①熱が氷の温度を上げるのに使われるから。
②熱が水の温度を上げるのに使われるから。
③熱が氷と水の温度を上げるのに使われるから。
④熱が氷をとかして水にするのに使われるから。
⑤熱が水を蒸発させるのに使われるから。
問8 cd間で、水は毎分何℃の割合で温度が上がっていますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①1.0 ②2.0 ③2.5 ④3.0 ⑤3.5
問9 グラフのd点からさらに10分たつと温度は何℃になりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①10 ②15 ③20 ④25 ⑤30
問10 熱の量をcal(カロリー)という単位で表すことがあります。1gの水の温度を1℃上げるのに必要な熱を1calと決めています。実験終了後、紙コップの中の水の重さは25gでした。
(1)cd間で紙コップに与えられた熱は毎分何calになりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①0 ②20 ③25 ④45 ⑤50
(2)氷がとけ始めてからとけ終わるまでに必要な熱は氷1gあたり何calになりますか。正しい値を次の中から選び、番号で答えなさい。
①80 ②100 ③125 ④150 ⑤200
A 問1 手で温度の低いものをさわると、手(温度の高い方)から冷たいもの(温度の低い方)へ熱が移動します。
答 手からものに熱が移動するから
問2 密度が大きいと熱はよく伝わります。木と金属ならば金属、空気と水ならば水の方が熱をよく伝えます。
答 ②、④
問3 液体は蒸発するときに熱を吸収します。問3では、皮ふからアルコールに熱が移動しています。
このようにものの状態が変化するとき、熱の出入りがあることは覚えておきましょう。
答 ①
問4 (1)気体が液体になる変化を液化といいます(凝縮でもよい)。
(2)空気中の水蒸気が昇華して氷の結晶となったものを霜といい、地面の水分が凝固して氷の結晶となったものを霜柱といいます。
答 (1)液化 (2)ア空気中 イ水蒸気 ウ地表面 エ水
B 問5 赤い湯は暖かいので、上に移動しようとします。口を下に向けると液体は出てきませんが、上に向けると液体は上に出ていこうとします。逆に、青い水は冷たいので、下のほうに移動しようとします。口を下に向けると液体は下に出ていこうとしますが、上に向けると液体は出てきません。
答 赤い湯 図1③ 図2① 青い水 図1② 図2③
C 問6 氷の融点(固体が融解するときの温度)は0℃なので、ab間ではすべて氷のままで存在しています。
答 ①
問7 氷をとかして水にするために熱が使われるので、状態変化が起こっている間は温度が変化しません。
答④
問8 cd間では、5分間で10℃上昇しているので、1分間では2℃上昇していることになります。
答 ②
問9 室温を越えて存在することはできないので、15℃より高くなることはありません。よって②が正解です。
答②
問10 (1) 問8の結果より1分間で2℃上昇するから、1分間で25×2=50calの熱が紙コップに与えられています。
(2) bc間でも50cal/分の割合で熱が与えられているので、bc間では25gの氷に対して、合計50×(45-5)=2000calの熱があたえられたことになります。よって氷1gあたり、2000÷25=80calの熱が必要になります。
答 (1)⑤ (2)①
雙葉中学の理科は、難問、奇問が出題されることはほとんどなく、標準的な問題で構成されていますので、落とすとそこで確実に差をつけられてしまいます。基本的な知識をひと通りおさらいしたあと、過去問にチャレンジしましょう(和)
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