渋谷教育学園幕張中学校 理科 問題 解説★2015年(H27年)
2015.05.27 15:11|入試問題分析(理科)|
こんにちは。
今日は渋谷教育学園幕張中学の理科の問題第1問の解説を行います。
【文1】~【文5】は寸評の方をご覧ください。
【文6】
モデル3では、水蒸気が地表から水蒸気への放射をすべて吸収すると仮定しました。しかし、大気中の水蒸気が少なければ、地表からの放射のすべては吸収しきれないはずです。そこでモデル5を考えます。大気中の水蒸気が吸収できる赤外線の量に上限があり、その上限値を120と仮定します。地表からの放射量が120より大きいなら、地表から水蒸気への放射のうち、吸収できない分は地球放射になります。太陽放射量を100とし、時間を追って順にエネルギーの移動を考えると、最終的に地表の放射収支がつり合う状態が考えられます。それがモデル5です。

次に、モデル2の太陽放射量も100として、モデル2、モデル4、モデル5の3つを比較します。

水蒸気のないモデル2と、水蒸気のあるモデル4とモデル5を比較すると、モデル4とモデル5の方が、モデル2より地表からの放射量がA[大きい・小さい]ので、モデル2より地表の温度がB[高い・低い]ことがわかります。このように、大気中の温室効果ガスは、地表から受けた赤外線をくり返し地表に再放射することで地球の気温を暖かく保ちます。現在の地球全体の平均気温はほぼ15℃ですが、大気中にまったく温室効果ガスがないと、平均気温が-18℃になると予想されます。地球は、温室効果ガスのおかげで、生物が住める暖かい環境になっていると言えます。
さらにモデル[あ]とモデル[い]の比較から、大気中の温室効果ガスがC[多い・少ない]ほど、地表からの放射量がD[大きく・小さく]なり、地表の温度が高くなることも分かります。このように、近年の温室効果ガスの増加による地球の温暖化は、大気から地表への再放射が原因の一つです。
(11) モデル5の図中⑥~⑨の放射量を求めなさい。
(12) A~Dの[ ]について、適切なものを○で囲みなさい。
(13) [あ]、[い]に適切なモデルの番号を答えなさい。
(11) 実はここまでの問題で、「太陽放射=地球放射」のときに放射収支がつり合っていることを確認してきています。
モデル5はつり合っているので、太陽放射=地球放射が成り立ち、⑦と⑧が60、太陽放射が100なので、⑨は
100-60=40、⑥は、40+120=160であると分かります。答 ⑥160 ⑦60 ⑧60 ⑨40
(12) A:モデル2における地表からの放射量は100、モデル4は200、モデル5は160なので、モデル4とモデル5のほうが、モデル2より大きいですね。
B:地表からの放出量が大きいほど地表の温度は高くなります。
C、D:Dの直後に書いてある地表の温度が高いものを選ぶ⇒地表からの放射量が大きい⇒モデル4のほうがモデル5よりも放射量が大きい⇒【文6】内より、モデル4の方が温室効果ガスが多いと考えていけばよいですね。
答 A大きい B高い C多い D大きく
(13) (12)で使ったモデルを選べばよいですね。答[あ]4 [い]5
渋谷教育学園幕張中学の入試では、今年度の第1問のような問題集では見かけることのない超長文の問題が出題されます。見慣れない設定ですが、問題文をよく読み、推論していけば、解けるように問題作成がなされています。6年生になるまでに一通りの内容を勉強したら、推論が必要な問題をどんどん解いていって、長文に耐えうる集中力を養ってください。(和)
今日は渋谷教育学園幕張中学の理科の問題第1問の解説を行います。
【文1】~【文5】は寸評の方をご覧ください。
【文6】
モデル3では、水蒸気が地表から水蒸気への放射をすべて吸収すると仮定しました。しかし、大気中の水蒸気が少なければ、地表からの放射のすべては吸収しきれないはずです。そこでモデル5を考えます。大気中の水蒸気が吸収できる赤外線の量に上限があり、その上限値を120と仮定します。地表からの放射量が120より大きいなら、地表から水蒸気への放射のうち、吸収できない分は地球放射になります。太陽放射量を100とし、時間を追って順にエネルギーの移動を考えると、最終的に地表の放射収支がつり合う状態が考えられます。それがモデル5です。

次に、モデル2の太陽放射量も100として、モデル2、モデル4、モデル5の3つを比較します。

水蒸気のないモデル2と、水蒸気のあるモデル4とモデル5を比較すると、モデル4とモデル5の方が、モデル2より地表からの放射量がA[大きい・小さい]ので、モデル2より地表の温度がB[高い・低い]ことがわかります。このように、大気中の温室効果ガスは、地表から受けた赤外線をくり返し地表に再放射することで地球の気温を暖かく保ちます。現在の地球全体の平均気温はほぼ15℃ですが、大気中にまったく温室効果ガスがないと、平均気温が-18℃になると予想されます。地球は、温室効果ガスのおかげで、生物が住める暖かい環境になっていると言えます。
さらにモデル[あ]とモデル[い]の比較から、大気中の温室効果ガスがC[多い・少ない]ほど、地表からの放射量がD[大きく・小さく]なり、地表の温度が高くなることも分かります。このように、近年の温室効果ガスの増加による地球の温暖化は、大気から地表への再放射が原因の一つです。
(11) モデル5の図中⑥~⑨の放射量を求めなさい。
(12) A~Dの[ ]について、適切なものを○で囲みなさい。
(13) [あ]、[い]に適切なモデルの番号を答えなさい。
(11) 実はここまでの問題で、「太陽放射=地球放射」のときに放射収支がつり合っていることを確認してきています。
モデル5はつり合っているので、太陽放射=地球放射が成り立ち、⑦と⑧が60、太陽放射が100なので、⑨は
100-60=40、⑥は、40+120=160であると分かります。答 ⑥160 ⑦60 ⑧60 ⑨40
(12) A:モデル2における地表からの放射量は100、モデル4は200、モデル5は160なので、モデル4とモデル5のほうが、モデル2より大きいですね。
B:地表からの放出量が大きいほど地表の温度は高くなります。
C、D:Dの直後に書いてある地表の温度が高いものを選ぶ⇒地表からの放射量が大きい⇒モデル4のほうがモデル5よりも放射量が大きい⇒【文6】内より、モデル4の方が温室効果ガスが多いと考えていけばよいですね。
答 A大きい B高い C多い D大きく
(13) (12)で使ったモデルを選べばよいですね。答[あ]4 [い]5
渋谷教育学園幕張中学の入試では、今年度の第1問のような問題集では見かけることのない超長文の問題が出題されます。見慣れない設定ですが、問題文をよく読み、推論していけば、解けるように問題作成がなされています。6年生になるまでに一通りの内容を勉強したら、推論が必要な問題をどんどん解いていって、長文に耐えうる集中力を養ってください。(和)
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