渋谷教育学園渋谷中学校 算数 問題 解説&入試分析★2015年(H27年)第1回
2015.06.12 17:54|入試問題分析(算数)|
今回は渋谷教育学園渋谷中学校です。
第1回は受験者数は男子120名、女子333名、合計453名
合格者数は男子32名、女子96名、合計128名
倍率は男子3.75倍、女子3.47倍、全体で3.54倍
2015年第1回の入試合格最低点は300点満点中、男子163点・女子178点です。
約、6割ですね。
女子が多い学校で、平均点も女子の方が高くなります。
【各問寸評】
大問1、(1)計算問題、(2)演算記号の問題、(3)消費税の問題、(4)図形を転がす問題、(5)食塩水の問題、(6)紙の折り返し問題、どれも基本的なもので落とせません。
大問2、素因数分解の問題です、今回はこの問題を解説します。
大問3、立方体の中に入っている正四面体や正八面体を見い出す,よくある問題です。満点を狙いましょう。
大問4、速さの問題です。(1)は状況を整理できさえすれば解ける問題です。(2)は鶴亀算で解くことも、距離一定を利用して消去算で解くこともできます。
故障するまでを①分,故障後を[8]分とすると,予定は①+[9]=150分,実際は②+[8]=220分 で消去算です
(3)も鶴亀算ですが、(2)よりも考えやすいかもしれません。
(2)以降は少し難易度が上がりますが,合格点を取るには得点したいところです。
それでは問題を見ていきましょう。
(問題)H27 渋谷教育学園渋谷中学校 第1回 大問2
4以上の素数を除く整数についてだけ、次のように考えます。その整数を素数だけの積の形で表したとき、「何種類の素数が出てくるか」と「何個の素数の積であるか」に注目し、その二つの和を整数の得点とします。例えば13の得点は2×2×3となるので、「2種類の素数が出てくる」と「3個の素数の積である」から2+3で5点となります。
次の問いに答えなさい。
(1)180の得点は何点ですか。
(2)得点がちょうど3点になる整数を小さいほうから3つ求めなさい。
(3)得点がちょうど6点になる50以下の整数をすべて求めなさい。
(4)100以下の整数のうち、得点が最も大きくなるものの得点は何点かを求めなさい。また、その最も大きい得点になる1000以下の整数をすべて求めなさい。
[解説]
(1)180=2×2×3×3×5
素数3種類の5個の積なので
3+5=8点
となります。
(2)種類数は個数より大きくなることはないので,
今回は「1種類+2個⇒3点」,つまり,□×□のパターンのみになります。
□は素数ですから,小さい方から
2^2=4
3^2=9
5^2=25
の3つを答えればよいですね。
(3)
6点は「1種類+5個」「2種類+4個」「3種類+3個」の3パターンが考えられますね。
・「1種類+5個」
□×□×□×□×□=50以下ですから,
2^5=32
のみです。
・「2種類+4個」をさらに場合分けしないといけません
・□×□×□×○=50以下
(2^3)×3=24
(2^3)×5=40
の2通り
・□×□×○×○=50以下
(2^2)×(3^2)=36
のみです。
・「3種類+3個」
□×○×△=50以下ですから,
2×3×5=30
2×3×7=42
の2通りです。
(4)
素数をかけていく際に点数がどのように変化するか、
押さえておく規則性は2つ
①既にある素数をかけると+1点
②新しい素数をかけると+2点
ということです。
最高得点になる整数はいくつかあるようなので、その中でも最小のものを考えましょう。最小ですから「2」の「1種類+1個⇒2点」をスタートとして、ここから稼ぐ点数を2点ずつで考えます。
「×2×2」とすると,①より,2点増ですが,「×3」としても,②より2点増となります。整数が大きくならない方がよいですから,この時点では「2×3=6」で4点となりました。
この後は,新しい数をかけて2点稼ぐくらいなら,「×2×2」での2点の方が整数が大きくならないですね。(新しい数は素数ですから,5以上になります。)
できるだけたくさん「×2」をすることを考えると,
「2×3×2×2×2×2×2×2×2=768」の「2種類+9個⇒11点」
が最高得点で,最小のものとなります。・・・★1
点数が変化しないためには
①2つ以上ある素数1つを,別の既に存在する素数1つにかえる(-1点,+1点)
②1つしかない素数を,別の既に存在する素数2つにかえる(-2点,+2点)
③1つしかない素数を,新しい素数1つにかえる(-2点,+2点)
④3つ以上ある素数のうち2つを,新しい素数1つにかえる(-2点,+2点)
の組み合わせになります。
★1に①の操作をする場合
2を1個減らすかわりに3をかけると
計算結果は÷2×3なので1.5倍になり,768×1.5=1153で1000をこえます。
2を1個減らす場合はこの先は考える必要はありません。
★1に②の操作をする場合
3を1個減らすかわりに2×2の4をかけると
計算結果は÷3×4なので4/3倍。768×4/3=1024となり、1000をこえます。
★1に③の操作をする場合
3を1個減らすかわりに5をかけると
計算結果は÷3×5で5/3倍、計算結果は÷3×5なので5/3倍、先ほどよりもさらに大きくなるのでダメですね。
★1に④の操作をする場合
2を2個減らすかわりに5をかけると
計算結果は÷2÷2×5で5/4倍、768×1.25=960でギリギリセーフ!・・・★2
2を2個減らすかわりに7をかけると
計算結果は÷2÷2×7で7/4倍、768×1.75=1344で1000を越えてしまいます。
あとは★2の状態から11点になる他のものを探しますが、
数字を1個減らしたり、同じ数字を2個減らしても最小で÷5×2×3の1.2倍で1152となり、1000を越えてしまいます。
答えは,768,960の2つです。
2014年の灘中1日目の5番で似たような題材の問題が出ています。
最難関レベルの学校を目指す子は,他の学校の直近の過去問には目を通しておいた方が
良いということが言えそうですね。(畠)
第1回は受験者数は男子120名、女子333名、合計453名
合格者数は男子32名、女子96名、合計128名
倍率は男子3.75倍、女子3.47倍、全体で3.54倍
2015年第1回の入試合格最低点は300点満点中、男子163点・女子178点です。
約、6割ですね。
女子が多い学校で、平均点も女子の方が高くなります。
【各問寸評】
大問1、(1)計算問題、(2)演算記号の問題、(3)消費税の問題、(4)図形を転がす問題、(5)食塩水の問題、(6)紙の折り返し問題、どれも基本的なもので落とせません。
大問2、素因数分解の問題です、今回はこの問題を解説します。
大問3、立方体の中に入っている正四面体や正八面体を見い出す,よくある問題です。満点を狙いましょう。
大問4、速さの問題です。(1)は状況を整理できさえすれば解ける問題です。(2)は鶴亀算で解くことも、距離一定を利用して消去算で解くこともできます。
故障するまでを①分,故障後を[8]分とすると,予定は①+[9]=150分,実際は②+[8]=220分 で消去算です
(3)も鶴亀算ですが、(2)よりも考えやすいかもしれません。
(2)以降は少し難易度が上がりますが,合格点を取るには得点したいところです。
それでは問題を見ていきましょう。
(問題)H27 渋谷教育学園渋谷中学校 第1回 大問2
4以上の素数を除く整数についてだけ、次のように考えます。その整数を素数だけの積の形で表したとき、「何種類の素数が出てくるか」と「何個の素数の積であるか」に注目し、その二つの和を整数の得点とします。例えば13の得点は2×2×3となるので、「2種類の素数が出てくる」と「3個の素数の積である」から2+3で5点となります。
次の問いに答えなさい。
(1)180の得点は何点ですか。
(2)得点がちょうど3点になる整数を小さいほうから3つ求めなさい。
(3)得点がちょうど6点になる50以下の整数をすべて求めなさい。
(4)100以下の整数のうち、得点が最も大きくなるものの得点は何点かを求めなさい。また、その最も大きい得点になる1000以下の整数をすべて求めなさい。
[解説]
(1)180=2×2×3×3×5
素数3種類の5個の積なので
3+5=8点
となります。
(2)種類数は個数より大きくなることはないので,
今回は「1種類+2個⇒3点」,つまり,□×□のパターンのみになります。
□は素数ですから,小さい方から
2^2=4
3^2=9
5^2=25
の3つを答えればよいですね。
(3)
6点は「1種類+5個」「2種類+4個」「3種類+3個」の3パターンが考えられますね。
・「1種類+5個」
□×□×□×□×□=50以下ですから,
2^5=32
のみです。
・「2種類+4個」をさらに場合分けしないといけません
・□×□×□×○=50以下
(2^3)×3=24
(2^3)×5=40
の2通り
・□×□×○×○=50以下
(2^2)×(3^2)=36
のみです。
・「3種類+3個」
□×○×△=50以下ですから,
2×3×5=30
2×3×7=42
の2通りです。
(4)
素数をかけていく際に点数がどのように変化するか、
押さえておく規則性は2つ
①既にある素数をかけると+1点
②新しい素数をかけると+2点
ということです。
最高得点になる整数はいくつかあるようなので、その中でも最小のものを考えましょう。最小ですから「2」の「1種類+1個⇒2点」をスタートとして、ここから稼ぐ点数を2点ずつで考えます。
「×2×2」とすると,①より,2点増ですが,「×3」としても,②より2点増となります。整数が大きくならない方がよいですから,この時点では「2×3=6」で4点となりました。
この後は,新しい数をかけて2点稼ぐくらいなら,「×2×2」での2点の方が整数が大きくならないですね。(新しい数は素数ですから,5以上になります。)
できるだけたくさん「×2」をすることを考えると,
「2×3×2×2×2×2×2×2×2=768」の「2種類+9個⇒11点」
が最高得点で,最小のものとなります。・・・★1
点数が変化しないためには
①2つ以上ある素数1つを,別の既に存在する素数1つにかえる(-1点,+1点)
②1つしかない素数を,別の既に存在する素数2つにかえる(-2点,+2点)
③1つしかない素数を,新しい素数1つにかえる(-2点,+2点)
④3つ以上ある素数のうち2つを,新しい素数1つにかえる(-2点,+2点)
の組み合わせになります。
★1に①の操作をする場合
2を1個減らすかわりに3をかけると
計算結果は÷2×3なので1.5倍になり,768×1.5=1153で1000をこえます。
2を1個減らす場合はこの先は考える必要はありません。
★1に②の操作をする場合
3を1個減らすかわりに2×2の4をかけると
計算結果は÷3×4なので4/3倍。768×4/3=1024となり、1000をこえます。
★1に③の操作をする場合
3を1個減らすかわりに5をかけると
計算結果は÷3×5で5/3倍、計算結果は÷3×5なので5/3倍、先ほどよりもさらに大きくなるのでダメですね。
★1に④の操作をする場合
2を2個減らすかわりに5をかけると
計算結果は÷2÷2×5で5/4倍、768×1.25=960でギリギリセーフ!・・・★2
2を2個減らすかわりに7をかけると
計算結果は÷2÷2×7で7/4倍、768×1.75=1344で1000を越えてしまいます。
あとは★2の状態から11点になる他のものを探しますが、
数字を1個減らしたり、同じ数字を2個減らしても最小で÷5×2×3の1.2倍で1152となり、1000を越えてしまいます。
答えは,768,960の2つです。
2014年の灘中1日目の5番で似たような題材の問題が出ています。
最難関レベルの学校を目指す子は,他の学校の直近の過去問には目を通しておいた方が
良いということが言えそうですね。(畠)
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