早稲田実業中学 理科 問題解説★2015(H27)
2015.06.23 17:09|入試問題分析(理科)|
こんにちは。今日は早稲田実業中学の理科の問題解説を行ってまいります。
第2問 物理 光の速さ
真空中を進む光の速さは、その色や光源に関係なく、一定であることが知られています。
以下のように歯車と平面鏡を使って光の速さを測定する実験を行いました。
光源を置き、そこからレーザー光線を照射させ、光線に対して45度の角度になるような位置に
ハーフミラーA※)を置きます。ハーフミラーAで反射した光がはるか遠方で反射して戻ってくる
ように、平面鏡Bを置きます。ハーフミラーAと平面鏡Bとの間に大きな歯車を置きます(図1)。
※)ハーフミラーとは光の一部を反射させ、一部を通す特殊な鏡です(図2)。

このときハーフミラーAで反射した光と平面鏡Bで反射した光の両方が、ちょうど歯車の歯の
すき間を通るように歯車と平面鏡Bの位置を調整しました(図3)。
図1のようにハーフミラーAの後方に白い紙を置くと平面鏡Bで反射した光がうつりますが、
歯車を回転させ、その回転数を少しずつ上げていき毎秒16回転になったところで、反射光が
うつらなくなりました。これは歯のすき間を通り抜けた光が平面鏡Bで反射してもどってくる間に
歯車が回転し、歯が反射光をさえぎってしまったためです(図4)。

次の問1~問3に答えなさい。
問1 歯車が1回転する時間は何秒ですか。答えは小数第4位まで求めなさい。
ただし、割り切れないときには小数第5位を四捨五入しなさい。
問2 歯のすき間だったところ(図3)にとなりの歯がやってくる(図4)までの時間は何秒ですか。
なお,歯の数とすき間の数はそれぞれ520個とします。答えは小数第5位まで求めなさい。
ただし、割り切れないときには小数第6位を四捨五入しなさい。
問3 歯車から平面鏡Bまでの距離が8.6㎞でした。この実験から求められるレーザー光の速さは
毎秒何万㎞になりますか。千の位を四捨五入して答えなさい。
問1 問題文が長いので,ゲンナリしてしまう子が出てきますが,「考えることを放棄してはダメ,ゼッタイ!」です。
使うのは「毎秒16回転」というところだけです。
16回転するのに1秒かかりますから、1回転するのに1÷16=0.0625秒かかります。
答 0.0625秒
問2 歯車というのは「歯」と「歯のすき間」がかみ合うので,「歯」と「歯のすき間」の幅が等しいという,出題の大前提を
わかってあげないとこの問題は解けません。
図3での移動距離を[1]とすると,1周の移動距離は[520]+[520]=[1040],この移動に1/16秒かかるので
[1]の移動にかかる時間は1/16÷1040=1/16640=0.00006009…⇒0.00006秒となります。
答 0.00006秒
※「あげないと」と書いたのは,通常,歯車はすき間の方がちょっと大きいはずだからです。
(そうしないと,2つの歯車がかみ合った状態から回らなくなります(^^;)
問3 光は問2の時間で8.6kmの距離を往復してくるということですね。
8.6×2=86/5kmを1/16640秒で移動する速さは
(86/5)÷(1/16640)=286208km/秒⇒毎秒29万㎞と求まります。
答 毎秒29万㎞
※光の速さは真空中でおよそ毎秒30万㎞ということを覚えておくと、出てきた答えに自信が持てますね(^^
今回はたまに中学受験(あるいは難関校対策の教材)でも出題のある,光速測定法の問題でした。引っ掛かりポイントは
①使っている器具にビビってしまう。〈「ハーフミラーって何?聞いたこともないぞ!?!?」とか)
②文章が長くてゲンナリしてしまう。
③計算で桁数が上や下に多くなると気持ちが折れる。
などですかね。
ハーフミラーは白い紙の方向に光を抜けさせるというためだけのものなので,あまり気にせずに問題を読み進めていけば
取り組めます。②や③に関しては,理科だけでなく算数でもよくある話です。
①②③いずれにしても,めげずに強い心で問題に挑むことが求められていますね。
普段の学習時から「めんどくさい」「だるい」「混乱してきた」という気持ちといかに戦っているかということが問われていますよ!
(和)
第2問 物理 光の速さ
真空中を進む光の速さは、その色や光源に関係なく、一定であることが知られています。
以下のように歯車と平面鏡を使って光の速さを測定する実験を行いました。
光源を置き、そこからレーザー光線を照射させ、光線に対して45度の角度になるような位置に
ハーフミラーA※)を置きます。ハーフミラーAで反射した光がはるか遠方で反射して戻ってくる
ように、平面鏡Bを置きます。ハーフミラーAと平面鏡Bとの間に大きな歯車を置きます(図1)。
※)ハーフミラーとは光の一部を反射させ、一部を通す特殊な鏡です(図2)。

このときハーフミラーAで反射した光と平面鏡Bで反射した光の両方が、ちょうど歯車の歯の
すき間を通るように歯車と平面鏡Bの位置を調整しました(図3)。
図1のようにハーフミラーAの後方に白い紙を置くと平面鏡Bで反射した光がうつりますが、
歯車を回転させ、その回転数を少しずつ上げていき毎秒16回転になったところで、反射光が
うつらなくなりました。これは歯のすき間を通り抜けた光が平面鏡Bで反射してもどってくる間に
歯車が回転し、歯が反射光をさえぎってしまったためです(図4)。

次の問1~問3に答えなさい。
問1 歯車が1回転する時間は何秒ですか。答えは小数第4位まで求めなさい。
ただし、割り切れないときには小数第5位を四捨五入しなさい。
問2 歯のすき間だったところ(図3)にとなりの歯がやってくる(図4)までの時間は何秒ですか。
なお,歯の数とすき間の数はそれぞれ520個とします。答えは小数第5位まで求めなさい。
ただし、割り切れないときには小数第6位を四捨五入しなさい。
問3 歯車から平面鏡Bまでの距離が8.6㎞でした。この実験から求められるレーザー光の速さは
毎秒何万㎞になりますか。千の位を四捨五入して答えなさい。
問1 問題文が長いので,ゲンナリしてしまう子が出てきますが,「考えることを放棄してはダメ,ゼッタイ!」です。
使うのは「毎秒16回転」というところだけです。
16回転するのに1秒かかりますから、1回転するのに1÷16=0.0625秒かかります。
答 0.0625秒
問2 歯車というのは「歯」と「歯のすき間」がかみ合うので,「歯」と「歯のすき間」の幅が等しいという,出題の大前提を
わかってあげないとこの問題は解けません。
図3での移動距離を[1]とすると,1周の移動距離は[520]+[520]=[1040],この移動に1/16秒かかるので
[1]の移動にかかる時間は1/16÷1040=1/16640=0.00006009…⇒0.00006秒となります。
答 0.00006秒
※「あげないと」と書いたのは,通常,歯車はすき間の方がちょっと大きいはずだからです。
(そうしないと,2つの歯車がかみ合った状態から回らなくなります(^^;)
問3 光は問2の時間で8.6kmの距離を往復してくるということですね。
8.6×2=86/5kmを1/16640秒で移動する速さは
(86/5)÷(1/16640)=286208km/秒⇒毎秒29万㎞と求まります。
答 毎秒29万㎞
※光の速さは真空中でおよそ毎秒30万㎞ということを覚えておくと、出てきた答えに自信が持てますね(^^
今回はたまに中学受験(あるいは難関校対策の教材)でも出題のある,光速測定法の問題でした。引っ掛かりポイントは
①使っている器具にビビってしまう。〈「ハーフミラーって何?聞いたこともないぞ!?!?」とか)
②文章が長くてゲンナリしてしまう。
③計算で桁数が上や下に多くなると気持ちが折れる。
などですかね。
ハーフミラーは白い紙の方向に光を抜けさせるというためだけのものなので,あまり気にせずに問題を読み進めていけば
取り組めます。②や③に関しては,理科だけでなく算数でもよくある話です。
①②③いずれにしても,めげずに強い心で問題に挑むことが求められていますね。
普段の学習時から「めんどくさい」「だるい」「混乱してきた」という気持ちといかに戦っているかということが問われていますよ!
(和)
スポンサーサイト
