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慶應義塾中等部 算数 問題 解説&入試分析★2015年(H27年)

2015.07.02 20:54|入試問題分析(算数)
今回は慶應義塾中等部を取り上げたいと思います。

女子にとっては最難関の一つです!

二次の面接と体育実技を含めた総合得点で合格を判断することもあり、合格最低点は非公表ですが、問題の難易度はそれほど高くないので男子なら8割5分、女子なら9割を目標にしましょう。


【各問寸評】
大問1、計算問題です。確実にあわせないとさすがに話になりません。
大問2、(1)相当算の基本問題(2)歩幅と歩数の速さの問題(3)年齢算(4)差集算。何度も練習してきた問題なのでこれも満点狙いですね。
大問3、図形問題です。特に難しい問題もないので早く正確にあわせていきましょう!
大問4、<x,y>は,xをy個足した値としますと何やら凄いことを書いてるようで、掛け算するだけです。
(2)は2×8×15×28=42×□の掛け算の形のまま約分して□を求めると楽ですね。
大問5、船が川を上下に往復する問題です。ダイヤグラムから(1)は何時間で着くのか読み取り、(2)は周期性と相似な三角形を見つけて確実に解きましょう。
大問6、(1)10の位の影響力が大きいので10の位が3と4であればいいですね。(2)かく乱順列になります。すべて書き下して判断すればよいです。
大問7、今回はこの問題を解説します。

それでは問題を見ていきましょう!


(問題)H27 慶應義塾中等部 大問7

[図1]のようにAB=4cm,AD=8cm,AE=2cmの直方体の辺の上を3つの点が動きます。点Pは長方形ABFEの辺の上をA→B→F→E→A→・・・の順に秒速1cmで、点Qは長方形ADHEの辺の上をE→H→D→A→E→・・・の順に秒速2cmで、
点Rは長方形DCGHの辺の上をD→C→G→H→D→・・・の順に秒速0.5cmで動きます。点P,Q,Rが同時にそれぞれ点A,E,Dを出発するとき、次の□に適当な数を入れなさい。

keiouchutou2015m1.jpg

(1)点Pと点Qが2回目に出会うのは出発してからkeiouchutou2015m2.jpg秒後です。

(2)3つの点が初めて同じ辺の上に並ぶのは出発してから□秒後です。


[解説]
(1)点PとQは辺AE上で出会います。
それぞれの点が辺AE上に何秒後から何秒後までいるのか、周期性に注意して調べてみると

点Pは(4+2+4+2)÷1=12秒で1周、点Qは(8+2+8+2)÷2=10秒で1周
12と10の最小公倍数は60なので、60秒後に最初の状態に戻ります。

60秒後までにおいて辺AE上にいる時間は
P(E⇒A):10-12,22-24,34-36,46-48,58-60
Q(A⇒E):9-10,19-20,29-30,39-40,49-50,59-60

同時に辺AE上に存在した期間は赤と青の部分で、二回目の出会いは青の部分ですね。
赤の部分ではEで出会っています。

59秒後に点PはEAの中点にいるから…と考えてもできますが
60秒後の状態(スタートと同じ状態)から逆再生させると、点PがAからEへ、点QがEからAへと動くので
2÷(1+2)=2/3秒前と簡単にわかりますね!

60-2/3=59と1/3秒後です。


(2)3つの点が初めて同じ辺の上に並ぶのは辺EH上か辺AD上のどちらかになります。

(i)点Pが点A、点Rが点Dに同時に到達
(ii)点Pが点E、点Rが点Hに同時に到達
の2つのパターンに限定されます。

点Pは1周12秒、点Rは(4+2+4+2)÷0.5=24秒で1周
12と24の最小公倍数は24なので24秒で最初の状態に戻ります。

24秒後までにおいて
(i)のパターン
点Pは点Aに12,24秒、点Rは点Dに24秒に到着するので、24秒後に同時に到達します。
(ii)のパターン
点Pは点Eに10,22秒、点Rは点Hに20秒に到達するので、同時に到達する場合はありません。

PとRは24秒周期で同時に点Aと点Dに到達するので、残りの点Qが
24,48,72…秒後にAD上にあればよいわけです。

点Qが点Dを通るのは5秒後、点Aは9秒後で…とAD上にある時刻全部調べてもよいですが
順に24秒後、48秒後、72秒後…と点Qの位置だけを調べていけば楽ですね!

24秒後は、2×24=48cmで2周と8cm進むのでEH上
48秒後は、2×48=96cmで4周と16cm進むのでAD上

よって48秒後になります。


慶應義塾中等部では難問はありませんが、早く正確に解き高得点をとる必要があるので要領よく解く練習も心がけて華麗に合格しましょう!(畠)
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